それぞれに大切な、2 つの生き方 - 他者と私とアスペルガー症候群

2015「地域で暮らす、を聞く」学習会
2015 年 9 月 5 日 土曜日
(文責 今野:実行委員です)
それぞれに大切な、2 つの生き方
2015「地域で暮らす、を聞く」は 2 本立てです。1 つは、自閉症スペクトラム障害成人当事者として活動している白崎(しらさき)
やよい さんの お話です。もう1つは、自閉症スペクトラム障害当事者で、知的障害当事者でもある赤崎 千鶴(あかさき ちづ
る)さんを主人公にした映画「ちづる」を上映します。ぜひ、ご参加ください。
第1部
白崎やよい さんの話
第2部
映画「ちづる」の上映
白崎やよいさん:1983 年生まれ/女性/公立はこだて未
朝日新聞
来大学卒業/自閉症スペクトラム当事者/障害者雇用で 1
「自閉症の妹を主人公に映画『ちづる』を撮った立教大生
年 2 ヶ月就労経験あり/自閉症スペクトラム障害成人当事
赤崎
者の会「よせなべ」代表
朝刊掲載
「ひと」より
正和(あかさき まさかず)さん(23)」
2歳下の妹ちーちゃんのことはバレちゃいけない。重度
※母である花代さんとの共著で
『アスペルガーだからこそ私は私
2011 年 1 月 24 日
の自閉症で人とうまく意志疎通がとれないし、こだわりも
発達障害の娘と定型発
強いから。家に友達は呼べず、勇気を出して打ち明けても、
達の母の気づきの日々』を生活書院 社 より 9 月に刊行予定
相手から「聞いてゴメン」。何で自分だけこんな家族に・・・。
立教大で映像制作を学び、卒業制作で障害者差別をテー
8 月 6 日 白崎さんと打ち合わせをしたのは、函館市桔梗
マにと思った。教授に相談すると「妹を撮ったら」。妹のこ
にある「珈琲物語」でした。白崎さんは、23 歳のときにアス
と、言葉では説明できないけど、映像でなら伝えられるか
ペルガー症候群の診断を受け、そこから自己分析を行う中
もしれない。横浜の実家で1年間カメラを回し、大学で今
で、ご家族を含む周囲とのコミュニケーションを再構成して
月上映した。(※ つづきは裏面へ)
はないでしょう。他方、そうしたエピソードと同じくらいに感
服するのは、ご自身の障害のことを中心にして、知ろうとす
ることへの、冷静な取り組みです。自身の感覚と周囲の感
覚とのずれ、人間関係での躓き、それは「なぜなのか」。あ
るいは、自閉症スペクトラムの人たちもまた心強いと実感
する共感のあり方とは? 知ろうとすることへの、尽きること
のないエネルギーが、白崎さんにはあるようです。そう見受
けました。いかがでしょう、お話が聴きたくなりませんか。
ぜひ、ご参加ください。
オススメです !
いった方です。そのプロセスは、文字通り 生易しいもので
映画「ちづる」は、その味わい方の一つは、母親である赤
崎久美さんが著された『ちづる 娘と私の「幸せ」な人生』(新
評社)もまたお読みになることだと思います。ちづるさんは、
じつは、横浜市で生まれ育ちました。主治医は、自閉症療育
の世界では著名な、佐々木正美さんと、向山登紀夫さんでし
た。お二人への尊敬を決して忘れず、同時に ちづるさんが
感受する世界・リアリティに寄り添い続けるお母さんの姿は
感服に値します。それはまた、ちづるさんの存在感の大きさ
を伝えてくれます。いかがでしょう、映画が観たくなりません
か。 ぜひ、ご参加ください。
日時:2015 年 10 月 24 日(土) 9:00~12:00
場所:七飯町 大中山コモン 農事研修室(洋室)
構成:
○第 1 部 白崎やよい さんの話 9:10~10:20
(休憩 10 分)
○第 2 部 映画「ちづる」の上映 10:30~11:50
(アンケート記入 10 分) ※ 12:00 終了
自閉症スペクトラム障害成人当事者の会よせなべ
について
白崎さんが代表を務める「自閉症スペクトラム障害成人当事者の会よせなべ」について開設されているブ
ログ(http://asdyosenabe.blog.fc2.com/)やリーフレットを基に紹介します。
○目的・理念:よせなべは、知的障害を持たない自閉症スペクトラム障害の当事者同士が本音で語り合え
る 居場所となるべく設立されました。
「誰にも、何事も強制しない」ことを大原則として活動しています。
○よせなべの絶対の規則:
「無理禁止」という規則だけは、代表から新規参加者、支援者に至るまで、全員
が徹底して守らなければならないルールです。
○会費について:2014 年6月現在、一切の会費はかかりません。 会費は永年無料にしたいですが、適宜
「出資」をお願いする場合があるかもしれません。
○活動場所・時間:毎月1回、メンバーで集まっています。会場は函館市総合福祉センターあいよる 21
です。土曜日の 13 時半~15 時半に開催しています。
○活動内容から:
・第 41 回(2015 年 6 月 21 日)のテーマトークは「障害の受け止め方、アスペルガー症候群についてどう
考えているか」、第 39 回(2015 年 4 月 11 日)のテーマトークは、NHK の記者の方をゲストに迎えて「自閉
症と報道」でした。
・砂時計制度=第 34 回(2014 年 11 月 22 日)より導入。話をしたい人は約 3 分の砂時計の砂を落としな
がら話す。自閉症スペクトラムの人は、好きな話題・興味のある話題などになると話が長くなってしまう
傾向があり、その結果、他の人の話す時間を奪ってしまうこともあるのではないかということで始まりま
した。
※表面・裏面とも、掲載し
た写真は白崎さんが撮影
したものです。語学研修で
オーストラリアへ行った
ときのものだそうです。
(※ 表面よりつづき)
ちーちゃんが「ユニクロ行く」と駄々をこね、お金を勝手に抜き取ったシーン。怒った母久美さん(50)と取
っ組み合いに。ごく日常の風景だったが、レンズ越しに「これを他人に見せるのか」と涙があふれた。
5 年前に父正幸さんを交通事故で失い、家族は 3 人。卒業後の進路に悩んで、就職活動が手につかない。心配
する久美さんと口論になった。
「私がいなくなったら、ちーちゃんみるのあんたなんだから。君の運命だから」
「気
にしないで好きにやればいいって言ったじゃん」。寝室からそっと出てきたちーちゃん。ニコニコしながら聞いて
いた。
撮りながら、妹を「こういう人」と呼ぶ自分に気づいた。差別を何より憎みながら、自分もまた差別している。
撮ることは、心の奥深くで自らと向き合うことだった。「僕も、妹との関係も変わった」。春からは都内の知的障
害者施設で働く。 文・川上裕央
写真・橋本 弦(※
ここでは、赤崎 正和さんの写真は掲載しませんでした)
©2011「ちづる」上映委員会
©2011「ちづる」上映委員会
©2011「ちづる」上映委員会
【参加の仕方について】 参加費用はかかりませんが、ご希望される方には整理券をさしあげます。当日はそれをも
ってご来場ください。 ※ 問い合わせ先: 実行委員 今野 稔久 ([email protected]