警寺院の活性化に向けて「

おわりに
今号の﹃宗報﹄に掲載しています
﹁シリーズお寺はかわる最終回
l
﹁寺院の活性化対策﹂の一環として、
教学伝道研究センターと寺院活性化
推進部が連携して進めてきた企画で
す
。
二O O八年七月号の﹁宗報﹄より
掲載してきました本シリーズでは、
十一カ寺のお寺からお話を伺いまし
た。また、本シリーズの前身として
発刊された宗派内刊行物﹃寺院活動
事例集お寺はかわる﹄も合わせま
すと、三十カ寺ほどの寺院関係者か
お寺はかわる﹂では、何を目指して
ご協力いただき、まことにありがと
には、ご多用中にもかかわらず快く
︵ながおかがくちょう︶
らお話を伺ってきたことになりま
いたのか、そして、今後どのような
うございました。
す。お話を伺った寺院関係者の皆様
方向を目指すのかということについ
て少し記しておきたいと思います。
寺院の活性化に向けて
指して、全国各地のお寺におけるさ
シリーズの経緯
﹁シリーズお寺はかわる﹂は、宗
この企画では、寺院の活性化を目
このシリーズはいったんの終了とな
まざまな取り組みを紹介、その情報
︿人生の節目節目にとをもちまして、
長岡岳澄
ー寺院の活性化に向けて
れからのお寺
クローズア γブ−サンヂ
.
﹁シリーズお寺はかわる﹂の
」e
門 長 期 振 興 計 画 の ︻重点項目︼③
9
・
ヲ
、
ります。そこで、この﹁シリーズ
ー
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新たな始まり
クローズアップ・サンガ
来ならば、もっと数多くの事例を紹
え、今号まで連載してきました。本
組みを紹介していく必要があると考
るためには、可能な限り多様な取り
寺にとって活用可能な事例紹介とす
況も異なるからです。それぞれのお
史・文化があり、また、置かれた状
ん。各地のお寺には、それぞれの歴
てのお寺に当てはまるとは限りませ
組みがあったとしても、それがすべ
しかし、何か一つの効果的な取り
的としてありました。
を役立てていただくことが第一の目
をなんとか見出していこうとするも
いくつかの重要な要素があり、それ
れます。しかし、そうしたなかにも、
方向性があってしかるべきだと思わ
それぞれの寺院に応じたさまざまな
向かっていくというものではなく、
何か一つの寺院像があって、そこに
向性についても、活動事例と同様に
ていこうとするものです。寺院の方
探り、今後の方向性について研究し
院にとっての重要な要素とは何かを
聞き取り、現状の把握を通して、寺
究所の研究事業として、寺院からの
がありました。これは、教学伝道研
は、お寺の中だけに留まるのではな
はあるのです。さらに、その繋がり
か れ て い ま す。 人 の 繋が り が そ こ に
え、また、門信徒同士の繋がりが築
うに門信徒の方が集まり、活動を支
りには、その住職の思いに応えるよ
て、このような思いをもっ住職の周
えかけるものを感じさせます。そし
ちがありますが、そこには他者に訴
ついてであったりとさまざまなかた
ものへの思いであったり、ご法義に
わってきます。それは活動内容その
の熱い思いが聞いている私たちに伝
院の住職方にお話を伺うと、必ずそ
てえ
いて
すこ
まい
。う
と
し
ミ
つ
また、第二の目的として、これか
院 活 動 の 中心 と な る 方 の 思 い 、 信入念
とも思われるでしょうが、住職や寺
とがあります。まずは当然のことだ
も重要なものであると考えられま
一つであり、今後の方向性にとって
現在の寺院にとっての重要な要素の
域社会への貢献、こういった要素が
意
みいだ
介する必要があり、まだまだ十分と
のです。
これについてもまだ研究を継続し
ていく必要がありますが、これまで
さを
せ支
く、地域社会へと広がっていき、地
は言えませんが、それでも幾ばくか
は役立つ情報を提供できたのではな
いかと思います。
えの
住職の思い、門信徒の繋がり、地
をそ
で す。 積 極的 な 活 動 を さ れ て い る 寺
の調査からもいくつか見えてきたこ
芽めの
生ばも
らの寺院の方向性を探っていくこと
寺院の方向性
識域
10
新たな始まり
す。今後は、さらなる要素を探り出
すとともに、住職の思いや発想の転
社会の愛化のなかで
﹁シリーズお寺はかわる﹂は終了
換はどこから生じてくるのか、門信
徒同士はどのように繋がっていくの
しますが、寺院の現場の把握を通し
の実態を直視し、そこから今後の過
疎地寺院の方向性を探っていければ
と思っています。
する作業は、皆様のご協力のうえに
のような思いのうえに寺院は支えら
現在、お寺が抱える問題にもさま
成り立つものです。今後ともご協力
ていこうとする調査・研究は継続し
ざまなものがありますが、特に非常
のほどよろしくお願い申し上げま
れ、門信徒の方々や地域の人々とと
に厳しい現実として過疎が挙げられ
︵教学伝道研究センター研究員︶
す。
ていきます。前述のように、より具
主
な
ら悩
もにあります。過疎の問題に限らず、
か、お寺と地域社会の関わりにはど
が
.
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;
:
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あ品
り ざ
ま
体的な研究を進めていくとともに、
て、これからの寺院の方向性を探っ
み
そ
は
寺院の現場の把握を通して、これか
のようなかたちが可能なのかといっ
た具体的な研究が望まれます。
ぴ!、
喜
現在、お寺が抱える問題について取
し現
らの寺院の方向性を探っていこうと
て場
り組んでいく予定です。
藤5
寺
院
その
ます。宗門寺院の多くは農山漁業地
帯に位置し、人口流出が続くなかで、
過疎はかねてより重要な問題として
取り上げられてきました。しかし、
高齢化と相まって今日いよいよ過疎
は深刻化し、寺院の維持も困難とな
っている地域が多々見られます。
厳しい現実ではありますが、過疎
1
1
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葛士
.
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