歯ぎしり・くいしばりで 何が起きるか!

医療法人 社団 光医会
たかなし歯科
横浜市旭区鶴ヶ峰本町2-45-9
TEL953-8100
http://www.kouikai.or.jp
歯ぎしり・くいしばりで
何が起きるか!
自分の家族を診るように
しっかり入れたはずの詰め物が短時間で取れたり、丈夫に作って、「もうこれでしばらく大丈夫」と思っていたかぶせ物が数年で壊れたり、さらには歯根が折れて抜歯になって
しまうなど、思いがけないトラブルを繰り返し、来院なさるかたがいます。
原因の多くは、歯に加わる「過剰な力」です。人生のつらい時期や仕事に追われたとき、そのストレスを発散するため無意識に歯ぎしりやくいしばりをしています。その力が歯を
傷め、患者さんを苦しめていたのです。
「過剰な力」によるトラブルは、「丈夫な治療をして防ぐべきものだ」と以前は考えられていました。しかし今では、ストレスによって起こる過剰な力を減らさない限り、どんな丈夫な
治療も対症療法にすぎず、根本的な解決は望めないことが知られています。奥歯の力は60kg以上ともいわれますが、この力で連日ギリギリと揺さぶられては、健康な歯だって
耐えられません。歯科医師による適切で十分な治療は大前提としても、これだけで歯を守ることはできません。
現代のストレス社会のなか、歯ぎしり・くいしばりは、頻度と程度に差こそあれ、誰もがしていると思ってよいでしょう。歯ぎしりやくいしばりが、いかに大きな問題なのかを数回に
分けてご説明いたします。 参照 :nico 2009年11月号( クインテッセンス出版株式会社)
ストレスを受ける→歯ぎしりで発散→歯に強い力がかかる→歯周病など歯のトラブルが起きる→治療しても強いストレスを受けると再発する。
ストレスを受ける→歯ぎしりしない→代償行為(暴飲暴食、不機嫌、など)→体調不良が発生する。 ので歯ぎしりが全て悪いわけではありません。
人間も動物です。ストレスの起源は、外敵からの自己防衛反応で本来、牙で戦うことがストレスの発散でした。動物の歯は食事をすりつぶすより戦う牙の役割が強いです。
小さい子供は噛みますが人を噛んではいけないと教育され、噛まないように理性で抑えています。ストレスを受けると睡眠中に理性が消え、噛む事の代わりに『くいしばる』こと
が起きるのではと考えられます。ストレスが限界を超えて歯ぎしりに出る方は、うまく付き合う方法を探すのがよいと思います。たかなし歯科では状況にあった治療で対応しま
過剰な力で歯はすり減る
強い力でこすり合わせ続けると、歯
が磨耗して減っていきます。徐々に
歯は削れて平らになり、エナメル質
が失われてついには象牙質が剥き
出しに なっ てしみ るように も なりま
す。象牙質はエナメル質よりも軟ら
かいためさらに磨耗しやすく、酸に
弱いためむし歯にもなりやすい状態
です。また、歯が平らになると、上下
の歯の本来の噛み合わせの位置が
わからなくなり噛み合わせがずれや
すくなります。
過剰な力で歯槽骨が失われる
過剰な力でエナメル質は傷んでくさび状に欠けてしまう。
強い力が歯にかかり続けるとエナメル質に細
かいヒビが入ります。やがてヒビが拡がり、エ
ナメル質はポロポロと剥がれ落ちます。ここを
歯ブラシでゴシゴシとみがくと、磨耗のためにエ
ナメル質がさらに削れて失われ、力が集中して
かかる歯の根元がくさび形に欠けた状態(くさ
び形欠損)になります。するとエナメル質にくら
べ軟らかく酸に弱い象牙質が剥き出しになり、
しみやすく、汚れが溜まり虫歯になることもあり
ます。
過剰な力で銀歯が取れる。過剰な力で歯根が割れる
大きく失われた歯槽骨↓
せっかく治療の終わったかぶせ物が取れたり壊れたりします。また
は、かぶせ物を支えている支台ごと、はずれてしまうこともありま
す。せっかく終わった治療がやり直しになってしまうことはもちろ
ん、残っている大切な歯根にダメージを与えてしまうと、次の治療
に不利になってしまいます。歯ぎしり・くいしばりを減らさない限
りいたちごっこです。
細菌による炎症がなくても、過剰な力が
かかると歯槽骨がジワジワと失われてい
きます。これに細菌による炎症も加わる
と、歯周炎は悪化しやすくなってしまいま
す。また、歯周炎になっている患者さんの
場合、歯石を取り細菌を減らす治療をし
ても、過剰な力がかかっているために歯
槽骨がダメージを受け、思うように治療が
進みません。
強い力に耐え切れず、歯根が割れてしまうことがありま
す。こうしたとき、ほとんどの場合が抜歯となり、歯を失
うことになってしまいます。大きなむし歯の治療のために
神経を取ってある歯は、健康な歯にくらべると弱く割れや
すいので要注意です。しかし、上の写真のように健康な歯
でも非常に強い力がかかり続けると割れてしまうことがあ
ります。過剰な力は、歯を失う大きな原因となっていま
す。
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