DENSO Le Beausset RC350が スーパー耐久でデビューウィンを達成! スーパー耐久 第3戦 7月4日(土) 〜7月5日(日) 富士スピードウエイ 4.563km ル・ボーセモータースポーツが、今年新たに挑むこととなったスーパー耐久シリーズ。そのスー パー耐久とは、市販車によって争われる耐久レースで、スーパーGTほど大掛かりな改造が許され ていない。エンジンは原則としてノーマル、シャシーなどレイアウトの変更は不可能である一方で、 パーツ選択に関してはレギュレーション内であれば交換が可能と自由度も高く、市販車両を耐久 レースという厳しい環境の中で開発できることも特徴となっている。 出場するのは、2001〜3500ccの二輪駆動車を対象とするST-3クラスで、国内初参戦となるレク サスRC350を投入。ドライバーとして起用されるのは昨年までスーパーフォーミュラをともに戦った 嵯峨宏紀に加え、中山雄一、山下健太といった、ル・ボーセモータースポーツで育ち、ステップアッ プしていった若き精鋭たち。さらに今回は経験豊富なベテラン、新田守男も招聘して万全の体制で 挑む。 初戦となるシリーズ第3戦、富士スピードウェイ(静岡県)で7月4日(土)〜5日に行われるSUPER TECは、かねてから長丁場のレースとして知られてきたが、今年から1時間増の8時間レースとな り、より過酷さを増すことになった。強力なライバルも多く、楽な戦いが許されないのは明確だが、 総力を尽くしてDENSO Le Beausset RC350は優勝を目指す。 予選 7月4日(土) 天候/曇りのり雨 コース状況/ドライ~ ウエット 今回がデビュー戦となることもあって、チームはレースウィーク早々にサーキ ット入りして、DENSO Le Beausset RC350を走らせ、セットアップを入念に進め ていた。梅雨時とあって、テストは雨に見舞われることが多く、なかなかドライ コンディションで走らせることはできなかったものの、条件はすべてに一緒。一 方でウェットセッティングは次第に進んでいく。 最終調整となる金曜日の専有走行も、1時間ずつ3セッション行われたが、 すべてウェットコンディションだったものの、セッション1は山下、中山の順で走 行し、2分8秒442でトップ、セッション2は中山、山下の順で走行し、5秒827で2 番手に。そして、新田、嵯峨の順で走行したセッション3では6秒112で2番手と 変化するコンディションごと好タイムを記して、本戦に期待を抱かせた。 土曜日の午前にはフリー走行が行われ、ここでようやくセミウェット状態なが ら、雨の降らない中で周回を重ねていくことができた。新田、嵯峨の順でロン グをかけて、むしろ予選よりも決勝レースに備えることに。トップには遅れたも のの1分55秒448で4番手となり、上々の手応えを得られることとなった。 そして、いよいよ迎えた予選は、Aドライバーセッションの開始直前までは路 面がほぼ乾いており、うっすら霧には覆われていたが、ドライタイヤを装着し ての走行になる。ここでDENSO Le Beausset RC350をドライブしたのは嵯峨。 MARUSAN いつ雨が降り出してもおかしくない状況でもあっただけに、早い段階からタイ ヤに熱を入れてアタックモードに突入する。1分57秒台を相次いで記録した頃 から、懸念された雨が降り始める。56秒733を嵯峨は記すも、それ以降は路面 がどんどん濡れて、もはやタイムアップを許されぬ状況に。まずは5番手でセ ッションを終えることに。 続いて行われたBドライバーのセッションに挑んだのは新田。雨はいったん やんでいたが、路面はやはりウェットタイヤを履くほど濡れてはおらず、かとい って最適な状況でもなかったもののドライタイヤでアタックすることとなった。予 想外だったのは、雨がすぐ降り出したこと。タイヤを十分に温め切れない中、 新田は果敢にコースを攻め立てたが、1分57秒011で6番手に。 それでも合算タイムでは5番手につけ、DENSO Le Beausset RC350同様、今 回がデビューとなったRC350勢の中では最上位に。また、続くCドライバーのセ ッション、Dドライバーのセッションはグリッド決定要素にはならないものの、中 山が2分4秒307で、山下が5秒498で、いずれもトップにつけることとなった。全 員が好タイムを刻めるのは、ライバルにとって少なからず脅威に映っていたに 違いない。 決勝 7月5日(日) 天候/曇り時々雨 コース状況/ウエット 一時ドライ 8時間レースとあって、決勝のスタートは10時。普段は早朝に設けられるフリ ー走行も今回はなく、グリッドウォークも含んだスタート進行が8時55分に開始 された。路面は濡れているが、今度はドライタイヤを履くまでではなかった上 に、舞うように降る小雨がコンディションを保っていたようでさえあった。何より 富士スピードウェイのある小山町には洪水警報が出されており、いずれ雨が また強く降り出すのは明らか。そこでウェットタイヤがDENSO Le Beausset RC 350には装着された。スタートを担当するのは嵯峨。 決勝レースはセーフティカースタートで開始された。ポジションキープから始 まり、5周目には1台を抜いて4番手に浮上。21周目には別なクルマの先行を 許すが、その頃には雨もやんで路面が予想外に乾いてきたこともあり、間もな く1時間目となる23周目に最初のピットストップを行う。嵯峨から新田に代わる とともに、ここで早くもドライタイヤを投入する。その選択は成功で、やがて新 田は3番手に躍り出ることとなった。その後、ピットタイミングの違いのみならず 自力で1台を抜いてトップに立ったのは70周目。次の周には中山にバトンを託 すこととなった。 再び4番手を走ることとなったが、前の3台は同一周回の上に、燃費では DENSO Le Beausset RC350が優っていることが明らかに。ライバルがピットに 入りレインタイヤに交換する間、中山は濡れた路面でもドライタイヤでトップを 走行し、差は縮まっていたものの、視界不良のため3時間目をまたいで20分以 上も行われたセーフティカーランは、その短縮を長引かせることとなった。94 周目にトップを譲った後、4番手にやがて退くも、トップグループのしんがりに はしっかりつけていた格好。 DENSO Le Beausset RC350が再びトップに立ったのは、114周目だった。5時 間目を間もなくというところで出火した車両があり、オイル処理のため再びセ MARUSAN ーフティカーがコースに入るが、すでに燃費走行に入っていたため、あえてこ れを利用せず。予定どおり126周目に山下と交代したのは、ちょうどSCランが 終わった直後。再び4番手となるが、それぞれが有視界走行でこの日のチーム のベストタイムを刻む走りとなっていた。山下はトップのIS350がピットに入った 156周目に、代わってその座に就くこととなるが、ただし1台も抜かずに。間を走 る2台がいずれもペナルティを科せられ、後退していたからだ。 秒単位でペースの異なるIS350に166周目、また抜かれたのはやむを得まい。 それでも177周目に、再び新田が乗り込んだ後も2番手はキープ。それから5周 後、トップのIS350がピットに入るが、様子がおかしい。フロントバンパーを損傷 し、オフィシャルから修理を命じられていたのだ。これでDENSO Le Beausset RC350はトップに返り咲き、いったん抜かれた車両がピットに戻ると、またしても トップに立つこととなる。ライバルは義務づけられた4回のピットストップを諦め、 5回としていたため得られたポジション、そしてマージンではあるが、残り時間 はあと1時間近く。果たしてピットに戻らず、走り続けられるのか。そんな心配 の最中、IS350はピット作業違反のペナルティとして、ドライビングスルーを行う ことに。その時点でギャップは1分20秒。いくら追い上げて来ようとも、届かない と思われた。 ところが、そのIS350が迫ってきた。213周目に2番手に上がり、1周数秒ずつ 新田との差も詰めてくる。アクセルを踏み込めば楽になるのは明らかだったが チェッカー優先のスーパー耐久においては、最も多く周回しても途中で止まっ てしまってもリタイア扱いとなる。我慢を強いられる中、ついに差が10秒を切っ たのは223周目。万事休すと思われたものの、IS350は次の周、ピットに戻って くる。エースドライバーの走行時間が規定を超えたため、交代せざるを得なか ったのだ。そして、チェッカーが振られるまでの3周はビクトリーランとなった。 最終ラップに「ガクン」と一瞬、息尽き状態を起こしたが、そこは第3セクター。 難なくフィニッシュを果たし、「DENSO Le Beausset RC350」はみごとデビューウ ィンを達成した。次回のレースはオートポリスを舞台に、8月1〜2日に開催され る。戦術の駆使、そしてドライバーの技量によって幸運な勝利を得たが、まだ デビューしたばかりのマシンは発展途上。いち早く仕立て上げて、スピードでも ライバルと勝負できるよう挑む。 MARUSAN チーム監督 坪松唯夫 Tadao Tsubomatsu COMMENT Driver 嵯峨宏紀 koki Sagaw COMMENT Driver 新田守男 Morio Nitta COMMENT Driver 中山雄一 Yuichi Nakayama COMMENT Driver 山下健太 Kenta Yamashita COMMENT レクサスRC350のデビューレースで勝てたことはとても嬉しく思います。ポテンシャルが 高いRC350ですが、現時点ではセッティングや重量の問題でライバルと同等の土俵に 上がれてないと感じています。その中で、ドライバー4人がそれぞれのパートを完璧にこ なし、ピットでクルマを待ち受けるスタッフが、素早いピット作業でコースに戻せたことが 勝利に繋がったと思います。チーム全員が勝てる、勝つんだという意識を強く感じた最 後の1時間でした。最高のゴールを演出してくれたドライバー4名には感謝です。本来は 前戦の菅生大会でデビューする予定でしたRC350ですが、様々な状況から走ることが 許されず悔しい思いもしましたが、ご協力頂いた関係者の皆様とスポンサー様に勝利を 届けられたことが何より嬉しく思います。 本当にギリギリでした。義務づけられた4回のピットストップだけ、5スティントで戦おうと 決めたので、途中から燃費走行に切り替えたんです。ペース的に違い過ぎて、コース上 で戦えないので、戦力と知力の部分で戦おうと。それでチームの総力を結集して、こうい う結果につながったので本当に嬉しいし、レクサスRC350としてもデビュー戦だったので 本当に今は嬉しいという言葉以外ないですね。本当に最高のチームで戦えたので、幸 せだなぁと思います。 まぁ、気を遣いました、久々に! 僕らはあんまりペースが良くなかったから、燃費で有 利に進めるしか手がなかったので。でも、みんなコンディションの悪い状況でもミスなく 走ってくれたから、最後もし僕がガス欠しちゃって終わっちゃったら! なのに、監督が 無線で『後ろから何秒、何秒』って言うから、もう行かないと……。でも行っちゃうと〜って いう感じで、葛藤がずっと続きました。最終ラップのセクター3でガス欠症状出たから、本 当にギリというか。ただ、パフォーマンスは僕らのマシンは正直足りていなくて、もっと速 くしなきゃいけないけど、みんなが本当にミスなく走れたから、それが今回のデビューウ ィンにつながったんじゃないかな。良かった、本当に嬉しいです。 最後はすごく劇的で、ピットの空気が一瞬、止まりましたが、無事にゴールできて良かっ たです。自分のスティントは雨が降っていてスリックタイヤだったのですが、練習から雨 が降っている方が調子が良かったので、かえってまわりよりいいペースで走れて楽しか ったです。去年もIPSで(ST-1クラスを)勝っていますが、新しいチームで、新規参入のク ルマで、いきなり結果が残せたのが嬉しいですし、このメンバーに加えてもらえたのも良 かったと思います。 すごいレースでしたね、僕の時は普通だったのですけど、ちょっと雨は降ったりしました が、そんなに難しくはなかったですね。今回は走っているより見ている方が大変でした。 様々なシュチュエーションでの走行を経験できて、その中で速く走ることもできたのは自 分でも満足しています。クルマともどもS耐のデビュー戦で勝てたことはとても嬉しいで す。 スーパー耐久 第3戦 ST-3クラスレース結果 順 位 車 番 ドライバー 1 62 2 14 車 名 予選順位 嵯峨宏紀/新田守男/中山雄一/山下健太 DENSO Le Beausset RC350 5 山﨑学/小松一臣/増田芳信/杉林健一 岡部自動車KYOSHINマイカーズZ34 3 3 15 長島正明/田中徹/田中哲也/今村大輔 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34 2 4 195 安宅光徳/小泉和寛/輿水敏明/島澤隆彦 岡部自動車ZEROSUN195Z34 4 シリーズポイントランキング 順 位 車 番 エントラント ポイント 1 34 TECHNO FIRST 51 2 15 OKABE JIDOSHA motorsports 46 3 14 OKABE JIDOSHA motorsports 40.5 5 62 Le Beausset Motorsports 30 MARUSAN
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