朝日村新庁舎建設基本計画(案)

朝日村新庁舎建設基本計画(案)
平成 27 年
月
朝日村新庁舎建設委員会
朝日村新庁舎建設基本計画
目次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
基本計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第1章 庁舎の現状と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1 庁舎の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
2 現庁舎の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
耐震性の欠如
災害の観点からみた庁舎の課題
施設・設備の老朽化
村民サービスの課題
事務効率の課題
ユニバーサルデザインに対する課題
第2章 新庁舎の整備方針
1 新庁舎の必要性について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
2 新庁舎の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(1)村民の安全、安心な暮らしを守る災害に強い拠点となる庁舎・・・・6
(2)村民サービスの優れた庁舎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(3)エコロジーの観点を取り入れた地球環境に優しい庁舎・・・・・・・6
(4)事務効率の向上、高度情報化に対応した庁舎・・・・・・・・・・・6
(5)村民に親しまれる、村のシンボルとしての庁舎・・・・・・・・・・6
3 新庁舎に求められる機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
(1)防災拠点機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
(2)窓口機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
(3)執務機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
(4)議会機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
(5)駐車場機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(6)環境との共生機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(7)村民交流施設機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
4 新庁舎の規模・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(1)基本指標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(2)新庁舎への配置予定の組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
(3)新庁舎の規模・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
5 新庁舎の位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(1)地方自治法の規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(2)庁舎建設地の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(3)新庁舎建設場所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
6 新庁舎の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
7 新庁舎建設事業費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
8 建設のスケジュール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
参考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
2
はじめに
朝日村庁舎は昭和11年建築、建築から79年が経過する、長野県内で最も古い庁
舎です。平成19年に庁舎建設計画が進みましたが、財政健全化を最優先するため、
建設を保留しました。
しかし、既に79年が経過する木造建築物で、老朽化、耐震性に課題があり、平成
23年の東日本大震災、長野県北部地震のような大規模災害への対応を考えると、い
つまでも現状のままにしておくわけにいかない状況です。そこで、財政状況も庁舎に
取り組める良好な状態まで改善したことから、今後の庁舎のあり方について研究・検
討を始めました。
本計画は、これまでの新庁舎建設をめぐる検討を踏まえて、本村が目指す庁舎像を
明らかにし、新庁舎建設の指針となる基本的な考え方を示すものであり、今後の基
本・実施計画において、より詳細な検討・設計を行う際の指針となるものです。
これまでの経過
(1)庁舎研究検討委員会
平成23年10月、各地区から庁舎の今後の在り方について、委員を選出いただき、
庁舎研究検討委員会を開始しました。委員は会議内容を、地区に持ち帰り、地区内で
協議し、意見をまとめていただきました。その結果、庁舎研究検討委員会では、今後
の庁舎のあり方について、新庁舎建設という方向で進む事が確認され、引き続き、庁
舎研究検討委員会にて「朝日村新庁舎基本構想」を策定いたしました。
(2)新庁舎建設委員会
平成25年7月、新庁舎基本構想をより具体的に検討するため、学識経験者、各種
団体役員・委員等で構成する朝日村新庁舎建設委員会が設置されました。
建設委員会では、新庁舎に関する場所、規模、予算等、新庁舎の建設にかかる基本
的計画の策定を実施しています。
○基本計画の位置づけ
本計画は、基本構想で掲げた、庁舎建設の課題、基本方針、機能などを実現するた
め、より具体的に新庁舎建設にあたっての課題や整備方針の検討を行うものです。
●新庁舎検討過程
朝日村新庁舎建設基本構想
朝日村役場庁舎建設基本計画
基本設計・実施設計
建設工事
新庁舎完成・移転
3
【第1章】庁舎の現状と問題点
1 庁舎の現状
(1)現庁舎の位置及び規模
位置
朝日村大字小野沢296-5
建築年
昭和11年
構造
木造2階建て
庁舎延床 面積 約855㎡(小野沢本庁舎のみ)
庁舎敷地面積
約1,260㎡
砂利駐車場面積 約1,880㎡(公用車車庫8台分 駐車スペース約65台)
職員数
31名(本庁舎勤務者のみ)
2
現庁舎の課題
現庁舎は、昭和11年に建築され、増改築、改修を行い、現在に至っていますが、
次のような課題を抱えています。
耐震性の欠如
①現在の庁舎は、昭和11年の建設で長野県内市町村の庁舎で最も古い庁舎。
建設後79年経過し、建物・設備ともに老朽化が進んでいる。
庁舎は、旧建築基準法制定前の建物であるため耐震診断を見送っている。
災害の観点からみた
庁舎の課題
①朝日村の位置する松本盆地は、糸魚川静岡構造線断層帯に牛伏寺断層があり、30年以
内に地震が起きる確率が全国でも突出して高いとされている。朝日村でも震度6強が予
想され、村の防災対策上、災害に強い庁舎が求められる。東日本大震災、県北部地震
のような大地震発生の際、現庁舎の耐震性については明確ではありませんが、災害発
生時、復旧、復興に関わる機能は現庁舎にあり、指揮命令系統が機能するか不安を抱
えている。
②住民基本台帳・税金といった個人情報財産は、民間のデータセンターへ預けているた
め安全ですが、利用できる職員が被災し、使えなくなる恐れがある。
③倒壊した場合、来庁者及び職員の安全の確保が難しく、庁舎倒壊による近隣住宅、歩
行者、道路への被害も予想される。
施設・設備の老朽化
④耐震性だけでなく、建物・設備の修繕も必要となっている。今後利用し続けるには、
修繕必要箇所は多くあり、多額の費用が必要となる。
村民サービスの課題
①庁舎前に駐車スペースがなく、雨や雪の日など離れた駐車場から歩いて庁舎まで来る
必要があり、利用する皆様に大変不便をかけている。行政の窓口サービスは、一度で
用が済むワンストップサービスが望ましいとされているが、現在は、窓口がいくつか
の施設に分かれているため、要件がまたがる場合は施設間の移動も有り、利便性がよ
いとはいえない。
②庁舎窓口は、オープンな間取りとなっている反面、プライバシーに配慮されていると
はいえない。(相談スペースがない、入りにくい)
③実質分庁方式となっており、要件がまたがる場合は、施設間の移動となる。
事務効率の課題
①限られた職員数の中では、同じフロア内で仕事をすることにより、事務効率があがる
が、現状スペースでは分散せざるをえない状況。
②急速に情報化が進んだが、昭和11年建築の建物であり、電源、LAN配線など床上に
剥き出しの配線となっており、今後のシステム整備が難しい状況。
③倉庫、会議室スペースが慢性的に不足しているため、事務効率が悪い。
4
④耐震性、スペース的な問題もあり、定例議会や選挙の期日前投票は既にマルチメディ
アセンターにて行っている。他施設で会議を行うことも多く、事務効率が悪い。
ユニバーサルデザイ
①トイレが庁舎内になく、屋外公衆トイレを利用。
ンに対する課題
②2階への階段は急勾配でかつ危険であるため、身体障がい者、高齢者の方にとって庁
舎内での移動は容易ではない。全ての人にとって安全・安心で利用しやすい庁舎機能
が求められているが現庁舎では難しい状況。
※ユニバーサルデザイン
文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障がい・能力の如何を問わず、利用す
ることができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。
5
【第2章】新庁舎の整備方針
1 新庁舎の必要性について
現庁舎は、老朽化、耐震性に問題があり、大地震が発生した際には、倒壊や崩壊の
おそれがあります。災害時に、防災拠点、村民のよりどころとなるべき施設であるべ
きですが、現状では役割を担うことができない状況です。
現庁舎建設以来、長い年月が経っており、幾度か改修工事を行い、時代に即した対
応をしてきましたが、反面、村民サービスの面では、事務の分散、スペースの不足に
よるバリアフリーへの未対応など、不便な施設となっています。
村づくりの拠点となる庁舎について、上記の課題を解決するため、次に掲げる事項
を踏まえ、新庁舎整備について計画していく必要があります。
2 新庁舎の基本的な考え方
(1)村民の安心、安全な暮らしを守る災害に強い拠点となる庁舎
村民の安心、安全な暮らしを実現するため、耐震性、耐火性に優れ、地震、水害等
各種の災害に強く、有事の際に最も頼りになる防災拠点としての防災センター機能を
備えた施設とします。
(2)村民サービスの優れた庁舎
庁舎機能をできるだけ集約し、事務のワンストップ行政サービスを図ると共に、開
かれた窓口を目指します。また、現庁舎の課題を解決するため、駐車場は庁舎に隣接
させる、誰にでもわかりやすく、利用しやすいユニバーサルデザインの理念を取り入
れた庁舎とします。プライバシーに配慮された庁舎とします。
(3)エコロジーの観点を取り入れた地球環境にやさしい庁舎
地球環境に配慮し、環境負荷軽減のため、自然、省エネ、新エネルギー設備を積極
的に導入します。また地域材を積極的に活用し、地域のモデルとなるような庁舎とし
ます。
(4)事務効率の向上、高度情報化に対応した庁舎
高度情報化社会に対応した建物構造や設備を取り入れ、将来的な職員数の減にも対
応できるよう、フレキシブルな執務空間の形成を図り、最適な室内環境の維持と省エ
ネ化・省力化を目指します。維持管理費など将来にわたるライフサイクルコストを考
慮した建物の機能、デザインとします。
※ライフサイクルコスト
建物の建設費用だけでなく、企画・設計・施工・運用・維持管理・補修等にいたるまでに
必要なトータルコスト
(5)村民に親しまれる、村のシンボルとしての庁舎
村民が気軽に訪れることができ、開放的で交流が図れるつくりとします。村民の活
動拠点、村のシンボルとなる施設とします。
6
3
新庁舎に求められる機能
庁舎建設の基本的な考え方に沿って、庁舎に求められる機能を次のとおり整理しま
す。
(1) 防災拠点機能
①庁舎は、大地震等の災害時に防災拠点としての役割を果たすもので、構造骨組の
安全性だけでなく、耐震、免震構造など耐震安全性に優れた構造とします。
②災害時における対策本部として情報収集、指令発信機能を確保します。
③電力の途絶対策として自家発電設備を設置します。発電機は、長時間の停電にも
対応可能な容量を確保します。
④災害時応急物資の適正な保管場所の確保を図ります。
⑤災害や緊急時に迅速な救助対応が取れるようヘリポート用地を確保します。
(2)窓口機能
①来庁した方々の利便性を高めるために利用の多いものについては、できるだけ集
約して配置し、ワンストップサービスを目指し、便利な窓口体制とします。
カウンターは、高齢者や障がい者、子ども連れの人など、誰もが利用しやすいロ
ーカウンターを基本とします。
②相談内容や窓口事務に応じてプライバシーの確保が図られるように配慮した配
置計画を行い、相談室等を設けます。
③庁舎内外の案内表示は、来庁者の利便性に配慮した、見やすく、わかりやすいも
のとなるよう、工夫を図ります。
(3)執務機能
①限られたれた職員数で多種多様な事務を効率的に行い、時代の変化や機能の変化
に柔軟に対応できるようオープンフロアとし、床は情報化社会に対応したフリー
アクセスフロアとします。
②打ち合わせスペース等は同フロア内で共用できるように配置し、無駄なスペース
とならないよう配慮します。
③来庁者利用空間と執務空間を明確に区分することで、行政情報の第三者への漏洩
防止や、スムーズな人の流れを作り出します。
④スマートかつ効率のよい事務スペースを実現するため、日常事務に必要な物品を
保管する倉庫や長期書類を保存するための保管スペースを整備します。
※フリーアクセスフロア
基礎となる床と増設した床の間で自由に配線・配管できるよう2重にした床。レイアウト
の変更や機器の増設に対応しやすく、配線を床下に収納できるほか、配線(ケーブル)
の損傷やメンテナンスコストを軽減できる。
(4)議場機能
①議会は、行政と密接な連携を保ちながらもその性格上、独立性の確保がきわめて
重要となります。議場に関しては、占める空間の大きさからも、庁舎全体の計画
にきわめて大きな影響を与えます。議場としての利用日数等を勘案すると、議場
7
としての空間は必ずしも必要ではなく、議会閉会中は会議室として利用できるな
ど複合的な利用パターンを検討していきます。
(5)駐車場機能
①駐車の種類としては①来庁用、②公用車、③職員用などが考えられます。現庁舎
における駐車場の不便さを教訓とし、台数については来庁者の想定を行い、来庁
者用の駐車場については、隣接した場所に想定台数分を確保します。
(6)環境との共生機能
①自然採光・自然通風の積極的活用による照明や冷暖房負荷の低減など、省資源・
省エネルギーに努め、地球環境に与える負荷を軽減します。
②照明や空調などは、省エネルギー対応の設備機器を導入し、維持管理経費の軽減
を図ります。
③太陽光発電装置などの自然エネルギーを活用し、省資源・省エネルギーなどの環
境に配慮した設備機器、システムの導入をします。
(7)村民交流施設機能
①行政情報の公開や観光紹介コーナー等多目的利用に配慮したオープンスペース
を設置します。
②村民が気軽に立ち寄れる施設とし、利便性向上のため、売店等のスペースを設置
します。
4 新庁舎の規模
(1)基本指標
庁舎は長期間の使用となり、人口や行政サービスの変化などによって職員数が変動
することが考えられ、将来の職員数を特定することは困難なことから、次表の基本指
標に基づき庁舎の規模を算定しました。
項
目
基本指標
想定人口(第5次総合計画後期基本計画に基づく平成27年将来人口)
新庁舎に配置する職員数
(保育所を除く事務的臨時職員を含めた職員数)
議員数(村議会議員定数条例に定める議員数)
8
4,583
53人
10人
(2)新庁舎への配置予定の組織
【現在】
本庁舎
【整備後】
課
担当
課
総務課
総務担当
企画財政担当
税務担当
総務課
住民福祉課
住民福祉担当
住民福祉課
産業振興課
農政担当、林務・商工観光
担当、土木・耕地担当
生活環境課
会計課
会計係
産業振興課
担当
総務担当
企画財政担当
税務担当
住民福祉担当
健康づくり担当
生活環境担当
すぐやる係
農政担当、林務・商工観
光担当、土木・耕地担当
会計課
会計係
教育委員会
総務・学校教育・子育て
支援担当・社会教育担当
健康センター
住民福祉課
健康づくり担当
ピュアラインあさひ
生活環境担当
生活環境課
すぐやる係
中央公民館
教育委員会
総務・学校教育・子育て支
援担当・社会教育担当
(3)新庁舎の規模
上記の「(1)基本指標」の「新庁舎に配置する職員数」と「議員数」から総務省
の旧地方債取扱上の留意事項の積算基準、国土交通省新営一般庁舎面積算定基準に基
づく算定により面積を算出しました。また、参考として現状の庁舎、倉庫、各事務室
スペース等を積算した面積も算定しました。
基
準(別紙参照)
庁舎の規模
総務省地方債庁舎起債基準面積
1,564㎡
国土交通省新営一般庁舎面積算定基準
1,490㎡
現状の事務所面積及び倉庫面積
1,566㎡
9
【上記標準面積算定基準対象に含まれずその他必要と考えられる機能の面積算定】
区
分
説
明
等
算出面積
来庁舎相談室
10㎡×3
30㎡
副村長スペース
現在不在
35㎡
倉庫スペース
土木資材等収納
75㎡
永年保存書庫
20㎡
サーバルーム
20㎡
コピー室
10㎡
印刷室
10㎡
交流スペース(ホール)
150㎡
売店スペース
100㎡
防災用品備蓄倉庫
福利厚生スペース
15㎡
男女更衣室・シャワー室
計
35㎡
500㎡
以上の算定結果より総務省地方債庁舎起債基準面積、国土交通省新営一般庁舎面積
算定基準、現状事務室面積にその他必要と考えられる面積をプラスし庁舎の規模は概
ね2,000㎡とします。
ただし、新庁舎の規模について、共有活用できる部分については利用度を高め、可
能な限り費用低減に努めます。
※「建築計画・設計シリーズ庁舎建設」によると、最近のデータでは、職員一人あ
たりの床面積は、25㎡~35㎡程度。(町や村に限ると35㎡〜45㎡)
【駐車場等の必要面積の算定】
①来庁用駐車場
■一般来庁者用駐車場
来庁舎の利便性を考慮し、庁舎付近にまとまりのある配置が必要です。規模につい
ては、「最大滞留量の近似的計算法」(岡田正光)に基づき算定します。
「市・区・町役場の窓口事務施設の調査」
(関龍夫)によると、
「来庁者のうち自動車
による来庁者数の統計値で想定できるが、一般に所轄人口の0.9%前後が窓口部門、
0.6%前後が窓口以外の来庁者数として想定します。」とされています。
これにより、次の算定式により来庁台数を求めます。
来庁台数(台/日)=朝日村人口×人口に対する来庁者の割合×乗用車使用割合
10
・朝日村人口:4,583人
・来庁者割合:0.9%(窓口)、0.6%(窓口以外)
・乗用車使用割合 100%
(窓口)
来庁台数=43台/日(4,583人×0.9%×100%)
(窓口以外)来庁台数=29台/日(4,583人×0.6%×100%)
また、「最大滞留量の近似的計算法」(岡田光正)によると、「必要駐車台数は、利
用総数と平均滞留時間から最大滞留量の算定を行う。」とされています。
これより、次の算定により必要駐車台数を求めます。
「必要駐車台数=最大滞留量」(台/日)=1日当たり来庁台数(台/日)×集中率(α)
・集中率:30%
×平均滞留時間(分)/60」
・窓口部門の平均滞留時間:30分と想定
・窓口部門以外の平均滞留時間60分と想定
(窓口)
必要駐車台数=7台(43台/日×30%×30分/60)
(窓口以外)必要駐車台数=9台(29台/日×30%×60分/60)
よって、一般来庁者駐車場の必要台数は、16台①となります。
■議員用駐車場
議員数10名を計上し、10台②とします。
以上により、来庁者用駐車場の台数は①~②の合計により26台。
1 区画15㎡×26台=390㎡が必要面積となります。
②公用車駐車場(平成27年4月現在)の公用車数は21台(内マイクロバス1台)
面積は上記の来庁者駐車場の積算に用いた一区画の面積である15㎡を用い、20
台×15㎡=300㎡にバスの面積75㎡を加え375㎡とします。
③職員用駐車場
職員数53名×15㎡=795㎡とします。
④通常来場者以外の利用者駐車場
比較的大きな会議、交流スペース利用時、売店利用者用の駐車場を50台とします。
50台×15㎡=750㎡
⑤車いす使用者用駐車場
バリアフリー新法における車いす使用者駐車施設の設置台数の基準では、200台
以下の場合にあっては当該駐車場台数の50分の1を最低限確保するものとされて
います。
76台(①+④)×1/50≒2台③
⑥駐輪場
駐輪場はスペースを10台と想定し、面積については、1台分のスペースを幅0.
8m×奥行き2m=1.6㎡と想定し、10台×1.6㎡=16㎡とします。
以上のことから、庁舎敷地内における駐車場台数及び必要面積を次のように設定し
ます。
11
⑦その他(通路等)
駐車場内外の通路(車路)や歩行者の通路等については約3,400㎡とします。
庁舎敷地内における駐車台数及び必要面積を次のように設定します。
区
分
駐車台数(台)
必要面積(㎡)
① 来庁者駐車場
26
390
② 公用車駐車場
③ 職員駐車場
④大会議利用+交流スペース利用駐車場
+売店利用者駐車場
⑤ 車イス使用者駐車場
小 計
⑥駐輪場
⑦その他(通路等)
合計
21
53
50
375
795
750
2
152
10
―
60
2,370
16
3,400
5,786
5,800
≒
【ヘリポート設置必要面積について】
朝日村新庁舎は、地域の防災拠点としての役割を果たすため、ドクターヘリなどの
救急に対応できるヘリポートの設置を行う必要があり、そのための面積として1,2
25㎡の土地が必要となります。
重篤な症状の方は松本市内の救命救急センター等へ搬送することになりますが、朝
日村からは時間を要するため、ドクターヘリを利用することで救急患者のいる救急現
場に医師・看護師を素早く送り届け、すぐさま救命処置を開始し、適切な医療機関へ
の迅速な搬送が可能になります。また、救急患者への適切な治療がいち早く行われる
ことにより、救命率の向上や後遺症軽減が見込まれます。
【緑地面積の算定】
緑化面積については、「官庁施設の基本的性能規準」に定める性能の水準を満たす
ための標準的手法及びその他の技術的事項を定めた建築設計基準において、緑化面積
の敷地面積に対する割合は、20%以上とすることが定められています。
新庁舎必要敷地面積
上記の算定結果から、新庁舎に必要な敷地面積は、概ね9,800㎡とします。な
お、新庁舎延べ床面積は概ね2,000㎡を限度としていますが、2階建て程度の庁
舎建設としますので、敷地面積の算定には、新庁舎本体の建築面積を概ね1,200
㎡とします。
12
規模面積一覧
項
目
面積等
①新庁舎本体 (延床面積2,000㎡)
1,200
②駐車場
5,800
③ヘリポート
1,225
④緑地
1,500
小計
9,725
≒約9,800
5 新庁舎の位置
(1)地方自治法の規定
庁舎の位置については、地方自治法により下記のとおり定められております。
○地方自治法(抜粋)
(地方公共団体の事務所の設定又は変更)
第4条 地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとすると
きは、条例でこれを定めなければならない。
2 前項の事務所の位置を定め又はこれを変更するに当たっては、村民の利用に最
も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払
わなければならない。
(2)庁舎建設地の基本的な考え方
庁舎の建設候補地については、行政事務の効率化や村民の利便性はもとより、朝日
村のさらなる発展の基盤となる位置であることが求められます。また、現庁舎位置の
歴史から比較してみると、庁舎は行政区域における中心的な施設であり、シンボル的
な施設でもあるため、村民にとって村の中心となる場所が好ましいと考えます。
(3)新庁舎建設場所の決定
新庁舎建設基本構想にて示された「現庁舎ゾーン」
、
「中央公民館周辺ゾーン」、
「県
道バイパスゾーン」の3案について建設委員会では、次の5つの視点から捉え、各ゾ
ーン課題の整理を実施し、比較検討を行いました。
1
村民の安心・安全な暮らしを守る災害に強い拠点となる庁舎
①災害の可能性
②避難施設等の隣接
2
村民サービスの優れた庁舎
①他の公共施設との位置関係
②ワンストップサービスの実現の可能性
③自動車利用者を対象とした幹線道路からのアクセス
13
3
村民に親しまれる村のシンボルとしての庁舎
①発展の可能性
②地域の魅力向上(シンボル性、PRの可能性)
4
経済性・実現性の視点
①用地取得の必要性
②移転費用
③インフラ整備(道路、上下水道、情報設備)
5
法令適用等の視点
①土地利用に関する法規制等の適合性
②用地取得の可能性
※各ゾーンの課題の整理は後頁参照
各ゾーンの課題の整理を実施した結果、建設委員会では8割の方がバイパスゾーンを
選択。
建設位置については、バイパスゾーンとする。
検討過程で出された意見
・県道バイパスゾーンは村内どこからもアクセスがよい。
・現庁舎は敷地が狭く駐車場が大変不便。新庁舎は広い場所に出て駐車場等広く確認
できるところがよい。
・中央公民館は、現在でもイベントや集まりがあると駐車場が不足しているので、駐
車場の課題が解決できないとむずかしい。
・災害の際には中央公民館は避難場所となる。役場と公民館は一緒でないほうがよい。
・庁舎周辺地域の活性化や、まちづくりの拠点としてふさわしい位置に立地すること
が望まれます。
・朝日村も衰退ばかりではなく、発展性があると見込み、広い場所が村の人の総意と
なれば、バイパス沿いの方がよい。駐車場を大きくとっておくと防災の関係で色々
なことができると思われます。
・概算工事費について比較検討を実施し、バイパスでは、用地取得費。中央公民館で
は、遺跡発掘費等が必要となります。中央公民館では、スペースが狭く駐車場用地
等を別に用意する必要もあり、工事費については、中央公民館ゾーン、県道バイパ
スゾーンとも大きな差異がない。
・道路状態が非常にいい、場所的にも広い、庁舎と駐車場が一体のところにつくれる
のがよい。
・一箇所にいろんなものを集約してしまうと大災害が起きた時に一番の司令塔の行政
がその対応で駐車場が狭くて出たり入ったりできないこともある。中央公民館周辺
だと保育園のお迎えがくる、小学校のお迎えがくる、道はどうだって考えた時に非
常に危険が伴う。朝日村の行政の指令を出す、朝日村の顔は誰でもアクセスしやす
いことを考えればバイパスでよいと考える。
14
(4)建設の位置
東筑摩郡朝日村大字古見(針尾幹2号線と県道新田バイパスが交差する一角)
新庁舎
建設予定地
6
新庁舎の構造
朝日村は、面積の87%を山林が占める資源に恵まれた村です。平成22年10月
森林の適正な整備と木材自給率の向上に寄与するため、「公共建築物等における木材
利用の促進に関する法律」が施行され、国の低層公共建築物については、原則として
すべて木造化を図ることとなりました。また、朝日村においても国に準じ、平成24
年2月に「朝日村の公共建築物・公共土木工事等における地域材利用方針」を策定し、
庁舎施設は、「木造化を促進する施設」に位置付けられています。
役場庁舎の木造化/木質化に期待される効果は次のとおりです。
①守り受け継いできた村の山の木を新庁舎に利用し、大切に、長く使っていくことに
より、山とともに生きる文化や大切に使い続ける心を継承していくことができます。
②庁舎を木造化することにより、環境及び循環型社会に配慮した地域のモデルとなり
ます。また、村産材を利用することにより、今後公共施設は元より住宅を検討する
方に対し、直接触れる、目にする、木の温もりを感じることのできる機会ができ、
住民にとっても村産材利用のモデル的な施設となります。
③木造施設は、施設に入った瞬間、木の香りに包まれ森林浴に来ているような清清し
い気持ちになれます。木は情緒を安定させる精神的な効果も期待ができ、来客者に
対してやすらぎを与え、事務員にとって事務効率の向上も期待できます。
木造建築物は、建築基準法や消防法等の制約はありますが、全国的にも大型木造建
15
築物が増えてきており、設計段階から検討することにより、クリアできる課題も多く
あります。新庁舎は上記の点を踏まえ「朝日村の公共建築物・公共土木工事等におけ
る地域材利用方針」に基づき、木造化・木質化とします。
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新庁舎建設事業費
庁舎建築の経費については、基本設計、実施設計の段階で具体的に精査し積算しま
すが、今回出された庁舎規模をもとに類似施設の建築単価を参考に算出しています。
概算事業費
種別
数量
庁舎建設工事費
2,000㎡
外構工事費
8,600㎡
単価(円)
事業費(千円)
360,000
720,000
70,000
70,000
その他工事費(車庫等)
9,000㎡
用地購入費
7,000
63,000
付帯設備備品
30,000
設計・監理
39,600
7,400
その他
合
1,000,000
計
財源内訳
費
目
金額(千円)
庁舎建設基金
800,000千円
一般財源
200,000千円
合
計
1,000,000千円
【その他活用を検討する財源】
一般的に、庁舎建設には補助金や交付税措置のある有利な地方債制度はありません。
防災対策事業に活用できる緊急防災減災事業(H28年度迄)等の活用について検討
し、財政負担の軽減を図ります。
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建設のスケジュール
平成28年度に着工想定で、下記のスケジュール(案)に基づき事業を進めます。
建設までのスケジュール(案)
年 度
平成27年度
平成28年度
平成29年度
内
容
・新庁舎建設基本計画策定
・用地取得に係る収用法申請手続き
・プロポーザル方式による設計業者選定
・新庁舎建設基本設計・実施設計
・建築確認申請
・新庁舎建設工事着工
・新庁舎建設工事竣工
・開庁
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