学術 ノンフィクション 子どもにとっての良いテレビ視聴環境を 作るために

子どもにとっての良いテレビ視聴環境を
作るために
生を肯定的に生きたかに見える文玉珠さんにしても、
元「慰安婦」
としてのトラウマを抱えていた
欧米諸国では子ども向けCMにおいてホストセリングの規制が設けられている
鈴木裕子
浅川雅美
ムン・オクチュ
民法で放送された子ども向け
を与えるため禁止するべきで
上にある子どもに過度な影響
視聴実験は、著者らが述べて
さい子どもを対象とするCM
出版界
人々が求める新しい分野を切
ンツをベー ス に し な が ら 、
取締役社長の高井昌史氏は、
ほしい」、 紀 伊 國 屋 書 店 代 表
毎日新聞出版
取次会社や書店の社長、
そして作家など各界から約一五〇人が参集し、
新会社誕生を祝福
毎日新聞出版が発足を記念し感謝の集いを開催
て良いテレビ視聴環境を作る
CMの内容分析をしている。
ノンフィクション
テレビCMには、視聴者の
一助としたいという願いが、
実ぶりをアピール。また「毎
注意をひきつけてCM好感度
締役社長(写真)は、
「
『アン
いるように、言語報告能力お
今年四月一日に毎日新聞社
よび被調査者の確保の難しさ
日新聞出版では 、 出 版 不 況
ある、としている欧米との認
タッチャブル』はめちゃめち
識の隔たりがあることに警鐘
から出版部門が分社化し、毎
その結果、日本の子ども向け
など調査を実施するにあたっ
番組では欧米諸国と比べて広
著者らは、ホストセリング
を鳴らして い る 。 次 に 、「 C
本書には込められている。
告が多いこと、また、非現実
を高めるために、さまざまな
工夫がなされているが、その
CMと類似した手法で、番組
この本で取り上げている「ホ
ることがある。その一つが、
い、巧みな戦略が隠されてい
ルドCM」という概念も提唱
商品を宣伝する「ホストソー
組内のキャラクターの付いた
の登場人物とは別の人物が番
の種類は、玩具が一番多く次
が多いこと、宣伝された商品
く、次にアニメを用いたCM
的な描写をしたCMが一番多
触 度、親の学歴、親の年代
近感尺度の高低、メディア接
どもの年齢と性別、テレビ親
M手法に対する認識」が、子
の研究は非常にオリジナリテ
この一点だけをとっても、こ
事務所を構える東京都千代田
め、
ほとんど行われておらず、 れを記念して六月一九日に、
て配慮すべ き 課 題 が 多 い た
区一ツ橋のパレスサイドビル
日新聞出版が設立された。そ
加えた。是非一読を」
と述べ、 を探る人間。毎日新聞出版に
を決定し、本日の記念品にも
から、間違いない。早速重版
ゃ面白い。発行人の私が言う
を考える人間と、できる方策
種類。できないことの言い訳
という言葉は禁句。人間は二
林彰氏は、毎日新聞社時代の
出版販売代表取締役社長の平
ているので は な い か 」、 日 本
り拓いていくことが期待され
統的なコンクール。毎日新聞
て、「読書 推 進 の い ち ば ん 伝
想文全国コンクール」につい
毎日新聞社の「青少年読書感
中には、視聴者が気づきにく
ストセリング」という手法で
"
ものの、さまざまな負の側面
セリングは、広告効果は高い
ある。著者によると、ホスト
用いて商品を宣伝することで
Mとに共通のキャラクターを
ある。この手法は、番組とC
るのが、本書の特徴である。
得力のある議論を展開してい
方法を用いて調査を行い、説
で使われている実証的な研究
ついて、社会学や社会心理学
ている。この二種類の手法に
し、あわせて本書で取り上げ
告している。
ールドCMであったことを報
ストセリングまたはホストホ
っては全てのタイムCMがホ
している。さらに、番組によ
が一番多いことなどを見いだ
していた人物はキャラクター
に食品関係が多いこと、宣伝
報告している。
についても詳細な分析結果を
め、いくつかの興味深い内容
のテレビ番 組 の 好 み を は じ
品の所有・使用状況や子ども
る。その他、キャラクター商
ての結果を 詳 細 に 示 し て い
によって異なるか否かについ
体、非常に高く評価できる。
M視聴実験 を 行 っ た こ と 自
に、小さい子どもを対象にC
オリジナリ テ ィ が 高 い う え
な工夫が見られる。テーマの
も子どもが回答しやすいよう
ィが高い。また、調査方法に
日。分社化前を含めると、二
ートされたことが発表された
五三回直木賞候補作にノミネ
『アンタッチャブル』が第一
当日は、五月刊行の馳星周
で感謝の集いが開かれた。
内、
「レストラン アラスカ」
それだけの幸せを享受できて
本は世界一の長寿国。しかし
〇歳までの 幸 福 の 追 求 。 日
続けて、「基本理念は、一〇
ににぎわった。
五〇人が出席した会場は大い
書店や取次会社などから約一
にも言及した。「ダーウィンも
を含め、全社員の士気の高さ
う難関を突破した新たな人材
〇〇人もの応募があったとい
者五人の募集定員に対して五
る方策を探る人間」と、編集
いるのは、必死になってでき
る作品。中高生になると読書
なるテーマの本質を優しく語
愛や勉学という中学生が気に
に夏になるとよく売れる。友
年に発売されて以来、いまだ
の君へ』を 例 に 、「 二 〇 〇 六
出版物である池田晶子『 歳
た作家の大 沢 在 昌 氏 は 、「 馳
八回吉川英治文学賞を受賞し
刊行『海と月の迷路』で第四
いただきた い 」、 毎 日 新 聞 社
出版業界を大いに元気づけて
て、さらに発展させて、書店、
社と毎日新 聞 出 版 が 連 携 し
(
制もされず に 放 送 さ れ て い
日本では法的な規制も自主規
て規制が設けられているが、
では、子ども向けCMにおい
がある。そのため、欧米諸国
たあと、第2章では、CMが
ついて導入的な解説がなされ
ングとホストソールドCMに
すると、第1章でホストセリ
各章の内容を具体的に紹介
て、どのような意識をもって
ホストソー ル ド C M に つ い
持つ母親がホストセリングや
実験の結果を報告している。
にテレビ番組を見てもらった
名の幼稚園生を対象に、実際
第5章は、一〇〇名と七五
いて、内容分析、ウェブ調査、
び、子どものCM理解度につ
に対する母親達の意識、およ
子ども向けCMの実態、それ
このように、日本における
あいさつで、黒川昭良代表取
トということもあり、冒頭の
以来、一二年ぶりのノミネー
〇〇三年の東野圭吾『手紙』
よう
をギュッと詰め
もう 。そ う い う エ ネ ル ギ ー
一〇〇年未来を楽し
るのは 一 〇 〇 年 幸 せ に い き
いるか。ぼくらが目指してい
機を見出し て い る 。業 界 の こ
に対応でき る 者 だ 。そ こ に 勝
きい者では な い 。変 化 に 機 敏
き残るのは、
強い者、
規模の大
言っている 。激 動 の 時 代 に 生
の読者の心に響く本を作って
果たしている。一〇〇歳まで
激を与える本は重要な役割を
経ても感受性豊かな若者に刺
率は徐々に落ちるが、時代を
三選考委員にプレッシャーを
がいっぱいいるので、北方謙
ている。選考委員に知り合い
正直獲れる確率が高いと思っ
君の
『アンタッチャブル』
は、
おける子ども向けCMの実態
ことがある」という回答でさ
〇・二%で 、「 言 葉 を 聞 い た
いる」と回答したのはわずか
セリング」の内容を「知って
この調査は、評者の専門で
問した結果が示されている。
などについて、子ども達に質
・知識、CMについての知識
宣伝された商品に対する好み
研究という面からも、ホスト
れるものとなっている。広告
まな示唆やヒントを与えてく
法に興味のある方にもさまざ
護者の方々や、また、調査方
のみならず、子どもを持つ保
いう単語の理解、
映像の認知、 ぼす影響につて興味がある方
キャラクターの好み、CMと
セリングをこれだけ詳しく分
第4章では、幼い子どもを
る。いくら広告効果が高くて
などに関する先行諸研究を紹
え三・八%でしかなく、この
ある広告心理についての調査
析した書物はなく、学術的に
を取締役に、イ
つ中村由紀人氏
務した経歴を持
研究所に長く勤
すべく、PHP
その理念を実現
読者が タッチャブル にな
ブル』だが、一人でも多くの
れ、「題名 は 『 ア ン タ ッ チ ャ
武彦氏は馳氏のニュースに触
ーハン代表取締役社長の藤井
日本出版取次協会会長でト
き、新体制の充
氏を顧問に招
時)の中島信敏
(肩書きは取材
ンプレス副社長
転換点にある。豊かなコンテ
大正期以来といえるほどの大
きたい。出版界自体は、明治
ついて一生懸命取り組んでい
るように、われわれも販売に
版記念・連続トークイベント
■予約 同店
ンク付)
一九四五年八月、日本の敗
・ジョンオク先生は十も二十
しが一、二かを話すと、ユン
氏がソウル か ら 訪 ね 、「 わ た
んも早速電話。すると尹貞玉
■日時 7月 日(木) 時
化研究)
地域研究)×小笠原博毅(文
×中村隆之(カリブ海文学/
そして毎日新聞社代表取締
祝辞を述べた。
役社長の朝 比 奈 豊 氏 は 、「 独
立させるかどうかには大きな
議論があったが、私は長い伝
統を生かし、さらに新しい才
能が入ることで、この大変化
の時代を乗り切っていけるの
ではないかと思った。相当な
シミュレーションを重ね、分
社化・独立してやっていける
と思った。経営の機動性、即
応性に期待している」とエー
ルを送った。
原博毅
戦争期の状況。殺戮と破滅を
し確実に今この社会を包む前
と声高に叫ぶのでもなく、「軍
■日時 7月 日
(金) 時~
靴の足音が迫る」とおののき
■会場 ジュンク堂書店難波
つつ警告するでもなく、しか
店3F特設会場
けるのか。
■テーマ 「例外状態」が「常
■会費 入場無料
◇第2回「戦争に抗えるか」
態」となる戦争は、国家間に
阿部潔(メディア論)×小笠
限らずさまざまなかたちで、
4396
4771、もしくは同店カ
する。
O
台風のごとく巻き込んで討論
か、会場のオーディエンスを
備する〈戦 争 〉 に ど う 抗 う
導く一方、陶酔と興奮さえ準
つねにすでにあった。しかし
■予約 同店
古書肆の眼
こえる」今、文学は戦争につ
文字どおり「戦火の足音が聞
6111、もしくは1Fサ
5956
ウンター
◇第1回「戦争/文学/カル
■テーマ 「これが戦争だ!」
「恥ずかしいのは、元『慰安
チュラル・スタディーズ」陣
戦で、文さんは漸く解放され
■会場 ジュンク堂書店池袋
O
かけておく」と、各人各様の
視聴調査、の三タイプの調査
介している。そして、小さい
用語が日本ではほとんど知ら
という面からみても、非常に
貴重な文献となっている。是
れまでの慣習にとらわれるこ
番組の面白さ、番組の認知、
子どもはCMと番組本編の区
れていないという衝撃的な事
優れている。そもそも、テレ
非一読をお勧めしたい。
込んだ本、雑誌
いるかを明らかにしている。
別がつけられないことや、番
実が明らかになった。そのう
ビCMを被調査者に見てもら
となく、い ま の 時 代 と 果 敢 に
子どもに及ぼす影響、ホスト
組に出てくるキャラクターが
え、「この C M 手 法 が 子 ど も
う実験は、たいへんな労力を
を一冊でも多く
も、行き過ぎたマーケティン
宣伝しているCMを視聴した
向けCMとして問題である」
要するものである。また、小 (文教大学健康栄養学部教授)
戦っていくという決意を持っ
番組の視聴 度、
番組の好み、 研究を行って実証的に検討し
子どもは、その商品に対して
という認識はほとんど持たれ
ている」
と締めくくった。
ウェブ調査 の 結 果 、「 ホ ス ト
好意的であることや、わが国
ていない。著者らは、この状
世の中に送り出
セリングCM、および日本に
では子ども向けCMの実態調
況に対して、認知的発達の途
た本書は、CMが子どもに及
査の数が非常に少ない、とい
したい」とし、
グ戦略となっている現状に歯
止めをかけて、子どもにとっ
第3章では、二〇一二年に
った問題点を整理している。
event
婦』ハルモ二ではなく、日本
いて何を語り、カルチュラル
かけられるが、結局無罪とな
国家の戦争犯罪」とする、挺
店4Fカフェ
った。この「武勇談」は、か
▼『年報カルチュラル・スタ
文玉珠さんの「慰安婦」語
つて、この著が初版で発刊さ
野俊史
(文芸/サッカー批評) ービスコーナー
身隊問題対策協議会を結成、
りは、一見、湿っぽさがない
対協の声に励まされて、文さ
っ直ぐ胸を刺した。文さんは
のが特徴である。おかれた状
れると、右派の歴史家が、
「
人を相手に 過 ご す こ と に な
況のなかで、精一杯生き、日
偽り」と文さんを中傷したこ
キーセン
本人とて優しい一兵卒には同
とがあった。
を考えるようになり、
「妓生」 戦が戦われ、緊張を強いられ
そうこうするうち文玉珠さ
情の感を示 す 。 彼 ら を 「 慰
郷にも送金した。アキャブに
一年(48週) 8400円
半年(24週) 4500円
・スタディーズは何を問いか
んは、
「慰安婦」
生活に慣れ、
ると思い、
達城の検番に行き、 を削いで、見せしめとした。
になれば、手っ取り早く稼げ
やさしく対 応 す る 軍 人 も い
め」、気を 紛 ら す よ う な 配 慮
の足しにしたが、それでは一
説」を加えるなど、まさにこ
配信開始
■会費 1000円(1ドリ
刊行されたものの新装増補版
あちこちの 料 理 屋 に 出 入 り
た。一七歳のとき、もうこれ
もみせた。しかし、自分たち
家は食えず、再び妓生になる
事実上の編著者の森川万智
年生まれで、文玉珠さんと同
子さんは、文さん死去後も、
じ「挺身隊世代」であった。
ビルマに行って二年間にわた
報いを受け た の だ ろ う か 」と
生を肯定的に生きたかのよう
り滞在し、現地調査をおこな
いう言葉に示されるように、
も来襲、爆弾が投下される。
に見える文玉珠さんにしても
で、空襲が再三に襲う。敵機
お座敷に出た。
元「慰安婦」としてのトラウ
しかないと、
達城検番に入り、 行くと、文字通りそこは地獄
た。が、
「慰安婦だったこと」 ことを歴史にきちんと残すた
もわかって く だ さ っ た 」「 夜
母に妓生になるというと、
よく眠れないことや、足腰が
3 』( 航 思 社 ) 出
である。同年の九六年一〇月
し、舞踊、パンソリ
(唱劇)
、
以上「慰安婦」を続けてはい
ディーズ
に、文玉珠さんは鬼籍に入ら
詩調
(朝鮮の短歌)
、伽耶琴、
けない、心が恐ろしく荒んで
会長
(のち共同代表)
に就任。
れた。享年七二歳。文玉珠さ
コムンゴ、礼儀作法、日本語
いくのが分かった。ある憲兵
営倉入りにされ、軍法会議に
んは、日本植民下の朝鮮大邱
を三年ほど修業、卒業証書を
悪いことなどの全部はなしま
る。
に生まれ、七歳にして独立運
貰った。
そこは大牟田の中島町とい
激しい戦闘のあとは、兵士は
ったり、資料の収集、文玉珠
荒々しく迫り、突き飛ばされ
消えた慰安 婦 た ち 」( 一 九 九
の本は、森川さんの執念のな
19
た。日本軍がゲリラの耳や鼻
動家の父を失ったという。母
したよ。そうしたら先生はよ
ユン・ジョンオク
と父は仲のいい夫婦であった
が、子ども四人を残され、母
い、炭鉱の街、男たちの遊ぶ
釜山から台湾、
シンガポールを経て、
ビルマへ
さんの証言を跡付ける生き証
九年)を制作した。また増補
人の方がたへの聞き取り、そ
新版に当たっての懇切な「解
って馬鹿にする」
と答えると、 乗り出た。前年一一月、この
せる業でもある。
~
た。しかしこの快活な文さん
めに」「日 本 に 謝 罪 と つ ぐ な
にしても「戦争の後遺症」に
いをさせるためにいっしょに
を馬鹿にした兵には「憲兵に
八歳年上の兄は、怒りだし殴
運動しましょう、とおっしゃ
いいつける」とかいって、時
りつけた。一二歳のとき、九
った」。尹 貞 玉 氏 は 一 九 二 五
に「母が病気、逃げて帰りた
は、上品でおっとりしていた
は忘れようと思っても忘れら
い」と必死に嘆願、すると彼
ため、生活力のある人とはい
は自宅に連れていき、一週間
う。
れない。「 消 そ う と 思 っ て も
く名乗りで て く だ さ い ま し
ほどその憲兵の思うようにさ
消せない」「私 は 、前 世 で ど ん
悩まされる。不妊症にもなっ
州大牟田で料理屋をしている
れた。が、帰れるならと思い、
な悪いことをしたからこんな
に股を蹴飛ばしたりしたとい
えず、ますます困窮を極め、
夫婦が「人手が足りず、子守
幼いときから金策に奔走し
た。これからハルモ二たちの
をしながらきてくれるなら、
受け入れ、漸く逃げ出せた。
た文玉珠さんは、チップを貯
ていた。しかし相変わらず生
食べるものにも事欠き、難儀
大邱に戻ると母は喜んでくれ
めては野戦郵便所に預け、故
活力は衰えていず、実子でな
していた。生来勝ち気で、負
学校にもやってやろう」との
たものの、またひもじい生活
い多くの子を引き取り、育て
けん気の文玉珠さんは、母の
甘言にすぐ乗り、初めて「内
が始まった。雑業をして生活
通ったが、
金があったら行き、
街で、文玉珠さんは、主人の
軍法会議
苦労を傍ら に 見 て 、「 鍋 を 抱
地」
(日本)に渡った。
読み書きや算数を教えてく
なかったら止めてという繰り
言葉とは裏腹に子守、掃除、
「慰安婦」
に
させられて
えて坊さんのように托鉢のよ
うに近所をまわ」り、ご飯を
少しずつ貰い歩いた。
返しであった。だんだん成長
マを抱えていたのである。
傷を負った。ある日、酔っ払
先約の兵を押しのけて脅かし
一九九一年、解放節(八月
問題を社会的に争点化した尹
のうえ貴重な映像「ビルマに
た。文さんは、負けずに言い
一五日)を前に、金学順さん
元「慰安婦」
としての
トラウマ
たり、空中に放り出され、重
一八歳の と き 、「 日 本 軍 の
いの兵長が来て、刀を抜き、
る」と友だちに誘われ、ビル
返し「刀は天皇陛下から貰っ
が「慰安婦」として初めて名
貞玉梨花女子大教授が、女性
耽奇日録
(
)
西武古本まつりの頃
なんだかんだの池袋
'
れる夜間の寺子屋に三年ほど
するにつれて、金 けの方法
洗 、竈の火の番、使い走り
として酷使された。何年かし
けにな
る」ということが分かり、逃
マに渡る。朝鮮兵から「騙さ
たものじぁないか、敵に向か
食堂に行こ う 、 金
げ出す手立てを考え、漸く大
れて来たんだな。ここはピー
って抜くものを朝鮮ピーとい
たら、自分も「身を売らされ
邱に戻った。
屋(慰安所)なんだ」といわ
と妙に納得した。楯八四〇〇
団体の支援を得て、ともに挺
ある秋のころ、憲兵に呼び
兵長は凄まじい血相で斬り付
古書店主
内堀 弘
%
止められ、
詰所に連れられた。 れ、その瞬間、やはりそうか
翌朝、大邱駅から汽車に乗せ
部隊に属し、フミハラヨシコ
当たりし、その刀を拾い、真
とつけられ、慰安所
「大邱館」 け、文玉珠さんは、夢中で体
(女性史研究家)
られ、「北 満 」 の 東 安 省 に 着
!
!
学術
一見、
湿っぽさがない語りのなかには、
芯の強さがある
#
#
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図書新聞 イ-新聞
図書新聞 新聞オンライン
!
!
本書は、一九九六年二月に
"
(
き、
「慰安婦」
にさせられた。
そこは国境地帯で、
「ゲリラ」 に住まわされ、連日、日本軍
212
'
日本の子ども向けテレビCMの実態
3・27刊 A5判214頁 本体3000円
春風社
〔新装増補版〕
玉珠
!文
ビルマ戦線 楯師団の「慰安婦」
だった私
#"
19
24
06
##
""
!
電子版 図書新聞
!
16
03
'
$
!
'
半
古本屋は思っていた。
だが、
本屋は を編集するのが仕
事だと知った。それが、な
んとも挑発的だった。そう
なると、ただ規模が大きい
古書展は面白くない。一途
というのか、影響を受けや
すいのか、古書展を辞め、
店売りも辞め、私は古書目
録を作りはじめた。そこが
私の だった。
二〇一〇年、雑司ヶ谷に
「ひぐらし文庫」という五
坪ほどの小さな書店が開い
た。店主の原田真弓さんは
長くリブロに勤めた人で、
退職金でこの店をはじめ
た。
『
「本屋」は死なない』
(石橋毅史)で彼女のこと
を知った。
「書店員が退職
金ではじめられる本屋があ
っていい」
「こういう本屋
が全国に千軒できたら世の
中変わる」
(引用は記憶)
。
もちろん千軒の店ができる
には、その背後で倍する数
の試みが潰えていく。それ
でも、と彼女が語りはじめ
たことを、この本は都合の
いい言葉でまとめない。
原田さんから、ひとまず
閉店しますという案内をい
ただいた。私はその日を間
違えて、出かけると店はも
う空っぽだった。
リブロ池袋本店が七月で
閉店になる。その事情にあ
まり興味はないが、感慨は
ある。でも、雑司ヶ谷の小
さな空き店舗の前に立ちす
くんだ日の感慨の方が、私
には何倍も深い。
某月某日。リブロの池袋本
店が、まだ西武百貨店書籍
部だった頃、毎年二月に大
きな古書展(西武古本まつ
り)が開かれていた。駆け
出しの私も参加した。
会期は一週間で、初めて
参加した一九八一年の売り
上げ目標は五千万円。途方
もない数字に思えたが、お
客さんの数も桁違いだっ
た。初日の朝十時、誰もい
ない会場に地響きが鳴る。
あちこちのエレベーターか
ら、階段から、会場めざし
て人が押し寄せて来るのだ
った。広い会場はたちまち
埋まって、 の前に近づく
こともできない。
三~四年が経つと、目標
額は一億円になっていた。
何百万もする古典籍やコン
テンポラリーアートが並ん
だわけではない。ここは、
北区とか練馬区、板橋区と
いう東京の北部地区の古本
屋が主体で、神田の老舗は
参加していない。
普通の
(と
いうとまた微妙だが)古本
屋でこの目標額も突破す
る。ポスターに「なんだか
んだの池袋」と絶妙なコピ
ーを載せて、古書組合の神
田支部から真顔で抗議され
た。あの頃の店長が今泉
で知られる今泉正光さんだ
った。
書籍部はもうリブロにな
っていた。目の覚めるよう
な書店だった。
新刊書店は、
所 どこにでもあるものし
か並んでいないと、若造の
)
&
!ホストセリングを知っていますか?
山下玲子/藤井達也 著
文玉珠 語り
森川万智子 構成と解説・増補版解説
14
)
!
2015年7月18日(土曜日) 8
図書新聞
(第三種郵便物認可)
第3215号
4・20刊 A5判272頁 本体2000円
梨の木舎