トイレよりも大きい台所や風呂などからの排水の汚れ トイレよりも大きい

川の汚れの大きな原因は,一般家庭から排出される生活排水です。生活排水とは,台所,風呂,
洗濯,トイレなど家庭の日常生活からの排水のことです。
台所でお茶碗一杯の味噌汁を流すと,コイやフナが棲める水質にするために浴槽約3杯分の水が
必要となり,アユが棲める水質にするためには浴槽約6杯分もの水が必要になります。
単独処理浄化槽や汲み取り式は,トイレ排水のみ処理され,生活雑排水は未処理のまま河川など
に放流されています。身近な水環境を守るため,合併処理浄化槽を設置しましょう。
トイレよりも大きい台所や風呂などからの排水の汚れ
台所,風呂,洗濯,トイレなどに,ひとり1日約250ℓの水を使用し,生活排水として流してい
ます。家庭でひとりが1日に排出する生活排水の汚れ(BOD40g)のうち約3割(BOD13g)が
トイレからの排水で,約7割(27g)が台所などからの生活雑排水です。この生活雑排水を未処理
のまま流してしまうと水質汚濁の大きな原因となるため,適切に処理することが水質浄化には必要
不可欠です。
BOD(生物化学的酸素要求量)
BOD(生物化学的酸素要求量)
汚れの程度を表す代表的なものさしです。数値が高ければ高いほど汚れが大き
いことを表しています。
生活雑排水
生活排水のうち,し尿を除いたものをいいます。
そのまま流したときの影響は?
天ぷら油をそのまま流してしまうと,魚が棲める状態に戻すには浴槽(約300ℓ)で約20杯
という多くの水の量が必要となります。
大子町の生活排水処理状況は?
大子町に設置されている合併処理浄化槽は現在2,096基で,大子町全7,711世帯に対し
て設置率は約27%となっています。また,単独処理浄化槽は2,435基で約32%,汲み取り
式は3,180基で約41%となっています。また,生活排水処理普及率は,大子町は33.8%
となっています。茨城県は77.2%で全国平均は約81.3%となっており,大子町の生活排水
処理は進んでいない状況にあります。
大子町全体
数値は平成23年度末
27%
合併処理浄化槽
41%
単独処理浄化槽
汲み取り式
32%
浄化槽設置率
設置されている基数を算出し,総世帯数との割合で設置状況を表したものです。
生活排水処理普及率
実際に使用している人数を算出し,総人口との割合で処理状況を表したものです。
合併処理浄化槽と単独処理浄化槽の違いは?
家庭に設置される小型浄化槽は,下水道と同様に生活排水を処理する設備です。水中の微生物の
はたらきを利用して,汚れた水をきれいにしています。
合併処理浄化槽は,トイレからのし尿と併せて,台所や風呂からの生活雑排水を処理してから河
川などに放流するものです。処理能力は下水道と同等とされています。
単独処理浄化槽は,トイレからのし尿のみを処理します。生活雑排水はそのまま河川などに流れ
てしまいます。なお,単独処理浄化槽は浄化槽法により新しく設置することはできません。
放流される汚れの量はどのくらい違う?
合併処理浄化槽を設置するとひとりが排出する汚れは1/10になります。
台所,風呂,洗濯,トイレなど生活排水を一緒に処理する合併処理浄化槽を設置しましょう。
ご自宅の生活排水処理をチェックしてみてください
自宅の状況を確認し,生活排水処理について考えてみましょう。
浄化槽を使用してい
ますか?
汲み取り式トイレ
いいえ
生活雑排水は処理されていません
はい
放流される汚れの量は32g
合併処理浄化槽ですか?
単独処理浄化槽ですか?
単独処理浄化槽
単独処理
トイレ排水は処理されています
合併処理
生活雑排水は処理されていません
放流される汚れの量は32g
合併処理浄化槽
生活排水がきちんと処理されています
放流される汚れの量は4g
※ひとりが1日に排出する汚れの量:BOD40g
浄化槽は適正に管理されていますか?
浄化槽の機能を十分に発揮させるには,定期的な「健康管理」(保守点検,清掃)と「健康診断」
(法定検査)が必要です。これらを適正に行わないと,放流水質が悪化し,悪臭など地域の生活環
境に悪影響を与える原因となってしまいます。
保守点検
浄化槽内の機器,送風機やタイマーなどの点検調査,消毒剤の補充などを行います。
家庭用浄化槽の場合,年3~4回行う必要があります。
清
掃
浄化槽内に溜まった汚泥などの抜き取り,清掃を行います。
年に1回以上行う必要があります。
法定検査
浄化槽の保守点検,清掃がきちんと行われ,きれいな水が放流されているかを検査
します。浄化槽を使い始めてから3~8ヶ月以内に行う7条検査と,その後毎年1
回行う11条検査を受ける必要があります。
事業の目的,内容は?
この事業は合併処理浄化槽による生活排水処理を目的としています。大子町が事業主体となり,
合併処理浄化槽の設置から維持管理を行うもので,施設設置時の住民負担が従来の補助事業と比較
して大きく軽減されます。また町が適正な維持管理を行うことで,良質な放流水質が確保されるな
ど多くの利点がある事業です。
この事業では町が所有する浄化槽を各家庭に設置します。申請者から分担金をいただくことで浄
化槽を設置することが出来ます。工事が終わり浄化槽の使用を開始したら,使用者から使用料をい
ただき,その後の維持管理を町が行います。
対象は大子町内の全ての住宅です。個人が居住することを目的とした住宅(専用住宅)となりま
すが,店舗などが併設されている場合(併用住宅)には,住宅部分の床面積が総床面積の2分の1
以上であれば対象となります。ただし,算出された浄化槽が10人槽を超えるものについては設置
することができません。
町の管理と,個人の管理は?
・町が工事及び管理するのは浄化槽本体と送風機(ブロワ)です。
・個人が工事及び管理するのは上記以外の全ての排水設備です。
浄化槽の放流にポンプを使用する場合や,浄化槽設置場所を駐車場にするため補強する場合など
も浄化槽本体以外の工事,及び管理は個人負担となります。また,設置場所が狭く,建物の近くに
埋設するしかない場合の補強工事も個人負担となります。状況により工事内容,費用も変わります
ので詳しくは設備業者,及び建設課へご相談ください。
分担金,使用料は?
◆加入分担金は設置する浄化槽の大きさによって違います。
5人槽
77,000円
延べ床面積が140㎡以下
7人槽
97,000円
延べ床面積が140㎡以上
10人槽
117,000円
2世帯住宅(台所,風呂などが2つある)
※上記以外にも居住人数などを考慮します。
・分担金をいただくことで浄化槽を設置するとこができます。
・排水設備工事,トイレ改修工事などは個人負担です。
・既設の処理槽の撤去などは個人負担です。ただし,単独処理浄化槽の場合,県の補助を受けて
町が工事を行いますので,個人負担はありません。ただし補助金額に上限がありますので,上限
を超えた費用については個人負担となります。
◆使用料は浄化槽の大きさに関わらず一定額です。
月2,700円 × 12ヶ月 = 年32,400円(2ヶ月毎に5,400円いただきます)
・使用料によって,年4回の定期点検,年1回の法定検査を行い,異常があった場合の臨時点検
や,故障があった場合の修理などの費用も使用料から賄われます。
・年1回浄化槽清掃を行いますが,使用状況により清掃時期や清掃量が違ってきますので,清掃
手数料は個人負担となります。使用料には含まれていません。
Q&A
Q,今使っている単独処理浄化槽は合併処理浄化槽に入れ替えなければならないのでしょうか?
A,単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換は「努力義務」となっています。強制されるもの
ではありませんが,生活排水処理を意識し,積極的に合併処理浄化槽へ入れ替えしましょう。
Q,敷地が狭いけど浄化槽は設置できるのでしょうか?
A,浄化槽の大きさが小型化しています。5人槽の浄化槽なら,乗用車1台程度のスペースがあれ
ば設置できます。奥まった土地で機械が入れない場所でも設置することはできます。ただし,設
置する場所があっても浄化槽の搬入ができない場所へは設置することができません。
Q,合併処理浄化槽に入れ替えをする場合の費用はどれくらいでしょうか?
A,この事業で浄化槽を設置する場合,浄化槽設置にかかる費用は加入分担金のみです。ただし,
浄化槽設置以外の排水設備やトイレ改修などの工事は個人負担となり,業者の見積りにより費用
が算出されます。詳しくは設備業者,及び建設課へご相談ください。
申し込みや問い合わせは建設課までご連絡ください。
大子町建設課 72-2611