通信機器に対する耐震評価基準に 関する調査報告

通信機器に対する耐震評価基準に
関する調査報告
初版 2015年1月30日
一般社団法人
情報通信ネ
情報通信ネットワ-ク産業協会
ク産業協会
装置実装委員会
目次
1.背景
2.調査範囲
調査範囲
3.出典
4.調査結果
調査結果
1.背景
背景
• 神戸の震災をベースに耐震試験の基準が見直しされ、既に10
年を超えてきた。2011年に発生した東北の震災においては、
各キャリアで設定した耐震試験規格が活用され効果を出したも
のと言われている。
• 国内で採用されている耐震試験規格の調査を実施したところ、
内 採 され
る耐震試験規格 調査を実施 たと
複数の種類の要求条件があることが判明した。
• 地震国日本において
地震国日本において、安全・安心な通信環境をエンドユーザに
安全 安心な通信環境をエンドユ ザに
提供することは必須条件である。近年では、同じ局舎を活用し
装置を運用する場面もあり この標準化を見据え本調査報告
装置を運用する場面もあり、この標準化を見据え本調査報告
をまとめた。
ものづくりという面においては、通信機器会社ごとに開発してい
くりという面においては、通信機器会社ごとに開発してい
• もの
た機器の開発の効率化につながる。海外のメーカにおいては、
IECやNEBSの規格をベースとした機器では、日本国内での
運用が難しいことを認識していただけることといった、メリットが
が難
を
だ
が
あると考えている。
2.調査範囲
• 本調査報告は、日本国内に出荷される一般社団法
人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)が掌握す
る通信機器 耐震試験規格
る通信機器の耐震試験規格について適用する。
適用する
3.出典
• 本調査報告では、以下のCISPR/IEC 規格、JIS 規格、
NTT規格、NTTドコモ規格、Telcordia規格を引用して
いる。JIS 規格の制定年度よりも新しいIEC 規格が発
効されているものについては、IEC 規格を優先して
引用している。日付が記載された引用規格は、その
版のみを適用する。日付の記載がない引用規格に
ついては、引用規格の最新版(修正文書も含む)を
適 す
適用する。
– JIS‐C6011‐2
– GR‐63‐CORE
– IEC‐61587‐2
4.調査結果(1/2)
規格の種類
NTT
JIS(IEC)
NEBS
NTTドコモ
規格作成元
NTT
日本工業標準調査会
テレコーディア(旧ベルコア)
NTTドコモ
規格名称・
番号等
通信装置等の耐震試験方法
(1998年12月版)
JIS C6011-2
(
(IEC
61587-2を引用して制定)
制 )
GR-63-CORE
(Issue:4、Apr2012)
通信装置等の耐震試験規格
(2009年11月版)
NTT-F規格
規格概要
NTT東西に納める通信装置に適用さ
れる。阪神淡路地震後、震度7の
試験条件が追加された。
IEC規格をJIS化。主にキャビネッ
ト、ラック単体を評価する際に適
用される。
アメリカに出荷する装置に適用さ
れる。地域毎に震度階に相当する
「zone区分」が設定されている。
NTT規格をベースに作成。試験強度、
判断基準を選定でき、設置環境に
対応した試験と要件が選択可能。
試
験
条
件
加振
方法
3軸同時または2軸同時
2軸同時の場合、水平2方向のそれ
ぞれについて、上下方向と同時に
加振
単軸、1方向ずつ個別に3方向加振
単軸、1方向ずつ個別に3方向加振
3軸同時加振
設置
方法
・装置構成は質量、剛性とも最悪
条件で実施(固定ボルト含む)
条件で実施(固定ボルト含む)。
・二重床上に設置される場合は、
NTT指定の標準架台を振動台上
に設置した上に試験体を固定する。
擬似質量を定められた位置に搭載
し 加振台に直接固定する
し、加振台に直接固定する。
装置を固定するボルト等について
は実運用と同条件とする
は実運用と同条件とする。
ただし、二重床の設置条件につい
ては明確にしていない。
・装置構成は質量、剛性とも最悪
条件で実施(固定ボルト含む)
条件で実施(固定ボルト含む)。
・二重床上に設置される場合は、
実際と同じ構造の架台を介して振
動台に設置する。
最大
加速度
12m/s2
下記の2水準のいずれかを選択
①波形A:約16 m/s
/ 2
②波形B:約16 m/s2
下記zone区分のいづれかを選定
・zone1,2:約7.5
1 2:約7 5 m/s
/ 2
2
・zone3 :約11 m/s
・zone4 :約16 m/s2
12m/s2
時間
約50秒
主要動の継続時間が30秒以上
※主要動の継続時間とは、最大加
速度の25%を最初に越える時刻か
ら、最後に25%を下回る時刻まで
の時間
下記の2水準のいずれかを選択
①波形A:約31秒
②波形B:約50秒
約31秒
約50秒
主要動の継続時間が30秒以上
※主要動の継続時間とは、最大加
速度の25%を最初に越える時刻か
ら、最後に25%を下回る時刻まで
の時間
回数
以下の各レベル毎の回数を段階的
に大きくして全て実施(合計4回)
大きく
全 実施(合計
)
・震度5強レベル:1回
・震度6強レベル:2回
・震度7レベル :1回
各軸1回(合計3回)
各軸1回(合計3回)
R04~R12の各レベル1回を段階的に
大きくして実施
大きく
実施
R02は必要に応じて実施
4.調査結果(2/2)
規格の種類
要求条件
NTT
①震度5強レベル
・加振中、加振後とも正常な機能
を維持する。
・主要部に損傷がなく、その他の
部位も修理不要の軽微な損傷にと
どまる。
②震度6強レベル
・加振中は機能障害を生じても、
加振後は、部品の交換、人手によ
る再立ち上げ等を行わなくても正
常な機能 復帰 きる
常な機能に復帰できる。
・主要構造の顕著な永久変形や溶
接部の亀裂・破断等を生じない。
・加振時における装置頂部の最大
水平変形が50mm以下である。
・装置の飛び出し・脱落・損傷、
カバ の脱落 ドアロックの解放
カバーの脱落、ドアロックの解放
を生じない。
・2回目の加振において、損傷の
程度が大きくならない。
③震度7レベル
・主要構造に致命的な損傷を生じ
ない。
・装置の飛び出し・脱落、カバー
の脱落、ドアロックの解放を生じ
ない。
JIS(IEC)
NEBS
JIS
①試験の間,キャビネット又は
ラック上部の変位を測定し頂点の
最大変位は,50mm以下とする。
②永久的な構造破壊は,あっては
ならない。永久的な構造破壊とは,
試験を受けたキャビネット又は
ラック内の質量を支持する部品の
変形,又は接続部の破壊とする。
永久的な構造破壊の代表的な例と
し は 取付け支柱 曲がり は
しては,取付け支柱の曲がり又は
ゆがみ,基台の変形,ひび,及び
固定ボルト又は固定部品の破損が
ある。
③機械的損傷は,あってはならな
い。機械的損傷とは,部品の変位
又は離脱とする 機械的損傷の例
又は離脱とする。機械的損傷の例
としては,ドアロックの開放及び
カバーの脱落がある。
④例えば,緩んだ固定ボルトを締
め直すなどの補修及び交換は許容
してもよい。
⑤JIS C 6011
6011-1の
1の 6.2(接地)に
6 2(接地)に
示す接地接続状態が継続している
ことを確認しなければならない。
⑥カバー等は装置構造から外れて
はならず,扉は開いてはならない。
全ての鍵及び取手は,試験後に機
能しなければならない。
【requirement(要求)】
①機器はすべて恒久的な構造上の
または機械的な損傷がないこと。
②試験中に、フレーム上端の最大
の単一振幅が75㎜を超えないこと。
③試験後、機器は部品の交換、手
動による再起動、あるいは人の介
在なしに作動を継続すること。
*IECの要求条件は無し
備考
NTT東 NTT西で採用
NTT東、NTT西で採用
・波形AはNEBSzone4と同等
波形AはNEBSzone4と同等
・波形BはIEC 61587-2
・3軸同時も付属書(JA)として規
定されており、条件はNTTと同様。
回数は規定なし
【Objective(目標)】
試験中 継続し 該当する機能用
試験中に継続して該当する機能用
件を満足すること。
NTTドコモ
下表に示す「機能障害」と「物理
的障害」のそれぞれからランクを
選定。
分
類
ランク
判定条件
機
能
障
害
F1
加振中、加振後とも
に、正常機能を維持
F2
加振中に機能が停止
しても、加振後に正
常復帰※1
物
理
的
損
傷
P1
主要構造に損傷を生
じない
P2
主要構造に亀裂や顕
著な塑性変形を生じ
ない(頂部の最大応
答変位:50㎜以下)
※2
P3
倒壊・崩壊や、主要
構造に破談等
を生じない
・P1~3共通
P1 3共通
搭載物のとび出し、主要ドア
の開放を生じない
※1.自動復帰、主導復帰(修理不要)
の判別はユーザ指定による
※2.異種の装置を隣接して設置する場
合等 装置の剛性を規定する必要があ
合等、装置の剛性を規定する必要があ
る場合の条件
NTTドコモの条件は、耐震強度ランク
R10,判定項目F2,P2を満足すること。
(R8,F1,P1、R12,P3、ただしR10は2回加
振)
NTTファシリティ ズ作成のNTT F
NTTファシリティーズ作成のNTT-F
規格と同等
禁無断掲載
通信機器に対する耐震評価基準に関する調査報告
発行
2015年1月30日
発行者 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
〒105‐0013
東京都港区浜松町
東京都港区浜松町2丁目2番12号
目 番 号 JEI浜松町ビル3階
浜松町ビ
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