「会話とロボット講座」実施

(様式2)
平成 27 年度
講座名
連携機関名
内容
SSH 外部機関連携講座
実施報告用紙
人の輪に入るロボット
千葉大学大学院工学研究科,工学部機械工学科
私たちは、会話を通して他者とコミュニケーションをとり、脳に
刺激を受けている。会話が盛り上がると、いい気分になれる。ロボ
ットを活用することで、会話による感情の変化を数値分析し、より
よい人間関係をつくる基盤をつくるという新しい考え方を生徒に体
験させるために本講座の実施を依頼した。
午前中の講座では、生徒が被験者となり、4 人一組となって各々「好
きな食べ物」について、大武先生が考案した「共想法」を実施した。
共想法とは、各自が時間を区切って(1 分)持参した写真の事物につい
て語り、その後、これも時間を区切って(2 分)参加した人たちがその
事物について自由に語る手法である。今年は,司会役のロボットと,
場の盛り上がりを 3 段階で判断するロボットの 2 体が仕切る形で生
徒 17 名が 5 班に分かれ体験した。顔の表情の認知ソフトの精度の向
上と,司会役のロボットの話し方の進歩に毎年驚かされる。
共想法は認知症予防に効果があるとされている。人は年をとるに
従って、新しいことを吸収しようとする意欲が萎えて認知症(ぼけ)
になりやすい。その時々に気に入った写真を各々が持ち寄り自由に
話す行為は、脳に新しい刺激となる。仮に否定的な意見を言われても
時間も区切られており、マイナスの影響も小さいと考えられる。事前
にお題となる写真を探す行動も脳に刺激となる。超高齢者社会を迎え
るに当たって、薬物を用いず大脳への刺激をもたらすこの手法は(金
銭的負担も少なく)すばらしい。
午後は、ロボット 3 体によるロボット漫才のシナリオ作りと、その
発表である。3 体それぞれにしゃべりと振り付けを考え、落ちを考え
るという非常に難しい作業であったが、生徒たちは非常に熱心にかつ
楽しく行っていた。一部不具合のロボットもいたが、概ね良好な動き
としゃべりであり、笑いを誘っていた。
午前中の実習は人体を使った計測ということで、生徒は事前に同意
書を提出した。彼らが課題研究で人体を使ったデータ計測を行う際に
は逆の立場となり、同様の手続きが必要となることを教わるなど、講
座内容以外にも勉強になることが多かった。講座の終わりに TA の
方々との懇談会もあり(過去の中心メンバーも参加してくれました)
、
講座実施後の生徒アンケートもきわめて好評であった。
実施日
主担当教諭
参加生徒
生徒の感想
平成 27 年 5 月 9 日
齋藤 伸二
普通科 1 年 5 名,理数科 1 年 12 名(女子 17 名)
・学校では体験できないような最先端の技術を実際に体験できることができて面白かった。進
路選択の参考になった。(4 名)
(様式2)
・ロボットをこんなに身近に感じたのは初めてだった。精密なこのロボットたちを若い大学生
が開発していることにとても驚いた。女性の研究者はとても魅力的で,機械工業にも興味を持
つきっかけとなった。これからも SSH の講座に積極的に参加したい。
・工学といっても,いろいろな分野と結びついていることが分かり,そのように考えて研究や
調査を幅広い視点からしていくために,クロスオーバーカリキュラムが必要だと思った。
・普段の授業では分からないことが多くあり,新しい着眼の方法が分かった。
・女性はあまり工学の道に進むイメージがなかったので,女性が工学部に入るとつらいことが
多いかと思っていたが,女性だからこそ分かる人間の心理もあると思うので,女性も積極的に
参加するべきだと思った。
・進路などを考えるとてもよい機会になった。でも,今回の講座だけではあまり明確にはなら
なかったので,これからもたくさんの講座に参加して視野を広げていきたい。また,大学生と
の交流もあり,為になる話を聞けてよかった。
・工学は,人が生きるために活用されていることが分かった。これからたくさんの講座に積極
的に参加したい。
・理系に少し抵抗があったが面白いと感じた。誰に対しての研究か明確で面白かった。みんな
につくった作品を見られるのは凄く恥ずかしかったが,反応がよくてうれしかった。
・SSH の講座に参加したことで,研究段階のロボットに触れたり,今後の研究目標について話
を聞くことができたり,普段に生活ではできない体験ができてよかった。今後も SSH の講座に
積極的に参加したい。
・ロボットは人が話しているときにアクションをすることができないので,そういうところが
できたらいいなと思った。
・ロボットが人の名前を呼ぶときに,少し不自然なアクセントで呼んでいたので改善できれば
もっと身近に感じられる。自分でシナリオを作って,ロボットに会話させる作業がとても楽し
かった。
HP 用メッセージ