八幡市都市計画マスタープラン (ファイル名:tosikeikaku

八幡市都市計画マスタープラン
-都市計画に関する基本的な方針-
平成20年3月改訂
八
幡
市
白紙
目
第1編
-八幡市都市計画マスタープランの改訂にあたって-
1.都市計画マスタープランとは
次
………………
1
……………………………………………
2
2.八幡市都市計画マスタープランの位置づけと役割
3.八幡市都市計画マスタープランの構成
……………………
2
…………………………………
3
4.八幡市都市計画マスタープランの対象区域
……………………………
5.八幡市都市計画マスタープランの目標とする時期
3
……………………
3
6.改訂の経緯
…………………………………………………………………
4
7.改訂の背景
…………………………………………………………………
4
第2編 全体構想 -八幡市全体のまちづくりの方針- ………………………
第1章 八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題 …………………………
7
8
1.八幡市の沿革と今日の姿
…………………………………………………
9
2.市民の意識
…………………………………………………………………
21
3.社会の潮流
…………………………………………………………………
26
4.広域におけるまちづくりの動向
…………………………………………
5.八幡市におけるまちづくりの動向
………………………………………
37
…………………………………………………
41
………………………………………………………
45
6.まちづくりの基本的課題
第2章
まちづくりの方針
1.まちづくりの基本的方向
…………………………………………………
46
…………………………………………………………
48
………………………………………………………………
50
2.将来都市フレーム
3.将来都市構造
第3章
28
まちづくりの整備構想
1.将来土地利用方針
…………………………………………………
52
…………………………………………………………
53
2.市街地及び集落の整備方針
………………………………………………
62
…………………………………………………
66
………………………………………………………
70
3.住宅・住環境の整備方針
4.都市施設の整備方針
4-1.交通体系整備の方針
………………………………………………
70
4-2.公園・緑地等の整備方針
…………………………………………
74
4-3.供給処理施設の整備方針
…………………………………………
78
4-3-1.上水道の整備方針
…………………………………………
78
4-3-2.下水道及び河川の整備方針
4-4.その他都市施設の整備方針
………………………………
80
………………………………………
84
5.自然環境保全及び都市環境形成の方針
…………………………………
88
6.景観の形成方針
……………………………………………………………
91
7.都市防災の方針
……………………………………………………………
95
目
第3編
地域別構想
1.地域の設定
第1章
北部地域
-地域におけるまちづくりの方針-
次
…………………… 101
………………………………………………………………… 102
………………………………………………………………… 104
1.北部地域の現状と課題
…………………………………………………… 105
2.北部地域のまちづくりの基本的方向
3.北部地域のまちづくりの整備構想
…………………………………… 118
……………………………………… 119
3-1.橋本・西山地区(北①)の整備構想
…………………………… 119
3-2.八幡北地区(北②)の整備構想
………………………………… 123
3-3.八幡南地区(北③)の整備構想
………………………………… 128
3-4.川口・八幡東地区(北④)の整備構想
第2章
西部地域
………………………………………………………………… 136
1.西部地域の現状と課題
…………………………………………………… 137
2.西部地域のまちづくりの基本的方向
3.西部地域のまちづくりの整備構想
第3章
東部地域
……………………………………… 145
…………………………………………………… 150
2.東部地域のまちづくりの基本的方向
…………………………………… 157
3.東部地域のまちづくりの整備構想
南部地域
…………………………………… 144
………………………………………………………………… 149
1.東部地域の現状と課題
第4章
………………………… 132
……………………………………… 158
………………………………………………………………… 163
1.南部地域の現状と課題
…………………………………………………… 164
2.南部地域のまちづくりの基本的方向
3.南部地域のまちづくりの整備構想
…………………………………… 171
……………………………………… 172
第4編 まちづくりの推進方策 …………………………………………………… 177
1.市民と行政の協働(パートナーシップ)によるまちづくりの推進 … 178
1-1.市民参画の現状と課題
…………………………………………… 178
1-2.まちづくりにおける行政、市民、NPO、事業者の役割
1-3.市民参画のシステムづくり
……………………………………… 180
1-4.マスタープラン実現に向けたまちづくりの手順
2.まちづくりの誘導方策
……………… 181
…………………………………………………… 183
2-1.まちの骨格を形成する都市施設の整備と都市計画の施策
2-2.地域における個性あるまちづくりの推進方策
資料 用語の解説
…… 178
…… 183
………………… 190
…………………………………………………………………… 195
- 1 -
第1編
-八幡市都市計画マスタープランの改訂にあたって-
1.都市計画マスタープランとは
都市計画マスタープランとは、1992(平成4)年6月の都市計画法改正において、新た
に位置づけられた都市計画法第 18 条の2に規定する「市町村の都市計画に関する基本的な
方針」として定めたものであり、「市町村基本構想」や都道府県が定める「都市計画区域の
整備、開発及び保全の方針」等の内容に即し、都市づくりの方向性を示すものです。
八幡市都市計画マスタープランは、八幡市がめざす将来像の実現に向けたまちづくりの
基本方針です。市民の意見を反映しながら地域特性に応じた将来都市像を明らかにし、そ
の実現に向けた方策を示す指針となります。
また、今までの行政主導型の都市計画から市民主体のまちづくりへと重点を置き換え、
市民の理解と協働のもとに、まちづくりの将来ビジョンを確立するものです。
2.八幡市都市計画マスタープランの位置づけと役割
本計画の位置づけと役割は以下のようにまとめることができます。
■
● 「新京都府総合計画」
・京都府における総合的かつ計画的
な行政運営を図るための基本構
想
都
市
計
画
法
■綴喜都市計画・京都都市計画(京都国
際文化観光都市建設計画)都市計画区
域の整備、開発及び保全の方針
・都市計画区域を対象として、京都府が
一市町村を超える広域的見地から、区
域区分をはじめとした都市計画の基
本的な方針を定める
● 第4次八幡市総合計画
・八幡市における総合的かつ計画的
なまちづくりを推進するための
基本指針
■八幡市都市計画マスタープラン
・ 本市の広域条件や特性を踏まえたうえで、長期的な視点から市域全体及び地域ごと
の将来像を具体的に示し、その将来像を実現するための都市計画の方針を明確にしま
す。
・
個別の都市計画を決定・変更する際の指針となります。
・ 市域全体や各地域のまちづくり、個別の都市計画に関して市民の参画を促す契機と
なります。
- 2 -
第1編
-八幡市都市計画マスタープランの改訂にあたって-
3.八幡市都市計画マスタープランの構成
八幡市都市計画マスタープラン(以下、「本マスタープラン」という。)は、次のような
構成となっています。
(1)「全体構想」
本市の未来の都市像を想定し、その実現のための基本的な考え方を以下の項目に沿い示
します。
●八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
●まちづくりの方針
●まちづくりの整備構想
(2)「地域別構想」
「全体構想」と整合を図りながら、各地域の長期的なまちづくりの考え方と整備の方向
を以下の項目に沿い示します。
●地域の現況と課題
●地域のまちづくりの基本的方向
●地域のまちづくりの整備構想
(3)「まちづくりの推進方策」
まちづくりの方針・整備構想を推進していくための方策を以下の項目に沿い示します。
●市民と行政の協働(パートナーシップ)によるまちづくりの推進
●まちづくりの誘導方策
4.八幡市都市計画マスタープランの対象区域
本マスタープランの対象区域は、本市の都市計画区域(=行政区域全域)とし
ます。
5.八幡市都市計画マスタープランの目標とする時期
本マスタープランは、将来の都市の姿を見定め、長期的、継続的な方向として本市の都
市計画の内容を先導する役割をもっています。このため、計画の目標とする年次は基準年
を 2007(平成 19)年としておおむね 20 年後の 2026(平成 38)年とします。ま た 、 実 現
化方策等の目標年次は本市のまちづくりにとって大きなインパクトとなる広域
幹 線 道 路 が 整 備 さ れ る お お む ね 10 年 後 の 2016( 平 成 28) 年 と し て 、 こ れ を 中
間目標とします。
ただし、今後の社会情勢や都市化動向等の変化に対応して、計画対象期間の
中でも適宜適切な見直しを行うものとします。
- 3 -
第1編
-八幡市都市計画マスタープランの改訂にあたって-
6.改訂の経緯
1998(平成 10)年の八幡市都市計画マスタープランの策定以降、京都府における総合的
かつ計画的な行政運営を図るための基本構想である「新京都府総合計画」が京都府により
策定されるとともに、都市計画法第6条の2の規定に基づく「綴喜都市計画
都市計画区
域の整備、開発及び保全の方針」(綴喜都市計画区域マスタープラン)「京都都市計画(京
都国際文化観光都市建設計画)都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(京都都市計画
区域マスタープラン)が 2004(平成 16)年5月に策定され、2007(平成 19)年 11 月に改
訂されました。
さらに、2006(平成 18)年 12 月に本市の上位計画である「第4次八幡市総合計画」を策
定しました。
一方、都市計画関連では、モータリゼーションの進展、消費生活の変化等の社会経済情
勢の変化により地方都市を中心に、中心市街地における商業機能の空洞化が深刻化した状
況を踏まえ、1998(平成 10)年に、まちづくりの観点から大規模店舗の立地規制等を可能
にする「改正都市計画法」、空洞化している中心市街地の活性化を図る「中心市街地におけ
る市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」(中心市街地活性化
法)、大規模店舗の出店に際して周辺の生活環境の保持の観点から配慮を求める「大規模小
売店舗立地法」(大店立地法)のいわゆる「まちづくり三法」が制定されました。しかし、
法施行後から今日まで様々な対策が講じられてきたにも関わらず、中心市街地は、居住人
口の減少、公共公益施設の移転や郊外型大規模店舗の立地による衰退が進んでいる状況を
踏まえ「都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律」をはじめ
とした、その他関連する「中心市街地の活性化に関する法律」
(改正により題名も変更)
、
「大
規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針」の改正が 2006(平成 18)年度
に行われました。
さらに、都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進し、美しく風格のある国土
形成、うるおいのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図る
ための景観に関する総合的な法律である景観法が 2004(平成 16)年 12 月に施行されまし
た。
これらの計画や本市を取り巻く社会経済情勢等の変化及び都市計画法等の改正を踏まえ、
本マスタープランを改訂するものです。
7.改訂の背景
現行の八幡市都市計画マスタープランでは、第3次八幡市総合計画の将来都市像である
「活力あふれ
みどり彩る
生活都市」を受け、第二京阪道路、新名神高速道路、京都第
二外環状道路等の大型プロジェクトのインパクトを積極的に活用した成長発展する都市を
目標としつつ、広域的な都市連携による機能分担を前提に、都市の拠点性を高めていく方
向をめざしていました。また、人口の増加を背景とした、量的拡大を指向したまちづくり
- 4 -
第1編
-八幡市都市計画マスタープランの改訂にあたって-
と、多様な都市生活の実現による都市の活性化、魅力向上との結びつけ、整備の目標とし
て「個性豊かな都市魅力あふれるまちづくりをめざします」を掲げていました。
しかし、その後の長期にわたった景気の低迷とともに、少子高齢化の急速な進行や人口
減少社会の到来という大きな社会経済環境の変化の中で、全国的に大規模プロジェクトの
実現や人口流入等に対する過度な期待を大きく見込むことが難しい局面を迎えています。
その結果、各都市においては、大きな外部要因まで見込んだ拡大・成長型のまちづくりは
困難になりつつあります。また、経済的側面や少子高齢社会・人口減少社会の到来だけで
なく、環境問題への関心の高まりや、生活様式の多様化といった価値観の変化も同時進行
しています。こうした量から質への価値観の転換を背景に、都市計画は現在、拡大・成長
型の「都市化社会」から安定・成熟型の「都市型社会」への対応が求められています。
本市においても、量から質への価値観の変化は、まちづくりにおける大きな課題です。
一方、今後とも未来に向けて積極的な都市経営を展開していくことも必要です。したがっ
て、本マスタープランの改訂に際しては、従来の広域的視点に立ったまちづくり、居住環
境の充実や歴史・文化・自然と調和した個性あるまちづくりに加えて、多様で質の高い都
市生活を送ることができるまちづくりを実践していくという視点が重要です。
- 5 -
- 6 -
- 7 -
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
- 8 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
1.八幡市の沿革と今日の姿
(1)位置と概要
本市は京都府南西部に位置し、京都都
■八幡市の位置
心部へは約15km、大阪都心部へは約25km
の位置にあります。市域から京都へは、
市域北部に位置する京阪電鉄「八幡市駅」
「橋本駅」からそれぞれ約25分で結ばれ
ています。大阪へは、「八幡市駅」「橋
本駅」からそれぞれ約45分、市域南部で
近接するJR学研都市線「松井山手駅」
から約40分で結ばれています。
また、市域中央部には、京都・大阪を
結ぶ国土軸の基幹国道である国道1号が、
市域東部には国道1号のバイパスとなる
第二京阪道路がそれぞれ縦貫しています。
ただし、第二京阪道路の一般部において、
木津川に架かる区間のみ供用されていま
せん。
このような地理的条件と交通環境にあ
って、本市はこれまでも大都市である京
都・大阪をはじめとする周辺地域と強い
関わりをもって発展してきました。そし
て、第二京阪道路が開通し、さらに、市
域南部において計画されている(仮称)
八幡ジャンクション・インターチェンジ
により新名神高速道路と連結されれば、
広域幹線道路網が充実し、広域圏におけ
る各都市との結びつきが強まります。
■八幡市の市勢の概況
(資料:平成 15 年度都市計画基礎調査)
市域面積
市街化区域面積
市街化調整区域面積
総人口
市街化区域
2,437ha
1,032ha
1,405ha
73,682 人
68,583 人
市街化調整区域
総世帯数
市街化区域
5,099 人
25,656 世帯
24,108 世帯
市街化調整区域
1,548 世帯
人口集中地区
- 9 -
面
積
人
口
人口密度
701ha
67,336 人
96.1 人/ha
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(2)歴史
本市の歴史は古く、市域の南西部丘陵
地から約2万年前の石器が出土しており、
すでに旧石器時代には人が生活していた
ことが伺われます。
古 代 か ら 近 世 に 至 る ま で 、交 通 手 段 と し
て木津川や淀川の水路の利用が高まると
ともに、陸路として古山陰道、東高野街
【東高野街道】
道 、京 街 道 が 整 備 さ れ 、本 市 は 山 陰 や 奈 良 、
京都へ通じる交通の要衝として重要な役割を担ってきました。
859( 貞 観 元 ) 年 、 平 安 京 を 鎮 護 す る た
め 、九 州 か ら 八 幡 神 が 勧 請 さ れ 、男 山 に 石
清 水八幡宮が建立されてからは、その門前
町として発展しました。
文 化 面 で は 、江 戸 時 代 初 期 、寛 永 の 三 筆
の一人と称される松花堂昭乗が石清水八
幡 宮 の 坊 舎 に 住 ま い し 、当 代 の 著 名 な 文 人
た ち と 集 い 、書 道・茶 道・和 歌 等 を 介 し て
文化の発信基地としても高い地位を占め
ていました。
【放生川】
江 戸 時 代 か ら 明 治 期 に か け て は 、豊 か な
田 園 の 広 が る 近 郊 農 村 と し て も 発 展 し 、商
業においても安定した発展を続けてきました。
1889( 明 治 22) 年 、 町 村 制 施 行 に よ っ て 、 現 在 の 市 域 に 八 幡 町 、 都 々 城 村 、
有 智 郷 村 が 設 け ら れ 、 1954( 昭 和 29) 年 に こ の 3 町 村 が 合 併 し て 人 口 1 万 6 千
人の新しい八幡町となりました。
昭 和 30 年 代 に お け る 京 都・大 阪 都 市 圏 の 広 が り は 、近 隣 地 域 へ の 人 口 の 分 散 、
ベットタウン化をもたらしました。特に本市においては、2大都市圏の中間に
位 置 す る と い う 立 地 条 件 も あ っ て 住 宅 適 地 と し て 脚 光 を 浴 び 、昭 和 40 年 代 後 半
に は 日 本 住 宅 公 団( 現
独立行政法人
都 市 再 生 機 構 )に よ る 男 山 団 地 の 開 発
が 主 因 と な っ て 、全 国 屈 指 の 人 口 急 増
をみるに至りました。
1975( 昭 和 50)年 に は 、人 口 が 5 万
人 を 超 え 、 1977(昭 和 52)年 11 月 1 日
に 市 制 を 施 行 し 、八 幡 市 が 誕 生 し ま し
た。
【石清水八幡宮】
- 10 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(3)人口・世帯数
本 市 の 人 口 は 、 男 山 団 地 の 開 発 に よ り 1970( 昭 和 45) 年 か ら 昭 和 50 年 代 に
か け て 急 激 に 増 加 し 、そ の 後 は 安 定 的 な 増 加 が 続 い て い ま し た が 、近 年 、国 勢
調 査 で は 1995( 平 成 7 )年 の 約 7 万 6 千 人 を ピ ー ク に 、以 降 は 停 滞 傾 向 に あ り
ます。
一 方 、世 帯 数 は 着 実 に 増 加 し て い ま す が 、1 世 帯 当 た り 人 員 は 減 少 し て い ま
す。
年 齢 3 区 分 別 人 口 の 推 移 を み る と 、1980( 昭 和 55)年 ま で は 人 口 の 増 加 に あ
わ せ て 年 少 人 口 割 合 も 増 加 し て い ま し た が 、そ の 後 は 少 子 高 齢 化 が 進 行 し て い
ます。
■人口・世帯数の推移
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
人口(人)
22,974
50,132
64,882
72,356
75,758
75,779
73,682
74,252
世帯数(世帯)
1世帯当たり
人員(人)
6,083
14,694
19,274
21,754
23,789
25,010
26,146
27,351
3.78
3.41
3.37
3.33
3.18
3.03
2.82
2.71
(資料:国勢調査)
単 位:人
■年齢3区分別人口の推移
年少人口
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
5,499
14,798
19,778
19,924
16,260
13,138
10,539
10,295
0~14 歳
23.9%
29.5%
30.5%
27.5%
21.5%
17.3%
14.3%
13.9%
生産年齢人口
15,848
32,879
41,789
48,206
53,031
55,365
53,534
51,535
15~64 歳
69.0%
65.6%
64.4%
66.6%
70.0%
73.1%
72.7%
69.4%
老年人口
1,627
2,399
3,271
4,190
5,382
7,223
9,565
12,401
65 歳以上
7.1%
4.8%
5.0%
5.8%
7.1%
9.5%
13.0%
16.7%
※ 年 齢 不 詳 が 存 在 し 、各 年 の 合 計 値 と 上 記 人 口 は 整 合 し ま せ ん 。(資料:国勢調査)
■人口・世帯数の推移
(4)産業
■年 齢 3 区 分 別 人 口 割 合 の 推 移
※各区分の割合の合計は四捨五入の関係から必ずしも
100%になりません。
- 11 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(4)産業
①
産業別就業人口
産業別就業人口の推移をみると、第1次産業は減少傾向が止まり横ばい傾向を示してい
ます。第2次産業は 2000(平成 12)年まで大きな変動は見られませんでしたが、2000(平
成 12)年から 2005(平成 17)年にかけて大きく減少しています。第3次産業はおおむね増
加傾向を示しています。
就業人口の合計値は、増加傾向から緩やかな減少傾向を示しています。
■産業別就業人口の推移
第 1 次産業
第 2 次産業
第 3 次産業
分類不能
合計
単位:人
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
1,821
1,315
1,157
1,007
891
835
743
730
16.5%
6.5%
4.4%
3.3%
2.6%
2.3%
2.2%
2.2%
4,178
7,348
9,101
10,097
11,105
11,059
10,241
8,201
37.9%
36.6%
34.6%
33.2%
32.9%
30.8%
30.3%
24.7%
5,003
11,354
16,022
19,188
21,163
23,448
21,757
22,123
45.4%
56.5%
60.9%
63.1%
62.7%
65.3%
64.4%
66.7%
12
68
22
137
574
559
1,022
2,126
0.1%
0.3%
0.1%
0.5%
1.7%
1.6%
3.0%
6.4%
11,014
20,085
26,302
30,429
33,733
35,901
33,763
33,180
(資料:国勢調査)
■産業別就業人口割合の推移
■産業別就業人口割合の推移
- 12 -
第2編
②
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
農業
本市の農業の状況を産業としての農家である販売農家についてみると、2005(平成 17)
年の総農家数は 357 戸であり、年々減少傾向にあります。
販売農家に占める専・兼業農家の割合をみると、2005(平成 17)年では兼業農家が 74.8%
を占めています。また、専業農家がほぼ横ばいであるのに対し、兼業農家は減少傾向を示
しています。
販売農家の経営耕地面積規模別農家数をみると、1.5ha 未満の規模における農家数の減少
が目立ち、大半が兼業農家と考えられます。
■経営耕地面積規模別農家数の推移(販売農家)
単位:戸
総農家戸数
0.3ha 未満
0.3~0.5ha
未満
0.5~
1ha 未満
1.0~1.5ha
未満
1.5~2.0ha
未満
2.0ha 以上
平成 7 年
566
5
129
248
124
44
16
平成 12 年
507
2
139
212
93
41
20
平成 17 年
357
-
74
162
75
33
13
■専業・兼業別農家数(販売農家)
単位:戸
販売
農家
専業
農家
兼業
農家
1種
2種
平成 7 年
566
92
474
178
296
平成 12 年
507
81
426
125
301
平成 17 年
357
90
267
96
171
%
100.0
25.2
74.8
26.9
47.9
(資料:
平成 7、17 年:農業センサス
平成 12 年:世 界 農 林 業 セ ン サ ス)
上表において、
平成 7・12 年は経営耕地面積が
10a 未満、かつ年間販売金額が 15
万円未満の農家は対象外
平成 17 年の農家数は販売農家(経
営耕地面積が 30a 以上または農産
物販売金額が 50 万円以上の農家)
のみ
■専業・兼業別農家数(販売農家)
■経営耕地面積規模別農家数の推移
(販売農家)
- 13 -
第2編
③
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
工業
本 市 の 工 業 の 出 荷 額 、事 業 所 数 及 び 従 業 者 数 の 推 移( 従 業 者 4 人 以 上 の 事 業 所 )
を み る と 、1999( 平 成 11)年 ・2000( 平 成 12)年 を ピ ー ク に 減 少 傾 向 を 示 し て い
ま し た が 、2004( 平 成 16)年 か ら 2006( 平 成 18)年 に は 増 加 し 、工 業 の 明 る い 兆
しが見えてきています。
■工業出荷額・事業所数・従業者数の推移
(資料:工業統計調査)
平成 11 年
平成 12 年
平成 13 年
平成 14 年
平成 15 年
平成 16 年
平成 17 年
平成 18 年
工業出荷額(億円)
1,039
1,108
990
944
941
942
1,009
1,123
事業所数(事業所)
147
151
137
132
130
115
118
113
3,774
3,716
3,376
3,298
3,281
3,102
3,159
3,174
従業者数(人)
※従業者4人以上の事業所の数値
■工業出荷額の推移
■事業所数の推移
■従業者数の推移
- 14 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
本 市 の 産 業 の 特 徴 的 業 種 で あ る 流 通 系 産 業 (運 輸 業 )に お け る 事 業 所 数 と 従 業 者
数 の 推 移 を み る と 、1999( 平 成 11)年 か ら 2006( 平 成 18)年 に か け て 、事 業 所 数
と従業者数とも順調に増加しています。
第二京阪道路や京都第二外環状道路等の広域幹線道路の整備が進み、工業団地を中心と
して多くの企業が進出したためだと考えられます。
今後、さらに、新名神高速道路(城陽~八幡間)が 2016(平成 28)年度に供用される予
定であり、本市への企業進出傾向が一層強くなると考えられます。
■運輸業の事業所数・従業者数の推移
平成11年
平成13年
平成16年
平成18年
事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数
運輸業
道路貨物運送業
54
1,092
70
1,479
73
1,734
86
2,039
37
747
51
1,139
57
1,405
62
1,542
倉庫業
7
72
9
84
11
100
13
186
その他
10
273
10
256
5
229
11
311
(資料:事業所・企業統計調査)
■運輸業の事業所数の推移
■運輸業の従業者数の推移
【第二京阪道路】写真提供:浪速国道事務所
- 15 -
第2編
④
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
商業
本市の商業の状況をみると、事業所数は微減傾向で、従業者数・年間商品販売額は増加
傾向を示しています。小売業売場面積は特に近年に大きな増加傾向を示しています。
これらの傾向や、統計以降に大型商業施設の立地が更に進んでいることから、大型商業
施設の進出の一方で、地域に密着した既存小売店が減少していることが伺えます。
■商業の推移
事業所数
(事業所数)
小売業
卸売業
計
従業者数
小売業
(人)
卸売業
計
小売業
年間商品
販売額
卸売業
(億円)
計
小売業売場面積(㎡)
平成 3 年
535
84
619
2,109
501
2,610
359
211
570
29,203
平成 6 年
522
82
604
2,602
576
3,178
416
225
641
35,302
平成 9 年
514
99
613
2,669
716
3,385
456
424
880
33,805
平成 11 年
496
117
613
2,950
919
3,869
431
640
1,071
37,451
平成 14 年
456
121
577
3,122
1,218
4,340
485
869
1,355
47,859
平成 16 年
439
130
569
3,097
1,391
4,488
482
1,051
1,532
56,936
(資料:商業統計調査)
■事業所数の推移
■従業者数の推移
■年間商品販売額の推移
■小売業売場面積の推移
- 16 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
( 5 ) 土地利用
本 市 の 土 地 利 用 状 況 を み る と 、 農 地 ( 24.7% ) が 一 番 多 く 、 次 い で 、 住 宅 用 地
( 19.1% ) 、 そ の 他 の 自 然 地 ( 13.1% ) と な っ て い ま す 。
農地、山林、水面、その他の自然地を合わせて5割を超えており、都 市 近 郊 と し て は 自
然的土地利用が多いことが伺えます。
■土地利用別面積
区分
(資料:平成15年度都市計画基礎調査)
その他公
交通施設
その他の
公共・公
その他の
的施設用
道路用地
住宅用地 商業用地 工業用地
用地
空地
益用地
自然地
地
農地
山林
水面
面積(ha)
601.92
202.94
127.21
319.49
465.26
57.94
147.38
143.21
273.98
5.43
5.54
割合(%)
24.7%
8.3%
5.2%
13.1%
19.1%
2.4%
6.0%
5.9%
11.2%
0.2%
0.2%
合計
86.70 2,437.00
3.6%
100.0%
※各区分の割合の合計は四捨五入の関係から必ずしも 100%になりません。
■土地利用別面積割合
- 17 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(6)自然環境
市域の西部は生駒山地の北端部
にあたり、なだらかな丘陵状の地
形を持っています。そして、石清
水八幡宮周辺の男山に残された樹
林地は、市域をはじめ周辺からの
眺望にも豊かな「みどり」を提供
しています。この男山の北には、
日本で唯一、三大河川が合流する
雄大な水辺環境を有しています。
また、市域東部は三川のうちの
1つである木津川の流域となる平
【背割堤】
地が広がり、都市近郊農業を支え
る施設園芸地や広大な田園地帯が形成されています。
大規模な住宅地開発を進めながらも、豊かな自然環境を保持しているのが本市
の大きな特性であり、市民にとって親しみのある地域風土として、まちづくりに
活用していく必要があります。
【三川合流周辺】
- 18 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(7)観光・レクリエーション
本市は大都市近郊にあって、観光資源に恵まれた都市です。石清水八幡宮や松
花堂庭園をはじめとする歴史・文化遺産や、男山の「みどり」と河川の水辺等の
豊かな自然環境、そして、日本最長
級といわれる木橋の流れ橋等がその
資源です。
これまで、「八幡市観光基本計画
(2003(平成 15)年3月:八幡市策定)」
に基づき、観光基盤の充実が図られ
てきており、今後もこの分野に力を
注ぎ、観光客の増加によって交流人
口の拡大に寄与していくことが、ま
ちの安定成長を支えていくものと考
【男山】
えられます。
【松花堂美術館】
【四季彩館】
【松花堂庭園】
- 19 -
【流れ橋】
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
【八幡市域全域】
- 20 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
2.市民の意識
「第4次八幡市総合計画」の策定において、市民参画のひとつの方策として、
まちづくりの意向の把握と市民の目からみた「第3次八幡市総合計画」の総括・
検証を行うために『八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」』を実
施 し ま し た 。 ( 報 告 書 : 2005( 平 成 17) 年 10 月 作 成 )
本計画は、市民主体のまちづくりに重点を置くため、この『市民アンケート調
査』の結果を反映させます。(図表Ⅲ
■総合的な住みやすさ(図表Ⅲ-1)
-○:報告書の図表番号を示す)
そこで、市民の本市に対するイメー
ジや今後のまちづくりの方向に関する
意識をまとめると次のようになります。
(1)八幡市の「住みやすさ」「居住
意向」
■今後の居住意向(図表Ⅲ-2)
本市の総合的な住みやすさについては、
「住み良いまちである」
「どちらかといえば
住み良いまちである」が合わせて 59.5%と
なっています。
本市への今後の居住意向については、
「ず
っと住み続けたい」
「どちらかといえば住み
続けたい」があわせて 67.4%となっていま
す。
■住み続けたい理由(図表Ⅲ-3)
住み続けたい理由としては、
「住宅の事情
から(33.6%)」「緑や公園が多く、まちの
環境がよいから(30.6%)」「地域に愛着が
あるから(25.6%)」の順で多くなっていま
す。
転居したい理由としては、
「治安に不安が
あるから(28.6%)」「市外に通勤・通学や
■転居したい理由(図表Ⅲ-4)
買い物等をする上で交通の便が良くないか
ら(25.6%)」「近隣に商店や病院等が少な
く、生活する上で不便だから(24.4%)」の
順で回答が多くなっています。
- 21 -
第2編
全体構想
(2)質の高い都市基盤づくり
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-都市整備の推進-
本市の「都市整備の推進」の分野で
■「都市整備の推進」における満足度(図表Ⅲ-8)
は、「道路の便利さ・快適さ」「公園・
緑地・河川など、水や緑の環境」にお
いて「満足」
「やや満足」を合計した割
合が高くなっている一方で、
「まちのに
ぎやかさ」
「鉄道やバスなどの公共交通
の便利さ」において「不満」
「やや不満」
を合計した割合が高くなっています。
今後「都市整備の推進」において重
要な項目としては、
「公園・緑地・河川
など、水や緑の環境(55.6%)」「鉄道
■「都市整備の推進」における今後の重要項目
(図表Ⅲ-10)
やバスなどの公共交通の便利さ
(53.3%)」の順で多くなっています。
上記より、満足度と重要項目の関係
をみると、
「鉄道やバスなどの公共交通
の便利さ」の重要度が高く、満足度が
低い領域に位置しています。
■「都市整備の推進」における満足度と重要度の
関係(図表Ⅲ-11)
- 22 -
第2編
全体構想
第1章
(3)安全で快適な生活環境づくり
本市の「生活環境・安全の向上」の
分野では、
「水道水の安全で安定した供
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-生活環境・安全の向上-
■「生活環境・安全の向上」における満足度
(図表Ⅲ-13)
給」「下水道の整備」において「満足」
「やや満足」を合計した割合が高くな
っている一方で、
「大気や水質・騒音な
ど環境問題への対応」
「防犯および交通
安全対策」において「不満」
「やや不満」
を合計した割合が高くなっています。
今後「生活環境・安全の向上」にお
いて重要な項目としては、
「防犯および
交通安全対策(54.2%)」「住みやすい
■「生活環境・安全の向上」における今後の重要
項目(図表Ⅲ-15)
住環境(47.3%)」の順で多くなってい
ます。
上記より、満足度と重要項目の関係
をみると、「防犯および交通安全対策」
「大気や水質・騒音など環境問題への
対応」
「適切なごみ処理・まちの清潔さ」
「自然災害に対する安全性」の順で重
要度が高く満足度が低い領域に位置し
ています。特に「防犯および交通安全
対策」と「大気や水質・騒音など環境
■「生活環境・安全の向上」における満足度と重
要度の関係(図表Ⅲ-16)
問題への対応」のニーズが高いことが
わかります。
- 23 -
第2編
全体構想
第1章
(4)市民の暮らしを支える活力づくり
本市の「産業の振興」の分野では、
「農
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-産業の振興-
■「産業の振興」における満足度(図表Ⅲ-23)
業の振興」において「満足」
「やや満足」
を合計した割合が高くなっている一方
で、
「商業の振興」において「不満」
「や
や不満」を合計した割合が高くなって
います。
今後「産業の振興」において重要な
項目としては、
「商業の振興(67.3%)」
「観光・レクリエーションの振興
(57.5%)」の順で多くなっています。 ■「産業の振興」における今後の重要項目
上記より、満足度と重要項目の関係
(図表Ⅲ-25)
をみると、「商業の振興」「観光・レク
リエーションの振興」の重要度が高く、
満足度が低い領域に位置しています。
特に「商業の振興」のニーズが高いこ
とがわかります。
■「産業の振興」における満足度と重要度の関係
(図表Ⅲ-26)
- 24 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(5)八幡市のイメージ、まちづくりの方向性
市民が「八幡市らしさ」としてイメー
ジするものは、
「石清水八幡宮」を挙げる
■「八幡らしさ」をイメージするもの
(図表Ⅲ-43)
方が 88.3%と最も多く、続いて「流れ橋
(47.5%)」「松花堂(34.9%)」「竹(エ
ジソンの逸話など)
(26.4%)」
「桜(背割
堤)(25.7%)」が比較的多い結果となっ
ています。
本市の望ましいまちづくりの方向性と
しては、
「緑豊かでうるおいのあるまちづ
くり(47.4%)」「人にやさしい福祉・健
康づくりのまち(44.8%)」「安全で安心
■望ましいまちづくりの方向性
(図表Ⅲ-44)
できるまち(41.7%)」「公共交通機関や
道路が充実し、便利で快適なまち
(34.2%)」「子育てや教育の環境が充実
したまち(30.7%)」の順で多くなってい
ます。
(6)『市民アンケート調査』のまとめ
『市民アンケート調査』の結果から、まちづくりに求められていることをまとめると次
のようになります。
【まちづくりの方向性】
【まちづくりに求められるもの】
◆緑豊かでうるおいあるまちづくり
◆市外への交通環境の充実
◆人にやさしいまちづくり
(特に、市域内も含めた公共交通の充実)
◆安全で安心できるまちづくり
◆生活サービス施設の充実
◆防犯および交通安全対策
◆環境問題への対応
◆商業・観光・レクリエーションの振興
(特に、商業の振興)
【八幡らしさ】
◆石清水八幡宮・流れ橋・松花堂
- 25 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
3.社会の潮流
今後のまちづくりを考えるうえで留意すべき社会の潮流としては、以下のようなものが
挙げられます。
①
少子高齢化の進行と人口減少社会の到来
日本の人口は 2005(平成 17)年には、当初の予想よりも早く、戦後初めて減少に転じ、
人口減少社会が到来しました。その主な要因として、合計特殊出生率の低下等に伴う少子
化及び老年人口の増加による高齢化の傾向が挙げられますが、このような少子高齢化や人
口減少等の人口構造の変化は、福祉分野にとどまらず、地域社会や経済の構造など市民生
活全般に大きく影響を及ぼすものと予想されます。そこで、今後のまちづくりは、公共交
通の再生、既存ストックの有効活用や民間ノウハウを取り入れた公共公益施設と生活利便
施設の充実等による効果的で効率的な整備や、交流人口を増加させる拠点等の整備による
活性化を図ったまちづくりが必要です。
②
価値観・生活様式の多様化
人々の価値観は物の豊かさから心の豊かさへと大きく変化し、生活様式もこれまで以上
に質が重視されるなど、社会のソフト化が進行するとともに、市民ニーズも高度・多様化
しています。
この様な背景のもと、市民ニーズを把握し、地域に密着したまちづくりを進めていくた
めに、市民生活を支える小学校区を中心とした地域コミュニティ活動を促進する必要があ
ります。さらに、地域住民等に対する情報公開や広報公聴活動、周知・啓発、参画等を推
進する必要があります。
そして、まちづくりに関しては、歴史・文化・自然等の地域独自の資源を保全・活用し、
地域の魅力の創出を図ったまちづくりを進めていく必要があります。
③
地球環境問題の深刻化
都市活動における科学技術の進展等により、エネルギー問題や都市・生活型公害問題な
ど、地球規模で環境に与える影響が問題視されています。
今後のまちづくりにおいては、本市が 2002(平成 14)年に行った「環境自治体宣言」に
基づき、省資源・省エネルギー型社会の形成に向け、地球環境の保全や循環型社会に対応
したまちづくりを進めていくことが必要です。
④
都市型社会への対応
都市計画の潮流は、人口増加や産業の発展を前提とした「都市化社会」から、安全・安
心・快適な生活環境が求められる成熟した「都市型社会」へと変化しています。
- 26 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
「都市型社会」に対応し、高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもから大人までだ
れもが安心して快適に暮らせるために、公共交通を活かすとともに、居住地の徒歩圏内に
商業施設や公共公益施設が立地した複合的な土地利用の形成をめざした既成市街地の更新
整備が必要です。
⑤
地方分権社会の進展
2000(平成 12)年の「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」
(地
方分権一括法)の施行を契機として、国による行財政制度の改革(三位一体改革)が進行
中であり、地方自治体は財政的には厳しい状況下のもとで、効率的・効果的な財政運営及
び自主的で自立した施策の立案と推進体制の構築が急務となっています。そして、限られ
た財源の中で創意工夫を凝らして個性ある地域づくりを進めていくことが今まで以上に求
められています。
- 27 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
4.広域におけるまちづくりの動向
(1)「新京都府総合計画」
『新京都府総合計画(2001(平成 13)年1月:京都府策定)』 では、21 世紀においては、
市民生活や地域社会等が大きく変化していくことが予想されるとの認識に立ち、今までに
京都府が築き上げてきたものをしっかりととらえ、時代の変化を的確につかんだうえで将
来の進むべき方向性を描いていくことが必要との考え方に基づき、以下のようなまちづく
りの方向が示されています。
①
京都府全体のまちづくりの方向
【時代認識】
・少子・高齢化、人口減少が進みます
・地球時代、交流と連携の時代を迎えます
・自然との共生や地球環境問題に対する意識が高まります
・IT革命により暮らしや産業が大きく変化します
・こころの豊かさが重視され、価値観の多様化が進みます
・個人の尊厳と人権が尊重される社会の実現に向かいます
・地方分権が進み、個人や地域の自立と自己責任がより重視されます
・行財政改革や社会の構造改革に向けた取組が進みます
・住民参加や行政の透明性の確保が一層重要となります
【京都府のめざす将来像】
・一人ひとりがいきいきと暮らせる社会
・人と自然が共生する循環型社会
・文化・学術を創造し、世界に発信する社会
・たくましい地域経済のもとで持続可能な発展をめざす社会
・豊かな社会基盤が支える快適でうるおいある社会
【施策展開の視点】
・府民の視点の重視
・地域特性の重視
・交流・連携の促進
・環境への配慮
・安心・安全の確保
・つくったものを「よりいかす」視点の重視
- 28 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
【基本計画の施策の柱】
・いきいきと生きがいを持って暮らせる社会づくり
・明るく健やかな健康福祉社会の確立
・人と自然が共生し、文化がいきづく京都府づくり
・たくましい地域経済と安定して働ける社会の確立
・生活と産業を支える基盤の整備
②
山城中部地域における整備の方向
本市の属する山城中部地域については、次のような基本方針が示されています。
【地域整備の基本方向】
広域交通網をいかした豊かな産業・文化交流圏の形成
【主要施策の体系】
●地域拠点の連携による快適で一体感のある地域づくり
・広域交通網等の整備の推進
・魅力ある地域拠点の整備の促進
・地域拠点を結ぶ交通網整備の促進
・一体感のある地域づくりの促進
●結節地域としての立地特性等をいかした魅力ある産業拠点の形成
・魅力ある産業拠点づくり
・商店街、小売商業の振興
●高収益農業の展開
・園芸・特産産地の育成
・農業生産基盤整備の計画的推進
●豊かで快適な生活環境等の創造
・公園等の整備の促進
・誰もが安心して暮らせる地域社会づくり
・快適な生活環境等の整備の促進
・災害に強く安全で安心な暮らしを守るまちづくり
・地域文化の振興
- 29 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(2)山城地域振興計画
『山城地域振興計画(2005(平成 17)年3月:京都府山城広域振興局策定)』は、山城地
域(17 市町村)の一層の振興・発展に向け、地域の有する特性や課題を踏まえつつ、地域
の目指すべき将来像を設定し、その実現のために中期的(3~5年)に取り組むべき具体
的方策を明らかにしようとするものです。
【地域の将来像】
ともに創る活力とやすらぎの山城交流圏
●ひと、もの、情報が交流し、新たな活力を生み出す地域
●地域産業の強みを磨き、京都府経済をリードする地域
●豊かな歴史と質の高い文化の中で、いきいきと暮らす地域
●恵まれた自然環境がうるおいとゆとりを生み出す地域
●誰もが参加し、連携して創り上げる愛着の持てる地域
【施策の基本方向】
①
豊かな自然と磨き上げた文化が織りなす交流圏の形成
②
21 世紀の京都府経済をリードする成長軸の形成
③
地域の社会基盤の整備
④
地域の担い手づくりと豊かな地域社会の形成
【具体的施策の展開】
①
「やましろ観光」の推進
②
「宇治茶の郷づくり」の推進
③
「企業誘致用地の確保と立地促進」
④
放置竹林の拡大防止と竹の利活用
⑤
地産地消の推進
⑥
地域文化の振興
⑦
道路の整備推進
⑧
自然災害からの安心・安全とうるおいのある環境空間の創出
⑨
住民との協働による施設整備・管理
⑩
郷土を愛し、世界にはばたく子どもの育成
- 30 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(3)京都南部都市広域行政圏計画
『京都南部都市広域行政圏計画(2007(平成 19)年2月:京都南部都市広域行政圏推進
協議会改定)
』では、京都府南部の南山城地域と乙訓地域の6市4町で構成する京都南部都
市広域行政圏域を取り巻く時代の潮流や圏域構成市町の総合計画等を基礎とし、大都市近
郊でありながら自然に恵まれている本圏域の立地特性を生かした圏域づくりの方向性を示
しています。
【圏域の基本的課題】
・圏域としてのアイデンティティ(主体性・存在感)の形成および位置づけの明確化
・ひとと自然にやさしい快適な生活環境の創出
・立地特性を生かした産業資源の有効活用等個性ある新たな活力圏域の形成
・だれもが安全・安心して暮らせる圏域の形成
・歴史・文化・自然を生かした交流・連携
・圏域内外の交流・連携促進に資する都市基盤構造の確立
【圏域づくりの基本理念】
・ひとと自然が共生しゆとりとやすらぎを実感できる心ふれあう地域社会
・培われた歴史を継承し活力と新しい文化を創造する地域社会
・個性と魅力を生かし交流・連携を図る自立した地域社会
【圏域づくりの6つの柱】
・環境と共生し安全でやすらぎのある圏域づくり
・人間性豊かでふれあいのある圏域づくり
・健康で明るく心のかよう圏域づくり
・地域資源を生かした歴史・文化の香り高い圏域づくり
・活力に満ちた魅力あふれる圏域づくり
・広域交通網を生かした便利で快適な圏域づくり
【八幡市の役割と機能配置の方向】
男山緑地や三川合流、松花堂および流れ橋(上津屋橋)周辺等の自然・歴
史・文化資源を生かし、緑豊かな生活都市としての整備を図ります。また、
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジの立地等の交通利便性を生
かし、京都・大阪圏との広域的な連携を図る交流拠点の玄関口としての役割
を担います。
- 31 -
第2編
■圏域の機能配置
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-「京都南部都市広域行政圏計画」より-
- 32 -
第2編
全体構想
■圏域における交通体系
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-「京都南部都市広域行政圏計画」より-
- 33 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(4)綴喜都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
本市の都市計画の基礎となる「綴喜都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」
(2007(平成 19)年 11 月:京都府改訂)では、以下のような方針による都市づくりの方向
が示されています。
【都市づくりの基本理念】
①
関西文化学術研究都市建設と連携した職住近接を備えた一体的な都市づくり
②
広域交通網の整備を活かした産業基盤のある自立した都市づくり
③
公共交通機関を活かして、都市の中心性を高め、機能的な都市活動ができるコン
パクトな都市づくり
④
中心市街地の賑わいと活力基盤のある都市づくり
⑤
都市基盤等これまでに培ってきた成果を活かした都市づくり
⑥
環境への負荷の低減を図る環境にやさしい都市づくり
⑦
だれもが安心・安全で健やかに暮らすことができる良好な住宅・住環境がある都
市づくり
⑧
地域特性や地域資源を活かした個性のある都市づくり
⑨
他都市地域との広域的な連携と交流を推進する都市づくり
⑩
情報化、国際化の進展に対応できる交流拠点のある都市づくり
⑪
住民、民間、行政等の協働による魅力ある地域社会を実現する都市づくり
⑫
自然環境や歴史的環境の保全と活用を図り、美しい景観のある都市づくり
【区域の将来像】
●立地特性を活かした産業拠点のある都市
●魅力ある地域拠点の形成と連携による快適な都市
●豊かな歴史・文化・自然と調和する都市環境
●関西文化学術研究都市建設を活かした一体的な都市
これらの広域関連計画を踏まえ、広域や地域から求められる本市の役割・機能を整理す
ると次のようになります。
【広域・地域から求められる本市の役割・機能】
◆広域幹線道路の結節点となる立地特性等を活かした魅力ある産業拠点の形成
◆魅力ある地域拠点の形成と広域的連携による快適な都市づくり
◆豊かな歴史・文化・自然と調和した快適な生活環境の創造
◆だれもが安心・安全に暮らせる都市づくり
◆公共交通機関を活かして、都市としての機能・質を高めたコンパクトな都市づくり
- 34 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(5)地域商業ガイドライン
京都府と府内市町村は、中心市街地活性化に取り組むに当たり、人口減少時代の到来や
少子高齢化社会の進展等の社会的な背景を踏まえ、まちづくり三法による規制誘導を講じ
ることや、これまで整備された都市基盤など既存ストックを活かしたまちづくりを推進す
ることで、公共交通機関を核とした誰もが暮らしやすく、機能的な都市活動ができる「ま
ちなか」再生を図っていく必要がありました。
そして、特に広域に影響を及ぼす大規模小売店舗は、郊外部への無秩序な立地を抑制し、
結果として都市計画区域内にある中心市街地へ誘導することで、中心市街地活性化の効果
を上げることが必要でありました。
そこで、京都府中心市街地活性化懇話会の「まちなか再生を推進するガイドラインに関
する提言(2006(平成 18)年7月)」に基づき、地域区分ごとに、地域内商工会議所、商工
会、消費者団体等、京都府、地域内市町村により構成された「地域商業ガイドライン策定
協議会」を設置し、中心市街地エリア、中心市街地の将来目標及び大型店抑制・誘導エリ
ア等を明示した地域商業ガイドラインを 2007(平成 19)年5月に策定しました。
本市は山城北地域に属し、『山城北地域商業ガイドライン』において「八幡源氏垣外地
区・八幡一ノ坪地区・欽明台北地区」の3地区が特例誘導エリアに指定されました。
【特例誘導エリア】
中心市街地以外で、既に地域に特定大規模小売店舗が立地しているエリ
アであり、その商業集積地としての役割を今後においても保持するために、
特定大規模小売店舗の立地可能エリアとして、地域商業ガイドラインで定
める区域。
・特定大規模小売店舗:建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)別表第二(わ)
項に掲げるもの(店舗の部分が大規模小売店舗と認め
られるものに限る。)をいう。
- 35 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
■山城北地域商業ガイドライン エリア図(八幡市)
- 36 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
5.八幡市におけるまちづくりの動向
本市における総合的かつ計画的なまちづくりを推進するための基本指針である「第4次
八幡市総合計画(以下、
「市総合計画」という。
)」では、次に示すような考え方に基づくま
ちづくりの方向が示されています。
◇将来都市像
自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
~自立と協働による個性あふれるまちづくり~
◇まちづくりの基本目標
(1)人権を大切にし、みんなが力をあわせてまちづくりを進めるまち
(2)次代を担う人づくりを進め、文化芸術を守り育てるまち
(3)豊かな自然を守り、循環型の社会づくりを進めるまち
(4)だれもが明るく元気に暮らせるまち
(5)人がつどい、活力あふれるまち
(6)安心して暮らせる安全で快適なまち
(7)計画の実現に向けた取組や体制の強化
◇まちづくりを進めるための3つの基本的姿勢
(1)自立と連携
(2)公開と協働
(3)信頼と安心
◇人口規模
目標年次の 2016(平成 28)年の人口:約 76,000 人程度
◇都市空間形成の方針
◆めざすべき都市の構造
(1)2つの広域交流エリアの形成
①
北部広域交流エリア
・八幡市駅周辺を中心とする地域。地域資源を活用したまちづくりの中心とします。
②
南部広域交流エリア
・第二京阪道路と新名神高速道路の結節点となる(仮称)八幡ジャンクション・イ
ンターチェンジ周辺。本市の新しい玄関口として、都市活力の向上に活かします。
(2)交流拠点の充実
①
広域集客交流拠点
・三川合流周辺、男山周辺、松花堂周辺、流れ橋周辺。広域的な集客をめざし、周
辺環境整備やさまざまな施策と連動した魅力の向上を図ります。
- 37 -
第2編
②
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
生活交流拠点
・八幡市駅周辺、橋本駅周辺、男山の各地区センター周辺、きんめい近隣公園周辺。
周辺の環境整備と商業機能の誘導を図ります。
・公共公益・文化施設等が集積する市役所周辺は、生活・文化交流の場として機能
の充実を図ります。
③
複合都市機能拠点
・
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺。広域幹線道路がもたらす効
果をまちづくりに活かすため、産業の活性化と市民生活の利便性向上につながる
複合的な都市機能拠点の整備をめざします。
(3)交流連携軸の整備
①
広域交流軸
・京都第二外環状道路、府道京都守口線、国道1号、第二京阪道路とこれにつなが
る新名神高速道路。広域的な連携の強化を図ります。
②
南北連携軸
・市域の北と南に形成される広域交流エリアを結び、さらに乙訓方面に伸びる南北
方向の幹線道路。南北の広域交流エリアを連携させるとともに、この軸を中心に
乙訓・京都北部方面、京田辺市方面との連携を図ります。
③
東西連携軸
・市域から近隣市に伸びる東西方向の幹線道路。この軸を中心に市域の西部と東部、
枚方市方面、木津川右岸方面との連携を図ります。
④
市内交流軸
・橋本南山線から山手幹線、府道長尾八幡線から府道富野荘八幡線、府道八幡木津
線、八幡田辺線。市民生活に身近な動線として、市民の暮らしに必要な商業・サ
ービス機能の適切な立地を促進します。
⑤
集客交流軸
・北部広域交流エリアから、東高野街道の一部である市道土井南山線を経て松花堂
周辺に至るルートと、流れ橋周辺を経て城陽市、京田辺市の木津川沿岸につなが
るルート。市内の「広域集客交流拠点」を結び、広域からの来訪者の憩いの空間
を形成します。
・大谷川、防賀川は、市民及び市外からの来訪者にうるおいを与える軸として親水
空間の整備を進めます。
◆土地利用の方向
(1)住宅地域
・既に住宅地が形成されている既成市街地は、用途の混在を抑制して秩序ある土地利
用を誘導し、快適で魅力ある生活環境の向上をめざします。
・残された空閑地では、今後の住宅需要の動向を踏まえて、新たな市街地形成の誘導
- 38 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
を図ります。
・市役所周辺の地域については、公共施設の集積を活かし、行政サービスや市民文化
の中心とします。
(2)商業地域
・八幡市駅周辺をはじめとする既存商業地は、にぎわいのある商業空間の充実を図り
ます。
(3)沿道サービス地域
・幹線道路の沿道においては、自動車関連等の沿道サービス施設の立地を許容しつつ
住環境の保全に努めます。
(4)工業等産業地域
・第二京阪道路や京都第二外環状道路の整備に伴う業務用地の需要拡大に適切に対応
し、本市の産業活力の向上につなげます。
・
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、新たな都市機能の立地を
図るとともに、市の新しい玄関口として周辺環境と調和した景観を形成します。
(5)田園・集落地域
・都市近郊農業の振興を図るため優良農地の保全に努めるとともに、農村集落の生活
環境整備を進めます。
(6)自然環境地域
・男山の樹林地や三川合流周辺から木津川にかけての水辺空間など豊かな自然環境の
保全と活用を図ります。あわせて、森林の適切な管理と保全に努めます。
(7)土地利用検討地域
・大谷飛地については、周辺地域と調和した良好な住居系の土地利用の実現に向けた
検討を進めます。
- 39 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
■第4次八幡市総合計画における将来都市構造・土地利用図
新名神高速道路
- 40 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
6.まちづくりの基本的課題
これまでに整理してきた「1.八幡市の沿革と今日の姿」「2.市民の意識」「3.社会
の潮流」「4.広域におけるまちづくりの動向」「5.八幡市におけるまちづくりの動向」
を踏まえ、本市の都市計画マスタープランとして示すべき今後のまちづくりに関する基本
的な課題を、社会環境の変化に対する視点で整理すると次のようになります。
(1)少子高齢社会と人口減少社会への対応
公共交通の再生、既存ストックの有効活用や民間ノウハウを取り入れた公共公益施設と
生活利便施設の充実等による効果的で効率的な整備や、交流人口を増加させる拠点等の整
備による活性化を図ったまちづくりが必要です。
①
広域幹線道路の結節点となる立地特性等を活かし、新たな産業(工業・商業)振興地
の形成及び魅力ある産業(工業・商業)拠点の形成を図ったまちづくり
人口減少社会を迎え、これからも活力ある都市として持続していくためには、多様
な働き場所を提供するまちづくりが必要です。
本市は、全国や京都府と比較して第2次産業の割合が高く、なかでも製造業の割合
が特に高くなっています。また、第二京阪道路や京都第二外環状道路等の広域幹線道
路の整備が進み、沿線の工業団地に多くの企業が進出するとともに、大型小売店舗も
進出しています。さらに、新名神高速道路(城陽~八幡間)が 2016(平成 28)年度に
供用される予定であり、この傾向が一層強くなると考えられます。
そこで、まちづくりの観点からは、このような地域特性を活かし、新たな産業(工業・
商業)振興地の形成及び魅力ある産業(工業・商業)拠点の形成が必要です。
②
商業や観光・レクリエーションの振興による魅力ある地域拠点の形成と広域的連携
を図ったまちづくり
本市の有する多様な地域特性を活かした均衡ある発展を図るためには、来訪者の増
加による交流人口の拡大が可能となるまちづくりが必要です。
本市には、男山と三川合流周辺に代表される豊かな自然環境や、石清水八幡宮、流
れ橋、松花堂をはじめとする、すぐれた歴史・文化資源があります。これら資源は、
観光・レクリエーションの機能を有するものとしても着目すべきものであり、京都・
大阪の大都市圏から交通至便な位置にあって、こういった資源や地域特性を活用し、
広域の観光・レクリエーション地としての機能や商業機能の充実等により魅力ある地
域拠点の形成が必要です。
- 41 -
第2編
③
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
都市資源の活用を図ったまちづくり
少子高齢化、人口減少が進むことで公共投資余力の縮小も予想されることから、都
市の資産(既存ストック)の有効活用が課題です。多様なニーズに対応するため、空
き家の活用による住み替え及び再整備の促進や、快適な居住環境の形成のため歴史・
文化・自然等の都市資源の有効活用を図っていくことが必要です。
特に、本市では、市全体の人口・世帯数の約3分の1を占める男山地域のUR賃貸
住宅(旧公団住宅)等が築 30 年以上を経ており、これらの都市資源の活用が今後のま
ちづくりにおける重要な課題となります。
④
集約型土地利用の促進を図ったまちづくり
少子高齢社会や人口減少社会に対して、市街地が低密度で拡散することは、行政運
営上非効率な都市構造であるとともに、公共交通の事業性の低下を招くなどし、自動
車に過度に依存する都市構造となります。
そこで、既成市街地を中心とし、人に優しく効率的な都市構造を形成するために、
公共交通を活用しながら歩いて暮らせる集約型土地利用の促進を図る必要があります。
(2)価値観・生活様式の多様化及び地方分権型社会の進展への対応
市民ニーズの高度・多様化に対応し、歴史・文化・自然等の地域独自の資源を保全・活
用し、地域の魅力の創出や、市民生活を支える地域コミュニティ活動を促進するなど、地
域に密着したきめ細かな土地利用の誘導が必要です。ただし、限られた財源の中で創意工
夫を凝らし、個性ある地域づくりを進めていくことも今まで以上に求められています。
①
豊かな歴史・文化・自然と調和した個性あるまちづくり
本市は、男山と三川合流周辺に代表される自然環境や、石清水八幡宮、流れ橋、松
花堂をはじめとする歴史・文化資源に恵まれています。
したがって、これらの豊かな歴史・文化・自然を本市の財産として保全していくと
ともに、市民や本市を訪れる人にとって身近にふれあえる場として活用するなど都市
資源の有効活用を図っていくことが必要です。
②
市民・NPO・事業者・行政の協働によるまちづくり
地域の特性や課題にきめ細かく対応したまちづくりを進めていくためには、市民・
NPO・事業者や地域コミュニティとの対等な関係による取組が必要です。
また、これまで以上にまちづくりにおける市民参画を推進するとともに、地域のま
ちづくり組織による具体的な計画づくりや実践を促進する必要があります。
- 42 -
第2編
③
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
市民の価値観・ライフスタイルの多様化に対応したまちづくり
個人の価値観が多様化し、その中から様々なライフスタイルが創出され、人々の生
活は質的な向上をめざす段階に入っており、多様化するライフスタイルに対応したま
ちづくりが必要です。
そこで、限られた財源の中で創意工夫を凝らし、多様な形態の住宅供給や多彩な商
業施設の整備等により、多様で質の高い都市環境づくりが必要です。
(3)地球環境問題に配慮したまちづくりへの対応
省資源・省エネルギー型社会及び循環型社会の形成に向け、環境問題に配慮したまちづ
くりを進めるとともに、自然環境と共生していくことが必要です。
①
環境負荷の小さいまちづくり
都市の環境負荷を低減させ、環境面での持続可能なまちづくりが必要です。市街地
の公共空間や建築物において、水や緑等の取り入れや効果的な活用による自然環境と
の共生を推進することが必要です。
また、都市全体から建物に至るまでの省エネルギー化や、再生可能エネルギー、新
エネルギー等の活用による環境負荷の低減及び資源エネルギーの有効活用を推進する
ことが必要です。
そして、環境負荷の低減を推進するために、循環型社会の形成に向けたまちづくり
が必要です。
②
自然環境を守り調和するまちづくり
豊かな自然を守り、まちづくりに効果的に活かしていくことが必要です。都市の骨
格的な水と緑のネットワークの形成や農地の保全、農地と居住地が共生する空間づく
りを進めることが必要です。
また、観光による地域振興を図るうえでも、自然を守り自然と共生したまちづくり
が必要です。
市街地においても、緑や水辺など自然要素を積極的に取り入れることで、良好な景
観を大切にした市街地形成が必要です。
(4)都市型社会への対応
高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもから大人までだれもが安心して快適に暮ら
せるために、公共交通を活かすとともに、居住地の徒歩圏内に商業施設や公共公益施設が
立地した複合的な土地利用の形成をめざした既成市街地の更新整備が必要です。
- 43 -
第2編
①
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
公共交通機関等を活かして、まちとしての機能・質を高めたコンパクトなまちづく
り
高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもから大人までだれもが自由に社会参画
でき、暮らしやすい環境をつくるとともに、環境負荷を低減させるためには、公共交
通の活用が必要です。
このため、自動車等に過度に依存した都市とせず、公共交通網を軸とした集約型の
都市構造への誘導を図るとともに、既存のストック(路線バスや道路など)を有効に
活用するなど、公共交通が利用しやすいまちづくりを進めることが必要です。
道路についても、このような都市構造を実現し、地域間の連携強化や既存道路網の
ネットワーク機能の改善、強化を図り、効果的、重点的な整備が必要です。
②
だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
自然災害や都市的な災害を未然に防ぐまちづくりを進めるとともに、災害時の被害
を最小限にするための方策を講じていくことが必要です。
また、地域コミュニティ活動の促進や防災意識の向上など市民主体の防災まちづく
りを促進していくとともに、防犯など日常生活における安全・安心の確保を進めてい
くことが必要です。
- 44 -
第2章
- 45 -
まちづくりの方針
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
1.まちづくりの基本的方向
本市は、男山、木津川、田園地域等の豊かな自然環境と石清水八幡宮や松花堂等のすぐ
れた歴史・文化資源を背景としながら、京都・大阪という大都市圏に近く、交通アクセス
にも優れた立地条件を有して、良好な環境の住宅都市として発展してきました。
今後は、これまでのまちづくりの成果を踏まえ、社会の変化に適切に対応したまちづく
りを進めていく必要があります。
そこで、まちづくりの指標となる都市計画マスタープランでは、前章で整理した「6.
まちづくりの基本的課題」を踏まえ、めざすべき「将来都市像」と「整備の基本目標」を
以下のように定めます。
まちづくりの基本的課題
(1)少子高齢社会と人口減少社会への対応
①
広域幹線道路の結節点となる立地特性等を活かし、新たな産業(工業・商業)
振興地の形成及び魅力ある産業(工業・商業)拠点の形成を図ったまちづくり
②
商業や観光・レクリエーションの振興による魅力ある地域拠点の形成と広域
的連携を図ったまちづくり
③
都市資源の活用を図ったまちづくり
④
集約型土地利用の促進を図ったまちづくり
(2)価値観・生活様式の多様化及び地方分権型社会の進展への対応
①
豊かな歴史・文化・自然と調和した個性あるまちづくり
②
市民・NPO・事業者・行政の協働によるまちづくり
③
市民の価値観・ライフスタイルの多様化に対応したまちづくり
(3)地球環境問題に配慮したまちづくりへの対応
①
環境負荷の小さいまちづくり
②
自然環境を守り調和するまちづくり
(4)都市型社会への対応
① 公共交通機関等を活かして、まちとしての機能・質を高めたコンパクトなま
ちづくり
② だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
- 46 -
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
将来都市像
自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
~自立と協働による個性あふれるまちづくり~
まちづくりを進めていく3つの基本的姿勢
・自立と連携
・公開と協働
・信頼と安心
本計画は、「市総合計画」における将来像を実現していくためのまちづくりの基本
方針を示す計画であるため、「市総合計画」の将来都市像を踏襲するものとする。
整備の基本目標
個性豊かな都市魅力の創出と
都市としての機能・質を高めるまちづくり
◆都市資源や地域風土を活かし、質の高い環境で暮らせるまちづくり
◆環境と調和し、広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした産業活動を支
えるまちづくり
◆魅力ある豊かな歴史・文化・自然等の地域資源を活かしたまちづくり
◆少子高齢社会に対応するとともにだれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
- 47 -
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
2.将来都市フレーム
(1)人口フレーム
本市の人口は、1990(平成2)年以降停滞傾向となっていましたが、2000(平成 12)年
の国勢調査で 73,682 人であった人口が、2005(平成 17)年に 74,252 人と 570 人の増加と
なっています。また、年齢3区分別人口の推移では、市全体の人口に占める老年人口の割
合が 2000(平成 12)年の 13.0%から 2005(平成 17)年の 16.7%へと 3.7%増加しており、
昭和 45 年以降増加し続け高齢化が進んでいます。
今後の本市の人口は、少子高齢化の進展による自然減少が懸念される一方で、欽明台地
区等の住宅地開発による社会増加が期待されます。そのため、本市の将来人口の推計にあ
たり、平成 12 年から平成 17 年の人口の推移率から予測を行うコーホート法で推計を行う
とともに、住宅地開発による新たな人口増加も考慮した予測を行い、この予測結果をもと
に人口フレームを以下のように設定します。
中間目標(平成 28 年)の人口フレーム
:
77,000人
目標年次(平成 38 年)の人口フレーム
:
72,000人
□年齢3区分別人口の推計
(人)
年少人口(0~14歳) 生産年齢人口(15~64歳) 老年人口(65歳以上) 実績
80,000
64,882
5.0%
60,000
66.6%
64.4%
22,974
7.1%
0
75,758
7.2%
75,779
9.5%
73,682
13.0%
74,252
16.7%
77,000
77,000
22.2%
27.2%
50,132
4.8%
40,000
20,000
72,356
5.8%
71.0%
73.1%
72.7%
69.4%
年齢不詳
推計
63.9%
72,000
30.8%
59.7%
65.6%
58.8%
69.0%
23.9%
29.5%
30.5%
27.5%
21.8%
昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年
※資料:国勢調査
17.3%
14.3%
13.9%
13.9%
13.1%
平成7年 平成12年 平成17年 平成23年 平成28年
10.4%
平成38年
ただし、3区分の割合の母数は総人口から年齢不詳を除外した値を用いて
い ま す 。 ま た 、 3 区 分 の 割 合 の 合 計 は 四 捨 五 入 の 関 係 か ら 必 ず し も 100% に な り ま せ ん 。
■人口フレームの推計フロー
H17 年 国勢調査
男女別 5 歳階級別人口
H12 年 国勢調査
男女別 5 歳階級別人口
変化の割合
住宅地開発予定人口
人口フレーム
(H28 年、H38 年人口)
- 48 -
H17 年 国勢調査
男女別 5 歳階級別人口
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
(2)世帯フレーム
本市の世帯は、近年も増加し続けており、2005(平成 17)年に 27,351 世帯となっていま
す。また、1世帯当たりの人員は減少を続けており、平成 17 年に 2.71 人となっています。
世帯規模の縮小は、核家族や夫婦のみの世帯、または単身世帯の増加が相まって進行して
いると考えられます。価値観やライフスタイルの変化、少子高齢化といった社会状況の変
化がもたらしたこの傾向は、今後も継続すると考えられるため、1世帯当たり人員が、一
定の減少傾向を示す 1975(昭和 50)年から 2005(平成 17)年までの 30 年間の傾向を用い、
世帯フレームを以下のように設定します。
中間目標(平成 28 年)の世帯フレーム
:
32,000世帯
目標年次(平成 38 年)の世帯フレーム
:
33,000世帯
実績(世帯数)
実績(世帯人員)
(世帯)
40,000
推計(世帯数)
推計(世帯人員)
32,000
30,000
20,000
3.78
14,694
19,274
3.41
3.37
21,754
3.33
23,789
25,010
26,146
3.18
3.03
2.82
10,000
(人)
33,000
5.50
27,351
4.50
3.50
2.71
2.44
2.19
2.50
6,083
0
昭和45年昭和50年昭和55年昭和60年平成2年 平成7年 平成12年平成17年
平成28年
1.50
平成38年
■世帯フレームの推計フロー
人口フレーム
(H28 年、H38 年人口)
S50 年~H17 年 国勢調査
人口・世帯数
各年1世帯当たりの世帯人員
H28 年、H38 年
1世帯当たりの世帯人員
世帯フレーム
(H28 年、H38 年 世帯数)
- 49 -
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
3.将来都市構造
将来都市構造は、都市計画マスタープランのめざす「将来都市像」とそれを受けた「整
備の基本目標」を模式的に表現するものであり、次のような基本的な考え方に基づいて設
定します。
【将来都市像】
自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
~自立と協働による個性あふれるまちづくり~
【整備の基本目標】
個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を高めるまちづくり
◆都市資源や地域風土を活かし、質の高い環境で暮らせるまちづくり
◆環境と調和し、広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした産業活動を支
えるまちづくり
◆魅力ある豊かな歴史・文化・自然等の地域資源を活かしたまちづくり
◆少子高齢社会に対応するとともにだれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
【まちづくりの基本的な考え方】
少子高齢化や人口減少等の社会の変化は、社会構造に大きな変化をもたらすととも
にまちづくりにおいてもその対応が求められています。
今までのように人口増加にあわせて市街地を拡大させ、低密度な市街地の拡散によ
る非効率な都市構造から、既存の市街地を中心に土地の有効活用と都市基盤施設、公
共施設及び公共交通の充実による効率的な都市構造の「コンパクトなまち」への質的
変換を行う必要があると考えられています。
このように、コンパクトなまちとは、規模を「小さくする」というのではなく、
「ま
ちとしての機能・質を高める」ということです。
本市におけるコンパクトなまちとは、
「歴史・文化・自然等の地域資源や立地特性を
活かした『拠点』と、都市資源や地域風土を活かした環境の中で生活しやすいように
住宅、店舗、事業所、公共施設等が適切に配置された『市街地』とを、公共交通機関
等によって結んだ、
『拠点』や『市街地』がそれぞれの特性を活かしながら都市的機能
の役割を担う機能的で質の高いまち」ということです。
- 50 -
第2編
【将来都市構造図】
- 51 -
全体構想
第2章
まちづくりの方針
第3章
- 52 -
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
1.将来土地利用方針
(1)都市の骨格
将来土地利用方針を設定するにあたり、その前提となる都市機能等の配置の骨格的構成
を、
「市総合計画」に示された「めざすべき都市の構造」をもとに、第1章で整理した「6.
まちづくりの基本的課題」や第2章で設定した「3.将来都市構造」を踏まえ、次のよう
に再構成しました。
①
個性豊かな都市魅力を創出する「広域交流拠点」の位置づけと役割
【北部広域交流拠点】
「市総合計画」における北部広域交流エリアである八幡市駅周辺、三川合流周辺、男
山周辺に、生活交流拠点である市役所周辺を加え、
「北部広域交流拠点」と位置づけます。
本市の北の玄関口として、地域資源を活かし、市民や京都・大阪都市圏を対象とした広
域的な交流拠点の形成を図るとともにまちづくりの中心として都市魅力の充実を図りま
す。
【南部広域交流拠点】
「市総合計画」における南部広域交流エリアであり、複合都市機能拠点でもある(仮
称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺に、生活交流拠点であるきんめい近隣
公園周辺を加え、「南部広域交流拠点」と位置づけます。本市の南の玄関口として、広域
幹線道路の結節点となる立地特性を活かし、新 た な 魅 力 を 創 造 す る 都 市 機 能 の 複 合
的 な 土 地 利 用 に よ る 広域的な交流拠点の形成を図るとともに、新たなまちの中心とし
ての都市魅力の創出を図ります。
②
交流を促進する「拠点」の位置づけと役割
【広域観光・レクリエーション拠点】
「市総合計画」における広域集客交流拠点である三川合流周辺、男山周辺、松花堂周
辺、流れ橋周辺の観光資源を、まちづくりの基本的課題の(1)②「商業や観光・レク
リエーションの振興による魅力ある地域拠点の形成と広域的連携を図ったまちづくり」
の観点より、
「広域観光・レクリエーション拠点」と位置づけます。市民の憩いの場であ
ると同時に、京都・大阪都市圏からの広域的な交流拠点として、周辺環境整備やさまざ
まな施策と連動した都市魅力の向上を図ります。
- 53 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
【市民生活拠点】
「市総合計画」における生活交流拠点の1つである八幡市駅周辺を「市民生活拠点」
と位置づけます。市民の暮らしの中心として、周辺環境の整備や商業機能の充実を図り
ます。
【地域生活拠点】
「市総合計画」における生活交流拠点のうち、橋本駅周辺、男山中央センター周辺、
きんめい近隣公園周辺、さらに「山城北地域商業ガイドライン」の特例誘導エリアであ
る八幡一ノ坪地区周辺を「地域生活拠点」と位置づけます。地域住民の暮らしの中心と
して、周辺環境の整備や商業機能の充実を図ります。
【シビックセンター】
「市総合計画」における生活交流拠点の1つである市役所周辺を「シビックセンター」
と位置づけます。行政サービスや市民文化の中心として、機能の充実を図ります。
【複合都市機能拠点】
市域南部の(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺を「市総合計画」の
とおり「複合都市機能拠点」と位置づけます。広域幹線道路の結節点となる立地特性を
活かし、本市の活力向上に向けた複合的な都市機能の立地を図ります。
【市民レクリエーション拠点】
まちづくりの基本的課題の(2)①「豊かな歴史・文化・自然との調和した個性ある
まちづくり」の観点より、川口市民公園、八幡市民スポーツ公園を新たに「市民レクリ
エーション拠点」と位置づけます。市民の憩いの場として、周辺環境整備や魅力の向上
を図ります。
③
交流を促進する「軸」の位置づけと役割
【南北連携軸】
「北部広域交流拠点」と「南部広域交流拠点」を結び、淀川右岸地域にのびる南北の
骨格軸です。市域の南北広域交流拠点を有機的に連携するとともに、乙訓・京都北部方
面、京田辺市方面との連携も図ります。
【東西連携軸】
市域から近隣市にのびる東西の骨格軸です。市域の西部・東部の連携と、枚方市方面
との連携を図ります。さらに、将来的には木津川右岸方面との連携も検討します。
- 54 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
【拠点及び市街地連携軸】
まちづくりの基本的課題の(4)①「公共交通機関等を活かして、まちとしての機能・
質を高めたコンパクトなまちづくり」の観点より、公共交通機関等を活用することによ
り、「南北連携軸」と「東西連携軸」とともに拠点と市街地との連携を図ります。
【広域うるおい軸】
「市総合計画」における集客交流軸のうち、三川合流周辺から木津川の河川エリアを
「広域うるおい軸」と位置づけます。市民と広域からの来訪者にとってのうるおい空間
の充実を図ります。
【市民うるおい軸】
「市総合計画」における集客交流軸のうち、大谷川、防賀川を「市民うるおい軸」と
位置づけます。本市の市街地やその周辺にうるおいを与える軸として親水空間の整備を
進めます。
【生活軸】
「市総合計画」における市内交流軸のうち、橋本南山線から山手幹線、府道長尾八幡
線から府道富野荘八幡線、府道八幡木津線を「生活軸」と位置づけます。市民生活の身
近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービス機能の適切な立地を促進します。
【新国土交流軸・京阪交流軸・京都外郭交流軸・地域交流軸】
「市総合計画」における広域交流軸である、市内の広域幹線道路と国道1号をそれぞ
れ位置づけます。近隣市町や京都・大阪をはじめとして、全国各地域と本市との連携の
強化を図ります。
- 55 -
第2編
全体構想
【都市骨格図】
- 56 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
(2)将来の土地利用方針
将来都市像を実現するために、長期的にめざすべき市域の土地利用の方針として、次の
基本方針を設定します。
①
土地利用の基本方針
【市域全体の土地利用】
-本市の特性を踏まえ、都市としての機能・質を高めた土地利用の展開-
現状の土地利用を踏まえたうえで、将来都市像、将来都市構造及び都市の骨格の実現に
向けて、住宅系土地利用、商業系土地利用、沿道系土地利用、工業系土地利用、複合都市
機能ゾーン、公共系土地利用、樹林地や水辺等の自然系土地利用を適切に配置することに
より、都市としての機能・質を高めたコンパクトなまちの形成をめざします。
《住宅系土地利用》
-秩序ある既成市街地と新たな居住者のための住宅地形成の誘導-
既に住宅地が形成されている既成市街地では、用途の混在を抑制し、秩序ある土地利
用を誘導します。また、将来的な世帯数の増加による住宅需要に対応するため、既成市
街地内の低・未利用地の活用、駅周辺での高密度利用及び新たな住宅地の形成を図りま
す。
《商業系土地利用》
-既存商業地の充実と広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした適切な配置-
八幡市駅周辺をはじめとする既存商業地でのにぎわいある商業空間の充実と、広域幹
線道路の結節点となる立地特性を活かした適切な商業系土地利用の配置を図ります。
《沿道系土地利用》
-広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした適切な配置-
広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かし、幹線道路沿道における沿道サービス
施設の適切な配置を図ります。
《工業系土地利用》
-広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かし市域東部を中心とした拡大-
既存の産業地を活かすとともに、第二京阪道路や京都第二外環状道路の整備に伴う業
務用地の需要拡大に適切に対応します。
- 57 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
《複合都市機能ゾーン》
新名神高速道路と第二京阪道路との連結部となる(仮称)八幡ジャンクション・イン
ターチェンジ周辺では、今後の本市の産業経済力の強化を支援する産業や新たな都市機
能による土地利用の展開をめざします。
《公共系土地利用》
-市役所周辺でのシビックセンターの形成-
市役所周辺の地域は、公共公益施設の集積を活かし、行政・医療サービスや市民文化
の中心とします。
《自然系土地利用》
-自然環境の保全と活用-
男山の樹林地や、三川合流周辺から木津川にかけての水辺空間など豊かな自然環境の
保全と活用を図ります。
②
将来土地利用方針
ゾーン名
都市型
住宅
ゾーン
具体的な箇所等
土地利用方針
八幡市駅から南に広がる
旧来からの既成市街地であり、駅
既成市街地
周辺に立地し、利便性の高い低層
川 口・下 奈 良・上 奈 良 地 区
を中心とした住宅地です。今後、
の 一 部 、橋 本 駅 周 辺 、樋 ノ
都市基盤の整備をはじめ、多様で
口地区、長町地区
質の高い都市生活を営む環境づく
りを図ります。
住
宅
市域西部の橋本駅から欽
日本住宅公団(現
独立行政法人
明台地区にかけての丘陵
都市再生機構)による開発を中心
部 、八 幡・川 口 地 区 の 一 部
と し 昭 和 40 年 代 後 半 に 計 画 的 に 整
備された、あるいは今後整備を誘
系
導する市街地であり、戸建てと中
近郊
都市型
住宅
ゾーン
高層からなる都市基盤が整備され
た住宅地です。現在の良好な住環
境を保全するとともに、新たな市
街地ではゆとりある住環境の形成
を図ります。また、男山地域で築
30 年 以 上 経 過 し て い る 集 合 住 宅 地
は、今後、再整備の方策を検討し
ます。
- 58 -
第2編
ゾーン名
全体構想
具体的な箇所等
八幡市駅周辺
第3章
まちづくりの整備構想
土地利用方針
八幡市駅周辺は市民の暮らしの中
心 と し て 、ま た 、広 域 的 な レ ク リ エ
ー シ ョ ン 施 設 の 玄 関 口 と し て 、に ぎ
広域
対応型
ゾーン
わいと風格が兼ねそろう都市魅力
を高める商業機能の充実を図りま
す。
商
業
系
地域
対応型
ゾーン
橋 本 駅 、八 幡 市 駅 南 側 、男
各地域周辺での日常生活に必要な
山 中 央 セ ン タ ー 、美 濃 山 近
商業施設の充実を図ります。
隣センター地区
一 ノ 坪 地 区 、欽 明 台 北 地 区
地区の立地特性に対応した商業機
能 の 充 実 を 図 り ま す 。一 ノ 坪 地 区 は
沿 道 サ ー ビ ス ゾ ー ン と の 連 携 を 、欽
立地特性
対応型
ゾーン
明台北地区は広域幹線道路の連結
部としての立地特性を活かした商
業機能の充実を図ります。
沿道系
沿道
サービス
ゾーン
国 道 1 号 沿 道 、府 道 富 野 荘
市域内外の方が利用する自動車関
八幡線沿道の一部
連サービス施設や沿道サービス施
設の立地を図ります。
下 奈 良 、上 奈 良・上 津 屋 ・ 周 辺 環 境 と 調 和 し た 付 加 価 値 の 高
工業系
産 業・流 通
業務
ゾーン
野 尻・内 里・岩 田 地 区 の 第
い工業施設や第二京阪道路の交通
二京阪道路八幡東インタ
条件を活用した流通関連施設の立
ー チ ェ ン ジ 周 辺 、府 道 富 野
地を図ります。
荘八幡線沿道
リサイクル
産業
ゾーン
市域中部の府道長尾八幡
自動車処理業施設の集積ゾーンで
線
あり、周辺環境との調和を図りま
す。
- 59 -
第2編
ゾーン名
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
具体的な箇所等
土地利用方針
( 仮 称 )八 幡 ジ ャ ン ク シ ョ
広域幹線道路の連結部としての立
ン・イ ン タ ー チ ェ ン ジ 周 辺
地 特 性 を 活 か し 、本 市 の 新 た な 魅 力
を 創 造 す る 研 究 開 発 型 産 業 、商 業 ・
業 務・サ ー ビ ス 業 、観 光・レ ク リ エ
複合都市機能
ゾーン
ー シ ョ ン ・ ア ミ ュ ー ズ メ ン ト 及び住
みやすく魅力ある住宅地等 の 複 合 的
な新都市機能の土地利用を図りま
す。
市役所周辺
市民に対する行政・医療サービス
公共系
と 、市 民 文 化 の 中 心 と な る ゾ ー ン で
シビック
ゾーン
田園集落
ゾーン
あり、親しみのある都市空間の維
持・充実を図ります。
市域中央部から東部にか
美しい田園風景と集落のゾーンで
けての田園地域
あり、優良農地を保全するととも
に 、集 落 で の 生 活 環 境 の 向 上 を 図 り
ます。
自
然
系
水辺の
レクリエー
ション
ゾーン
自然緑地・
山辺の
レクリエー
ション
ゾーン
三川合流周辺から木津川
雄 大 な 水 辺 空 間 を 活 か し 、市 の 内 外
にかけてのエリア
か ら 利 用 者 の 訪 れ る 観 光・レ ク リ エ
ーションゾーンとして機能の充実
を図ります。
男山周辺、円福寺周辺
歴 史 の 面 影 深 い 樹 林 地 で あ り 、そ の
環 境 の 保 全 に 努 め る と と も に 、男 山
周 辺 に お い て は 、レ ク リ エ ー シ ョ ン
の場としての活用を図ります。
大 谷 飛 地 、高 原 飛 地 の 一 部
周 辺 地 域 の 動 向 に あ わ せ て 、土 地 利
用 を 検 討 し ま す 。特 に 、大 谷 飛 地 は 、
周辺地域と調和した良好な住居系
土地利用
検討ゾーン
の土地利用の実現に向け検討を進
めます。
- 60 -
第2編
全体構想
【将来土地利用方針図】
- 61 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
2.市街地及び集落の整備方針
(1)基本方針
本市の市街地は、八幡市駅・橋本駅周辺を中心として従来から形成されている市街地、
男山丘陵周辺の計画的に整備された市街地、現在も整備が進められている市域南部の新市
街地及び市域東部を中心とした工業系市街地からなっています。また市域中央から東部の
田園地域には農村集落が点在しています。
今後も、土地利用方針に基づいた良好な環境を有する市街地や集落の整備を推進してい
く必要があり、既に形成されている市街地では機能的で質の高い市街地環境の充実や、将
来都市像を実現するための新たな市街地の形成、集落での計画的な住環境整備を推進しま
す。
また、鉄道駅周辺や(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、市の活
力向上に寄与する拠点形成と多様な都市機能の誘導を図ります。
(2)整備方針
①
住宅市街地の整備 -既成市街地での住環境の保全・充実、新市街地の整備-
【都市型住宅ゾーン】
●低層住宅地では、生活道路等の基盤施設の充実や緑化推進、道路や公園も含んだ公共
施設等での景観演出等による質の高い住環境の充実を図ります。
●特に、住宅密集地では、公園・緑地やポケットパークの整備によるオープンスペース
の確保や生活道路の整備等により、防災性を備えたうるおいある市街地への更新を促
進します。
【近郊都市型住宅ゾーン】
●計画的に整備された低層・中高層住宅地では、地域住民との協働により、地区計画、
建築協定、緑地協定等の規制・誘導手法の導入を検討し、地区ごとの個性を活かしな
がら現在形成されている良好な住環境の保全を図ります。
●男山地区の中高層の集合住宅地は、築 30 年以上経過しており、建替事業等の再整備を
関係機関に要請します。
●現在、欽明台地区の低層から高層により構成されている住宅地では、土地区画整理事
業による住宅地開発と地区計画による住環境誘導が行われています。今後もその周辺
地区において道路、公園・緑地など基盤施設整備と、地区計画、建築協定等による良
好な住環境形成の誘導を前提として、周辺環境や自然と調和した新市街地の整備を促
- 62 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
進します。また、新市街地整備の際には具体的な事業計画を策定するとともに、地区
計画等を活用し、計画的な整備促進に努めます。
②
工業その他産業系市街地の整備
-未利用地の活用、良好な環境形成及び保全、工業系市街地の拡大、
(仮称)八幡ジャ
ンクション・インターチェンジ周辺の整備-
●一ノ坪・河原地区、下奈良・小宮地区、上奈良地区については既存の地区計画に即し
て工業系土地利用と良好な環境形成及び保全に努めます。
●今後、第二京阪道路が(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジにて新名神高
速道路と連結され、広域幹線道路網がさらに充実するのにあわせ、産業立地動向を見
極めながら工業系市街地の拡大について検討します。特に、市域東部においては、新
たな産業拠点の形成に向けた土地区画整理事業等による工業団地の創出を図ります。
③
都市拠点の整備
-駅周辺での都市機能の充実、広域幹線道路の連結部としての立地特性を活かした新
たな複合都市拠点の創出-
●八幡市駅周辺では、市域北部の広域交流拠点として、土地の高密度利用の推進に向け、
地域住民や関係機関と調整を図り、市民の暮らしの中心となる商業・業務・サービス
機能、周辺の観光名所への玄関口としての交流機能、それに付帯する交通ターミナル
機能、居住機能等の充実を促進します。また、防災空間の整備促進、民間によるオー
プンスペースを備えた建築物への建替えの促進誘導、狭小道路の解消など、周辺環境
の整備促進を図ります。
●橋本駅周辺では、市域西部の地域生活拠点として、生活と密着した利便性を備えた行
政・商業・サービス施設等からなる商業集積と居住機能の充実、機能的な駅前広場及
びアクセス道路を実現するため、関係機関の協力のもと、駅周辺の一体的な基盤整備
や空閑地の適切な活用の促進について検討します。
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、市域南部の広域交流拠点
として、研究開発型産業、商業・業務・サービス業や広域的な集客・交流を促進する
観光・レクリエーション・アミューズメント及び住みやすく魅力ある住宅地等の複合
的な都市機能の誘導を図るため、機能・施設に適した計画的な新市街地の整備につい
て、土地区画整理事業等の事業手法も含めて検討します。また新市街地整備の際には、
周辺の自然と調和した質の高い環境形成に努めます。
- 63 -
第2編
④
沿道系市街地の整備
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-幹線道路沿道における利便性の高い沿道系市街地の整備-
●国道1号等の幹線道路沿道においては、市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地の誘導及び後背の住宅地の環境を保全するために、区
域区分や地域地区の変更及び地区計画等の指定により、利便性の高い沿道系市街地の
整備を促進します。
●特に、一ノ坪地区は、国道1号の沿道サービスゾーンとの連携を図り、地域生活拠点
として商業機能の充実を促進します。
⑤
集落の整備
-基盤施設の整備-
●市域東部の戸津・内里・上津屋・野尻・岩田地区等に立地する集落では、多様化する
住民ニーズに対応し、都市化の進む周辺地域との共生を図るため、下水道、生活道路
等の基盤施設整備を推進します。
⑥ 市街地全般の整備 -基盤施設の先行整備、市民主体の地区整備-
●新たな市街地や拠点整備がスムーズに進むよう、市の骨格的な交通施設、供給処理施
設について、計画的な整備促進に努めます。
●既成市街地や集落では、市民の意向・発意に基づいた地区整備を進めることが望まし
く、そのための情報提供、相談体制の充実に努めます。
⑦
適正な土地利用の推進
-市街化区域の拡大と地域地区の見直しの検討-
●将来都市像実現のために、農業との調整に留意しながら、今後の土地利用動向を見据
え、市街化区域の拡大を京都府と協議するとともに、土地利用の動向による都市計画
上の課題に対応するために用途地域など地域地区の見直しを検討します。
●大谷飛地は、計画的な土地利用のあり方を検討し、住宅地として計画的な市街地整備
の見通しが明らかになった時点において市街化区域に編入する手続きを進めます。
●人口の減少等が見られる市街化調整区域の集落においては、地域コミュニティを維持
し、集落の活性化を図るために、
「京都府開発審査会付議基準(2007(平成 19)年3月:
京都府改正)
」に基づく区域の指定を検討します。
- 64 -
第2編
全体構想
【市街地及び集落の整備方針図】
- 65 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
3.住宅・住環境の整備方針
(1)基本方針
本市では、昭 和 40 年 代 後 半 から、男山を中心とした住宅地開発が進み、大量の住宅が
供給されました。その後も空閑地での住宅地開発が重ねられ、現在においては市域南部を
中心に、土地区画整理事業等による新たな住宅地の整備が進められています。
この中で、築 30 年以上経過したものを中心に、住戸面積が小さい住宅や防災面での安全
性に課題を有する住宅地もみられます。
今後は、将来的な世帯数の増加による住宅需要の動向を踏まえ多様なタイプの住宅供給
を誘導するとともに、既存の住宅ストックを活かしながら、少子高齢化等の社会環境の変
化や防災面に配慮し、ユニバーサルデザインの採用等による住宅・住環境の整備を推進し、
質の高い住宅・住環境の形成を図ります。また、バスなど市内交通の利便性の向上、地域の
商業の活性化等を視野に入れ、一体的な取組を推進します。さらに、少子高齢化の進行や
ライフスタイルの多様化等の社会経済情勢の変化により、
「量的拡充」が共通目標であった
時代から「質的充足」を求める時代に変わる中で 2006(平成 18)年6月に住生活基本法が
制定されました。この法律を受け、2007(平成 19)年3月に京都府において策定された「京
都府住生活基本計画」に基づき、住生活の基盤となる住宅や住環境の安定確保及び豊かな
住生活の実現をめざします。
■八幡市住宅マスタープラン(1997(平成9)年3月:八幡市策定)による住宅施策の基
本方針
●安定した地域社会の発展を支える多様な住宅・住宅地を供給する。
●高齢社会に向けて、安全・快適で長期耐久性のある住宅づくりを啓発・支援する。
●災害に強く、住みよい住環境づくりを市民・行政等が協調し推進する。
●地域資源を生かした美しいまちなみづくりを推進する。
●他施策との協調・連携を強化し、総合的な住宅施策の展開に努める。
■八幡市住宅マスタープラン〈分譲マンション編〉
(2004(平成 16)年3月:八幡市策定)
による施策の基本方針
●(仮称)マンション管理支援協議会の設置及び協働ネットワークの整備への取組
み。
●開発・供給段階における良質な分譲マンションへの誘導。
●維持管理段階における分譲マンションへの支援。
●高経年マンションに対する再生の支援策。
- 66 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
(2)整備方針
①
既存の住宅ストックの活用と再生
-公営住宅の適正な配置・管理運営、住宅・設備の改善の促進、独立行政法人都市再
生機構(UR都市機構)との協力関係強化-
●公営住宅の適正な配置・管理運営を推進するとともに、市民と協働し、良好な住環境の
維持を図ります。
●公営住宅のバリアフリー化、通信回線の整備及び火災予防対策の強化など、ライフスタ
イルに応じてだれもが快適で安全に生活できる住宅・設備の改善の促進を図ります。
●男山地域住民が主体となりとりまとめ、提言としていただいた「男山地域活性化基本構
想」
(2005(平成 17)年3月:男山地域活性化基本構想策定委員会策定)を踏まえ、男
山地区に見られる集合住宅では、住戸面積や住宅設備等の居住水準の確保に向けて、独
立行政法人都市再生機構(UR都市機構)との協力関係の強化に努めます。さらに、集
合住宅の建替に向けて、住民との協働による地域地区制度等の活用の検討を促進します。
②
新たな住宅・住宅地の供給
-新たな住宅地整備と多様なタイプの住宅供給、良好な住環境誘導、関連諸制度の情
報提供-
●今後、予想される世帯数の増加による住宅需要に対応し、市域に残された空閑地を活
用した新たな住宅地の整備を誘導し、集合住宅・戸建て住宅など、多様なタイプの住
宅の供給を誘導します。
●新たな住宅地整備の際には、必要な基盤施設整備を前提として、地区計画や緑化・建
築協定による良好な住環境の整備誘導を図ります。
●優良建築物等整備事業など関連諸制度の情報提供を図ります。
③ 安全・安心な住宅地の整備
-住宅地での耐震性・防火性の向上、住宅の高齢者・障がい者等への対応、低層から
高層住宅地に至る住宅地タイプ別の住環境整備-
●「京都府建築物耐震改修促進計画(2007(平成 19)年3月:京都府策定)」に基づき、
耐震性に問題があるとされる 1981(昭和 56)年以前の既存住宅について、京都府と連
携することにより、耐震診断の実施を促進し、その結果を踏まえ、耐震改修の必要性
が高い住宅の改善を集中的に進めるため、優先順位を設定して、耐震改修を促進しま
す。
- 67 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
●住宅の密集地区等では、市民との協働のもと、市街地整備と連携した公園・緑地やポ
ケットパーク等のオープンスペースの確保と生活道路の整備を促進し、耐震性・防火
性の向上を図ります。
●新たに供給される住宅を中心として、バリアフリー化・ユニバーサルデザインの採用
など住宅設備の高齢者や障がい者等への対応を促進するため、市民・事業者等に対す
る普及・啓発等について検討します。
●公園や道路等の整備、消防施設、共同ごみ置場の設置など、低層から高層住宅に至る
住宅地タイプに見合った住環境整備を促進します。
- 68 -
第2編
全体構想
【住宅・住環境の整備方針図】
- 69 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4.都市施設の整備方針
4-1.交通体系整備の方針
(1)基本方針
本市の道路交通体系は、国道1号、第二京阪道路や府道網を中心として構成されていま
すが、現在計画されている新名神高速道路の整備によって、市域内の幹線道路の交通環境
に大きな影響を与えることが予測されます。
したがって、機能的な道路交通体系を構築し、周辺環境や景観面に配慮した安全で快適
なみちづくりを推進します。
鉄道駅及びその周辺では、ターミナル機能を強化するとともに、公共交通機関等による
拠点及び市街地の連携を強化し、コンパクトでだれにでも利用しやすい公共交通体系の整
備を推進します。
また、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下、「バリアフリー
新法」という。)」に基づきまちのユニバーサルデザイン化を進めます。
(2)将来の幹線道路体系
-広域幹線道路、地域幹線道路、市街地幹線道路によるネットワーク形成-
① 広域幹線道路
-市域と、京都府内各方面、大阪方面、全国各地域とを連絡します。-
●新名神高速道路((都)第二名神自動車道城陽八幡線)
●第二京阪道路((都)京都大阪線・(都)京都枚方線)
●京都第二外環状道路((都)京都第二外環状線)
②
地域幹線道路
-市内各地域と市外周辺地域とを連絡します。-
◆市域骨格道路
●南北連携軸
●東西連携軸
◆その他
●国道1号((都)国道1号線)
●府道京都守口線((都)八幡橋本線)
●府道八幡木津線
●府道長尾八幡線((都)八幡枚方線)
●府道交野久御山線
●府道富野荘八幡線((都)八幡内里線)
●府道内里城陽線
●(都)山手幹線(府道八幡インター線)
●(都)八幡田辺線
●(都)内里高野道線
●(都)橋本南山線
●(都)八幡城陽線
- 70 -
第2編
③
市街地幹線道路
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-市内の各地区を連絡します。-
●(都)西山下奈良線
●(都)幣原線
●市道男山1号線
●(都)御幸谷線
(3)整備方針
①
道路交通体系の整備
-幹線道路の整備、生活道路の整備、自転車道・歩行者道の整備、駐車場・駐輪場の
整備-
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジと八幡市駅、御幸橋、さらには乙訓
地域との連携を強化する南北連携軸の整備を進めます。
●男山住宅地と東部の集落、さらには木津川右岸地域との連携を強化する東西連携軸の
整備を進めます。
●広域幹線道路の整備にあたっては、緩衝緑地帯、遮音壁の設置等の環境対策や景観に
配慮したみちづくりを要請し、特に(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ
については、周辺の自然と調和した環境形成を要請します。
●地域幹線道路と市街地幹線道路については、狭小箇所の拡幅や都市計画道路網の整備
を促進します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備や「歴史街道計画」との連動による快適かつ個性的なみちづく
りを推進します。
●市民の生活上の動線や、観光・レクリエーションの動線となる自転車道・歩行者道に
ついては、「やすらぎと潤いの回廊づくり計画」や「歴史街道計画」と連動したネット
ワーク化による快適かつ個性的なみちづくりを推進します。
●交流人口の拡大に伴って増加が予想される駐車・駐輪需要に対応するため、商業施設、
立地企業等による適切な駐車場・駐輪場の整備を指導するとともに、鉄道駅をはじめと
する都市拠点や観光施設周辺での整備促進に努めます。また、駐車場案内システムや
イベント時の利用への協力など、効率的な施設運用について検討します。
②
道路環境の維持管理
-安全・快適なみちの空間づくり、道路美化の推進-
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
- 71 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
●道路の清掃・美化の推進や里親制度(アダプト制度)の導入も視野に入れ、市民の自
主的な道路美化活動を促進します。
③
公共交通体系の整備
-鉄道・バスのサービス性向上、ターミナル機能の充実-
【鉄道関連】
●京阪本線について、輸送力の増強やダイヤの充実など、サービス性の向上を要請しま
す。
●八幡市駅においては、エレベーター設置等を要請し、
「バリアフリー新法」に基づき公
共交通体系におけるユニバーサルデザイン化を促進します。また、駅南北が一体化とな
る駅自由通路の整備及び防災空間をもちあわせた駅北口広場の整備を促進します。
●橋本駅においては、鉄道駅のターミナル機能の充実のため、橋本駅前広場の整備につ
いて、関係機関との連携のもとに検討します。
●駅周辺には駐車場・駐輪場の適切な整備・運営を図るとともに、大型バス等の駐車場等
の確保についても関係機関との連携のもと検討します。
【バス関連】
●バス交通について、低床バスの増車、運行本数、運行時間の拡充及び利用しやすい運
行システムの導入など、サービス性の向上を要請するとともに、狭小道路を通り公共
施設を結ぶコミュニティバスの運行を行います。また、JR松井山手駅~八幡市駅~
乙訓地域を結ぶ広域的なバス路線についても検討を行います。
【その他】
●コンパクトなまちづくりに対応するため、拠点及び市街地の連携を図る公共交通機関
(コミュニティバスなど)によるルートの整備を検討するとともに、鉄道とバス・タ
クシー・自家用車等との乗り継ぎ及び連携の強化を促進します。
●新たな交通システムの導入について、広域での動向を踏まえ、道路網の整備に併せ近
隣市町と連携しながら環境配慮型の新交通体系について研究します。
④
交通需要マネジメントの推進
-環境にやさしい交通環境の整備-
●自動車の交通量の削減や、混雑地域の交通量の分散等のため、各地域の実情に応じた
交通需要マネジメント(TDM)施策を検討します。
●広域活動やイベント、社会実験等をとおして利用者への啓発を図るモビリティマネジ
メントについて検討します。
●公共交通については、既存の路線バスや道路等を有効に活用するとともに、公共車両
優先システム(PTPS)や運行情報の提供(バス・ロケーションシステム)の導入につ
いて検討します。また、パーク・アンド・ライドの導入についても検討します。
- 72 -
第2編
全体構想
【交通体系整備の方針図】
- 73 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-2.公園・緑地等の整備方針
(1)基本方針
本市の公園・緑地は、2007(平成 19)年4月1日現在で都市公園としては、住区基幹公
園が 83 箇所、都市基幹公園が3箇所、特殊公園が3箇所、都市緑地が2箇所((都)八幡
緑地は国営公園と重複しています。
)、合計 91 箇所、面積 54.55ha が整備されており、市民
1人当たりの公園面積は 7.4 ㎡となっています。
今後も計画的かつバランス良い公園・緑地の整備・充実と、本市の多様な地域特性を活
かした個性豊かな公園づくりを進めるとともに、既存の緑地環境の保全と活用、水と緑の
ネットワーク化等による市域全域の都市緑化の推進により、自然と歴史文化が調和したま
ちづくりの実現をめざします。
(2)整備方針
①
公園・緑地の整備
-都市公園の整備・充実、特色ある公園整備、公園機能の充実、水と緑のネットワー
ク化-
●都市計画における体系的な公園・緑地の配置計画は、「八幡市みどりの基本計画(1999
(平成 11)年3月:八幡市策定)」に基づき、都市公園の種別ごとの誘致圏域等を考慮
しつつ、公園の整備・充実に努めます。
●淀川河川上流域においては、国営公園としての整備を要望します。
●里山竹林公園、歴史資源を活かした公園など、特色ある公園整備を推進します。
●運動公園・近隣公園の広場等のスポーツ機能の充実を図ります。
●公園・緑地の整備においては、市民参画を推進します。
●男山レクリエーションセンターについては、市民が主体的に活動出来るように市民ニ
ーズに対応した遊戯施設や運動施設を含んだ公園施設の整備を図ります。
●都市防災拠点としての整備・充実や、ユニバーサルデザイン化の推進によって公園機
能の充実を図ります。
●リバーフロントや街路歩道、広域幹線道路の緩衝緑地等を活用し、
「やすらぎと潤いの
回廊づくり」による水と緑のネットワーク化を推進します。
- 74 -
第2編
②
緑の保全と活用
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-河川空間の活用、樹林地の保全と活用、生産緑地の保全-
●三川合流周辺や流れ橋周辺では、自然と景観の保全やレクリエーションの場としての
活用により、景観形成を図り、広域集客交流拠点として整備を促進します。特に、三
川合流周辺については、
「淀川三川合流域地域づくり構想(2007(平成 19)年 11 月):
淀川三川合流域地域づくり検討会策定」の実現化をめざすとともに、本市を含めた流
域の市町で構成される淀川舟運整備推進協議会で国への要望が行われている舟運の動
向も視野に入れながら検討します。
●本市のシンボルである男山・円福寺周辺等の樹林地については、土地所有者との連携
による「八幡市みどりの条例」に基づいた「保存区域」の拡大・保全を図ります。
また、石清水八幡宮や男山レクリエーションセンターを中心に広域観光・レクリエー
ションゾーンとして利用を図ります。特に、男山レクリエーションセンターについて
は、屋外スポーツや市民の余暇活動拠点となる施設整備を検討します。
●円福寺周辺の樹林地やその他民有地の樹林地、地域のシンボルとなっているような独
立樹木についても、「八幡市みどりの条例」に基づき、保全を図ります。
●生産緑地地区については、市街地内の貴重なオープンスペースとして、また将来的な
公共用地、公園用地等に活用する候補地として保全を図ります。
③
都市緑化の推進
-公共施設の緑化、まちぐるみの民有地緑化、公園里親制度(アダプト制度)の普及、
総合的な緑化推進施策の展開-
●道路、公園、河川、学校、公営住宅など、公共施設での積極的な緑化を推進します。
●民有地についても、美化・緑化運動や花いっぱい運動、美しいまちづくり推進運動な
ど、市民が主体となった緑化への取組を支援し、市民との協働によるまちぐるみの緑
化運動を推進します。
●公園里親制度(アダプト制度)を活用し、市民による自主的な公園の清掃・維持活動
を促進します。
●「八幡市みどりの基本計画」に定められる施策体系に基づいて、市域全体の総合的な
緑化推進施策の展開を図ります。
- 75 -
第2編
全体構想
【公園・緑地等の整備方針図】
- 76 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
【水と緑のネットワーク体系図】
- 77 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-3.供給処理施設の整備方針
4-3-1.上水道の整備方針
(1)基本方針
本市の上水道は、地下水の汲み上げによる自己水と、京都府営水道からの供給水をあわ
せて給水しています。
今後も、耐震性の強化や緊急時における供給手段の確保などライフラインとしての機能
を強化し、広域的に対応する中で水源・水質を確保しながら「安全でおいしい水」の安定
的な供給に努めます。
(2)整備方針
①
水の安定供給
-計画的な施設・設備の整備、災害時の対応、水質監視の強化、広域的な水質管理セ
ンターの活用、水に対する意識の高揚-
●第5次拡張事業の変更事業に沿って、水需要の変化に対応して計画的・効率的な施設・
設備の整備並びに老朽化の更新や耐震性の強化を図ります。
●災害時のライフライン確保の観点から災害に強い浄水・配水体系の構築を推進すると
ともに、広域的なネットワークを確立し、近隣市町との緊急時の相互応援の強化を図
ります。
●自己水源である地下水と京都府と連携した府営水道水の水質監視の強化に努めます。
●広域的な水質管理センターの利用による水質検査の充実を図り、「安全でおいしい水」
の安定的な供給に努めます。
●市民や事業者への啓発・広報活動により、水を大切にする意識の啓発を図ります。
- 78 -
第2編
全体構想
【上水道の整備方針図】
- 79 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-3-2.下水道及び河川の整備方針
(1)基本方針
下水道(汚水)は、生活排水や工場排水を浄化処理し、快適な生活環境を確保するとと
もに河川等の公共用水域の水質汚濁防止に欠かすことのできない都市施設であることから、
今後の都市化の進行にも対応しながら、全市域への普及に努めます。また、整備済管渠の
維持管理を充実させます。
一方、河川及び下水道(雨水)については、各河川の改修や排水機場の整備が進められ、
流域全体としての内水対策が図られています。
今後も、円滑な雨水排除による安全な市民生活と都市活動の確保のため、雨水排水施設
の整備を、都市化動向と連動させながら推進します。
(2)整備方針
①
下水道(汚水)の整備
-普及率 100%をめざした整備、下水の高度処理、水洗化の促進、効率的な下水道の
構築、監視・指導の充実、都市化動向への対応、維持・管理の充実-
●木津川流域下水道事業、淀川左岸流域下水道事業及び八幡市公共下水道事業計画に基
づいて、施設整備と処理区域の拡大を進め、下水道普及率 100%をめざします。
●終末処理施設である洛南浄化センター、渚水みらいセンターでは、下水の高度処理な
ど拡充整備を促進します。
●供用開始区域内では、意識の啓発や訪問指導によって水洗化を促進します。
●災害に強い施設の導入や下水道マッピングシステムの導入など、将来にわたって効率
的な下水道の構築を図るとともに計画的な維持・管理に努めます。
●家庭や事業所からの流入水の水質について監視・指導の充実を図ります。
●今後の都市化動向に対しては、下水道計画の見直しも含めて対応を図ります。
●管渠の計画的な調査・改築・補修・耐震化を進めます。
- 80 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
河川及び下水道(雨水)の整備
-各河川や排水施設の整備、水辺空間としての活用、水質浄化・水量確保、都市化動
向への対応-
●河川増水時に浸水被害が生じないよう、木津川の河道整備、堤防補強や排水施設の整
備を要請するとともに、市内河川の計画的な改修を促進します。
●河川改修時には、生態系への影響に配慮した工法の採用など、環境保全を促進します。
●市域の骨格となる大谷川、防賀川では、改修時に水景の演出に配慮した工法の採用等
により、水辺景観を保全し、市民の憩いの場となり、親水性のある自転車・歩行者動
線となるよう、「やすらぎと潤いの回廊づくり」計画に基づいた河川公園、河川沿い緑
道等の親水空間づくりを促進します。
●各河川の美化と水質浄化、水量確保に努めます。
●市街地等での都市下水路の充実を推進するとともに、既設の公共下水道雨水幹線も含
めて適切な維持・管理に努めます。
●今後の都市化動向に対しては、適切な雨水排水施設の整備を促進します。
●河川里親制度(アダプト制度)の普及を視野に入れ、市民による自主的な河川の清掃
活動を促進します。
- 81 -
第2編
全体構想
【下水道の整備方針図】
- 82 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
【河川の整備方針図】
- 83 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-4.その他都市施設の整備方針
(1)基本方針
その他の都市施設としては、市民生活に欠かせないごみ処理施設、学校教育施設や文化
コミュニティ施設、保健・福祉施設等があります。
これら施設については、現存施設の維持・充実と有効利用、新たに必要となってくる施
設の新設を計画的に進め、きめ細かな行政サービスを提供します。
特に、高齢社会の到来や人権意識の高まりに対応し、市民に安心して、また人格の尊重
のもとに暮らせる環境を充実していくための保健・福祉施設の整備・充実を図ります。
(2)整備方針
①
ごみ処理施設
-城南衛生管理組合による施設の維持・管理、リサイクルと適正なごみ処理、
「大阪湾フェニックス計画」との連携-
●折居・クリーン 21 長谷山両清掃工場と、グリーンヒル三郷山埋立処分場については、
城南衛生管理組合による適切な維持・管理を促進します。
●「大阪湾フェニックス計画」と連携した取組を進め、広域的な対応の中で新たな処分
地確保に努めます。
●廃棄物の減量化・再資源化を図る中間処理施設であるエコ・ポート長谷山や奥山リユ
ースセンターについては、城南衛生管理組合による適切な維持・管理を促進するとと
もに、城南衛生管理組合と連携した広域的なリサイクル活動を推進します。
②
学校教育施設
-小中一貫校をめざした義務教育施設の再編整備、耐震補強や改修等による安全・安
心な教育環境の整備-
●新たな市街地形成と児童・生徒数の規模に応じた義務教育施設の再編整備に努め、小
中一貫校をめざします。
●校舎・屋内運動場等の耐震補強と改修工事を行い、安全・安心な教育環境整備に努めます。
●生涯学習の場等への有効活用を進め、地域コミュニティの拠点となる開かれた施設を
めざすとともに、地域環境と調和した学校づくりの推進に努めます。
●教育施設の体育施設やトイレなどユニバーサルデザインを採用した施設の充実を推進
します。
- 84 -
第2編
③
文化・コミュニティ施設
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-公民館施設・設備の充実、生涯学習推進体制の充実-
●男山公民館、橋本公民館、志水公民館、山柴公民館など、老朽化した既存の文化コミ
ュニティ施設の計画的な大規模改修を進めるとともに、子育て支援や地域コミュニテ
ィ活動のためのスペースの確保・だれでも利用できる施設整備やIT機器の充実を図
ります。
●生涯学習センターや八幡市民図書館を生涯学習の中心として活用します。
●生涯学習にかかわる大学など関係機関との連携強化により、生涯学習推進体制の充実
を図ります。
●市民やNPOの活動の核となるセンターの設立等により、市民協働のまちづくりを推
進します。
④
保健・医療、福祉施設
-高齢者・障がい者福祉関連事業の充実、総合保健福祉センターの整備、医療施設の
充実、高度救急医療施設の誘導、地域福祉拠点施設の整備、児童福祉施設の計画的
な整備-
●八幡市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(2006(平成 18)年3月:八幡市改訂)
に基づき、地域密着型サービス事業所の設置を促進するとともに、老人憩いの家「八
寿園」を介護予防拠点として整備していきます。
●障がいのある人の社会生活での自立支援の場となる作業所や事業所における日中活動
を促進するとともに、グループホーム、ケアホームなど居宅系サービス事業所の誘導・
充実を図ります。
●健康づくりや健康診査、リハビリテーション等の保健・福祉サービスを行う拠点とな
る、総合保健福祉センターの整備を推進します。
●既存施設の有効利用を含め、地域福祉の拠点となる施設の整備・充実を推進します。
●施設・設備のバリアフリー化及びユニバーサルデザインの採用を進めます。
●身近な医療から高度な医療まで体系的な確立をめざした、関係機関の協力による医療
施設の充実を促進します。
●広域幹線道路の整備にあわせて、広域的な対応の中で高度救急医療施設の誘導に努め
ます。
●保育園・幼稚園の特性を活かした一体化の検討や、子育て支援総合センターの整備な
ど、保育・教育施設の計画的な整備を推進します。
●小学校再編に対応した放課後児童健全育成施設の整備を推進します。
●児童館の大規模改修を推進します。
- 85 -
第2編
⑤
墓地
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-墓地整備の検討、斎場の利用確保の検討-
●広域的な対応も考慮した墓地の検討を図ります。
●広域的な施設としての斎場の利用確保について検討します。
⑥
総合的な福祉のまちづくりの推進
●多数の者が利用する建築物、道路、公園及び駐車場の整備については、京都府福祉の
まちづくり条例及び八幡市福祉のまちづくり要綱の適切な運用による生活環境の整備
を促進します。
- 86 -
第2編
全体構想
【その他都市施設の整備方針図】
- 87 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
5.自然環境保全及び都市環境形成の方針
(1)基本方針
本市は、大都市近郊にあって三川合流周辺から木津川にかけての雄大な河川空間や男山
の「みどり」に代表される自然環境と、石清水八幡宮や松花堂庭園に代表される歴史資源
に恵まれた都市です。
これら自然・歴史環境は、市民共有の財産であると同時に広域的な財産とも言えるもの
です。
そこで、コンパクトなまちづくりに向けて、地域資源や地域特性である豊かな自然・歴
史環境を市民と行政との協働により保全・活用することで拠点形成を図るとともに、地域
風土と調和した市街地環境の充実や、まちの特色を活かした環境形成を図ります。
また、本市では、「八幡市環境基本計画(2001(平成 13)年 10 月:八幡市策定)」におい
て、環境政策の目標となる「望ましい環境像」を以下のように定めています。
『人と自然が共生する環境にやさしいまち』
・ 自然とふれあう
うるおいとやすらぎのあるまち
・ 循環型社会をめざした環境にやさしいまち
・ 環境保全と創造に積極的に取り組むまち
(2)整備方針
①
自然環境の保全と活用
-樹林地環境の保全、水辺環境の保全と活用、田園環境の保全-
●男山や円福寺周辺の樹林地について、「八幡市みどりの条例」に基づき、拡大・保全を
図るとともに、野鳥等の生息環境も含めた保全に努めます。
●木津川・宇治川・桂川・淀川の河川区域については、雄大な水景や、河川水質、水生
生物の生態系等を一体のものとして保全します。
●三川合流周辺は、市民の協働・参画による自然環境を保全したシンボル地域として、
整備を促進します。
●その他の小河川でも水辺の自転車道・歩行者道等への活用を図るとともに、水質汚濁
の防止に努めます。
●市域中央部から東部に広がる農地と集落では、農業環境や集落での生活環境の整備を
促進しながら、ゆとり空間、防災空間としての田園環境の保全に努めます。
- 88 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
市街地環境の形成
-公害防止、市街地環境の維持・充実、生活環境の美化、開発時の環境保全-
●公害防止については、事業所との環境保全協定(公害防止協定)の締結推進や事業所
への立ち入り調査、大気汚染や水質の調査など、指導・監視体制の強化に努めます。
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●「八幡市美しいまちづくりに関する条例」を運用し、快適な生活環境を確保し、生活
環境の美化を推進します。
●新たな市街地整備や開発の際には、計画段階で事業者との十分な協議を行い、環境保
全対策の徹底を図ります。
●「京都府地球温暖化対策条例」に基づく「建築物等緑化促進制度」の活用により建築
物等の緑化を促進します。
③
環境資源のネットワーク化
-拠点の形成、「歴史と文化のネットワーク」の形成-
●本市における水辺環境を代表する三川合流周辺と流れ橋周辺及び歴史・風土のシンボ
ルとも言える男山・石清水八幡宮周辺、松花堂庭園周辺では、「八幡市観光基本計画
(2003(平成 15)年5月:八幡市策定)」に基づき、自然・歴史環境を活用した広域観
光・レクリエーションの拠点として整備を促進します。
●市域の歴史・観光施設等を結んだ「歴史と文化のネットワーク」の形成を「歴史街道
計画」と連携しながら推進します。
●学校や市街地におけるビオトープの整備促進とそのネットワークにより、動植物の生
息環境の保全に努めます。
④
総合的な環境の保全対策
●自然環境保全や産業型公害、都市・生活型公害、地球環境問題等への対応の指針とな
る「八幡市環境基本計画」に基づき、総合的な環境の保全対策を進めます。
- 89 -
第2編
全体構想
【自然環境保全及び都市環境形成の方針図】
- 90 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
6.景観の形成方針
(1)基本方針
都市における景観は、暮らしをはじめとするさまざまな都市活動の場を演出するととも
に、まちや地域への愛着を育む重要な要素であり、市民意識の中でも世代を問わず、質の
高い景観の保全・育成への期待が強いものとなっています。
そこで「自然・歴史・文化」といった本市独自の豊かな景観資源の保全や地域特性を活
かした都市景観の演出を図り、これら自然等の景観拠点と都市景観の拠点とを水とみどり
の景観軸で結ぶことで、市民や本市を訪れる人にとって、美しさ、楽しさ、個性が感じら
れる景観形成を進めます。
さらに、都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進し、美しく風格のある国土
形成、うるおいのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図る
ための景観に関する総合的な法律である景観法が 2004(平成 16)年 12 月に施行されまし
た。この法律では、良好な景観は、国民共有の資産であり、地域の自然、歴史、文化等と
人々の生活、経済活動等との調和や、地域の個性を伸ばすよう多様な景観形成により、観
光その他地域間交流による地域の活性化に大きな役割を果たすものであり、住民、事業者、
行政が適切な役割分担と協働により積極的に取り組むべきであるとされています。この基
本理念にのっとり、本市においても京都府景観条例(2007(平成 19)年3月:京都府制定)
の適切な運用を図ります。
(2)整備方針
①
自然・歴史・風土を演出する拠点景観
-男山、三川合流周辺、流れ橋周辺、松花堂庭園周辺-
●男山の自然・歴史環境と一体となったみどり景観については、市民のシンボルとして、
市街地からの眺望に配慮しながら保全に努めます。
●三川合流周辺では、雄大な水辺環境の保全に努めるとともに、広域観光や市民の憩い
の場としての演出に、その水景の活用を図ります。
●流れ橋周辺では、水景と趣ある木橋が織り成す特徴的な景観の保全に努めるとともに、
広域観光・レクリエーションの資源として活用を図ります。
●松花堂庭園周辺では、隣接するさくら近隣公園と一体的な整備を進め、歴史・文化の
拠点としての景観演出を図ります。
●市域に分布するその他の史跡等についても、景観の保全に努めます。
- 91 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
都市を演出する拠点的景観
-八幡市駅周辺、橋本駅周辺、男山中央センター周辺、きんめい近隣公園周辺、市役
所周辺、(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺-
●八幡市駅周辺では、北部の広域的な交流拠点としてのにぎわいを演出しながら、周辺
の観光施設等が醸し出す雰囲気や情緒と調和した風格ある拠点景観を育成します。
●橋本駅周辺では、西部の地域生活拠点として、交通結節機能の強化及び商業機能の誘
導を図りながら、周辺地域の暮らしの拠点を飾るシンボリックな景観を育成します。
●男山中央センター周辺では、商業地の魅力を増進させながら、生活交流の中心となる
拠点景観を育成します。
●きんめい近隣公園周辺では、近代的な商業機能と周辺の自然環境、住環境とが調和し
た拠点景観を育成します。
●一ノ坪地区では、環境整備や、既存商業地との連携を図り、地域交流の中心となる拠
点景観を育成します。
●将来、南の広域的な交流拠点となる(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ
では、周辺の自然環境と調和しながら、個性ある景観の創出を図ります。
●市民の生活交流の中心であるとともに、公共公益・文化施設が集積する市役所周辺で
は、生活・文化交流の場としての拠点景観を育成します。
③
水辺のうるおい軸景観
-三川合流周辺から木津川のエリア、大谷川(放生川)、防賀川-
●三川合流周辺から木津川のエリアを広域うるおい軸として、その水辺景観の保全に努
めます。
●市域を縦断して流れる大谷川、防賀川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸
として親水空間の整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育
成します。
●大谷川の一部である放生川の水量の確保及びその周辺地域の整備を行い、市民や来訪
者がつどう市のシンボルゾーンとします。
④
やすらぎのみどり軸景観
-新名神高速道路、第二京阪道路、京都第二外環状道路、その他主要な幹線道路-
●広域幹線道路である新名神高速道路、第二京阪道路(緑立つ道)及び京都第二外環状
道路では、緩衝緑地帯等の設置による環境対策や周辺の景観を配慮したみどり軸とし
て整備を促進します。
- 92 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
●国道1号をはじめとするその他の主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸とし
て優れた沿道景観を育成するとともに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観
の育成に努めます。また、東高野街道については、「歴史街道計画」と連携しながら歴
史的景観の保全・演出を進め、歩いて楽しむ「まちなか観光」を振興します。
⑤
面的な景観形成
-市街地景観の育成、住宅地景観の保全・育成、工業地その他産業地での景観育成、
田園景観の保全-
●市域西部の住宅市街地では、道路等の公共空間における照明・サイン等のストリート
ファニチャーを用いた景観演出や緑化推進等により、うるおいある市街地景観を育成
します。
●良好な住環境が形成されている男山地区の市街地や、面的整備による市街地では、既
存のものに加えて新たな地区計画・建築協定・緑地協定等の規制・誘導手法の活用も
検討し、良好な住宅地の景観の保全と育成を図ります。
●市域中央部から東部の工業その他産業系の市街地では、屋外広告物の助言や指導を行
うなど、周辺と調和した緑豊かな市街地景観の保全・育成を図ります。
●国道1号等の幹線道路沿道については、良好な沿道景観の形成に努めます。
●市域中央部から東部にかけての田園・集落地域については、本市を特徴づける一つの
景観要素としての田園景観の保全に努めます。また、ハイキング・散策等が楽しめる
環境整備を図ります。
⑥
総合的な都市景観形成
-景観づくりのガイドラインの作成、八幡らしさあふれる景観形成、市民との協働に
よる景観づくり、都市イメージのアピール-
●国土交通省の各景観形成ガイドラインや京都府景観条例に連携し、本市の各公共事業
における景観づくりのガイドラインの策定を検討します。
●景観法の主旨にのっとり、公共空間においては、景観演出やデザイン化を進めるとと
もに、屋外広告物行政の運用や、商店街等の民間施設にも協力を求め、市民との協働
による景観づくりを推進します。
●景観形成においては本市の個性を発揮できるデザインアイテム(竹や石清水八幡宮な
ど)や、演出方法等について、広く市民からアイデアを求めながら、八幡らしさのあ
ふれる景観形成に努めます。
●本市の個性と風格ある景観や都市イメージを積極的にアピールします。
- 93 -
第2編
全体構想
【景観の形成方針図】
- 94 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
7.都市防災の方針
(1)基本方針
本市では過去において再三の内水被害が生じてきました。
また、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震等の近年の災害の状況により、市民のあいだ
でも都市防災への関心が高まっています。
こういった背景を踏まえ、居住、商業、工業その他産業、観光、交流など全ての都市活
動の場に、より安全と安心をもたらす災害に強いまちづくりを、
「八幡市地域防災計画(2007
(平成 19)年2月:八幡市策定)」に基づき、市民と市、さらには国、京都府など広域行政
での協力体制のもと進めます。
■八幡市地域防災計画
-計画の理念-
●災害に強いまちづくり
●総合防災システムの整備
●危機管理体制の整備
●市民相互の自主的な防災対策の支援
●災害への備え、実践に向けた運動の促進
(2)整備方針
①
治山・治水対策
-危険箇所への対応、排水施設の整備-
●急傾斜地等では、定期的な宅地防災パトロールを実施し、必要に応じた調査を行い、
京都府と連携して、改善等の適切な対処を行います。
また、京都府が行う、砂防法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律及び土
砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律等の運用と連携を図
るとともに、一定規模以上の宅地造成工事については、宅地造成等規制法に基づき、
京都府と連携し、安全な宅地となるよう指導し、その他の造成工事についても「宅地
防災マニュアル」を活用し、宅地災害の防止のための指導を行います。
●河川の危険箇所等では、監視・パトロール体制の強化を図り、木津川堤防の強化の促
進や、大谷川、防賀川等の市域内の河川の改修を進めるとともに、ため池や排水機等
の農業施設等については、整備点検や老朽化等に対する新設、改修工事を指導します。
●降雨又は溢水による道路面の流出防止、法面侵食、崩壊等を防止するため、側溝など
道路の排水施設を整備します。
- 95 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
震災対策
-公共施設の震災対策、民間建築物の震災対策、住宅の密集地での震災対策-
●公共建築物や高架構造物等について、新築にあたっては施設の重要性に応じた耐久性、
耐震性の確保を図り、既存建築物については、
「京都府既存建築物総合防災対策推進計
画」に基づき、数値目標を設定し、計画的に耐震診断を実施するとともに防災診断及
び改修の促進に努めます。
●管渠、ポンプ場及び処理施設等の機能を保持するため、施設の構造強化対策と施設の
ネットワーク化、補完施設の整備等を進めるとともに、都市間における相互支援体制
の構築を進めます。
●橋りょうの新設、拡張にあたっては、耐震性を十分に配慮して整備を図るほか、市街
地や主要路線上の老朽橋及び耐荷力の不足している橋りょうについては、補修等の整
備に努めます。
●不特定多数の者が利用する建築物や共同住宅等の民間建築物についても、京都府と連
携し、新築に対する指導及び啓発、既存建築物に対する建築基準法第 12 条の定期報告
制度や建築物の耐震改修の促進に関する法律第7条の規定による指導、助言及び指示
の活用、「京都府既存建築物耐震改修実施計画」に基づく、耐震診断及び改修の必要性
についての普及啓発に努め、防災性能の向上を図ります。
●住宅密集地ではオープンスペースの確保に努め、二次災害等による被害拡大の防止を
図ります。
③
火災対策
-防火地域・準防火地域の指定、住宅の密集地での火災対策-
●建築物の耐火化を誘導するため、防火地域及び準防火地域等の地域地区制度の活用を
図ります。この場合、防火地域は、高密度利用を図る地域、主要な避難路(延焼遮断
帯)の沿道で不燃化を促進する必要のある地域等において検討を進めます。
●住宅密集地では、市街地整備と連動して生活道路の整備や公園などオープンスペース
の確保等により、火災時における延焼拡大の防止を図ります。
④
その他総合的防災対策
-避難路ネットワークの形成、小中学校の防災拠点化、ライフラインの強化、広域防
災の強化、市民による自主防災の支援-
●災害時における円滑な交通を確保するため、避難路や緊急輸送等の機能をもつ道路ネ
ットワークの整備を促進します。
●市立学校その他教育機関について、避難場所としての開設及び運営体制の整備や、施
- 96 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
設及び設備の定期的な安全点検を行い、必要な補強、補修等の予防措置を講ずるなど、
防災体制の整備を図ります。
●市民生活に欠かすことのできない、電気、ガス、水道、通信等のライフライン施設に
ついて、管理する関係機関の定める防災業務計画等との整合を図り、当該施設等の防
災体制の強化を図ります。
●三川合流部等においては、水運を活かした防災拠点の整備を促進します。
●広域行政圏の連携により、緊急時の相互応援体制や防災情報ネットワークの整備を促
進し、広域防災ネットワークの強化に努めます。
●市民や市内の事業所等に対して、自主防災組織の育成並びに市民の防災力及び防災意
識・知識の向上、企業の防災対策を支援するとともに、要配慮者等への対応を推進し
ます。
●ハザードマップの活用により、災害時における避難場所の周知を図ります。
●都市機能の再生や災害に強いまちづくりをめざし、土地区画整理事業等による面的都
市基盤整備を推進し、市民の理解と協力を得て地域の環境改善及び防災性の向上に努
めます。
●「京都府既存建築物総合防災対策推進計画」に基づき、京都府と連携して、屋外広告
等の落下防止、ブロック塀等の転倒対策に関して、所有者、管理者に普及啓発を行う
とともに、必要に応じて改修等の指導を行います。
- 97 -
第2編
全体構想
【都市防災の方針図】
- 98 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編 全体構想 第3章 まちづくりの整備構想
【八幡市防災ハザードマップ】
※この図は A1 サイズを縮小しております。
平成 20 年3月
- 99 -
- 100 -
- 101 -
第3編
地域別構想
1.地域の設定
本マスタープランでは、土地利用状況や市街地形態の特徴及び小学校区を中心とした地
域コミュニティを踏まえ、以下に示す4地域に区分して地域別構想を策定します。さらに、
北部地域については、4地区に細区分します。
地域名
土地利用状況・市街地形態
面積(ha)
人口(人)
市民アンケート調査
の居住地区※
北部地域
北① 橋本・西山地区
北② 八幡北地区
従来からの既成市街地を中心とした地域
1,012.5
北③ 八幡南地区
35,913 八幡・川口地区
橋本地区
北④ 川口・八幡東地区
西部地域
計画的に整備された既成市街地を中心とした地域
252.4
27,665 男山地区
東部地域
田園集落と工業系市街地を中心とした地域
841.0
3,903 東部地区
南部地域
現在も整備が進められている新市街地
331.1
6,771 美濃山地区
※区域は多少異なります
■地域区分図
- 102 -
第3編
地域別構想
●地域別構想における「地域住民の意識」の反映方法
『八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」報告書』の調査結果を本
マスタープランにおける「地域住民の意識」として反映させるために、下図に示す
「満足度と重要度の関係」の散布図を用いています。
この図は、市民ニーズの高低を視覚的に把握、分析するもので、重要度が高く、
満足度が低い領域を「領域A」としています。
■満足度と重要度の関係(図表Ⅲ-5)
- 103 -
第1章
- 104 -
北部地域
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
1.北部地域の現状と課題
(1)北部地域の現況と特性
①
北部地域の概況
-市の玄関、中枢機能が立地-
●本地域は北部に京阪本線が通り、八幡市
■北部地域の位置図
駅、橋本駅の両駅があり、公共交通機関
の市の玄関口となっています。
また、市役所その他の公共施設等、市の
中枢機能が立地しています。
地域の約半分が男山の樹林地、三川合流
周辺の水辺空間及び地域東部の田園か
らなる市街化調整区域です。
●地域内には以下の幹線道路が通ってい
ます。
・京都第二外環状道路
・府道京都守口線((都)八幡橋本線)
・府道長尾八幡線((都)八幡枚方線)
・府道八幡木津線
・(都)橋本南山線
・(都)西山下奈良線
・(都)八幡城陽線
・国道1号((都)国道1号線)
●2005(平成 17)年における人口は 35,913 人で、市域総人口の約 48%を占めており、近
年は微減傾向にあります。世帯数は微増しており、世帯当り人員の減少が伺えます。
人口密度は地域全体では 35.5 人/ha となっておりますが、市街化区域は 73.1 人/ha とな
っており、西部地域に次いで高い値となっています。
■人口・世帯の状況
-「平成 15 年度都市計画基礎調査・平成 17 年国勢調査」のデータを引用-
地域面積
市街化区域
市街化調整区域
都市計画区域
(ha)
468.0
544.5
1,012.5
平 成 12 年
人 口
世帯数 人口密度
(人)
(戸)
(人/ha)
12,194
35,022
74.8
501
1,305
2.4
36,327
35.9
12,695
- 105 -
平 成 17 年
人 口
世帯数 人口増減率 世帯数増減率 人口密度
(人)
(戸)
(%)
(%)
(人/ha)
34,221
12,488
97.7%
102.4%
73.1
1,692
662
129.7%
132.1%
3.1
35,913
13,150
98.9%
103.6%
35.5
第3編
②
地域別構想
第1章
北部地域
北部地域の土地・建物利用の現状と動向
-八幡市駅周辺の商業地、地域南部及び地域東部の工業地、従来から形成されている
住宅地-
●地域の市街化区域は、従来からの住宅と商業を中心とした市街地が広がっています。
住宅用地が 50%、商業用地が3%、工業用地が8%となっています。
●地域の市街化調整区域は、八幡北地区の男山が山林(23%)、八幡南地区の東部と、川
口・八幡東地区の西部及び南部が田園(16%)、また、地域北部が三河川合流部の水面・
自然地(45%)となっています。
●八幡市駅周辺とその南側は商業地となっており、八幡源氏垣外地区は、「山城北地域商
業ガイドライン」における特例誘導エリアに指定されています。
●橋本駅周辺は住宅地となっており、商業施設もみられます。
●八幡市駅から国道1号を連絡する府道長尾八幡線の沿道には、商業・業務施設が立地
しています。
●八幡南地区南部の府道長尾八幡線沿道は、工業地となっており、自動車処理業が多数
営まれています。
●八幡南地区南部の八幡一ノ坪地区は、近年大規模小売店舗等が立地しており、
「山城北
地域商業ガイドライン」における特例誘導エリアに指定されています。
●川口地区東部は、工業地となっており、大規模な工場等が立地しています。
また、工業地の一部は「下奈良・小宮地区地区計画」の指定区域に含まれ、工業地区
に指定されています。
●地域内の住宅地は、低中層の住宅が共存する形態となっており、橋本駅の南側、八幡
南地区の中央から東部、川口地区の中央部は、一団の戸建住宅地となっています。
- 106 -
第3編
■土地利用状況
地域別構想
13.7%
交通施設用地:0.5%
6.7%
19.1%
4.1% 5.7%
23.8%
●市街化区域
2.1% 1.7% 1.4% 1.4%
1.1%
5.5%
16.2%
交通施設用地:0.4%
商業用地:0.1%
●市街化調整区域
5.0%
3.2%
8.0%
3.2%
11.4%
交通施設用地:0.6%
2.9%
50.3%
22.5%
11.1%
2.1%
10.2%
1.4%
2.2%
北部地域
-「平成 15 年度都市計画基礎調査」のデータを引用-
●都市計画区域
3.5%
1.0%
7.2%
第1章
34.0%
1.2%
1.1%
5.9% 5.1%
1.4% 工業用地:0.8% 1.0%
生産緑地地区
水面
工業用地
その他公的施設用地
③
田
その他の自然地
公共・公益用地
その他の空地
北部地域の都市基盤施設の整備状況
畑
住宅用地
道路用地
山林
商業用地
交通施設用地
-比較的良好な都市基盤施設-
●広域幹線道路である京都第二外環状道路と府道京都守口線・長尾八幡線・八幡木津線
及び(都)八幡城陽線を中心に骨格的な幹線道路網はほぼ形成されていますが、
(都)
橋本南山線の一部、(都)西山下奈良線の一部と(都)八幡田辺線が未整備となってい
ます。
●生活道路については、八幡市駅周辺、橋本駅周辺や市道土井南山線沿道周辺の住宅地
では狭小な箇所もあります。
●都市計画公園は、街区公園が4箇所、歴史公園が1箇所すべて整備済となっており、
都市公園としては、街区公園が 42 箇所、近隣公園が2箇所、歴史公園が1箇所、運動
公園が3箇所整備されており、比較的良好な整備状況となっています。
●下水道(汚水)は市街地部ではほぼ整備されています。
●面的な市街地整備状況は、土地区画整理事業等の整備箇所が2箇所と少なく、規模も
5.0ha 未満で、市街地整備事業が進んでいるとはいえない状況です。
- 107 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
■都市基盤施設の整備状況(平成 19 年3月末現在)
都市計画道路
注.他地区との境界部
分も延長に含む
例..国道1号線
都市計画
公園・緑地
下水道
④
番 号
路 線 名
都市計画決定
整 備 状 況
幅員(m) 延長(m) 整備済延長(m) 整備率(%)
20.5~37.5
1・4・3、1・4・4
京都第二外環状道路
1,730
1,730
100.0
1・小・13
淀・八幡荘線
8.0
280
0
0.0
22.0~26.5
3・3・17
国道1号線
670
670
100.0
12.0~20.0
1,900
780
41.1
3・4・1
橋本南山線
3・4・3
八幡城陽線
18.0
870
870
100.0
3・5・4
八幡枚方線
12.0
3,600
3,600
100.0
14.0~28.0
1,830
0
0.0
3・5・19
八幡田辺線
3・5・21
八幡橋本線
12.0
3,360
3,360
100.0
3・5・101
御幸橋千束線
12.0
470
470
100.0
12.0~16.0
1,550
1,400
90.3
3・5・102
西山下奈良線
11.0~71.5
1,730
1,730
100.0
3・6・8、3・6・20
京都第二外環状道路
整 備 状 況
種別
都市計画決定
名称
供用面積(ha) 整備率(%)
計画面積(ha)
約0.12
14
南ヶ丘公園
約0.12
100.0
街区公園
15
松花堂公園
約1.90
100.0
約1.90
歴史公園
16
軸公園
約0.28
100.0
約0.28
街区公園
17
橋本公園
約0.33
100.0
街区公園
約0.33
街区公園
約0.21
2・2・18
山田公園
約0.21
100.0
1
八幡緑地
2.7
緑地
約117.60 約14.26
分類
名称
都市計画決定
整 備 状 況
計画排水区域(ha) 整備済排水区域(ha) 整備率(%)
八幡西部処理区
汚水
19.0
18.2
95.8
伏見処理区
汚水
1.0
1.0
100.0
洛南処理区
汚水
492.0
427.5
86.9
北部地域の環境 -市域を代表する自然・歴史環境-
●三川合流部とその周辺には、雄大な水辺環境が広がっています。
●男山が豊かな「みどり」を提供しています。
●男山の山頂に位置する石清水八幡宮と歴史公園として整備されている松花堂庭園は、
市の歴史のシンボルとなっています。
●八幡市駅南側の大谷川(放生川)が、街区公園と一体的な水辺公園(放生の景)とし
て整備されており、うるおい空間となっています。
- 108 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
(2)北部地域住民の意識
-公共交通の利便性への期待、水や緑の環境充実への期待、身近な生活環境整備へ
の期待、商業、観光・レクリエーションの振興への期待-
①
都市整備の推進
●八幡・川口地区で「領域A」に位置するものは、③「鉄道やバスなど公共交通の便利
さ」と④「公園・緑地・河川など、水や緑の環境」となっており、他の地域に比べて、
これらの都市施設が多い反面、地域住民の評価は低くなっています。また、①「まち
のにぎやかさ」の満足度が最も低くなっています。
●橋本地区では「領域A」に位置するものがなく、さらに、市の平均と比べ、総じて満
足度が高く、都市整備についての評価が比較的高くなっています。
②
生活環境・安全の向上
●八幡・川口地区では「領域A」に位置するものは、①「住みやすい住環境」、③「大気
や水質・騒音などの環境問題への対応」、④「適切なごみ処理・まちの清潔さ」、⑤「自
然災害に対する安全性」
、⑦「防犯および交通安全対策」の5項目に及び、さらに、市
の平均と比べて満足度が低いことから、身近な生活環境に対するニーズの高さが伺え
ます。
●橋本地区で「領域A」に位置するものは、③「大気や水質・騒音などの環境問題への
対応」と⑦「防犯および交通安全対策」の2項目であり、さらに、市の平均と比べて
満足度が総じて高く、生活環境についての評価が比較的高くなっています。成熟した
まちで環境・防災といった安全・安心が求められていることが伺えます。
③
産業の振興
●鉄道駅を擁する地域の特性を反映して、両地区とも「領域A」に位置するものは③「商
業の振興」と④「観光・レクリエーションの振興」となっており、特に八幡・川口地
区では③「商業の振興」が、橋本地区では④「観光・レクリエーションの振興」が期
待されています。
④
生涯学習・教育の推進
●両地区とも「領域A」に位置するのは、③「学校教育の充実」のみとなっています。
また、橋本地区で⑥「市民文化の振興・文化財の保全」の満足度が高くなっています。
- 109 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
■八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」(2005(平成 17)年 10 月)
■「都市整備の推進」における満足度と重要度
■「生活環境・安全の向上」における満足度と重要度
- 110 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
■八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」(2005 年(平成 17 年)10 月)
■「産業の振興」における満足度と重要度
■「生涯学習・教育の推進」における満足度と重要度
- 111 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
(3)北部地域のまちづくりの課題
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」を踏まえ、魅力的なまちづくりを進めるための
課題を整理すると以下のようになります。
①
北部広域交流拠点の充実
北部地域は、八幡市駅とその周辺の「市民生活拠点」、市役所周辺の「シビックセンタ
ー」が全体構想で位置づけられ、また、三川合流周辺や男山の「広域観光・レクリエー
ション拠点」とともに「北部広域交流拠点」を構成しています。
八幡市駅には駅前広場が整備され、周辺には商業施設も立地していますが、「市民生活
拠点」の商業機能に対する地域住民の満足度は低く、市の玄関口にふさわしい、さらな
る都市機能の集積を図るとともに、商業機能、にぎわいや都市魅力を充実させていく必
要があります。
シビックセンターは、市役所等の行政サービス施設が集積していますが、市民の集う
公共空間として、市民に対する行政・医療サービスと、市民文化の中心となる親しみの
ある都市空間の維持・充実を図っていく必要があります。
また、三川合流周辺や男山は本市を代表する自然と観光・レクリエーション地であり、
市の内外から利用者の訪れる観光・レクリエーションゾーンとして機能の充実を図って
いく必要があります。
②
橋本駅周辺の地域生活拠点の形成
橋本駅とその周辺は、全体構想において「地域生活拠点」として位置づけられていま
す。現在、橋本駅の北側には老朽化した木造住宅が多くみられ、商業施設も少ないのが
現状であり、駅前広場やアクセス道路等の都市基盤も未整備となっています。都市機能
の充実による魅力ある「地域生活拠点」を形成させていく必要があります。
③
一ノ坪地区の地域生活拠点の形成
一ノ坪地区は、近年大規模小売店舗等が集積しており、
「山城北地域商業ガイドライン」
における特例誘導エリアに指定されています。全体構想で「地域生活拠点」として位置
づけられており、国道1号の沿道サービスゾーンと連携して、地区の立地特性を活かし
た商業機能の充実を図り、新たな地域の暮らしの中心として、魅力ある「地域生活拠点」
を形成させていく必要があります。
- 112 -
第3編
④
地域別構想
第1章
北部地域
住宅市街地での質の高い住環境の形成
本地域には従来から形成された住宅市街地が広がっています。生活しやすさに対する
地域住民の意識は、地区により差違があるものの、公共交通の利便性に関しては一定の
評価を得ていますが、住環境や生活環境の保全と充実に関しては今後の整備に更なる期
待が寄せられています。
したがって、各地区の特性に応じた手法を検討しつつ快適に暮らせる生活の場として
の機能を充実させていく必要があります。
⑤
工業地の育成と良好な環境の誘導
川口・八幡東地区の東部は工業地となっており、既存の地区計画等に即して工業系土
地利用と良好な環境形成及び保全に努めます。
また、八幡南地区南部の自動車処理業が集積する区域については、広域的な環境保全
に寄与するリサイクル産業としての振興と環境の保全を図る必要があります。
⑥
自然・歴史・風土と調和したまちづくり
本地域には三川合流部とその周辺の雄大な河川空間や男山の樹林地といった豊かな自
然環境と、石清水八幡宮や松花堂庭園に代表される歴史施設が立地し、また旧街道であ
る東高野街道が落ち着いた街なみの中を通っています。
したがって、これらの地域資源を活用し、自然・歴史・風土と調和したまちづくりを
進める必要があります。
- 113 -
第3編
■地域の特性と課題図
北部地域
地域別構想
-橋本・西山地区(北①)-
- 114 -
第1章
北部地域
第3編
■地域の特性と課題図
北部地域
地域別構想
-八幡北地区(北②)-
- 115 -
第1章
北部地域
第3編
■地域の特性と課題図
北部地域
地域別構想
-八幡南地区(北③)-
- 116 -
第1章
北部地域
第3編
■地域の特性と課題図
北部地域
-川口・八幡東地区(北④)-
- 117 -
地域別構想
第1章
北部地域
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
2.北部地域のまちづくりの基本的方向
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」及び「地域のまちづくりの課題」を踏まえ、個
性を活かした魅力あるまちづくりを進めるため、以下に示すまちづくりのテーマ及び整備
の目標を設定します。
【全体構想】●将来都市像:自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
●整備の基本目標:個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を
高めるまちづくり
【北部地域の現況と特性】
●市の公共交通の玄関であり、市役所等の中枢機能が立地
●八幡市駅周辺の商業地、地域南部・東部の工業地、従来から形成されている住宅地
●八幡北・南地区で「山城北地域商業ガイドライン」における特例誘導エリアが指定
●比較的良好な都市基盤施設
●市域を代表する自然・歴史環境・田園(地域の約半分が市街化調整区域)
【北部地域のまちづくりの課題】
【北部地域住民の意識】
●北部広域交流拠点の充実
●橋本駅周辺の地域生活拠点の形成
●一ノ坪地区の地域生活拠点の形成
●住宅市街地での質の高い住環境の形成
●工業地の育成と良好な環境の誘導
●自然・歴史・風土と調和したまちづくり
●公共交通の利便性への期待
●水や緑の環境充実への期待
●身近な生活環境整備への期待
●商業、観光・レクリエーションの
振興への期待
<北部地域のまちづくりのテーマ>
歴史・文化・自然を活かした交流拠点の形成と
周辺環境と調和した質の高い居住地づくり
<北部地域
整備の目標>
●歴史・文化・自然を活かし、にぎわいを創出するまちづくり
●周辺環境との調和と公共交通機関の連携による質の高いまちづくり
●だれもが安全・安心に暮らせる人にやさしいまちづくり
- 118 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
3.北部地域のまちづくりの整備構想
3-1.橋本・西山地区(北①)の整備構想
「北部地域のまちづくりのテーマ」及び「北部地域
整
備の目標」を踏まえ、橋本・西山地区(北①)の特性と
課題に立ち戻り、橋本・西山地区(北①)の整備目標を
以下のように設定します。
【整備目標】
●橋本駅周辺の地域生活拠点の整備
●住環境の保全と充実
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格
広域観光・レクリエ 地区東部の男山を位置づけます。市民の憩いの場となり、広域からの観
ーション拠点
光・レクリエーションの拠点となります。
地域生活拠点
橋本駅周辺を位置づけます。地域住民の暮らしの中心となります。
生
(都)橋本南山線を位置づけます。地域住民の身近な動線であり、暮ら
活
軸
しのうえで必要な商業・サービス機能が適切に立地する軸です。
拠点及び市街地連携軸
(都)橋本南山線と府道京都守口線を位置づけます。公共交通の駅と市
街地拠点を連携する軸です。
水と緑のネットワーク体系
みどりの拠点
あらかし近隣公園と足立寺史跡公園を位置づけます。地域のみどりの拠
点です。
み
ど
り
軸
(都)橋本南山線を位置づけます。みどりの骨格を形成します。
- 119 -
第3編
②
地域別構想
第1章
北部地域
土地利用方針
ゾーン名
都市型住宅
住宅系
ゾーン
近郊都市型住宅
ゾーン
商業系
地域対応型
ゾーン
自然系
水辺の
レクリエーションゾーン
自然緑地・山辺の
レクリエーションゾーン
③
具体的な箇所等
土地利用方針
橋 本 駅 周 辺 と京阪本
線の沿線
駅周辺に立地し利便性の高い低層を中心とし
た住宅地として住環境の充実を図るととも
に、多様で質の高い都市生活を営む環境づく
りを図ります。
橋本のうち東部(男山
を除く)及び南部、西
山
ゆとりある住宅地として、住環境の保全と充
実を図ります。
橋本駅周辺
橋本地区の核となる商業ゾーンであり、日常
生活に必要な商業施設の充実を図ります。
三川合流周辺
雄大な水辺空間を活かし、市の内外から利用
者の訪れる観光・レクリエーションゾーンと
して機能の充実を図ります。
男山周辺
自然環境の保全に努め、レクリエーションの
場としての活用を図ります。
市街地の整備方針
●橋本駅周辺では、市域西部の地域生活拠点として、生活と密着した利便性を備えた行
政・商業・サービス施設等からなる商業集積と居住機能の充実、機能的な駅前広場及
びアクセス道路を実現するため、関係機関の協力のもと、駅周辺の一体的な基盤整備
や空閑地の適切な活用の促進について検討します。
●橋本駅周辺と京阪本線の沿線の住宅地では、生活道路等の基盤施設の充実や緑化推進、
道路や公園も含んだ公共施設等での景観演出等による質の高い住環境の充実を図りま
す。
●特に、住宅密集地では、公園・緑地やポケットパークの整備によるオープンスペース
の確保や生活道路の整備等により、防災性を備えたうるおいある市街地への更新を促
進します。
●橋本のうち東部及び南部、西山の戸建住宅地では、地域住民との協働により、地区計
画、建築協定、緑地協定等の規制・誘導手法の導入を検討し、地区ごとの個性を活か
しながら現在形成されている良好な住環境の保全を図ります。
- 120 -
第3編
④
地域別構想
第1章
北部地域
都市施設の整備方針
●現在整備されている(都)橋本南山線と府道京都守口線とを円滑に連絡する幹線道路
について、橋本駅周辺の市街地整備と連動させながら、整備を推進します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備を推進します。
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
●橋本駅においては、鉄道駅のターミナル機能の充実のため、橋本駅前広場の整備につ
いて、関係機関との連携のもとに検討します。
●橋本駅周辺には駐車場・駐輪場の適切な整備・運営を図るとともに、大型バス等の駐車
場等の確保についても関係機関との連携のもと検討します。
●橋本公民館など、老朽化した既存の文化コミュニティ施設の計画的な大規模改修を進
めるとともに、子育て支援や地域コミュニティ活動のためのスペースの確保・だれで
も利用できる施設整備やIT機器の充実を図ります。
⑤
その地の整備方針
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●橋本駅周辺では、西部の地域生活拠点として、交通結節機能の強化及び商業機能の誘
導を図りながら、周辺地域の暮らしの拠点を飾るシンボリックな景観を育成します。
●三川合流周辺から淀川のエリアを広域うるおい軸として、その水辺景観の保全に努め
ます。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。
●住宅市街地では、道路等の公共空間における照明・サイン等のストリートファニチャ
ーを用いた景観演出や緑化推進等により、うるおいある市街地景観を育成します。
- 121 -
第3編
■地域の整備方針図
北部地域
地域別構想
-橋本・西山地区(北①)-
- 122 -
第1章
北部地域
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
3-2.八幡北地区(北②)の整備構想
「北部地域のまちづくりのテーマ」及び「北部地域
整
備の目標」を踏まえ、八幡北地区(北②)の特性と課題
に立ち戻り、八幡北地区(北②)の整備目標を以下のよ
うに設定します。
【整備目標】
●八幡市駅周辺の市民生活拠点と広域交流の場の充実
●シビックセンターの充実と演出
●商業空間の充実と演出
●住宅地での住環境の充実
●河川を活用した親水空間の整備と河川改修による浸水害の防止
●男山周辺の自然環境の保全と活用
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格(うるおい軸については、水と緑のネットワークで記載)
八幡市駅周辺、三川合流周辺、男山周辺、市役所周辺を一体的に位置づ
北部広域交流拠点
けます。広域的な交流拠点を形成するとともに、まちづくりの中心とし
て都市魅力の充実を図ります。本地区の大半が相当します。
広域観光・レクリエ 三川合流周辺と男山を位置づけます。市民の憩いの場となり、広域から
ーション拠点
の観光・レクリエーションの拠点となります。
市民生活拠点
八幡市駅周辺を位置づけます。市民の暮らしの中心となります。
シビックセンター
南 北 連 携 軸
市役所周辺を位置づけます。行政・医療サービスや市民文化の中心とな
ります。
北部と南部の広域交流拠点を結びつけ、乙訓・京都北部・京田辺市方面
との連携も図る市の骨格軸です。
府道長尾八幡線、府道八幡木津線を位置づけます。
生
活
軸
地域住民の身近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービス機
能が適切に立地する軸です。
拠点及び市街地連携軸
府道京都守口線、府道長尾八幡線、府道八幡木津線を位置づけます。公
共交通の駅と市街地拠点を連携する軸です。
- 123 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
水と緑のネットワーク体系
広域的なみどりの拠点である三川合流周辺と男山を位置づけます。また、
みどりの拠点
地域のみどりの拠点である放生川親水公園、馬場市民公園及びシビック
センターを位置づけます。
み
ど
り
軸
市道土井南山線(東高野街道)を位置づけます。みどりの骨格を形成し
ます。
大谷川を「市民うるおい軸」として、木津川、宇治川、桂川の堤防上の
う る お い 軸
ルートを「広域うるおい軸」として位置づけます。広域からの来訪者や
市民のために市街地やその周辺にうるおいを与える軸です。
②
土地利用方針
ゾーン名
具体的な箇所等
土地利用方針
住宅系
駅周辺に立地し利便性の高い低層を中心とし
都市型住宅
ゾーン
科手地区周辺、山路・
吉野地区周辺、府道長 た住宅地として住環境の充実を図るととも
尾八幡線東側、市道土 に、多様で質の高い都市生活を営む環境づく
井南山線周辺
りを図ります。
市民の暮らしの中心として、また、広域的な
広域対応型
商業系
ゾーン
レクリエーション施設の玄関口として、にぎ
八幡市駅周辺
わいと風格が兼ねそろう都市魅力を高める商
業機能の充実を図ります。
地域対応型
ゾーン
八 幡 市 駅 南 側の大谷
川 周 辺 及 び 府道長尾
八幡線の沿道
八幡市駅周辺の商業ゾーンを補完するため、
市民生活の中心となる商業施設の集積と、魅
力ある商業空間の充実を図ります。
公共系
市民に対する行政・医療サービスと、市民文
シビックゾーン
市役所周辺
化の中心となるゾーンであり、親しみのある
都市空間の維持・充実を図ります。
水辺の
自然系
レクリエーションゾーン
自然緑地・山辺の
レクリエーションゾーン
雄大な水辺空間を活かし、市の内外から利用
三川合流周辺
者の訪れる観光・レクリエーションゾーンと
して機能の充実を図ります。
男山周辺
自然環境の保全に努め、レクリエーションの
場としての活用を図ります。
- 124 -
第3編
③
地域別構想
第1章
北部地域
市街地の整備方針
●市の玄関口となり、北部広域交流拠点と市民生活拠点となる八幡市駅周辺では、土地
の高密度利用の推進に向け、地域住民や関係機関と調整を図り、市民の暮らしの中心
となる商業・業務・サービス機能、周辺の観光名所への玄関口としての交流機能、そ
れに付帯する交通ターミナル機能、居住機能等の充実を促進します。また、防災空間
の整備促進、民間によるオープンスペースを備えた建築物への建替えの促進誘導、狭
小道路の解消など、周辺環境の整備促進を図ります。
●科手地区周辺、山路・吉野地区周辺、府道長尾八幡線東側及び市道土井南山線の沿道
の住宅市街地では、生活道路等の基盤施設の充実や緑化推進、道路や公園も含んだ公
共施設等での景観演出等による質の高い住環境の充実を図ります。
●特に、住宅密集地では、公園・緑地やポケットパークの整備によるオープンスペース
の確保や生活道路の整備等により、防災性を備えたうるおいある市街地への更新を促
進します。
④
都市施設の整備方針
●南北連携軸については、周辺道路の整備状況を見ながら、整備促進に向け関係機関と
の協議を進めるとともに、(都)八幡田辺線の整備及び(都)西山下奈良線の未整備区
間の整備を促進します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備や「歴史街道計画」との連動による快適かつ個性的なみちづく
りを推進します。
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
●八幡市駅においては、エレベーター設置等を要請し、「バリアフリー新法」に基づき公
共交通体系におけるユニバーサルデザイン化を促進します。また、駅南北が一体化と
なる駅自由通路の整備及び防災空間をもちあわせた駅北口広場の整備を促進します。
●八幡市駅周辺には駐車場・駐輪場の適切な整備・運営を図るとともに、大型バス等の駐
車場等の確保についても関係機関との連携のもと検討します。
●淀川河川上流域においては、国営公園としての整備を要望します。
●三川合流周辺では、自然と景観の保全やレクリエーションの場としての活用により、
景観形成を図り、広域集客交流拠点として整備を促進します。
- 125 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
●本市のシンボルである男山の樹林地については、土地所有者との連携による「八幡市
みどりの条例」に基づいた「保存区域」の拡大・保全を図ります。
また、石清水八幡宮や男山レクリエーションセンターを中心に広域観光・レクリエー
ションゾーンとして利用を図ります。特に、男山レクリエーションセンターについて
は、屋外スポーツや市民の余暇活動拠点となる施設整備を検討します。
●山柴公民館など、老朽化した既存の文化コミュニティ施設の計画的な大規模改修を進
めるとともに、子育て支援や地域コミュニティ活動のためのスペースの確保・だれで
も利用できる施設整備やIT機器の充実を図ります。
⑤
その他の整備方針
●木津川・宇治川・桂川・淀川の河川区域については、雄大な水景や、河川水質、水生
生物の生態系等を一体のものとして保全します。
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●本市における水辺環境を代表する三川合流周辺及び歴史・風土のシンボルとも言える
男山・石清水八幡宮周辺では、「八幡市観光基本計画」に基づき、自然・歴史環境を活
用した広域観光・レクリエーションの拠点として整備を促進します。
●八幡市駅周辺では、北部の広域的な交流拠点としてのにぎわいを演出しながら、周辺
の観光施設等が醸し出す雰囲気や情緒と調和した風格ある拠点景観を育成します。
●シビックセンターでは、生活・文化交流の場としての拠点景観を育成します。
●市域を縦断して流れる大谷川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸として親
水空間の整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育成します。
また、大谷川の一部である放生川の水量の確保及びその周辺地域の整備を行い、市民
や来訪者がつどう市のシンボルゾーンとします。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。
また、東高野街道については、「歴史街道計画」と連携しながら歴史的景観の保全・演
出を進め、歩いて楽しむ「まちなか観光」を振興します。
●三川合流部等においては、水運を活かした防災拠点の整備を促進します。
- 126 -
第3編
■地域の整備方針図
北部地域
-八幡北地区(北②)-
- 127 -
地域別構想
第1章
北部地域
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
3-3.八幡南地区(北③)の整備構想
「北部地域のまちづくりのテーマ」及び「北部地域
整
備の目標」を踏まえ、八幡南地区(北③)の特性と課題
に立ち戻り、八幡南地区(北③)の整備目標を以下のよ
うに設定します。
【整備目標】
●松花堂庭園や東高野街道の歴史資源を活かした整備
●工業地と周辺環境の保全
●住環境の充実
●一ノ坪地区周辺における地域生活拠点の形成
●河川を活用した親水空間の整備
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格(うるおい軸については、水と緑のネットワークで記載)
広域観光・レクリエ
ーション拠点
松花堂庭園と西部地域のさくら近隣公園を一体的に位置づけます。市民
の憩いの場となり、広域からの観光・レクリエーションの拠点となりま
す。
「山城北地域商業ガイドライン」の特例誘導エリアに指定された一ノ坪
地域生活拠点
地区周辺を位置づけます。地域住民の暮らしの中心として、周辺環境の
整備や商業機能の充実を図ります。
南 北 連 携 軸
北部と南部の広域交流拠点を結びつけ、乙訓・京都北部・京田辺市方面
との連携も図る市の骨格軸です。
道路構想の東西連携軸((都)八幡城陽線)を位置づけます。市域から近
東 西 連 携 軸
隣市に伸びる骨格軸です。市域の東西の連携と、枚方市方面との連携を
図り、将来は木津川右岸方面との連携も検討します。
府道長尾八幡線を位置づけます。
生
活
軸
地域住民の身近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービス機
能が適切に立地する軸です。
- 128 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
水と緑のネットワーク体系
みどりの拠点
み
ど
り
軸
う る お い 軸
②
広域的レクリエーション拠点である松花堂庭園を位置づけます。また、
地域のみどりの拠点である正法寺周辺等を位置づけます。
市道土井南山線(東高野街道)、国道1号を位置づけます。みどりの骨格
を形成します。
大谷川を「市民うるおい軸」として位置づけます。市街地やその周辺に
うるおいを与える軸です。
土地利用方針
ゾーン名
住宅系
都市型住宅
ゾーン
商業系
立地特性対応型
沿道系
沿道サービス
工業系
リサイクル産業
自然系
③
ゾーン
ゾーン
ゾーン
田園集落ゾーン
具体的な箇所等
土地利用方針
低層を中心とした住宅地として住環境の充実
地区内の住宅地
を図るとともに、多様で質の高い都市生活を
営む環境づくりを図ります。
一ノ坪地区周辺
国道1号沿道
府道長尾八幡線沿道
地区北東部
沿道サービスゾーンと連携して、地区の立地
特性を活かした商業機能の充実を図ります。
市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地を図ります。
自動車処理業施設の集積ゾーンであり、周辺
環境との調和を図ります。
優良農地の保全を図ります。
市街地の整備方針
●住宅市街地では、生活道路等の基盤施設の充実や緑化推進、道路や公園も含んだ公共
施設等での景観演出等による質の高い住環境の充実を図ります。
●特に、住宅密集地では、公園・緑地やポケットパークの整備によるオープンスペース
の確保や生活道路の整備等により、防災性を備えたうるおいある市街地への更新を促
進します。
●一ノ坪地区周辺は、国道1号の沿道サービスゾーンとの連携を図り、地域生活拠点と
- 129 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
しての商業機能の充実を促進します。
④
都市施設の整備方針
●南北連携軸については、周辺道路の整備状況を見ながら、整備促進に向け関係機関と
の協議を進めます。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備を推進します。
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
●志水公民館など、老朽化した既存の文化コミュニティ施設の計画的な大規模改修を進
めるとともに、子育て支援や地域コミュニティ活動のためのスペースの確保・だれで
も利用できる施設整備やIT機器の充実を図ります。
⑤
その他の整備方針
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●本市における歴史・風土のシンボルとも言える松花堂庭園周辺では、「八幡市観光基本
計画」に基づき、自然・歴史環境を活用した広域観光・レクリエーションの拠点とし
て整備を促進します。さらに、隣接するさくら近隣公園と一体的な整備を進め、歴史・
文化の拠点としての景観演出を図ります。
●一ノ坪地区では、環境整備や、既存商業地との連携を図り、地域交流の中心となる拠
点景観を育成します。
●市域を縦断して流れる大谷川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸として親
水空間の整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育成します。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。
また、東高野街道については、「歴史街道計画」と連携しながら歴史的景観の保全・演
出を進め、歩いて楽しむ「まちなか観光」を振興します。
●国道1号沿道については、良好な沿道景観の形成に努めます。
- 130 -
第3編
■地域の整備方針図
北部地域
-八幡南地区(北③)-
- 131 -
地域別構想
第1章
北部地域
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
3-4.川口・八幡東地区(北④)の整備構想
「北部地域のまちづくりのテーマ」及び「北部地域
整
備の目標」を踏まえ、川口・八幡東地区(北④)の特性
と課題に立ち戻り、川口・八幡東地区(北④)の整備目
標を以下のように設定します。
【整備目標】
●住環境の保全
●環境良好な工業地区の形成と周辺住宅地の環境保全
●河川を活用した親水空間の整備と河川改修による浸
水害の防止
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格(うるおい軸については、水と緑のネットワークで記載)
市民レクリエーション
拠点
川口市民公園を位置づけます。市民の憩いの場として、周辺環境整備や
魅力の向上を図ります。
南 北 連 携 軸
北部と南部の広域交流拠点を結びつけ、乙訓・京都北部・京田辺市方面
との連携も図る市の骨格軸です。
府道八幡木津線を位置づけます。
生
活
軸
地域住民の身近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービス機
能が適切に立地する軸です。
拠点及び市街地連携軸
府道八幡木津線を位置づけます。公共交通の駅と市街地拠点を連携する
軸です。
水と緑のネットワーク体系
みどりの拠点
川口市民公園周辺を位置づけます。地域のみどりの拠点となります。
大谷川・防賀川を「市民うるおい軸」として、木津川を「広域うるおい
う る お い 軸
軸」として位置づけます。広域からの来訪者や市民のための市街地やそ
の周辺にうるおいを与える軸です。
- 132 -
第3編
②
地域別構想
第1章
北部地域
土地利用方針
ゾーン名
具体的な箇所等
土地利用方針
低層を中心とした住宅地として住環境の充実
住宅系
都市型住宅
ゾーン
近郊都市型住宅
堀ノ内地区周辺、長町
地区、樋ノ口地区
営む環境づくりを図ります。
ゆとりある住宅地として、住環境の保全と充
地区中央部及び西部
実を図ります。
ゾーン
工業系
産業・流通業務
ゾーン
自然系
水辺の
レクリエーションゾーン
田園集落ゾーン
土地利用検討ゾーン
③
を図るとともに、多様で質の高い都市生活を
地区東部、高原飛地の
一部
交通条件を活用した立地を図るとともに、周
辺環境との調和を図ります。
雄大な水辺空間を活かし、市の内外から利用
者の訪れる観光・レクリエーションゾーンと
木津川左岸
して機能の充実を図ります。
地 区 北 部 ( 木津川右
岸)、地区南部
高原飛地の一部
優良農地の保全を図ります。
周辺地域の動向にあわせて、土地利用を検討
します。
市街地の整備方針
●堀ノ内地区周辺、長町地区、樋ノ口地区の住宅地では、生活道路等の基盤施設の充実
や緑化推進、道路や公園も含んだ公共施設等での景観演出等による質の高い住環境の
充実を図ります。
●地区中央部及び西部の戸建住宅地では、地域住民との協働により、地区計画、建築協
定、緑地協定等の規制・誘導手法の導入を検討し、地区ごとの個性を活かしながら現
在形成されている良好な住環境の保全を図ります。
●住宅市街地内の空閑地では良好な開発を誘導し、宅地化を促進します。
④
都市施設の整備方針
●南北連携軸の整備に向け、関係機関との協議を進めるとともに、(都)八幡田辺線の整
備を促進します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
- 133 -
第3編
地域別構想
第1章
北部地域
ミュニティ道路の整備を推進します。
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
⑤
その他の整備方針
●木津川の河川区域については、雄大な水景や、河川水質、水生生物の生態系等を一体
のものとして保全します。
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●市域を縦断して流れる大谷川、防賀川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸
として親水空間の整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育
成します。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。
●地区東部の、工業その他産業系の市街地でも、屋外広告物の助言や指導を行うなど、
周辺と調和した緑豊かな市街地景観の保全・育成を図ります。
- 134 -
第3編
■地域の整備方針図
北部地域
地域別構想
-川口・八幡東地区(北④)-
- 135 -
第1章
北部地域
第2章
- 136 -
西部地域
第3編
地域別構想
第2章
西部地域
1.西部地域の現状と課題
(1)西部地域の現況と特性
①
西部地域の概況
-計画的に整備された住宅-
●この地域は、昭和 40 年代後半の大規模
■西部地域の位置図
な土地区画整理事業をはじめとして、そ
の後の中小規模の民間開発で形成され
た住宅市街地が広がっています。
地域の大半が市街化区域となっており、
地域の南端に位置する円福寺周辺の市
街化調整区域が樹林地等となっていま
す。
●地域内には以下の幹線道路が通ってい
ます。
・(都)橋本南山線
・(都)西山下奈良線
・(都)八幡城陽線
・(都)幣原線
・市道男山1号線
・国道1号((都)国道1号線)
●2005(平成 17)年における人口は 27,665 人で、市域総人口の約 37%を占めており、近
年は減少傾向にあり、世帯数についても、減少傾向にあります。
人口密度は地域全体では 109.6 人/ha、市街化区域でみると 114.1 人/ha となっており、
市内で最も高い値となっています。
■人口・世帯の状況
-「平成 15 年度都市計画基礎調査・平成 17 年国勢調査」のデータを引用-
地域面積
市街化区域
市街化調整区域
都市計画区域
(ha)
242.2
10.2
252.4
平 成 12 年
人 口
世帯数 人口密度
(人)
(戸)
(人/ha)
29,287
11,016
120.9
202
52
19.8
29,489
11,068
116.8
- 137 -
平 成 17 年
人 口
世帯数 人口増減率 世帯数増減率 人口密度
(戸)
(%)
(%)
(人/ha)
(人)
10,888
94.4%
98.8%
114.1
27,641
7
11.9%
13.5%
2.4
24
10,895
93.8%
98.4%
109.6
27,665
第3編
②
地域別構想
第2章
西部地域
西部地域の土地・建物利用の現状と動向
-地域の大半を占める住宅地、地区センター機能を有した商業・業務地、幹線道路沿
道の商業・サービス業施設-
●地域内は、南部の一部を除いて市街化区域となっており、住宅地としての土地利用が
大半を占めています。
●住宅地の大半を男山地区が占めており、さらに、その中央部分では築 30 年以上経過し
た集合住宅が一団地を形成しています。
●地区センター機能を有した商業・業務施設が立地するとともに、文化・コミュニティ
施設も立地しています。
●(都)橋本南山線をはじめとして幹線道路沿道には、周辺住民の日常生活に必要な商
業・サービス業施設が立地しています。
●地域の大半が計画的に整備された住宅地であることから、小学校が4校、中学校が2
校、高校が1校と数多くの教育施設が立地しています。(※小学校は 2008(平成 20)
年4月時点)
●地域南部の円福寺周辺が樹林地の広がる市街化調整区域となっています。
■土地利用状況
-「平成 15 年度都市計画基礎調査」のデータを引用-
●都市計画区域
畑:0.1%
1.8%
1.0%
6.6%
52.5%
3.0%
その他の自然地:0.2%
●市街化区域
1.9%
その他の自然地:0.3%
3.5%
1.0%
14.8%
17.8%
1.2%
1.1%
54.7%
3.1%
14.6%
1.0%
18.6%
畑:0.1%
1.2%
道路用地:0.6%
●市街化調整区域
80.1%
17.8%
1.5%
生産緑地地区
水面
工業用地
その他公的施設用地
田
その他の自然地
公共・公益用地
その他の空地
畑
住宅用地
道路用地
- 138 -
山林
商業用地
交通施設用地
第3編
③
西部地域の都市基盤施設の整備状況
地域別構想
第2章
西部地域
-整った都市基盤施設-
●骨格的な幹線道路網は既に形成されています。
●生活道路についても、計画的に市街地整備が進められたため、6mの幅員を標準とし
て良好な整備状況にあります。
●都市計画公園は、街区公園が9箇所、近隣公園が3箇所すべて整備済となっており、
都市公園としては、街区公園が 19 箇所、近隣公園が3箇所、歴史公園が1箇所整備さ
れており、誘致圏を考慮した適切な配置がなされています。
●下水道(汚水)は市街地部のほぼ全域で整備されています。
■都市基盤施設の整備状況(平成 19 年3月末現在)
都市計画道路
番 号
路 線 名
都市計画決定
整 備 状 況
幅員(m) 延長(m) 整備済延長(m) 整備率(%)
3・3・17
国道1号線
22.0~26.5
620
620
100.0
例.国道1号線 3・4・1
橋本南山線
12.0~20.0
2,410
2,410
100.0
3・4・2
幣原線
16.0
970
970
100.0
3・4・3
八幡城陽線
18.0
820
820
100.0
3・5・102
西山下奈良線
12.0~16.0
810
810
100.0
番 号
都市計画
種別
都市計画決定
整 備 状 況
名称
公園・緑地
計画面積(ha)
供用面積(ha) 整備率(%)
2
西山公園
約2.00
100.0
約2.00
近隣公園
3
くすの木公園
約2.00
100.0
約2.00
近隣公園
4
中央公園
約4.00
100.0
近隣公園
約4.00
5
長沢1号公園
約0.63
100.0
街区公園
約0.63
6
石不動公園
約0.36
100.0
街区公園
約0.36
7
隅田口公園
約0.25
100.0
街区公園
約0.25
8
笹ヶ谷公園
約0.25
100.0
街区公園
約0.25
9
長沢2号公園
約0.24
100.0
街区公園
約0.24
10
中ノ山1号公園
約0.25
100.0
街区公園
約0.25
11
金振1号公園
約0.25
100.0
街区公園
約0.25
12
中ノ山2号公園
約0.25
100.0
街区公園
約0.25
13
金振2号公園
約0.25
100.0
街区公園
約0.25
分類
下水道
名称
都市計画決定
整 備 状 況
計画排水区域(ha) 整備済排水区域(ha) 整備率(%)
汚水
100.0
八幡西部処理区
98.0
98.0
汚水
92.4
洛南処理区
136.0
125.7
注.他地区との境界部
分も延長に含む
④
西部地域の環境
-良好な住環境、円福寺周辺の「みどり」-
●地域内の住宅地は、緑が豊かで、整然とした良好な住環境を有しています。
●地域南部の市街化調整区域に位置する円福寺周辺の樹林地が、歴史の面影を残すとと
もに、市街地に豊かな「みどり」を提供しています。
- 139 -
第3編
地域別構想
第2章
西部地域
(2)西部地域住民の意識
-生活環境には満足、安全・安心なまちづくりへの期待、商業、観光・レクリエー
ションの振興への期待-
①
都市整備の推進
●西部地域で「領域A」に位置するものがなく、地域住民の満足度は高くなっています。
ただし、①「まちのにぎやかさ」の満足度は市の平均と比べて若干高いとはいえ、最
も低くなっています。
②
生活環境・安全の向上
●西部地域で「領域A」に位置するものは、③「大気や水質・騒音などの環境問題への
対応」と⑦「防犯および交通安全対策」の2項目であり、市の平均と比べて生活環境
の満足度はおおむね高くなっています。成熟したまちで環境・防災といった安全・安
心が求められていることが伺えます。
③
産業の振興
●西部地域で「領域A」に位置するものは③「商業の振興」と④「観光・レクリエーシ
ョンの振興」となっており、全てにおいて市の平均を示しています。
④
生涯学習・教育の推進
●西部地域で「領域A」に位置するのは③「学校教育の充実」のみとなっております。
また、④「公民館や図書館など社会教育環境の充実」の満足度が高くなっています。
- 140 -
第3編
地域別構想
第2章
西部地域
■八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」(2005 年(平成 17 年)10 月)
■「都市整備の推進」における満足度と重要度
■「生活環境・安全の向上」における満足度と重要度
■「産業の振興」における満足度と重要度
■「生涯学習・教育の推進」における満足度と重要度
- 141 -
第3編
地域別構想
第2章
西部地域
(3)西部地域のまちづくりの課題
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」を踏まえ、魅力的なまちづくりを進めるための
課題を整理すると以下のようになります。
①
現在形成されている住宅地での居住機能の維持・充実及び男山地区の再整備の要請
地域内に広がる住宅地は、都市基盤施設が整った良好な住環境を有しています。こう
いった住宅地の多くは、整備後長期間を経ており、現在の良好な住環境を保全・充実さ
せていく必要があります。特に男山地域の集合住宅地は、築後 30 年以上を経過しており、
今後は、建替事業等の再整備を関係機関に要請するなど、現在の良好な住環境を保全・
充実させていく必要があります。
②
円福寺周辺の「みどり」の保全
地域南部の円福寺周辺の樹林地について、地域風土を形成する自然環境として保全を
図っていく必要があります。
- 142 -
第3編
■地域の特性と課題図
西部地域
- 143 -
地域別構想
第2章
西部地域
第3編
地域別構想
第2章
西部地域
2.西部地域のまちづくりの基本的方向
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」及び「地域のまちづくりの課題」を踏まえ、個
性を活かした魅力あるまちづくりを進めるため、以下に示すまちづくりのテーマ及び整備
の目標を設定します。
【全体構想】●将来都市像:自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
●整備の基本目標:個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を
高めるまちづくり
【西部地域の現況と特性】
●計画的に整備された住宅市街地
●地区センター機能を有した商業・業務地と幹線道路沿道の商業・サービス業施設
●整った都市基盤施設
●円福寺周辺の「みどり」と男山の「みどり」に隣接(地域の南端が市街化調整区域)
【西部地域のまちづくりの課題】
【西部地域住民の意識】
●現在形成されている住宅地での居住機能の
●生活環境には満足
維持・充実(男山地区の再整備の検討)
●安全・安心なまちづくりへの期待
●商業、観光・レクリエーションの
●円福寺周辺の「みどり」の保全
振興への期待
<西部地域のまちづくりのテーマ>
生活文化を育むとともに
質の高い居住地をめざした居住環境の再生
<西部地域
整備の目標>
●生活文化を育むまちづくり
●さらにひとつ上の環境をめざした質の高いまちづくり
●だれもが安全・安心に暮らせる人にやさしいまちづくり
- 144 -
第3編
地域別構想
第2章
西部地域
3.西部地域のまちづくりの整備構想
「西部地域のまちづくりのテーマ」及び「西部地域
整
備の目標」を踏まえ、即地的な整備目標を以下のように
設定します。
【整備目標】
●住環境の保全
●集合住宅地区での住環境の再生
●地域生活拠点の充実
●生活・文化の集積・発信
●円福寺周辺の自然環境の保全
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格(うるおい軸については、水と緑のネットワークで記載)
広域観光・レクリエ
ーション拠点
さくら近隣公園と北部地域の松花堂庭園を一体的に位置づけます。市民
の憩いの場となり、広域からの観光・レクリエーションの拠点となりま
す。
地域生活拠点
男山中央センター周辺を位置づけます。地域住民の暮らしの中心となり
ます。
道路構想の東西連携軸((都)八幡城陽線)を位置づけます。市域から近
東 西 連 携 軸
隣市に伸びる骨格軸です。市域の東西の連携と、枚方市方面との連携を
図り、将来は木津川右岸方面との連携も検討します。
(都)橋本南山線を位置づけます。
生
活
軸
地域住民の身近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービス機
能が適切に立地する軸です。
拠点及び市街地連携軸
(都)橋本南山線を位置づけます。公共交通の駅と市街地拠点を連携す
る軸です。
水と緑のネットワーク体系
みどりの拠点
み
ど
り
軸
円福寺周辺、さつき近隣公園、さくら近隣公園及びくすのき近隣公園を
位置づけます。地域のみどりの拠点となります。
国道1号、
(都)橋本南山線、東高野街道を位置づけます。みどりの骨格
を形成します。
- 145 -
第3編
②
地域別構想
第2章
西部地域
土地利用方針
ゾーン名
住宅系
近郊都市型住宅
具体的な箇所等
地域内の住宅地
ゾーン
商業系
地域対応型
沿道系
沿道サービス
自然系
自然緑地・山辺の
③
ゾーン
ゾーン
レクリエーションゾーン
男山中央センター
国道1号沿道
円福寺周辺
土地利用方針
計画的に整備された住宅地であり、ゆとりあ
る住環境の保全と充実を図ります。
男山地区の核となる商業ゾーンであり、日常
生活に必要な商業施設の充実を図ります。
市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地を図ります。
自然環境の保全に努めます。
市街地の整備方針
●計画的に整備された低層・中高層住宅地では、地域住民との協働により、地区計画、
建築協定、緑地協定等の規制・誘導手法の導入を検討し、地区ごとの個性を活かしな
がら現在形成されている良好な住環境の保全を図ります。
●男山地区の中高層の集合住宅地は、築 30 年以上経過しており、建替事業等の再整備を
関係機関に要請します。
④
都市施設の整備方針
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
●円福寺周辺等の樹林地については、土地所有者との連携による「八幡市みどりの条例」
に基づいた「保存区域」の拡大・保全を図ります。
●男山公民館など、老朽化した既存の文化コミュニティ施設の計画的な大規模改修を進
めるとともに、子育て支援や地域コミュニティ活動のためのスペースの確保・だれで
も利用できる施設整備やIT機器の充実を図ります。
- 146 -
第3編
⑤
地域別構想
第2章
西部地域
その他の整備方針
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●さくら近隣公園周辺では、隣接する松花堂庭園と一体的な整備を進め、歴史・文化の
拠点としての景観演出を図ります。
●男山中央センター周辺では、商業地の魅力を増進させながら、生活交流の中心となる
拠点景観を育成します。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。また、東高野
街道については、「歴史街道計画」と連携しながら歴史的景観の保全・演出を進め、歩
いて楽しむ「まちなか観光」を振興します。
●住宅市街地では、道路等の公共空間における照明・サイン等のストリートファニチャ
ーを用いた景観演出や緑化推進等により、うるおいある市街地景観を育成します。
●国道1号沿道については、良好な沿道景観の形成に努めます。
- 147 -
第3編
■地域の整備方針図
西部地域
- 148 -
地域別構想
第2章
西部地域
第3章
- 149 -
東部地域
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
1.東部地域の現状と課題
(1)東部地域の現況と特性
①
東部地域の概況
-広大な田園地帯と工業系市街地、第二京阪道路周辺のまちづくり-
●本地域は、市の基幹産業の一つである農
■東部地域の位置図
業を支える広大な田園地帯と、近年整備
された工業系市街地を有しています。
地域東部には広域の観光・レクリエーシ
ョン拠点となる流れ橋、市民のレクリエ
ーションの拠点となる市民スポーツ公
園と市民体育館が立地しています。
地域の中央部を南北に縦断するかたち
で、広域幹線道路である第二京阪道路が
整備され、周辺のまちづくりが課題とな
っています。
●地域内には以下の幹線道路が通ってい
ます。
・第二京阪道路
・国道1号((都)国道1号線)
・府道交野久御山線
・府道八幡木津線
・(都)八幡田辺線(一部区間のみ供用済)
・府道内里城陽線
●地域の大半が市街化調整区域であることから、2005(平成 17)年における人口は 3,903
人で、市域総人口の約5%にとどまり、近年は減少傾向にあります。世帯数は、減少傾
向にありますが、市街化区域内は増加しています。
人口密度は地域全体では 4.6 人/ha、市街化区域でみると 6.3 人/ha となっており、市内
で最も低い値となっています。
■人口・世帯の状況
-「平成 15 年度都市計画基礎調査・平成 17 年国勢調査」のデータを引用-
地域面積
市街化区域
市街化調整区域
都市計画区域
(ha)
118.3
722.7
841.0
平 成 12 年
人 口
世帯数 人口密度
(人)
(戸)
(人/ha)
785
243
6.6
3,354
959
4.6
4,139
1,202
4.9
- 150 -
平 成 17 年
人 口
世帯数 人口増減率 世帯数増減率 人口密度
(人)
(戸)
(%)
(%)
(人/ha)
746
266
95.0%
109.5%
6.3
914
94.1%
95.3%
4.4
3,157
1,180
94.3%
98.2%
4.6
3,903
第3編
②
地域別構想
第3章
東部地域
東部地域の土地・建物利用の現状と動向
-田園地帯と集落、近年整備された工業系市街地、国道1号沿道の工業・流通業・ロ
ードサイド型商業施設-
●地域内は、大半が市街化調整区域(約 723ha、東部地域の約 86%)となっており、広
大な田園地帯の中に集落が立地しています。
●市街化区域では、工業系の土地利用が約半分を占めています。住居系の土地利用は約
9%となっています。
●市街化調整区域では、住居系の土地利用(集落地)が約7%であり、914 世帯、3,157
人が居住しています。
●地域北西部の下奈良地区では、「下奈良・小宮地区地区計画」が指定されており、工業
地区、郊外型商業地区、住宅地区に3区分された良好な市街地形成をめざした規制・
誘導が行われています。
●上奈良地区では、近年土地区画整理事業による工業系市街地形成が行われ、さらに、
「上
奈良地区地区計画」が指定されており、工業地区、郊外型商業地区、住宅地区に3区
分された良好な市街地形成をめざした規制・誘導が行われています。
●地域北東部の上津屋地区、上津屋北部地区及び地域南東部の岩田地区では、近年土地
区画整理事業による工業系市街地が形成しています。
●地域西部の国道1号沿道には、工業・流通業関連施設やロードサイド型の商業施設等
が立地しています。
■土地利用状況
-「平成 15 年度都市計画基礎調査」のデータを引用-
●都市計画区域
生産緑地地区:0.3%
山林:0.8%
13.1%
35.6%
3.8%
13.2%
7.5%
8.8%
4.4%
10.1%
10.4%
1.7%
●市街化区域
田:1.7%
1.0%
水面:0.9%
7.3%
1.5%
1.7%
その他公的施設用地
0.1%
51.3%
16.1%
5.8%
1.8%
畑:0.9%
山林:1.0%
●市街化調整区域
41.3%
15.2%
4.3%
商業用地:1.3% その他の空地:0.8%
1.7%
14.2%
7.3%
3.6%
9.2%
その他公的施設用地
0.1%
生産緑地地区
水面
工業用地
その他公的施設用地
田
その他の自然地
公共・公益用地
その他の空地
畑
住宅用地
道路用地
- 151 -
山林
商業用地
交通施設用地
第3編
③
地域別構想
第3章
東部地域
東部地域の都市基盤施設の整備状況
-市街化の進展に伴って進められつつある都市基盤施設整備-
●市街化区域(118.3ha)のうち、土地区画整理事業での整備が4地区、44.1ha にのぼり、
面的に整備された割合が大きくなっており、さらに、地区計画が2地区、50.3ha(一
部は北部地域にまたがる)に指定されています。
●地域の大半が市街化調整区域であり、国道1号と府道が骨格的な幹線道路の役割を果
たしています。
●広域幹線道路である第二京阪道路については、専用部は整備済、一般部は約8割が整
備済、また、
(都)国道1号線(国道1号)が整備済、地域幹線道路である(都)八幡
城陽線が整備済、(都)八幡田辺線の約5割が整備済となっています。
●集落地内の生活道路については、狭小な道路が多くなっています。
●都市計画公園は、街区公園の1箇所が整備済で、地区公園の1箇所もほぼ整備済とな
っており、都市公園としては、市街化区域内とその周辺部で街区公園が7箇所、地区
公園が1箇所整備されています。
●下水道(汚水)は土地区画整理事業の施工区域をはじめとして、順次整備が進められ
ています。
■都市基盤施設の整備状況(平成 19 年3月末現在)
都市計画道路
都市計画
公園・緑地
下水道
④
番 号
都市計画決定
整 備 状 況
幅員(m) 延長(m) 整備済延長(m) 整備率(%)
1・3・2
京都大阪線
29.0~99.0
3,250
3,250
100.0
3・1・16
京都枚方線
57.1~136.0
3,250
2,450
75.4
3・3・17
国道1号線
22.0~26.5
2,480
2,480
100.0
3・3・24
内里高野道線
25.0
170
0
0.0
3・4・3
八幡城陽線
18.0
740
740
100.0
3・5・19
八幡田辺線
14.0~28.0
3,140
1,650
52.5
番 号
名称
種別
都市計画決定
整 備 状 況
計画面積(ha)
供用面積(ha) 整備率(%)
1
八幡第2公園
約0.29
100.0
街区公園
約0.29
4・4・1
八幡東公園
約5.73
92.4
地区公園
約6.20
2
大谷川公園
約1.60
100.0
緑地
約1.60
分類
名称
整 備 状 況
計画排水区域(ha) 整備済排水区域(ha) 整備率(%)
洛南処理区
汚水
260.0
205.4
79.0
東部地域の環境
路 線 名
-豊かな田園環境、木津川に代表される水辺環境-
●田園地帯の広々とした空間と、のどかな田園風景が地域の特性となっています。
●地域東部から北部にかけて、行政界をなして流れる木津川が豊かな水辺環境を提供し
ています。
●地域の北東部に位置する流れ橋周辺は、水景と趣のある木橋が織り成す特徴的な景観
を醸し出しています。
- 152 -
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
(2)東部地域住民の意識
-公共交通の利便性・生活環境の充実への期待、農業・観光・レクリエーションの
振興への期待、社会教育環境の充実への期待-
①
都市整備の推進
●東部地域で「領域A」に位置するものは、③「鉄道やバスなど公共交通の便利さ」で
あり、その満足度は非常に低くなっており、地域住民の公共交通に対する強い要求が
伺えます。さらに、市の平均と比べて総じて満足度が低く、地域の基盤整備に対する
評価が低くなっています。
②
生活環境・安全の向上
●東部地域で「領域A」に位置するものは、①「住みやすい住環境」
、③「大気や水質・
騒音などの環境問題への対応」、④「適切なごみ処理・まちの清潔さ」及び⑦「防犯お
よび交通安全対策」の4項目に及び、さらに、その他の項目の満足度も市の平均と比
べて低いものが多く、生活環境の整備への期待が高くなっています。
③
産業の振興
●地域の特性を反映して、東部地域で「領域A」に位置するものは①「農業の振興」と
④「観光・レクリエーションの振興」となっています。
④
生涯学習・教育の推進
●東部地域で「領域A」に位置するものは③「学校教育の充実」と④「公民館や図書館
など社会教育環境の充実」であり、特に④「公民館や図書館など社会教育環境の充実」
は市の平均と比べて満足度が低くなっています。
- 153 -
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
■八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」(2005 年(平成 17 年)10 月)
■「都市整備の推進」における満足度と重要度
■「生活環境・安全の向上」における満足度と重要度
■「産業の振興」における満足度と重要度
■「生涯学習・教育の推進」における満足度と重要度
- 154 -
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
(3)東部地域のまちづくりの課題
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」を踏まえ、魅力的なまちづくりを進めるための
課題を整理すると以下のようになります。
①
広域幹線道路網の充実にあわせた工業系市街地の拡大及び交流拠点(広域観光・レク
リエーション拠点)の充実
地域内では第二京阪道路が整備され、また、隣接する市域南部で計画されている(仮
称)八幡ジャンクション・インターチェンジにおいて新名神高速道路と連結されれば、
広域幹線道路網がさらに充実します。そこで、このような交通環境の良さを活かし、産
業立地動向を見極めながら工業系市街地の拡大及び交流人口を増加させる交流拠点(広
域観光・レクリエーション拠点)の充実を進めていく必要があります。
②
田園環境の保全と集落での生活環境の充実
広大な田園地帯では、産業立地の動向を見極め、産業系市街地の充実を検討しながらも、
農業との調整のもと、田園環境を保全していく必要があります。
また、集落では多様化する住民ニーズに対応し、都市化の進む周辺地域との共生を図る
ため、下水道、生活道路等の基盤施設を整備していく必要があります。
③
水辺環境を活かしたうるおいのあるまちづくり
木津川に代表される水辺空間をまちづくりの中に活かし、市民や来訪者が身近にふれあ
える憩いの場として活用していくことが必要です。
- 155 -
第3編
■地域の特性と課題図
東部地域
- 156 -
地域別構想
第3章
東部地域
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
2.東部地域のまちづくりの基本的方向
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」及び「地域のまちづくりの課題」を踏まえ、個
性を活かした魅力あるまちづくりを進めるため、以下に示すまちづくりのテーマ及び整備
の目標を設定します。
【全体構想】●将来都市像:自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
●整備の基本目標:個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を
高めるまちづくり
【東部地域の現況と特性】
●広大な田園地帯と集落
●整備された工業系市街地、国道1号沿道の工業・流通業・ロードサイド型商業施設
●第二京阪道路周辺のまちづくり
●市街化の進展に伴って進められつつある都市基盤施設整備
●木津川に代表される水辺環境
【東部地域のまちづくりの課題】
【東部地域住民の意識】
●広域幹線道路網の充実にあわせた工業系市街地
●公共交通の利便性、生活環境の
の拡大及び交流拠点(広域観光・レクリエーシ
充実への期待
●農業、観光・レクリエーション
ョン拠点)の充実
●田園環境の保全と集落での生活環境の充実
●水辺環境を活かしたうるおいのあるまちづくり
の振興への期待
●社会教育環境の充実への期待
<東部地域のまちづくりのテーマ>
自然を活かした交流拠点の充実と
立地特性を活かした産業振興と居住地づくり
<東部地域
整備の目標>
●自然を活かした交流によるにぎわいを創出するまちづくり
●広域幹線道路網の充実にあわせた産業振興のまちづくり
●自然環境の調和と公共交通機関等との連携による質の高いまちづくり
●だれもが安全・安心に暮らせる人にやさしいまちづくり
- 157 -
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
3.東部地域のまちづくりの整備構想
「東部地域のまちづくりのテーマ」及び「東部地域
整
備の目標」を踏まえ、即地的な整備目標を以下のように
設定します。
【整備目標】
●広域幹線道路網の充実にあわせた工業系・沿道サー
ビス系等の産業地の充実
●水景を活かした交流拠点の整備
●集落の生活環境の向上
●田園環境の保全
●河川を活用した親水空間の整備と河川改修による浸水害の防止
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格(うるおい軸については、水と緑のネットワークで記載)
広域観光・レクリエ 木津川流れ橋付近を位置づけます。市民の憩いの場となり、広域からの
観光・レクリエーションの拠点となります。
ーション拠点
市民レクリエーション拠点
南 北 連 携 軸
東 西 連 携 軸
生
活
軸
拠点及び市街地連携軸
八幡市民スポーツ公園を位置づけます。市民の憩いの場として、周辺環
境整備や魅力の向上を図ります。
北部と南部の広域交流拠点を結びつけ、乙訓・京都北部・京田辺市方面
との連携も図る市の骨格軸です。
道路構想の東西連携軸(府道内里城陽線など)を位置づけます。市域か
ら近隣市に伸びる骨格軸です。市域の東西の連携と、枚方市方面との連
携を図り、将来は木津川右岸方面との連携も検討します。
府道八幡木津線を位置づけます。地域住民の身近な動線であり、暮らし
のうえで必要な商業・サービス機能が適切に立地する軸です。
府道八幡木津線を位置づけます。公共交通の駅と市街地拠点を連携する
軸です。
- 158 -
第3編
地域別構想
第3章
東部地域
水と緑のネットワーク体系
みどりの拠点
み
ど
り
軸
う る お い 軸
②
広域的なみどりの拠点である流れ橋周辺を位置づけます。また、地域の
みどりの拠点である(仮称)防賀川親水公園、八幡市民スポーツ公園等
を位置づけます。
第二京阪道路、国道1号、第二京阪道路から八幡市民スポーツ公園を通
って流れ橋周辺を結ぶルートを位置づけます。みどりの骨格を形成しま
す。
大谷川、防賀川を「市民うるおい軸」として、木津川の堤防上のルート
を「広域うるおい軸」として位置づけます。広域からの来訪者や市民の
ための市街地やその周辺にうるおいを与える軸です。
土地利用方針
ゾーン名
具体的な箇所等
土地利用方針
住宅系
地区整備計画に基づき、低層を主体とした住
都市型住宅
ゾーン
下奈良・小宮地区地区
計画の住宅地区
宅地として美観に配慮した住環境の保全を図
ります。
沿道系
市域内外の方が利用する自動車関連サービス
沿道サービス
施設や沿道サービス施設の立地を促進しま
国道1号沿道
ゾーン
工業系
産業・流通業務
ゾーン
自然系
田園集落ゾーン
水辺の
レクリエーションゾーン
す。
上 奈 良 ・ 上 津屋・野
尻・内里・岩田地区の
第 二 京 阪 道 路八幡東
イ ン タ ー チ ェンジ周
辺
良好な環境形成と保全に努めつつ、第二京阪
地区中央部、西部及び
南 部 を 中 心 とした田
園地帯
優良農地を保全するとともに、集落での生活
道路の交通条件を活用した産業系の土地利用
の充実と土地区画整理事業による工業団地の
創出を図ります。
環境の向上を図ります。
雄大な水辺空間を活かし、市の内外から利用
木津川左岸
者の訪れる観光・レクリエーションゾーンと
して機能の充実を図ります。
- 159 -
第3編
③
地域別構想
第3章
東部地域
市街地の整備方針
●住宅地では、生活道路等の基盤施設の充実や緑化推進、道路や公園も含んだ公共施設
等での景観演出等による質の高い住環境の充実を図ります。
●下奈良・小宮地区、上奈良地区については既存の地区計画に即して工業系土地利用と
良好な環境形成及び保全に努めます。
●今後、第二京阪道路が(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジにて新名神高
速道路と連結され、広域幹線道路網がさらに充実するのにあわせ、産業立地動向を見
極めながら工業系市街地の拡大について検討します。特に、新たな産業拠点の形成に
向けた土地区画整理事業等による工業団地の創出を図ります。
●国道1号等の幹線道路沿道においては、市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地の誘導及び後背の住宅地の環境を保全するために、区
域区分や地域地区の変更及び地区計画等の指定により、利便性の高い沿道系市街地の
整備を促進します。
●戸津・内里・上津屋・野尻・岩田地区等に立地する集落では、多様化する住民ニーズ
に対応し、都市化の進む周辺地域との共生を図るため、下水道、生活道路等の基盤施
設整備を推進します。
●将来都市像実現のために、農業との調整に留意しながら、今後の土地利用動向を見据
え、市街化区域の拡大を京都府と協議するとともに、土地利用の動向による都市計画
上の課題に対応するために用途地域など地域地区の見直しを検討します。
●人口の減少等が見られる市街化調整区域の集落においては、地域コミュニティを維持
し、集落の活性化を図るために、「京都府開発審査会付議基準」に基づく区域の指定を
検討します。
④
都市施設の整備方針
●南北幹線道路と東西幹線道路の整備促進に向け、関係機関との協議を進めます。
●第二京阪道路と国道1号、市域北部とを結ぶ(都)八幡田辺線の整備を促進します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備を推進します。
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
- 160 -
第3編
⑤
地域別構想
第3章
東部地域
その他の整備方針
●木津川の河川区域については、雄大な水景や、河川水質、水生生物の生態系等を一体
のものとして保全します。
●農地と集落では、農業環境や集落での生活環境の整備を促進しながら、ゆとり空間、
防災空間としての田園環境の保全に努めます。
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●本市における水辺環境を代表する流れ橋周辺では、「八幡市観光基本計画」に基づき、
自然・歴史環境を活用した広域観光・レクリエーションの拠点として整備を促進しま
す。
●市域を流れる防賀川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸として親水空間の
整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育成します。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。
●工業その他産業系の市街地でも、屋外広告物の助言や指導を行うなど、周辺と調和し
た緑豊かな市街地景観の保全・育成を図ります。
●国道1号沿道については、良好な沿道景観の形成に努めます。
●田園・集落地域については、本市を特徴づける一つの景観要素としての田園景観の保
全に努めます。また、ハイキング・散策等が楽しめる環境整備を図ります。
- 161 -
第3編
■地域の整備方針図
東部地域
- 162 -
地域別構想
第3章
東部地域
第4章
- 163 -
南部地域
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
1.南部地域の現状と課題
(1)南部地域の現況と特性
①
南部地域の概況
-新市街地形成の進捗、
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺のまちづ
くり-
●本地域は近年、住宅地、工業地等の新市
■南部地域の位置図
街地形成が進められています。
地域内には、広域幹線道路である第二京
阪道路が整備され、さらに、地域東部に
計画されている(仮称)八幡ジャンクシ
ョン・インターチェンジにて新名神高速
道路と連結されれば、広域幹線道路網が
充実し、広域圏における各都市との結び
つきが強まります。
(仮称)八幡ジャンクション・インター
チェンジを含む地域の中央部及び東部
が市街化調整区域となっています。
●地域内には以下の幹線道路が通ってい
ます。
・第二京阪道路
・国道1号((都)国道1号線)
・府道八幡インター線
・府道交野久御山線
・府道富野荘八幡線
・(都)山手幹線
・(都)御幸谷線
●地域の約 1/3 が市街化調整区域であるため、2005(平成 17)年における人口は 6,771 人
で市域総人口の約9%で東部地域に次いで少ないものの、近年の新市街地整備に伴って、
人口、世帯数とも増加傾向にあります。人口密度は地域全体では 20.5 人/ha、市街化区
域でみると 32.2 人/ha となっていますが、空閑地での開発や新市街地整備に伴い、今後
人口密度も上昇していくものと思われます。
■人口・世帯の状況
-「平成 15 年度都市計画基礎調査・平成 17 年国勢調査」のデータを引用-
地域面積
市街化区域
市街化調整区域
都市計画区域
(ha)
203.5
127.6
331.1
平 成 12 年
人 口
世帯数 人口密度
(人)
(戸)
(人/ha)
3,489
1,117
17.1
238
64
1.9
3,727
1,181
11.3
- 164 -
平 成 17 年
人 口
世帯数 人口増減率 世帯数増減率 人口密度
(人)
(戸)
(%)
(%)
(人/ha)
6,552
2,066
187.8%
185.0%
32.2
219
60
92.0%
93.8%
1.7
6,771
2,126
181.7%
180.0%
20.5
第3編
②
地域別構想
第4章
南部地域
南部地域の土地・建物利用の現状と動向
-活発に進む新市街地整備、残された空閑地-
●地域の市街化区域では、活発な新市街地整備が進行中です。
●市街化区域の都市的土地利用は、住宅(15%)を主体として、商業(7%)、工業(7%)
と複合的な土地利用が行われています。
●住宅市街地は地域北部では既に形成されており、地域南部では美濃山地区土地区画整
理事業をはじめとする住宅地開発が進められています。
●府道富野荘八幡線沿道の工業地では「一ノ坪・河原地区地区計画」が指定されており、
工業地区と郊外型商業地区に区分されて良好な市街地整備をめざした規制・誘導が行
われています。
●欽明台地区では、美濃山地区土地区画整理事業による市街地形成が行われ、さらに「美
濃山地区地区計画」が指定されており、環境良好な市街地整備をめざした規制・誘導
が行われています。
●一ノ谷地区には大学施設が立地しています。
●欽明台北地区は、大規模小売店舗等が立地しており、「山城北地域商業ガイドライン」
における特例誘導エリアに指定されています。
●市街化区域内では、新名神高速道路や(仮称)八幡ジャンクション・インターチェン
ジの計画区域の周辺を中心として空閑地(農地、山林、その他)が存在しており、道
路整備に伴い今後、都市的土地利用が見込まれます。
●中央から東部は市街化調整区域となっており、田園集落地と樹林地で占められていま
すが、一部は新名神高速道路や(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジの計
画区域になっています。
■土地利用状況 -「平成 15 年度都市計画基礎調査」のデータを引用-
●都市計画区域
1.4%
2.8%
23.5%
4.7%
6.2%
11.2%
6.8% 4.5%
8.7%
2.1%
10.3%
15.0%
8.5%
6.9%
7.1%
14.0%
14.6%
田:0.5%
工業用地:0.3%
●市街化調整区域
7.1%
18.7%
その他公的施設用地:
0.4%
田:0.4%
●市街化区域
2.3%
3.2%
10.6%
44.9%
4.1%
2.5%
田:0.2%
生産緑地地区
水面
工業用地
その他公的施設用地
5.0%
田
その他の自然地
公共・公益用地
その他の空地
畑
住宅用地
道路用地
- 165 -
14.8%
その他公的施設用地:
0.6%
公共・公益用地:0.2%
6.6% 4.1%
24.9%
その他公的施設用地
0.1%
山林
商業用地
交通施設用地
第3編
③
地域別構想
第4章
南部地域
南部地域の都市基盤施設の整備状況
-市街化の進展に伴って進められつつある都市基盤施設整備-
●広域幹線道路である第二京阪道路が整備済、新名神高速道路は八幡~城陽間にて事業
中となっています。地域幹線道路である府道富野荘八幡線、府道交野久御山線、府道
八幡インター線、
(都)山手幹線及び(都)御幸谷線が整備済、
(都)八幡内里線と(都)
内里高野道線が未整備となっています。
●生活道路については、住宅地開発で形成されている住宅市街地を中心におおむね整っ
ています。
●都市計画公園は、近隣公園が1箇所整備済となっており、都市公園としては、街区公
園が 13 箇所、近隣公園が1箇所、歴史公園が1箇所整備されており、進行中の土地区
画整理事業によって、さらに街区公園が1箇所整備される予定となっています。
●下水道(汚水)は既に形成されている住宅市街地を中心に、順次整備が進められてい
ます。
■都市基盤施設の整備状況(平成 19 年3月末現在)
都市計画道路
注.他地区との境界部
分も延長に含む
例.国道1号線
都市計画
公園・緑地
下水道
④
番 号
都市計画決定
整 備 状 況
幅員(m) 延長(m) 整備済延長(m) 整備率(%)
1・1・4
第二名神自動車道城陽八幡線
42.5
4,130
0
0.0
20.0~25.0
2,750
2,750
100.0
3・3・5
山手幹線
3・3・17
国道1号線
22.0~26.5
1,290
1,290
100.0
3・3・24
内里高野道線
25.0
1,870
0
0.0
14.0~17.0
1,330
0
0.0
3・5・15
八幡内里線
3・5・103
御幸谷線
14.0
670
670
100.0
番 号
名称
種別
都市計画決定
整 備 状 況
計画面積(ha)
供用面積(ha) 整備率(%)
近隣公園
3・3・5
美濃山公園
約1.60
100.0
約1.60
2
大谷川公園
約1.48
92.5
緑地
約1.60
分類
名称
都市計画決定
整 備 状 況
計画排水区域(ha) 整備済排水区域(ha) 整備率(%)
汚水
67.6
洛南処理区
269.0
181.8
南部地域の環境
路 線 名
-丘陵部の自然環境-
●男山地区から連なる丘陵部に位置し、豊かな自然環境も残されています。
- 166 -
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
(2)南部地域住民の意識
-水や緑の環境には満足、交通の利便性と生活環境の保全、交通結節点整備に伴う
商業、観光・レクリエーションの振興への期待、社会環境の充実への期待-
①
都市整備の推進
●南部地域で「領域A」に位置するものは、③「鉄道やバスなど公共交通の便利さ」と
②「道路の便利さ快適さ」の2項目であり、地域住民の交通の利便性に対する要求は
強くなっています。一方、④「公園・緑地・河川など、水や緑の環境」についての満
足度が最も高くなっています。
②
生活環境・安全の向上
●南部地域で「領域A」に位置するものは、③「大気や水質・騒音などの環境問題への
対応」、④「適切なごみ処理・まちの清潔さ」及び⑦「防犯および交通安全対策」の3
項目であり、さらに、市の平均と比べて満足度が低く、生活環境の保全への期待が高
くなっています。
③
産業の振興
●南部地域で「領域A」に位置するものは③「商業の振興」と④「観光・レクリエーシ
ョンの振興」の2項目であり、(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺を
中心とする南部広域交流拠点における新たな都市魅力の創出に対する期待が高くなっ
ています。
④
生涯学習・教育の推進
●市域南部で「領域A」に位置するのは、③「学校教育の充実」のみとなっています。
また、①「生涯教育・生涯学習の充実」と④「公民館や図書館など社会教育環境の充
実」は市の平均と比べて満足度が低くなっています。
- 167 -
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
■八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」(2005 年(平成 17 年)10 月)
■「都市整備の推進」における満足度と重要度
■「生活環境・安全の向上」における満足度と重要度
■「産業の振興」における満足度と重要度
■「生涯学習・教育の推進」における満足度と重要度
- 168 -
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
(3)南部地域のまちづくりの課題
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」を踏まえ、魅力的なまちづくりを進めるための
課題を整理すると以下のようになります。
①
広域幹線道路の結節点となる立地特性を活用した多様な都市機能の立地
地域内には第二京阪道路が整備され、さらに第二京阪道路と新名神高速道路及びこれ
らの結節点となる(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジの整備が計画されて
います。
したがって、この立地特性を活用し、本市の新たな魅力、活力を創造する多様な都市
機能の立地に期待が高まっています。
②
環境良好な住宅市街地整備の継続
現在、本地域では土地区画整理事業等による新たな住宅地開発が進められています。
今後も、残された空閑地を活用しながら、周辺環境と調和した環境良好な住宅市街地の
整備を進めていく必要があります。
- 169 -
第3編
■地域の特性と課題図
南部地域
- 170 -
地域別構想
第4章
南部地域
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
2.南部地域のまちづくりの基本的方向
「地域の現況と特性」「地域住民の意識」及び「地域のまちづくりの課題」を踏まえ、個
性を活かした魅力あるまちづくりを進めるため、以下に示すまちづくりのテーマ及び整備
の目標を設定します。
【全体構想】●将来都市像:自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
●整備の基本目標:個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を
高めるまちづくり
【南部地域の現況と特性】
●活発に進む新市街地整備
●残された空閑地
●第二京阪道路と新名神高速道路の結節点のまちづくり
●「山城北地域商業ガイドライン」における特例誘導エリアが指定
●市街化の進展に伴って進められつつある都市基盤施設整備
●丘陵部の自然環境
【南部地域のまちづくりの課題】
【南部地域住民の意識】
●広域幹線道路の結節点となる立地特性を活用
●水や緑の環境には満足
●公共交通、道路の利便性、生活
した多様な都市機能の立地
環境の保全への期待
●環境良好な住宅市街地整備の継続
●商業、観光・レクリエーション
の振興への期待
●社会教育環境の充実への期待
<南部地域のまちづくりのテーマ>
新たな魅力を創出する交流拠点の形成と
都市としての機能・質を高める居住地づくり
<南部地域
整備の目標>
●広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした新たな都市機能を創出するまちづ
くり
●公共交通機関等との連携による都市としての機能・質を高めるまちづくり
●だれもが安全・安心に暮らせる人にやさしいまちづくり
- 171 -
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
3.南部地域のまちづくりの整備構想
「南部地域のまちづくりのテーマ」及び「南部地域
整
備の目標」を踏まえ、即地的な整備目標を以下のように
設定します。
【整備目標】
●複合都市機能拠点の形成
●環境良好な住宅地の形成と住環境の保全
●環境良好な工業地の形成
●下水道(汚水)の整備推進
●河川を活用した親水空間の整備
①
「拠点」
「軸」の位置づけと役割
都市骨格
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺を一体的に位置づ
南部広域交流拠点
けます。市南部の玄関口であり、広域的な交流拠点の形成を図るととも
に、新たなまちの中心として都市魅力の創出を図ります。
きんめい近隣公園周辺と「山城北地域商業ガイドライン」の特例誘導エ
地域生活拠点
リアに指定された一ノ坪地区周辺を位置づけます。地域住民の暮らしの
中心として、周辺環境の整備や商業機能の充実を図ります。
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺を広域幹線道路の
複合都市機能拠点
結節点となる立地特性を活かし、本市の活力向上に向けた複合的な都市
機能の立地を図ります。
南 北 連 携 軸
北部と南部の広域交流拠点を結びつけ、乙訓・京都北部・京田辺市方面
との連携も図る市の骨格軸です。
府道八幡インター線、
(都)山手幹線及び府道富野荘八幡線を位置づけま
生
活
軸
す。地域住民の身近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービ
ス機能が適切に立地する軸です。
拠点及び市街地連携軸
府道八幡インター線、
(都)山手幹線及び(都)内里高野道線を位置づけ
ます。公共交通の駅と東部の各拠点とを連携する軸です。
- 172 -
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
水と緑のネットワーク体系
みどりの拠点
み
ど
り
軸
う る お い 軸
②
市街化調整区域の緑を広域的に位置づけます。また、地域のみどりの拠
点であるきんめい近隣公園、大谷川公園を位置づけます。
第二京阪道路、国道1号、府道八幡インター線、
(都)山手幹線及び(都)
内里高野道線を位置づけます。みどりの骨格を形成します。
大谷川を「市民うるおい軸」として位置づけます。市街地やその周辺に
うるおいを与える軸です。
土地利用方針
ゾーン名
住宅系
近郊都市型住宅
ゾーン
地域対応型
商業系
ゾーン
立地特性対応型
ゾーン
沿道系
沿道サービス
ゾーン
具体的な箇所等
土地利用方針
地域西部
美 濃 山 地 区 土地区画
整 理 事 業 施 行区域の
住宅地
計画的に整備された、あるいは今後整備を誘
美 濃 山 近 隣 センター
地区
地域住民に暮らしの中心となる魅力あふれる
導する住宅地であり、ゆとりある住環境の形
成とその保全を図ります。
近隣商業地の整備を図ります。
沿道サービスゾーンとの連携、または、広域
一ノ坪地区周辺
欽明台北地区
幹線道路の結節点の立地特性を活かした商業
機能の充実を図ります。
国道1号沿道
府 道 富 野 荘 八幡線沿
道の一部
市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地を促進しま
す。
工業系
第二京阪道路等の立地特性を活用しながら、
産業・流通業務
ゾーン
一ノ坪・河原地区地区
計画区域
既存の工業地の維持・保全と良好な土地利用
の充実を図ります。
本市の新たな魅力を創造する研究開発型産
業、商業・業務・サービス業、観光・レクリ
複合都市機能ゾーン
(仮称)八幡ジャンク
ション・インターチェ
ンジ周辺
エーション・アミューズメント及び住みやす
く魅力ある住宅地等の複合的な新都市機能の
土地利用を図ります。また、自然環境との調
和に努めます。
土地利用検討ゾーン
大谷飛地
周辺地域と調和した良好な住居系の土地利用
の実現に向け検討を進めます。
- 173 -
第3編
③
地域別構想
第4章
南部地域
市街地の整備方針
●計画的に整備された低層・中高層住宅地では、地域住民との協働により、地区計画、
建築協定、緑地協定等の規制・誘導手法の導入を検討し、地区ごとの個性を活かしな
がら現在形成されている良好な住環境の保全を図ります。
●欽明台地区の低層から高層により構成されている住宅地では、土地区画整理事業によ
る住宅地開発と地区計画による住環境誘導が行われています。今後もその周辺地区に
おいて道路、公園・緑地など基盤施設整備と、地区計画、建築協定等による良好な住
環境形成の誘導を前提として、周辺環境や自然と調和した新市街地の整備を促進しま
す。また、新市街地整備の際には具体的な事業計画を策定するとともに、地区計画等
を活用し、計画的な整備促進に努めます。
●一ノ坪・河原地区については既存の地区計画に即して工業系土地利用と良好な環境形
成及び保全に努めます。
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、市域南部の広域交流拠点
として、研究開発型産業、商業・業務・サービス業や広域的な集客・交流を促進する
観光・レクリエーション・アミューズメント及び住みやすく魅力ある住宅地等の複合
的な都市機能の誘導を図るため、機能・施設に適した計画的な新市街地の整備につい
て、土地区画整理事業等の事業手法も含めて検討します。また新市街地整備の際には、
周辺の自然と調和した質の高い環境形成に努めます。
●国道1号等の幹線道路沿道においては、市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地の誘導及び後背の住宅地の環境を保全するために、区
域区分や地域地区の変更及び地区計画等の指定により、利便性の高い沿道系市街地の
整備を促進します。
●一ノ坪地区周辺は、国道1号の沿道サービスゾーンとの連携を図り、地域生活拠点と
して商業機能の充実を促進します。
●大谷飛地は、計画的な土地利用のあり方を検討し、住宅地として計画的な市街地整備
の見通しが明らかになった時点において市街化区域に編入する手続きを進めます。
●地区中心部の人口の減少等が見られる市街化調整区域の集落においては、地域コミュ
ニティを維持し、集落の活性化を図るために、
「京都府開発審査会付議基準」に基づく
区域の指定を検討します。
④
都市施設の整備方針
●新名神高速道路の整備を促進するとともに(都)内里高野道線、(都)八幡内里線の整
備を促進します。
また、新名神高速道路の整備にあたっては、緩衝緑地帯、遮音壁の設置等の環境対策
- 174 -
第3編
地域別構想
第4章
南部地域
や景観に配慮したみちづくりを要請します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備を推進します。
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
⑤
その他の整備方針
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●きんめい近隣公園周辺では、近代的な商業機能と周辺の自然環境、住環境とが調和し
た拠点景観を育成します。
●一ノ坪地区では、環境整備や、既存商業地との連携を図り、地域交流の中心となる拠
点景観を育成します。
●将来、南の広域的な交流拠点となる(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ
では、周辺の自然環境と調和しながら、個性ある景観の創出を図ります。
●市域を流れる大谷川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸として親水空間の
整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育成します。
●主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸として優れた沿道景観を育成するとと
もに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観の育成に努めます。
●国道1号等の幹線道路沿道については、良好な沿道景観の形成に努めます。
- 175 -
第3編
■地域の整備方針図
南部地域
- 176 -
地域別構想
第4章
南部地域
- 177 -
第4編
まちづくりの推進方策
1.市民と行政の協働(パートナーシップ)によるまちづくりの推進
1-1.市民参画の現状と課題
(1)市民参画の社会的要請
●高度経済成長期からバブル経済期にかけては、まちづくりにおいて市民生活のニーズは
比較的一様であり、「効率」や「量的豊かさ」の追及がその根底にあったと言われてい
ます。しかし、社会の成熟に連れ生活するうえで、「効率」よりも「ゆとり」や「うる
おい」、
「量的豊かさ」よりも「質的豊かさ」等が求められるようになり、その追及のた
めに、地域や地区の個性を重視し、自分たちの声が行政施策に反映されていることを実
感できるまちづくりが求められるようになりました。
●国の政策においても、
「官から民」への規制緩和、
「国から府へ」
「府から市へ」
「行政か
ら市民へ」とまちづくりの主役が移る地方分権の流れが加速しており、まちづくりにお
ける市民のみなさんの果たす役割が大きくなっています。
●都市計画においても、これまで市民参加の手法として公聴会、説明会の開催、都市計画
案の縦覧、意見書の提出、都市計画審議会の開催など、都市計画法に基づいた手続きを
経て決定される手法がとられてきました。しかしながら、近年、公共事業や市街地整備
事業の計画決定過程において、行政主導に偏重しがちとの指摘がなされる事業もあり、
市民のみなさんから計画に対する意見や質問が出される事例も見受けられます。
(2)八幡市のまちづくりとその現状
●全ての市民、NPOや事業者等が行政とともに共通目標に向かって行動する基本方針と
して『第4次八幡市総合計画』が策定されました。
●各種行政審議会や委員会への市民参画の実施に加えて、市広報の充実や情報公開制度の
運用による政策形成過程の公開を通し、広報広聴活動の充実を図ってきています。
●時代の変化による社会的要請は市民の「参加」から「参画」へ、さらには、市民、NP
O、事業者や行政が、それぞれの責任を分かち合いながら協力し、まちづくりを分担す
る「協働」のまちづくりへと移行しつつあり、本市もその仕組みを市民と作り上げていく
ことが必要になっています。
1-2.まちづくりにおける行政、市民、NPO、事業者の役割
まちづくりは、市民の参画さえ進めば良いというものではありません。それぞれの役割
分担を踏まえて進めていく協働によるまちづくりを進めていくには、次のような新しい役
- 178 -
第4編
まちづくりの推進方策
割が求められます。
(1)行政の役割
●まちづくりを進めていくうえで、都市の骨格となる施設や市民全体が共有する施設に
ついては、行政が主体となって整備していく必要があります。
●まちづくりには、多様な分野に関わる総合的な機能が重要であり、全市的、横断的な
部局を設けて、企画立案と事業推進を行っていくことが求められます。
●市民、NPOや企業のまちづくり活動を支援する仕組みや制度を整える必要がありま
す。
●まちの整備に関しては、従来の事業実施に加えて、まちの将来像、問題点や課題を提
起し、その解決に向けた方策を提案または募集し、市民、NPOや事業者のまちづく
りの活動に対するサポーター(支援者)やコーディネーター(調整やまとめ役)とし
ての役割を果たすことが求められます。
●さらに、だれもが気軽にまちづくりに参画できる「しかけ」づくりに取り組むことが
求められています。
(2)市民、NPO、事業者の役割
●市民、NPOは、行政が提起する課題や解決方策に対する市民参画の場に積極的に参
画するとともに、まちづくりに対する提案を市に挙げるなど、自らの問題として取り
組むことが求められます。また、地区の将来像や夢を主体的に考え、可能な限り具体
的にし、自らができることから協力し合って、まちづくりを進めることが求められま
す。
●地区の身近な土地利用の保全・誘導や景観形成等については、まちづくりNPO等の
協力を得ながら市民のみなさんが主体となって進めるのが望ましい姿と言えます。
●事業者も地域社会の一員として、その活動を通して行政や市民と協力してまちづくり
に貢献することが求められます。あるいは、事業者の活動によって、将来の本市のま
ちづくりに貢献するものについては、行政と事業者が一体となって進める必要があり
ます。
- 179 -
第4編
まちづくりの推進方策
1-3.市民参画のシステムづくり
(1)まちづくりの段階に応じた「場」の提供
●まちづくりに関する事業や法制度適用における段階を市民参画の側面から見ると、以
下の5つの段階があると考えられ、行政がそれに応じた「場」の提供を推進することが
必要です。
■まちづくりの段階と「場」
まちづくりの段階
①
「場」
発意の段階
②
市民同士が
討議し、自主
組織づくりの段階
的活動がで
市民と行政 きる場
が情報交流
計画づくりの段階
政策形成過
する場
程や事業実
施に市民が 市民が自ら
事業実施・法制度適用の段階
参画できる 管理運営で
場
きる場
管理・運営の段階
③
④
⑤
(2)広報広聴活動の充実(市民と行政が情報交流する場づくり)
●各種行政審議会や委員会への市民参画の実施や、市広報の充実に加え市ホームページ
等での情報通信技術の活用を調査・検討するなど、さまざまな形の広報広聴活動の充
実を図るとともに、個人情報を適切に保護しながら、情報公開制度の活用を図ってい
きます。
●行政、地域コミュニティ組織や各種団体の活動状況を集約し定期的に情報を発信する
とともに、まちづくりに対する市民提案等を受け止める場の設置を検討します。
(3)自主的まちづくりの育成・支援(市民同士が討議し、自主的活動ができる場づくり)
●協働(パートナーシップ)の実現のためには、市民の自主的な活動の育成が欠かせま
せん。そのために、まちづくりNPOや地域コミュニティと連携した啓発や専門家派
遣制度の活用等による支援を通して市民主体のまちづくりの推進を図る必要がありま
す。
●本マスタープランの地域別構想を「まちづくりを考えるうえでの題材」として提示す
ることで、NPOやまちづくり組織を中心に地域コミュニティの中で話し合うきっか
けにしてもらうとともに、必要な支援措置を検討します。
- 180 -
第4編
まちづくりの推進方策
(4)計画・事業への市民参画(政策形成過程や事業実施に市民が参画できる場づくり)
●市の計画立案、事業実施や法制度の適用に対してパブリックコメントの実施等による
意見反映の方法の充実や市民参画できる場を確保し、より多くの参画が図られる工夫
が重要です。
●市民参画のまちづくりの実現に向けて、行政が市民参加システムを保障するため、主
権が市民にあることや具体的な行政への参加の仕組みなど、市民と行政の関係を定め
る自治基本条例等の検討を行います。
(5)計画運営・管理への市民参画(市民が自ら管理運営できる場づくり)
●協働のまちづくりがめざすものは、市民自らの「都市(地域)経営」とも言えます。
それを実現していくためには、都市経営に市民自ら参画できるような場が必要です。
●可能な範囲において、管理・運営を地域コミュニティ、各種団体やNPOが主体とな
って、市民自らが行って行けるように、行政との役割分担を調整・検討していくもの
とします。
1-4.マスタープラン実現に向けたまちづくりの手順
(1)都市計画マスタープラン策定をまちづくりの契機として
●本マスタープランは、市総合計画に基づき、都市や地域の将来像を示し、今後の都市
計画の指針となる計画として策定したものです。その策定手続きの中で、市民意見聴
取や関係機関との協議等の手続きを経て取りまとめたものですが、本改訂により都市
計画マスタープランは完結するものではありません。
●変化の続く社会情勢は今後もさらなる変化が予測されます。また、それに伴って市民
のみなさんのニーズも変化することが予測されます。こういった社会情勢や都市化動
向等の変化によっては、柔軟に見直すべき計画と言えます。
●今後、本マスタープランを活用し、必要に応じた見直しを行っていく中では、市民の
みなさんの意見を積極的に取り入れていく必要があります。本マスタープランの策定
を契機として市民参画のまちづくりを進め、まちづくりに対する市民のみなさんの理
解を深めていただき、より良いまちづくりを進めていくことが必要です。
- 181 -
第4編
まちづくりの推進方策
(2)まちづくりの手順
●市民参画のまちづくりの段階的向上を意図して「まちづくりの手順」を組み立てます。
<短期段階:まちづくり目標の市民共有と市民参画のシステム化>
・
「個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を高めるまちづくり」を目標
とした本マスタープランの趣旨を市民と共有し、その実現のための「市民参画の
システム」の確立を図ります。
<中期段階:まちづくり目標の具体的実施と市民活動の展開>
・市民の共有目標となった「都市計画マスタープラン」の具体的事業実施を、市民
活動の多様な展開を基本にして図っていきます。
・全ての事業実施で各部署における市民参画のシステムの試行的展開とそれに対応
する行政システムづくりを図ります。
<長期段階:まちづくり目標の実現と市民による都市経営>
・まちづくり目標を常に見直しつつ、市民参画を市民による都市経営の段階まで高
め、その実現を図っていきます。
・市民との協働による都市経営に対応する行政システムの変革を図ります。
<長期段階>
<中期段階>
<短期段階>
●まちづくり目標の具体的実施
●まちづくり目標の市民共有
●市民活動の展開
●市民参画システムの確立
◎行政の全ての分野における市
◎行政のまちづくり支援体制の
●まちづくり目標の実現
●市民による都市経営
◎市民協働の都市経営に対応し
うる行政システムへの変革
民参画システムの構築
確立
●全体を通じ事業実施の進行管理を行う
- 182 -
第4編
まちづくりの推進方策
2.まちづくりの誘導方策
2-1.まちの骨格を形成する都市施設の整備と都市計画の施策
まちの骨格を形成する都市施設の整備や都市計画の施策は、行政が主体となって展開す
べきものであり、重要度、緊急性、熟度等を総合的に勘案して事業や施策展開のプログラ
ムを組み立てる必要があります。
ここでは、おおむね 10 年程度を目途として重点的に整備を進める都市施設、市街地整備
及び展開あるいは検討していく都市計画の施策の概要を以下に示します。
(1)重点的に整備を進める施設及び施策等の概要
①
市街地の整備
●現在進められている土地区画整理事業の施行地区については、良好な市街地整備を推
進します。
●八幡市駅周辺では、土地の高密度利用の推進に向け、地域住民や関係機関と調整を図
り、市民の暮らしの中心となる商業・業務・サービス機能、周辺の観光名所への玄関
口としての交流機能、それに付帯する交通ターミナル機能、居住機能等の充実を促進
します。
●橋本駅周辺では、商業集積と居住機能の充実、機能的な駅前広場及びアクセス道路を
実現するため、関係機関の協力のもと、駅周辺の一体的な基盤整備や空閑地の適切な
活用の促進について検討します。
●今後、第二京阪道路が(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジにて新名神高
速道路と連結され、広域幹線道路網が更に充実するのにあわせ、産業立地動向を見極
めながら工業系市街地の拡大について検討します。特に、市域東部においては、新た
な産業拠点の形成に向けた土地区画整理事業等による工業団地の創出を図ります。
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、研究開発型産業、商業・
業務・サービス業や広域的な集客・交流を促進する観光・レクリエーション・アミュ
ーズメント及び住みやすく魅力ある住宅地等の複合的な都市機能の誘導を図るため、
機能・施設に適した計画的な新市街地の整備について、土地区画整理事業等の事業手
法も含めて検討します。
●国道1号等の幹線道路沿道においては、市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地の誘導及び後背の住宅地の環境を保全するために、区
域区分や地域地区の変更及び地区計画等の指定により、利便性の高い沿道系市街地の
整備を促進します。
- 183 -
第4編
②
まちづくりの推進方策
交通体系の整備
②-1
道路
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジと八幡市駅、御幸橋、更には乙訓方面
との連携を強化する南北連携軸の整備を進めます。
●男山住宅地と東部の集落、さらには木津川右岸地域との連携を強化する東西連携軸の
整備を進めます。
●計画されている広域幹線道路と、市域の骨格をなす幹線道路、特に都市計画決定され
ている道路について、優先的な整備を推進します。
●歴史街道計画等と連携して景観や環境に配慮した個性ある道路整備を推進します。
②-2
鉄道関連
●八幡市駅においては、エレベーター設置等を要請し、
「バリアフリー新法」に基づき公
共交通体系におけるユニバーサルデザイン化を促進します。また、駅南北が一体化とな
る駅自由通路の整備及び防災空間をもちあわせた駅北口広場の整備を促進します。
●橋本駅においては、鉄道駅のターミナル機能の充実のため、橋本駅前広場の整備につ
いて、関係機関との連携のもとに検討します。
②-3
その他
●コンパクトなまちづくりに対応するため、拠点及び市街地の連携を図る公共交通機関
(コミュニティバスなど)によるルートの整備を検討するとともに、鉄道とバス・タ
クシー・自家用車等との乗り継ぎ及び連携の強化を促進します。
③
公園・緑地の整備
●「八幡市みどりの基本計画」に基づき、都市公園の種別ごとの誘致圏域等を考慮しつ
つ、公園の整備・充実に努めます。
●三川合流周辺や流れ橋周辺では、自然と景観の保全やレクリエーションの場としての
活用により、景観形成を図り、広域集客交流拠点として整備を促進します。
④
供給処理施設の整備
●上水道は、第5次拡張事業の変更事業に沿って、水需要の変化に対応して計画的・効
- 184 -
第4編
まちづくりの推進方策
率的な施設・設備の整備並びに老朽化の更新や耐震性の強化を図ります。
●下水道は、木津川流域下水道事業、淀川左岸流域下水道事業及び八幡市公共下水道事
業計画に基づいて、施設整備と処理区域の拡大を進め、下水道普及率 100%をめざしま
す。
●河川増水時に浸水被害が生じないよう、木津川の河道整備、堤防補強や排水施設の整
備を要請するとともに、市内河川の計画的な改修を促進します。
⑤
その他都市施設の整備
●ごみ処理施設、学校教育施設や文化コミュニティ施設、保健・福祉施設等の施設につ
いては、現存施設の維持・充実と有効利用、新たに必要となってくる施設の新設を計
画的に進め、きめ細かな行政サービスを提供します。
⑥
その他都市計画施策
●将来都市像実現のために、農業との調整に留意しながら、今後の土地利用動向を見据
え、市街化区域の拡大を京都府と協議するとともに、土地利用の動向による都市計画
上の課題に対応するために用途地域など地域地区の見直しを検討します。
●大谷飛地は、計画的な土地利用のあり方を検討し、住宅地として計画的な市街地整備
の見通しが明らかになった時点において市街化区域に編入する手続きを進めます。
●人口の減少等が見られる市街化調整区域の集落においては、地域コミュニティを維持し、
集落の活性化を図るために、「京都府開発審査会付議基準」に基づく区域の指定を検討
します。
●地域の特性を活かしたまちづくりを進めるため地区計画制度の積極的な活用を図りま
す。
●自動車の交通量の削減や、混雑地域の交通量の分散等のため、各地域の実情に応じた
交通需要マネジメント(TDM)施策を検討します。
●本市のシンボルである男山・円福寺周辺等の樹林地については、土地所有者との連携
による「八幡市みどりの条例」に基づいた「保存区域」の拡大・保全を図ります。
- 185 -
第4編
まちづくりの推進方策
(2)今後 10 年間に予定する主要な市街地・都市施設整備及び
『八幡市都市計画マスタープラン』策定時から整備された市街地・都市施設整備
種
別
内
容
●美濃山地区土地区画整理事業(事業中)
●上津屋地区土地区画整理事業(完了)
●八幡市幸水農住組合土地区画整理事業(完了)
●岩田地区土地区画整理事業(完了)
●上津屋北部土地区画整理事業(完了)
●上奈良土地区画整理事業(完了)
市 街 地 整 備
●八幡市橋本農住組合土地区画整理事業(完了)
●その他の市街地整備を促進する区域
・八幡市駅周辺
・橋本駅周辺
・(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺
・東部地区(八幡東インター周辺)
●完了・概成済
・第二京阪道路((都)京都大阪線)
・京都第二外環状道路((都)京都第二外環状線)
・国道1号((都)国道1号線)
・(都)山手幹線
・(都)八幡城陽線
・(都)西山下奈良線
道
路
●事業中
・新名神高速道路
((都)第二名神自動車道城陽八幡線)〔城陽~八幡間〕
・第二京阪道路一般部((都)京都枚方線)
・府道京都守口線(御幸橋)
・(都)内里高野道線
・(都)八幡田辺線〔国道1号~府道内里城陽線〕
・市道園内野神線
・東高野街道(市道土井南山線等:歴史街道計画)
- 186 -
第4編
種
別
内
まちづくりの推進方策
容
●推進
・新名神高速道路
((都)第二名神自動車道城陽八幡線)〔八幡~高槻間〕
・(都)八幡田辺線〔府道長尾八幡線~国道1号、
府道内里城陽線~府道八幡木津線〕
道
路
・(都)橋本南山線
・(都)八幡内里線
●構想
・南北連携軸
・東西連携軸
八幡市民スポーツ公園((都)八幡東公園)の拡張整備(事業中)
男山レクリエーションセンター整備(事業中)
公 園 ・ 緑 地
三川合流周辺広域交流拠点の整備(計画中)
松花堂庭園交流施設の整備(完了)
流れ橋周辺整備(完了)
上
水
道
下
水
道
京都府営水道(給水区域の拡大)
八幡市公共下水道(供用区域の拡大)
環境整備
河
川
・大谷川
・防賀川
美濃山小学校(完了)
その他公共施設
美濃山コミュニティセンター(完了)
有都福祉交流センター(完了)
- 187 -
第4編
まちづくりの推進方策
■おおむね 10 年程度を目途として重点的に整備を進める市街地・都市施設整備図
- 188 -
第4編
まちづくりの推進方策
■おおむね 10 年程度を目途として重点的に整備を進める供給処理施設の整備図
- 189 -
第4編
まちづくりの推進方策
2-2.地域における個性あるまちづくりの推進方策
各地域における個性あるまちづくりを、市民の積極的な参画によって進める制度があり
ます。
各地域において個性あるまちづくりを進めるためには、本マスタープランを検討するう
えでの題材と考え、地区のまちづくりにおけるルールの検討を深め、これらの制度を有効
に活用していくことが重要です。
(1)地区計画制度
●「地区計画」は、都市計画法に定められた都市計画の種類の一つで、市民の生活に身
近な地区を単位として、道路、公園等の施設の配置や建築物等について、地区の特性
に応じてきめ細かなルールを定めるまちづくりの計画です。
●八幡市においては、北部地域から東部地域にまたがる「下奈良・小宮地区(38.0ha)」、
東部地域における「上奈良地区(12.3 ha)」、南部地域における「美濃山地区(63.2 ha)
及び「一ノ坪・河原地区(36.5 ha)」の4地区が、この制度によるまちづくりを行っ
ています。
●この制度の特徴として、次のような点が挙げられます。
①
地区レベルでの詳細な計画であること。
・特定の地区を取り挙げて、その中で道路・公園等の地区施設、建築物、土地利用
に関する事項を総合的かつ詳細に計画する法定都市計画です。
②
市民の意向を尊重した計画であること。
・市民にとっては身近で日常生活にも深くかかわる都市計画であり、土地建物等の
財産権を大きく制限する場合もあります。そこで地区計画では、計画案の作成に
あたって関係権利者の意見を求めることが制度に取り入れられています。
③
計画決定の主体は市町村であること。
・この制度は地区レベルでの詳細な計画を立てるものであるので、地域の行政を直
接担当し、その実情に精通している市町村が計画決定主体となります。これによ
り地区の実情に応じた、きめ細かいまちづくりが期待できます。
④
計画内容が選べること。
・この制度では計画内容として、道路・公園等の地区施設の配置や規模、建築物等
に関する各種制限、土地利用の制限等が用意されています。このうちどれを必ず
- 190 -
第4編
まちづくりの推進方策
定めなければならないということはなく、地区の実情に合わせて、市町村が地権
者等の意見を聞きながら計画内容を選択していくことができます。
⑤
計画実現方法が選べること。
・この制度では計画の実現を担保する方法として、建築・開発の際に届出を義務づ
け、その地区だけの条例を制定して建築物等に関する事項を規制・誘導します。
また、予定道路の指定を行うことも可能です。地区の実情に合わせて計画実現の
方法を選択することができます。
(2)市街化調整区域における地区計画
●2001(平成 13)年5月の都市計画法改正により、地区計画制度が拡張され、一定の条
件下で市街化調整区域における地区計画が可能となりました。
●これを受けて、京都府では「市街化調整区域における地区計画」運用指針(案)(2003
(平成 15)年3月 25 日、2006(平成 18)年3月1日改正)を定め、次のような基準
で地区計画の採択を行っています。
①
線引き制度との整合(あくまで市街化調整区域の趣旨を逸脱しないものであるこ
と)
② 一定の規模とまとまりのある区域であること(おおむね 0.5 ha 以上)
③
農林漁業との調整がなされていること
④
上位計画(市都市計画マスタープランなど)に位置づけられていること
●対象となる地区は次のように規定されています。(都市計画法第 12 条の5第1項第2
号)
イ
住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、
又は行われた土地の区域
ロ
建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる
一定の土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街
区の環境が形成されるおそれがあるもの
ハ
健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されて
いる土地の区域
●また、人口の減少等が見られる市街化調整区域の集落については、地域コミュニティ
を維持し、集落の活性化を図るために、「京都府開発審査会付議基準」に基づく区域の
- 191 -
第4編
まちづくりの推進方策
指定の検討を行っていますが、その指定に当たっては地区住民の意向が最優先される
こととなります。
(3)建築協定、緑地協定
●「建築協定」は、建築基準法(法第 69 条)に基づくもので、建築基準法で定められた
基準に上乗せする形で地域の特性等に基づく一定の制限を地域住民等が自ら設けるこ
とのできる制度です。そして、それをお互いが守っていくことによって、将来にわた
って地域の住環境を保全し、魅力ある個性的なまちづくりを進めるための制度です。
●建築物の形態規制等が主体で、その内容は「地区計画」と類似していますが、建築協
定を結ぶには、協定を結ぼうとする区域内の土地所有者等の全員の合意が必要であり、
市長の認可を得て成立することになります。
●建築協定は本来複数の土地所有者等の合意によるものですが、一人の土地所有者のほ
かに土地所有者等がいない土地の区域については、当該土地所有者が一人で協定を設
定できるという特例(一人協定)が認められています(建築基準法第 76 条の3)。一
人協定は、分譲宅地等において建築協定の締結を容易にするため定められた制度です。
本市では、「ローズタウン明野住区建築協定」が一人協定に該当します。
●建築基準法では、建築物の敷地・位置・構造・用途・形態・意匠・建築設備について
協定できるように定められています。具体的には次のような内容が定められます。
■建築協定の内容例
項目例
基準内容例
「敷地」に関する基準
分割禁止、最低敷地面積の制限、地盤高の変更禁止、区画一戸建てなど
「位置」に関する基準
建築物の壁面から敷地境界や道路境界までの距離の制限
「構造」に関する基準
木造に限る、耐火構造など
「用途」に関する基準
専用住宅に限る、共同住宅の禁止、兼用住宅の制限など
「形態」に関する基準
階数の制限、高さの制限、建ぺい率や容積率の制限など
「意匠」に関する基準
色彩の制限、屋根形状の制限、看板など広告物の制限など
「建築設備」に関する基準
屋上温水設備の禁止、アマチュア無線アンテナの禁止など
●都市緑地法(法第 45、54 条)に基づき、市街地の良好な環境を確保するために緑地の
保全や緑化に関して結ぶものに「緑地協定」があります。
●以上の制度は、住民合意が前提で、成立すればそれだけ住民のまちづくりに参画する
- 192 -
第4編
まちづくりの推進方策
意識が芽生えるという手法と言えます。
(4)都市計画提案制度
●2002(平成 14)年の都市計画法の改正により「都市計画提案制度」が創設されました。
この制度は、地域の住民の皆さんやまちづくりNPO法人等が主体的かつ積極的にま
ちづくりに参画できるように、自らが都市計画の決定や変更を提案できるものです。
●提案できるのは、土地の所有者、借地権者、まちづくりNPO法人、公益法人となっ
ています。さらに、2006(平成 18)年の都市計画法の改正により、独立行政法人都市
再生機構、地方住宅供給公社やまちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとし
て国土交通省が定める団体等が追加されました。
●提案できる都市計画は、八幡市及び京都府が定める都市計画全般にわたりますが、提
案する都市計画の内容によってその決定権者に対して行うことになります。この制度
を活用することにより、地域住民と行政が一体となったまちづくりを進めることがで
きますが、提案をとりまとめる組織等の育成や啓発、提案を受けとめる市の体制整備
が重要であり、京都府と連携を図りつつ、今後の課題として検討を進めます。
- 193 -
- 195 -
- 195 -
資料
用語の解説
【あ行】
アクセス
:目的地までの連絡や接続の手段。
アダプト制度
:アダプトとは、養子縁組をするという意味である。市民が公共スペースを「アダプト」
し、これを養子のように愛情をもって面倒を見る=清掃・美化する、ことから命名さ
れた。自治体と市民がお互いの役割分担について協議、合意を交わし、この合意に基
づいて継続的に美化活動を進める制度。
アミューズメント
:元来「娯楽」の意味。現在はもっと広く解釈され、市民のアメニティを基軸とした娯
楽、レジャー。
溢水
:水があふれ出ること。
インターチェンジ
:高速道路の出入口。
インパクト
:効果、影響、影響力、衝撃。
運動公園
:主として運動の用に供することを目的とする都市基幹公園(P209 参照)に位置づけら
れる都市公園(P211 参照)。
大阪湾フェニックス計画
:大阪湾広域処理場計画。廃棄物の適正な海面埋め立てによる処理及び、これによる港
湾の秩序ある整備を図り、広域処理場の建設管理などを行う計画。
オープンスペース
:公園・広場・河川・農地など、建物によって覆われていない土地、あるいは敷地内の
空地の総称。
- 196 -
資料
用語の解説
男山地域活性化基本構想
:第4次八幡市総合計画の策定にあたって、男山地域が有する機能と市民生活の現状を
踏まえつつ、男山地域の活性化をめざして、望ましい将来像をとりまとめた構想。男
山地域活性化基本構想策定委員会が市に提言。
【か行】
街区公園
:主として街区内に居住する者が容易に利用できることを目的とする都市公園(P211 参
照)。敷地面積は 0.25ha が標準。
ガイドライン
:指針、目安。
開発審査会
:開発許可処分に関する審査請求に対する裁決その他の事項を行うため、都市計画法第
78 条第1項に基づき設置された都道府県知事の付属機関。
核家族
:夫婦とその未婚の子女とからなる家族。
環境自治体宣言
:「人と自然が共生する環境にやさしいまち」の実現に向けて、市民、事業者、行政が
協働(P198参照)して行動する決意の表明であり、本市を「環境にやさしいまち」に
していくという宣言。
環境負荷
:人間活動が自然環境に与える負担。
環境保全協定(公害防止協定)
:自治体が公害発生源を有する事業者に対し、公害の規制基準、生産設備の新増設時の
協議義務等の公害の防止に関する指導について協議し、双方が合意した内容を協定書
の形でまとめたもの。
関西文化学術研究都市
:京都、大阪、奈良にまたがる京阪奈丘陵に位置している。産学公が連携し、文化・学
術・研究開発の新しい拠点を形成することにより、魅力ある居住環境、都市環境の創
- 197 -
資料
用語の解説
造をめざしている。
緩衝緑地帯
:自動車の通行等による騒音、振動、排出ガスなどの影響を緩和し、周辺の環境を保全
するため道路沿いに配置される緑地。
幹線道路
:道路網のうちでも主要な骨格をなし、都市に出入りする交通及び都市の住宅地、工業
地、業務地等の相互間の交通を主として受け持つ道路。
既成市街地
:一般には、都市において、道路が整備され建物が連たんするなど、既に市街地が形成
されている地域。
急傾斜地
:急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律では、傾斜度が30度以上である土地を
急傾斜地と定義している。
一般的には、地すべりと対比して、大雨や地震、その他の要因により斜面が突然くず
れ落ちるものを急傾斜地の崩壊とよび、このような可能性の考えられる土地を急傾斜
地という場合が多い。
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
:急傾斜地の崩壊による災害から国民の生命を保護するため、急傾斜地の崩壊を防止す
るために必要な措置を講じ、もって民生の安定と国土の保全とに資することを目的と
する法律。
協働(パートナーシップ)
:同じ目的を達成するために、責任を分かち合いながら協力し、例えば市民、NPO(P218
参照)、事業者、行政がまちづくり等を進めていく姿など。
京都南部都市広域行政圏推進協議会
:1979(昭和54)年9月京都府知事により設定された京都南部広域行政圏における広域
行政計画の策定や事業の実施等についての連絡調整を行うための広域行政機構。
京都府景観条例
:良好な景観の形成についての基本理念を定め、景観法に基づく施策とともに、地域の
- 198 -
資料
用語の解説
個性と特色を生かした良好な景観の形成に関する施策を総合的に推進することにより、
潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もっ
て府民生活の向上並びに地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与するための条例。
京都府住生活基本計画
:住生活基本法第17条第1項に基づき、社会背景の変化や新たな時代の価値観への対応
にとどまらず、住生活にかかる幅広い分野での住宅政策を的確に遂行するための総合
的な計画。
京都府地球温暖化対策条例
:京都府内の自然的社会的条件を踏まえ、地球温暖化対策に関し、京都府、事業者、府
民その他の主体の責務と役割を明らかにするとともに、市町村との連携の下で、参加
と協働による取組を一層促進していくための基本事項を定めることにより、事業活動
及び日常生活におけるエネルギーの使用の抑制、豊かな緑の創出その他の地球温暖化
対策の更なる推進を図り、もって現在及び将来の府民の健康で文化的な生活の確保、
ひいては、人類の福祉に貢献していくための条例。
京都府福祉のまちづくり条例
:京都府内の施設整備におけるバリアフリー化(P213参照)の促進と、お互いを理解し
支え合う意識の向上という、ハードとソフトの両面から、福祉のまちづくりを推進し
ていくための条例。
拠点
:活動のよりどころになる所。
近隣公園
:主として近隣に居住する者が容易に利用できることを目的とする都市公園(P211 参照)。
敷地面積は2ha が標準。
区域区分
:無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るために、都市計画区域(P209参照)
を市街化区域(P203参照)と市街化調整区域(P204参照)とに区分する制度で、1968
(昭和43)年の都市計画法改正により導入。「線引き」とも呼ばれる。
グループホーム
:高齢者、障がい者等が、日常生活上の必要な援助やサービスを受けながら、地域社会
- 199 -
資料
用語の解説
の中で共同して居住し生活を行う場。
ケアホーム
:一人暮らしや夫婦のみの高齢者が自立した生活を維持できるよう工夫された低額の料
金で入所できる施設。生活の相談、助言や食事サービス等を行うとともに、ホームヘ
ルプサービス等の在宅福祉サービスの利用も可能。
景観法
:我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策
定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いの
ある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民
生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする法
律。
下水の高度処理
:下水処理の程度をあらわし、通常の二次処理による処理水質をさらに向上させるため
に行われる処理。
[一次処理]:沈殿法により下水中の砂やあらいゴミなど、固形物を除去する下水処理。
[二次処理]:活性汚泥法(微生物の働きで汚濁物質を酸化分解する生物学的処理法)な
どにより、下水中の溶解性汚濁物質を除去する下水処理。
結節点
:鉄道と鉄道の交点など、交通の拠点となっている場所。集客性や交流性が高いため都
市の高次機能が集積される。
研究開発型産業
:製品を生産する機能に加えて、新技術、新製品の開発機能など、付加価値を備えた産
業。
兼業農家
:世帯員が農業以外の仕事にも従事して収入を得ている農家。
建築基準法
:建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康
及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする法律。
- 200 -
資料
用語の解説
建築協定(本文 P192 参照)
:市町村の区域の一部について、関係権利者が合意のもとに建築物の敷地・構造・用途・
形態・意匠などについて定める協定。
建築物の耐震改修の促進に関する法律
:地震による建築物の倒壊等の被害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、建
築物の耐震改修の促進のための措置を講ずることにより建築物の地震に対する安全性
の向上を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的とする法律。
公共交通
:鉄道、バス、タクシーなど不特定多数の人が利用できる交通機関。
公共施設
:広く一般の利用に供する目的で国、地方自治体等が設置する施設の総称。
公共車両優先システム(PTPS)
:信号機等のコントロールにより、大量公共輸送機関であるバスの運行を円滑にさせる
システム。
合計特殊出生率
:女性が妊娠可能な期間に通常の出生率で子供を産むとして、生涯の間に産む子供の数
を表したもの。
交通安全施設
:交通事故等の防止を図り、安全を確保するために道路上に設置される施設の総称。
交通結節機能
:鉄道の乗継駅、道路のインターチェンジ(P196 参照)、自動車からの徒歩やそのほか交
通機関に乗り換えるための停車・駐車施設、鉄道とバス等の乗換えが行われる駅前広
場のように交通動線が集中的に結節する機能。
交通需要マネジメント(TDM)
:車の利用者の交通行動の変化を促すことにより、都市又は地域レベルの道路交通混雑
を緩和する手法の体系で、TDMとも言う。
- 201 -
資料
用語の解説
交流人口
:定住人口(居住者)とは異なり、通勤、通学、文化、スポーツ、買い物、観光等で他
地域から訪れることによって、地域の活性化に結びつく人口。
高齢社会
:高齢者(65歳以上)人口の比率が高い数値で安定した社会。国連の定義では、高齢人
口比率が7%以上で高齢化しつつある社会を「高齢化社会」と呼ぶのに対し、14%以
上の高い水準が持続している社会を「高齢社会」と呼ぶ。
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)
:高齢者、障がい者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性にかん
がみ、公共交通機関の旅客施設及び車両等、道路、路外駐車場、公園施設並びに建築
物の構造及び設備を改善するための措置、一定の地区における旅客施設、建築物等及
びこれらの間の経路を構成する道路、駅前広場、通路その他の施設の一体的な整備を
推進するための措置その他の措置を講ずることにより、高齢者、障がい者等の移動上
及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進
に資することを目的とする法律。
コーホート法
:人口の将来推計の方法。男女・年齢階層別に変動の要因(出生、死亡、転入、転出)
の動向を想定し、今期の男女年齢階層別人口から変動係数を乗じて次期の男女年齢別
人口を求めていく方法。
国営公園
:都市公園法に基づき、国が整備、管理する都市公園(P211 参照)。国営公園には、①1
つの都府県を越えるような広域の見地から設置するもの、②国家的な記念事業として、
又は我が国固有の優れた文化的資産の保存・活用を図るため設置するもの、とがある。
国勢調査
:総務省統計局が行う全国一斉の国勢に関する調査。大正9年に第1回国勢調査が行わ
れて以来、10 年ごとに行われ、その中間の5年目には簡易な方法による調査が実施さ
れている。
子育て支援総合センター
:子育て中の親子の総合的な支援を図るために、交流の場の提供や育児不安等への相談
指導、子育て情報の提供などを行う、子育てに関する基幹施設。
- 202 -
資料
用語の解説
コミュニティ
:一般的に地域共同体又は地域共同社会と訳される。
行政の分野では、都市化の進展に伴う伝統的な地域共同体の削減により発生した様々
な問題を解決するために、新しい形の地域社会の形成を志向する際に使われる。
コミュニティ施設
:住宅地の日常生活に必要な公共公益施設。
コミュニティセンター
:地域住民の文化・社会活動の中心的な場として設けられた施設。
コミュニティ道路
:歩行者等が安全、かつ快適に通行できるよう、車道を蛇行させたり、歩道を広げ、植
栽やストリートファニチャー(P205 参照)を設けた道路。
コミュニティバス
:既存バス路線ではカバーしきれていない交通空白地域など、利用者のニーズに対応す
る乗合バス。
【さ行】
サイン
:目印・表示・標識等をいうが、特に、不特定多数の利用者を対象として公的機関が設
置し、日常社会生活のなかで主として行動の指標となる情報を伝えるものとして、公
的サインがある。
砂防法
:砂防指定地において、治水上砂防のため砂防設備を施設し、また一定の行為を禁止・
制限し、土砂生産の抑制を図り、流れてくる土砂を適切に溜めることなどにより土砂
災害を防止し、もって国土の保全と民生の安定に資することを目的とする法律。
市街化区域
:都市計画法に基づく都市計画区域(P209参照)のうち、市街地として積極的に整備・
開発する区域で、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ
計画的に市街化を図るべき区域。
- 203 -
資料
用語の解説
市街化調整区域
:都市計画法に基づく都市計画区域(P209参照)のうち、市街化を抑制すべき区域。
市街地
:一般に、家屋の建ち並んだ地域を指す。宅地化や街路の整備の進んだ地域までをも含
むこともある。
自主防災組織
:災害に対して、地域ぐるみで防災への取組や日常的な訓練、緊急時の対応を図ろうと
する市民組織。
自治基本条例
:まちづくりに向けて、行政が市民参加システムを保障するため、主権が市民にあるこ
とや具体的な行政への参加の仕組みなど、市民と行政の関係を定める条例。
シビックセンター
:公共施設が集積し、行政サービスや住民の都市生活の中心となる地区。
ジャンクション
:複数の高速道路が連接する地点。
住区基幹公園
:都市公園(P211 参照)を、機能、目的、利用対象、誘致圏域等で分類し、住民の生活
行動圏域により配置される公園。住区基幹公園は、都市の全域の中で配置される都市
基幹公園(P209 参照)と対となる、比較的小規模な公園で、都市計画で位置づけられ
た、街区公園(P197 参照)、近隣公園(P199 参照)及び地区公園(P207 参照)がある。
住生活基本法
:住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策について、基本理念を定め、並びに
国及び地方公共団体並びに住宅関連事業者の責務を明らかにするとともに、基本理念
の実現を図るための基本的施策、住生活基本計画その他の基本となる事項を定めるこ
とにより、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推
進し、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進を図るとともに、国民経済の健全
な発展に寄与することを目的とする法律。
- 204 -
資料
用語の解説
終末処理施設
:下水を最終的に処理して、河川その他の公共の水域又は海域に放流するために下水道
施設として設けられる処理施設及びこれを補完する施設。
循環型社会
:資源を再生利用することに比重をおいた社会、生活。
省エネルギー型社会
:エネルギー資源の枯渇を防ぐため、電力・石油・ガス等の消費の節約を図る社会。
城南衛生管理組合
:八幡市、宇治市、城陽市、久御山町、宇治田原町、井手町の3市3町で構成する一部
事務組合。ごみ処理やし尿処理など、広域行政による効率的な事業を進めている。
情報公開制度
:国や地方自治体の政治・行政に関する記録・資料を主権者である国民一般に公開する
制度。
職住近接
:働く職場の近くに住居を定めること。単に距離的な近接を意味するだけでなく、働く
場と居住の場を一体的に一つの地域内で充足させる地域社会づくりを言う。
新エネルギー
:化石燃料に代わる新しいエネルギーのこと。
親水
:水にふれること、ながめることなどさまざまな形で水と親しむこと。
シンボル(シンボリック)
:象徴(象徴的)。
ストック
:在荷。ある一時点に存在する経済諸量の大きさを示す概念。
ストリートファニチャー
:道路上に置かれている備品。歩行者に快適さを提供する考え方から言われる。
- 205 -
資料
用語の解説
生産緑地
:都市計画法に基づく地域地区(P207参照)の一種。
生産緑地法(昭和49年法律第68号)の規定により、都市計画に定められた生産緑地地
区の区域内の土地又は森林。
市街化区域(P203参照)内の農地等のうち、公害や災害の防止など良好な生活環境の
確保に効果があり、公園・緑地など公共施設等の敷地に適している500㎡以上の土地を
生産緑地地区として指定することにより、農林漁業との調整を図りつつ良好な都市環
境の形成に資することを目的とする。
専業農家
:自家の農業収入だけで生計を立てている農家。
ソフト化
:物的商品に比べ、情報知識・サービス等の無形・非物的商品の価値評価が相対的に高
くなること。
【た行】
ターミナル機能
:公共交通の結節点としての鉄道とバス、タクシーとの乗換機能や駐車・駐輪場、交通
案内・サービスなどの機能。
第1次産業
:産業のうち、農業・林業・水産業など直接自然に働きかけるもの。
第2次産業
:産業のうち、地下資源をとりだす鉱業と、鉱産物・農林水産物等をさらに二次的に加
工する工業。工業には製造業(狭義の工業)と建設業とが含まれる。
第3次産業
:商業・運輸通信業・サービス業など、第一次・第二次産業以外のすべての産業。
大規模小売店舗立地法(大店立地法)
:大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持のため、大規模小売
店舗を設置する者によりその施設の配置及び運営方法について適正な配慮がなされる
ことを確保することにより、小売業の健全な発達を図り、もって国民経済及び地域社
会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与することを目的とする法律。
- 206 -
資料
用語の解説
耐震診断
:既存の建築物の地震に対する安全性を調査し診断すること。
耐震補強
:既存の建築物の強度や靱性を改善して、耐震性能を向上させること。
宅地造成等規制法
:宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出による災害の防止のため必要な規制を行うこと
により、国民の生命及び財産の保護を図り、もって公共の福祉に寄与することを目的
とする法律。
宅地防災マニュアル
:宅地開発等の開発事業に伴う崖崩れ、土砂の流出等による災害や地盤沈下、排水の溢
水等の障害を防止するため、平成元年7月、宅地造成等規制法及び都市計画法の開発
許可制度による規制を補完し、切土・盛土、のり面保護、擁壁、柔軟地盤の対策、排
水の処理等についての基本的な考え方及び設計、施工上留意すべき点を整理したもの。
地域地区
:都市計画法に基づく都市計画の種類の1つ。
都市計画区域(P209 参照)内の土地をその利用目的によって区分し、建築物等につい
ての必要な制限を課すことにより、地域又は地区を単位として一体的かつ合理的な土
地利用を実現しようとするもの。
地球環境問題
:一般的には、被害、影響が一国にとどまらず、国境を越えて地球規模にまで広がる環
境問題や、我が国のような先進国も含めた国の国際的な取組が必要とされる開発途上
国における環境問題。
地区計画(本文 P190 参照)
:都市計画法に基づき、建築物の建築形態、公共施設等の配置などから、それぞれの地
区の特性にふさわしい良好な環境を整備、保全するために定められる計画であり、都
市全体の観点から適用される地域地区(P207参照)制度と個別の建築物の規制を行う
建築確認制度の中間領域をカバーする地区レベルのきめ細かな計画制度。
地区公園
:主として徒歩圏内の居住者が容易に利用できることを目的とする都市公園(P211 参照)。
- 207 -
資料
用語の解説
敷地面積は4ha が標準。
地産地消
:ある地域で収穫した農水産物をその地域内で消費すること。
地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(地方分権一括法)
:地方分権を推進するため、474本の法律の改正部分を1本の法律として改正したもので、
1999(平成11)年7月に国会で成立、原則として2000(平成12)年4月1日に施行。
中間処理施設
:廃棄物の減量化及び安定化のために必要な中間処理を行う施設で、分別、焼却、脱水、
乾燥等の各施設がある。施設の種類及び規模に応じて廃棄物処理法に定められた施設
の許可が必要であり、構造基準に適合しなければならない。
駐車場案内システム
:都市部周辺の商業・業務地区あるいは観光地等への来街者の車を適切な駐車場まで案
内板によって誘導するシステム。
中心市街地の活性化に関する法律
:中心市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、近年にお
ける急速な少子高齢化の進展、消費生活の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、
中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上(以下「中心市街地の活性化」
という。)を総合的かつ一体的に推進するため、中心市街地の活性化に関し、基本理念、
政府による基本方針の策定、市町村による基本計画の作成及びその内閣総理大臣によ
る認定、当該認定を受けた基本計画に基づく事業に対する特別の措置、中心市街地活
性化本部の設置等について定め、もって地域の振興及び秩序ある整備を図り、国民生
活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする法律。
潮流
:時勢の動き。
低床バス
:車両の床面が低く乗降しやすくしたバス。
デザインアイテム
:形、色、素材等のデザインの原点となる事柄、もの。
- 208 -
資料
用語の解説
動線
:人や車両の流れ。
特殊公園
:都市公園法に基づく都市公園(P211 参照)の一種で、風致公園、動植物公園、歴史公
園(P218 参照)、墓園等を総称して特殊公園と言う。
都市化
:社会が都市的になっていく現象や過程。
都市基幹公園
:都市公園(P211 参照)を、機能、目的、利用対象、誘致圏域等で分類し、住民の生活
行動圏域により配置される公園。都市基幹公園は、都市住民全般の利用を対象とし、
都市の中で比較的大規模な公園である総合公園、運動公園(P196 参照)がある。
都市機能
:都市における社会的、経済的、政治的活動のしくみ、働きのこと。居住、商業、工業、
金融、交通、政治、文化、教育、厚生、レクリエーション(P218 参照)など。
都市計画基礎調査
:都市計画に関する基礎調査。都市計画法では、おおむね5年ごとに、都市計画区域(P209
参照)における人口規模、産業分類別の就業人口の規模、市街地の面積、土地利用、
交通量等について、現況及び将来の見通しを調査することとされている。
都市計画区域
:都市計画を定める場であるが、整備、開発及び保全の方針や都市再開発方針など、都
市計画(区域区分(P199 参照)、都市施設、市街地開発事業など)が定められる(ただ
し都市施設は都市計画区域外でも定めることができる)。
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
:平成 12 年の都市計画法改正により、従来の市街化区域(P203 参照)及び市街化調整区
域(P204 参照)の「整備、開発又は保全の方針(以下「整、開、保」)」から改めて位
置づけられた。
「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」は、安定・成熟した都市型社会に即応
し、都市計画区域(P209 参照)があらかじめめざすべき全体像を、広域的かつ長期的
視点から明示し、都市づくりの方向について、住民をはじめ各方面の合意形成を図る
- 209 -
資料
用語の解説
ことを主眼においている。
そのため、都市計画法の中で区域区分(P199 参照)を定める条項から独立するととも
に、従前の「整、開、保」が区域区分を定める都市計画区域でのみ策定するのに対し、
全ての都市計画区域で定めるものとなった。また、「都市計画区域内で定められる都市
計画は、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即しなければならない」と
され、「整、開、保」では必ずしも明確でなかったマスタープランとしての位置づけが
明示された。
都市計画決定
:都市計画を一定の手続により決定すること。
都市計画の決定権者は、原則として、都道府県又は市町村である。①都市計画区域の
整備・開発及び保全の方針(P209 参照)、②区域区分(P199 参照)、③都市再開発方針
など、④地域地区(P207 参照)のうち、都市再生特別地区・臨港地区(重要港湾に係
わるもの)・歴史的風土特別地区など・近郊緑地特別保全地区・流通業務地区・航空機
騒音障害防止地区など、⑤広域の見地から決定すべき地域地区・都市施設、⑥小規模
なものを除く市街地開発事業、⑦市街地開発事業等予定区域、についての都市計画は
都道府県が定め、それ以外の都市計画は市町村が定める。
都市計画公園
:都市計画区域(P209 参照)内において、都市計画法第 11 条の都市施設として都市計画
決定(P210 参照)された公園。
都市計画施設
:都市計画法に規定された都市施設のうち都市計画決定(P210 参照)されたもの。
都市施設には、①道路・都市高速鉄道等の交通施設、②公園等の公共空地、③上下水
道・電気・ガス等の供給処理施設、④河川等の水路、⑤学校等の教育文化施設、⑥病
院など、⑦市場、⑧一団地の住宅施設、⑨一団地の官公庁施設、⑩流通業務団地など
がある。
都市計画審議会
:都市計画に関する事項を調査審議するため設置された附属機関の総称で、都道府県都
市計画審議会、市町村都市計画審議会の2種類がある。
都市計画道路
:都市計画区域(P209 参照)内の主要道路として決定・建設される道路。
- 210 -
資料
用語の解説
都市計画法
:都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関
し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって
国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする法律。
都市下水路
:主として市街地における下水を排除するために地方公共団体が管理している下水道(公
共下水道及び流域下水道を除く)で、その規模が政令で定める規模以上のものであり、
かつ当該地方公共団体が指定したもの。
都市公園
:都市にある公園。都市公園法では、都市計画区域(P209 参照)内に地方公共団体が設
置する公園または緑地。
都市構造
:一般的には、都市の基本的な骨格、地域の構造のことを意味する。もともと、都市の
地域構造を説明する概念として、都市地理学等で使われたが、近年では都市計画にお
いても、
「都市機能(P209 参照)の空間的事象である地勢、土地利用、交通の物的空間
構造」といった内容で理解される。
都市・生活型公害問題
:都市化(P209 参照)の進展やライフスタイル(P217 参照)の変化などから発生する近
隣騒音や生活排水による水質汚濁など、主に都市部の日常生活に起因する公害。
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
:土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある
土地の区域を明らかにし、当該区域における警戒避難体制の整備を図るとともに、著
しい土砂災害が発生するおそれがある土地の区域において一定の開発行為を制限する
ほか、建築物の構造の規制に関する所要の措置を定めること等により、土砂災害の防
止のための対策の推進を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的とする法
律。
都市緑地
:主に、都市の自然的環境の保全・改善及び都市景観の向上の用に供するために設けら
れる緑地。
- 211 -
資料
用語の解説
都市緑地法
:都市における緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な事項を定めることにより、都市
公園法(昭和 31 年法律第 79 号)その他の都市における自然的環境の整備を目的とす
る法律と相まって、良好な都市環境の形成を図り、もって健康で文化的な都市生活の
確保に寄与することを目的とする法律。
土地区画整理事業
:土地区画整理法(昭和29年法律第119号)に基づき、都市計画区域(P209参照)内の土
地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るために行われる土地の
区画形質の変更や公共施設の新設又は変更に関する事業。
【な行】
内水
:堤防によって守られている土地にたまった流水・雨水等のこと。
ニーズ
:必要性、需要、要求。
二次災害
:ある災害をきっかけに、それから派生して起こる別の災害。
農住組合
:農住組合法(昭和55年法律第86号)に基づき、市街化区域内農地の所有者等が協同し
て、当面の営農の継続を図りつつ当該農地を住宅地等へ転換するためにもうけられる
組織。
【は行】
パーク・アンド・ライド
:自宅から自家用車を運転し、最寄りの駅まで行き、その周辺に駐車して鉄道への乗り
継ぎ、都心等へ向かう通勤形態。自家用車と鉄道の両方の利点を生かした、いわゆる
総合輸送の一種である。
ハザードマップ
:洪水、土砂災害、津波等の自然災害による被害を最小限にとどめるため、これまで浸
水実績図、洪水氾濫危険区域図、土砂災害危険区域図が公表されてきているが、この
ような地図をもとにし、市町村が主体となり、災害が発生した場合の状況を想定して、
- 212 -
資料
用語の解説
避難地、避難路の位置、災害時の心得等を具体的に示したもので、住民の防災意識の
高揚と災害への備えの充実を図るもの。
バス・ロケーションシステム
:路線に設置されたポールとバスとの通信により位置を計測する方法など、様々な手法
でバスの走行位置を把握し、バス停で待っている乗客にバスの位置、発着予定時刻を
表示するシステム。
パブリックコメント
:行政機関が規制などに関する意志決定をする前の手続きとして、広く国民に求める意
見や情報。
バブル経済
:投機によって生ずる、実態経済とかけはなれた相場や景気。近年の日本では、1980 年
代後半~90 年代初頭にかけて起こった地価・株価の高騰を言う。
バリアフリー(化)
:身体障がい者や高齢者が生活を営むうえで支障がないように商品を作ったり建物を設
計したりすること。
バリアフリー新法
:高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(P202 参照)の通称。
ビオトープ
:野生の動植物が生態系を保って生息する環境。また、公園などに作られた、野生の小
生物が生存できる環境。
東高野街道
:本市域を通る旧街道の一つで、京都と高野山を結び、かつて京より高野山への参拝に
利用された。
ビジョン
:将来展望。見通し。
風土
:その土地固有の気候・地味など、自然条件。
- 213 -
資料
用語の解説
プログラム
:予定。計画。
プロジェクト
:企画。開発事業。
ベットタウン
:大都市の周辺にある住宅都市。つまり昼間は大都市へ勤めに行っていた住民が夜にな
って寝るためだけに帰ってくることから使われるようになった。
放課後児童健全育成施設
:両親または保護者などが就労等のため、昼間家庭を留守にする小学校1年生から小学
校4年生までの児童を対象に、保護事業を行っている施設。
防火地域・準防火地域
:都市計画法に基づく地域地区(P207 参照)の一種。市街地における火災の危険を防ぐ
ために定められ、建築基準法と連動して建築物の防火上の構造制限が行われる。
放生の景
:八幡市駅に近い放生川周辺に、本市のシンボルゾーンづくりをめざして行われた「や
わた放生の景」事業のテーマとなるもので、歴史環境と水辺環境が一体となった環境・
景観の呼称。
ポケットパーク
:ベストポケットパークの略で、チョッキのポケットほどの公園という意味。わずかな
スペースを活用して都市環境の改善を図るもの。
【ま行】
マッピングシステム
:地図情報システム。都市計画図や下水道台帳、河川台帳、家屋配置図等のデータをコ
ンピューター処理し、地図の作成や集計を効率的に行うシステム。
水辺
:池・川・湖などの岸に近い所。
- 214 -
資料
用語の解説
モータリゼーション
:自動車が普及し、人々の生活の中で広範に利用されるようになる現象。
モビリティマネジメント
:「モビリティ」とは「移動」を意味し、「モビリティマネジメント」とは個人のモビリ
ティ(移動)が、社会にも個人にも望ましい方向へ、自発的に変化することを期待す
ること。
【や行】
八幡市美しいまちづくりに関する条例
:安全で清潔な生活環境を守る基本的なルールとして、歩行喫煙の抑制、空き缶等のポ
イ捨てや犬の糞の放置禁止、ルールを守らない場合の罰則等を規定した条例。2006(平
成18)年3月制定(同年10月施行)。
八幡市環境基本計画
:市民、事業者、行政がそれぞれの立場で地球環境への負荷を低減し、自然や生物と共
生する「人にやさしい
環境にやさしいまち」を築いていくため、本市の環境の保全
に関する施策の総合的かつ長期的な方針を示した計画。
八幡市観光基本計画
:「ほのぼの わくわく やすらぎのまち やわた」を基本理念に、市民や地域を主役とし
て、木津川、宇治川、桂川の三川が合流する雄大な自然、東高野街道(P213参照)や
石清水八幡宮等の豊かな歴史・文化、広々とした田園風景を活かした、市民と来訪者
がともに楽しめる心豊かな観光のまちづくりを進めるための計画。
八幡市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画
:「健康いきいき、助け合いの心あふれるまち・八幡」を基本理念に、介護予防事業や
一人暮らしの高齢者等に対する生活支援事業等の保健福祉施策、地域住民やボランテ
ィア等による地域福祉活動の推進等を図ることを目標とする計画。2000(平成12)年
3月策定。2006(平成18)年3月に基本理念を継続しながら計画を見直し。
八幡市住宅マスタープラン
:住宅対策の基本方向及び地域特性に応じた具体的施策の展開方針を示す、市の住宅・
住環境施策全般における計画。
- 215 -
資料
用語の解説
八幡市地域防災計画
:災害予防、災害応急対策及び災害復旧に関し、市、京都府、指定地方行政機関、自衛
隊、指定公共機関等の防災関係機関が処理すべき事務または業務の大綱等を定めて、
防災活動の総合的かつ計画的な推進を図り、市域及び市民の生命、身体及び財産を災
害から守ることを目的とする計画。2002(平成14)年2月策定。
八幡市みどりの基本計画
:快適で安全な生活環境の形成と環境にやさしいまちをめざすために、市域のみどり全
般について、将来都市像や目標と施策を掲げた計画。1999(平成11)年3月策定。
八幡市みどりの条例
:自然と人が共存できるまちづくりをめざし、市民の理解と協力を得てみどりを保護し
育成していくことを目的として、1991(平成3)年に制定された条例。
優良建築物等整備事業
:市街地の環境の整備改善、良好な市街地住宅の供給等に資するため、土地の利用の共
同化、高度化等に寄与する優良な建築物の建築や空地等の整備を行う者に対して必要
な助成を行う、国の制度要綱に基づく事業。
ユニバーサルデザイン
:バリアフリー(P213 参照)が障壁を取り除いていくという考え方であるのに対し、ユ
ニバーサルデザインは障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利
用しやすいよう、あらかじめ都市や生活環境をデザインするという積極的な考え方。
用途地域
:都市計画法に基づく地域地区(P207参照)の一種で、目指すべき市街地像に応じて用
途別に分類される12種類の都市計画の総称。
都市活動の機能性、都市生活の安全性、利便性、快適性等の増進を目的として、住宅
地、商業地、工業地等都市の主要な構成要素の配置及び密度について公共施設とのバ
ランスに配慮しながら定められた土地利用の計画をもとに、土地利用の現況及び動向
を勘案して定められる。都市の計画的な土地利用を実現するため定められる地域地区
の中でも最も根幹をなす制度である。
都市計画には用途地域ごとに、容積率・建ぺい率並びに市街地の環境を確保するため
に必要な場合は、建築物の敷地面積の最低限度を定める。
- 216 -
資料
用語の解説
淀川三川合流域地域づくり構想
:美しい景観、豊かな自然・歴史文化環境を保全しつつ地域を活性化していくため、行
政の枠組みを超えた地域づくりの方向として「淀川三川合流域
川と道が結ぶ
人・
とき・自然」をテーマに、国土交通省近畿地方整備局、京都府、大阪府、及び関係市
町 (京都市、八幡市、大山崎町、久御山町、枚方市、島本町)が共同で検討、策定し
た構想。
淀川舟運整備推進協議会
:大阪府大阪市・高槻市・守口市・枚方市・寝屋川市・摂津市・島本町、京都府京都市・
宇治市・八幡市で構成されており、淀川舟運の活性化を通じ地域の発展に寄与するこ
とを目的とする。
【ら行】
ライフスタイル
:生活様式。特に、趣味・交際などを含めた、その人の個性を表すような生き方。
ライフライン
:電気、ガス、上下水道、電話、通信など、都市生活や都市活動を支えるために地域に
はりめぐらされている供給処理・情報通信の施設。
リサイクル産業
:廃品や資源の再利用の一環となる業態の産業。
リバーフロント
:河川の水辺空間。
緑地協定(本文 P192 参照)
:市街地における地域の緑化を促進し、良好な生活環境を確保するため、土地所有者や
地域住民が緑化について必要な事柄について取り決めをすること。
歴史街道計画・総
:伊勢、飛鳥、奈良、京都、大阪、神戸を結ぶ軸をメインルートに日本を代表する歴史
文化を活用し「日本文化の発信基地づくり」「新しい余暇ゾーンづくり」「歴史文化
を活かした地域づくり」をめざす計画。
- 217 -
資料
用語の解説
歴史公園
:伝統的・文化的な意義のある史跡、名勝、天然記念物等を有する土地を修景、便益施
設、植栽等により保全しつつ、広く人々の利用に供することを目的とする公園。
レクリエーション
:仕事や勉強などの精神的・肉体的な疲れを、休養や娯楽によって癒すこと。
連携軸
:交通基盤(道路)や交通機関、あるいは人の流れによって形成されるつながり。
ロードサイド型
:幹線道路(P198 参照)の沿道に立地し、自動車に関するサービスやその他自動車利用
による来店を主とする形態。
【アルファベット】
IT
:情報技術。Information Technology の略。
NPO
:行政・企業とは別に社会的活動をする非営利の民間組織。Nonprofit Organization の
略。
UR賃貸住宅
:独立行政法人都市再生機構が扱っている賃貸住宅の通称で、かつての「公団住宅」を
さす。都市再生機構は、民間による都市再生や地方公共団体等との連携による全国都
市再生の推進を図っている。
- 218 -