PALROの設定

「PALRO
ちょっとコマンダー」を使ったプログラミングの例
2015年6月8日
次のような簡単な手続きでパルロを動かせます。
行番号
動きの内容
図1
質問する場合の例
資料:富士ソフト「PALRO ちょっと COMMANDER」を使って池田誠作成
図2
話しながらモーションをする場合の例
資料:富士ソフト「PALROちょっとCOMMANDER」を使って池田誠作成
1.世界の人口
2.出生者数
3.死亡者数
4.世界の経済GDP
5.経済的豊かさと出生の関係
6.経済的豊かさと死亡の関係
7.資源・エネルギーの消費量
8.資源・エネルギーの残存量
9.資源・エネルギーの希少化に伴う制約
10.温暖化ガスGHGの排出量
11.温暖化ガスGHGの大気中の蓄積量
12.温暖化ガスGHGの吸収量(森林や海等)
1
池田誠
13.地球の気温上昇
14.温暖化・異常気象等と死亡の関係
2
3
10.「システム思考で問題解決」を試してみましょう。
11.座る
12.この講義で使っている「地球環境モデル」を例に試してみましょう。よろしいです
か?
では、はじめます。13へ
それでは、また、次の機会に試してみてください。160へ
4
13.それでは、今日の講義資料を、用意して下さい。学籍番号と氏名を記入して下さい。
5秒待ちますね。しっかり書いて下さい。
14.一時停止
20.それでは、始めましょう。「地球環境モデル」というタイトルを書いてみて下さい。
練習ですので、ゆっくりで結構です。地球、環境、モデルです。できましたか。
30.それでは、地球環境問題の構造について考えてみましょう。図1を見て下さい。用
意はいいですか?
40.1番目に「世界の人口」と書いて下さい。「世界の人口」や「世界人口」、単に「人
口」だけでも良いです。
41.2番目の要因は、人口を増加させる要因です。何か分かりますか。
「出生者数」と書
いて下さい。生まれる子供の数です。人口が増えると、生まれる子供の数も増えます。人
口から矢印が出生者数に入っているのは、生まれる子供の数を決定する要因として人口が
一番大切であると考えているからです。そして、生まれた子供は、人口としてカウントさ
れるので、人口に「せい」の矢印で加えられます。ここまで、よろしいですか。
42.次は、3番目の箱です。もう、何が来るか分かった学生は書いてみてください。そ
うです。
「死亡者数」ですね。死亡者数も、人口が多ければ多いほど多くなります。そのた
め、人口から矢印が死亡者数に向いています。人口の情報をもとに、死亡者数を計算する
ために必要な矢印です。死亡者数は、人口を減らしますから、人口への矢印は「ふ」にな
ります。
43.せいか、ふか、つまり、プラスか、マイナスかは、出生者数と死亡者数と人口の関
係でそれぞれ決まります。出生者数が増えれば、人口が増えるので、せいの関係、プラス
の関係となります。逆に、死亡者数が増えると人口は減りますので、フの関係、マイナス
の関係になります。分かりましたでしょうか?
50.ここで、少し、システム思考の補足をします。人口は「ストック」、出生者数と死亡
者数は「フロー」という違いがあります。この違いは、分かりますか?「ストック」は、
「蓄積」の意味ですね。時点を決めれば、計れる量のことです。例えば、水槽の水の量も
ストックです。今、何リットルの水があるか、計れば答えることができます。
51.それに対して、「フロー」は、「流れる量」の意味ですので、ある時間間隔を決めな
いと計れない量です。例えば、出生者数は、一日に何人生まれたか、一か月間や一年間な
ど、期間を区切らないと数えられないですね。死亡者数も同じです。先ほどの、水槽の例
では、入ってくる水の量や、流れ出す水の量は、いっぷんかんに何リットルとか、一時間
当たり何リットルとかで、計れる量です。
52.ストックとフローの違いがわかりましたでしょうか?
システム思考で、モデル
を作成するときに、とても重要な区分ですので、しっかりと覚えておいて下さいね。
次
の4番目の箱に進みましょう。この箱には、世界の経済、GDP と書き入れて下さい。人口
から、いきなり経済につなげるのは、多少無理があるかもしれません。少し詳しく説明を
してみましょう。
53.人口が増えれば労働力や消費者が増えて、経済が活発になります。もちろん、その
ためには、一人当たりの生産性が上昇して、所得が増加して、消費が可能になっていなけ
5
ればなりませんね。そのような前提が隠れている図、あるいは、省略されている図である
と理解して下さい。
54.5番目の箱に行きましょう。経済活動が活発になると、一人当たり GDP が上昇しま
す。それと併せて、女性の地位が向上すると、女性は教育や社会参加、仕事のために、子
供の数を少なくしようとします。国連のミレニアム開発目標でも、女性の地位の向上や、
ジェンダー、教育などが、重視されている理由の一つです。
55.従って、経済が発展すると、出生率が低下して、世界の人口も、日本やその他の先
進国と同じように、人口の増加が低くなったり、人口が減少したりします。いかがですか?
理解できましたか?
Yes. 良かった。続けますね。6番目は「経済と死亡者数の関係」です。これは、もう、
分かりますね。経済が発展すると医療や公衆衛生、福祉などが充実して、死亡者数は、減
少しますね。
No, もう少しですので、頑張って聞いていてください。
60.次は、経済とエネルギーの関係に進みます。経済活動は、様々な要因によって支え
られていますが、その中の重要な要因の一つに資源やエネルギーがあります。特に石油は、
重要な役割を担っています。このような、資源やエネルギーの枯渇や制約についても、既
に、シミュレーションで体験してもらいましたね。
70.では、7番目の箱に入る言葉は、分かりますね。
「資源・エネルギーの消費量」です。
「資源・エネルギー」の「消費量」や「使用量」、「需要」などというような言葉が入って
いれば正解です。次の8番目は、ストックの箱ですが、分かりますね。
「資源・エネルギー
のざんぞん量」です。どれだけ残っているか、
「ざんぞん量」とか「賦存量」とか「埋蔵量」
などのような言葉が入れば正解です。
71.9番目の箱は、ちょっと難しいですが、
「資源・エネルギーの希少化に伴う制約」で
す。「希少化」とは少なくなるということですので、「枯渇化」でも、単に「減少」でも良
いです。
「制約」は、供給量の減少や、価格の上昇などで、簡単に手に入らなくなり、経済
活動の制約になると一般的には考えられていました。実際には、シェールオイルの開発な
ど非在来型の石油開発への投資で経済が活性化したので、経済や社会は難しいですね。
72.ここでは一応、一般的な見方に従って、資源の制約が、経済にマイナスの影響を与
えるという見方を取ることにします。次の箱は、10番目の箱です。これは、7番目の「資
源・エネルギーの消費」から発生しているので「温室効果ガス」、「GHG」が入ります。
G、H、Gは、グリーン、ハウス、ガスの略号ですね。これが、蓄積を表すストックの箱
に入っていますので、11番目の箱は何か分かりますね。簡単ですね。
80.はい、「温暖化ガス GHG の大気中の蓄積量」というような言葉が入れば正解です。
大気中の「蓄積量」でなくても、大気中の「濃度」でも正解です。12番目の箱は、温暖
化ガスを減らすマイナスの矢印が入っていますので、これも簡単に分かりますね。そうで
す。「温暖化ガス GHG の吸収量」が入ります。吸収量の代わりに、自然の浄化能力でも正
解です。森林や海などは、二酸化炭素など温暖化効果ガスを吸収し、減少させます。
90.13番目の箱は、
「地球の気温上昇」ですね。温暖化や、平均気温の上昇なども正解
です。14番目の箱は、
「温暖化・異常気象等と死亡の関係」が入ります。ここでも、途中
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を大幅に省略しています。温暖化が進むと、なぜ、死亡が増えるということにつながるの
か、考えてみてください。
91.一時停止
92.温暖化と死亡の関係がわかりましたか?気温が上がると熱中症になる。気温が上が
るとデング熱のような病気が増える。異常気象で災害が増える。異常気象で食物が取れな
くなる。海面が上昇して、住むところが無くなる。などなど、色々なことが思いつくと思
います。
100.以上が、地球環境モデルの大まかな構造です。このような考え方で、このモデル
はできています。複雑な問題でも、一つ一つのつながりを丁寧に考えていくことで、全体
の関係性や構造がみえてきます。このような思考方法がシステム思考です。社会システム
をシステム的に考える思考の方法が少しはわかりましたか?
Yes. そうですか。よかった。
No. そうですか。130へ
110.それでは、あなたもシステム思考のファンの一人になりましたね。
120.150へジャンプ
130.残念ですが、もう少し詳しい説明が必要だったようですね。また、別の機会に、
違う事例をもとに説明します。
140.そのときには、もう少し簡単な説明方法を考えますね。楽しみにしていて下さい。
150.それでは、これで、私、パルロによる「システム思考で問題解決」の講義を終了
します。皆さんも、これから色々な問題で、試してみてください。楽しみに、待っていま
す!
151.バイバーイ
160.ToDoの終わり
7
削除したもの
このような人口や経済、資源、エネルギーなどが、相互に複雑に絡み合っているシステム
は、多重フィードバック・ループの構造、をしているといいます。
ちょっと難しい用語ですので、多重、フィードバック、ループを、分かり易く説明しまし
ょう。
因果関係が相互に関連して卵と鶏のような循環型のp構造をしている状態を、因果フィード
バック・ループ、つまり因果関係の輪っかと言います。
そうそう、フィードバックという言葉を初めて聞く学生もいるかもしれませんね。フィー
ドバックとは、もとに戻るという意味で、卵から鶏になり、また卵を産む、というような、
原因が結果を生み、結果がまた原因を生むような状態です。そのような因果関係がフィー
ドバックされるような循環、すなわち、ループが、いくつも重なっているシステムは、直
感や、単純な思考方法では、正しい答えを見つけられないことが良くあります。
先ほどの世界のモデルでは、経済が発展すると、人口が増加から、少しずつ減少に変わっ
ていくことが分かります。
また、経済が発展すると、資源やエネルギーは、たくさん必要になると思われます。しか
し、高度に発達した経済は、環境に配慮した社会になる可能性が高いので、CCSのような
炭素を回収する仕組みや、燃料電池などの水素社会、クリーンな再生可能エネルギーの社
会システムに転換することも可能になります。それが実現するかどうかは人々の意志や政
治にかかわるので、また別の問題です。
どうですか?
システム思考で、問題解決を考えてみる価値は、あると思いましたか?
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