CSR レポート 2015 社長メッセージ Message from the President 考えております。この考えに則り、モノづくりに取り組む企業と より良い未来に向かって、 して、安全・品質・環境・コンプライアンスといった経営基盤の 常に環境変化を見据えながら、 まず、従業員の安全を守ることは何よりも重要な使命でありま より力強く歩んでまいります 働災害が発生し、 その多くが再発でした。これを危機的状況と 強化に取り組んでおります。 す。 しかしながら、昨年度は歩行中の転倒などを含め多くの労 認識し、本年度は、安全ビジョン「Safety First 」No.1 JTEKT ー全ての災害は必ず防ぐことができる!ー を策定し、全役員を 株式会 社ジェイテクト 取 締 役 社長 安 形 哲夫 Te tsuo Ag a t a 筆頭に、全職場のリーダーが災害は必ず防ぐことができるとい う強い信念を持ち、労働災害撲滅に向け、安全・安心、明るく きれいな職場づくりの活動をさらに強化しております。 経営基盤のさらなる強化に向けて 次に、お客様から信頼され、安心を感じていただけるブランドを さらなる品質強化のためのトップ直轄組 目指し、2014 年 9月、 当社では、企業理念「モノづくりを通じて、人々の幸福と豊か 織を新設いたしました。品質管理の仕組みとして、企画、開発、 な社会づくりに貢献する」の実現に向け、 ステークホルダーと 設計、生産準備、生産に至る各段階での節目管理や製造現 の和を大切に誠実な事業活動を実践し、企業価値の持続的 場でのフロアマネジメントのさらなる改善を図り、スピード感を 向上に努めていくことが、企業の社会的責任(CSR) であると 持って活動を展開しております。 CSR Report 2 015 1 CSR レポート 2015 社長メッセージ 地球環境保全については、当社グループの各拠点における げたいと考えております。価値の創造者は従業員一人ひとりで 環境異常撲滅に向け、 グローバルでの管理体制強化を推進 あり、 グローバルでの多様な文化をお互いが理解し合うことで しております。CO 2 排出量削減については、2016 年度から 生まれる信頼関係を礎に、 チームで共通の価値観を持ち、一 2 0 2 0 年 度までの新たな目標を設 定し、国 際 社 会が目指す 人ひとりが生き生きと働くことが競争力の最大の源泉であると 「温室効果ガスの排出量を2050 年までに半減」の実現に貢 当社は考えております。現在、 グローバルで意見交換を行い、 献したいと考えております。 共有すべき価値観の明確化に取り組んでおりますが、 これが また、 コンプライアンスについては、すべての取締役・執行役 当社グループに広く、深く浸透することで、容易には真似できな 員および従業員に徹底させる取り組みを継続し、定期的にそ い当社らしさを確立し、当社の企業価値向上と人々の幸福と の状況を点検することで全員の意識向上を図っております。 豊かな社会づくりへの貢献につながるものと信じております。 従業員一人ひとりが大切にする価値観 中期経営計画を着実に推進 「ジェイテクトウェイ」の明確化 昨年度の世界経済は、新興国での成長鈍化が見られたもの 2 2016 年 1月に設立 10 周年という節目の年を迎えるにあたり、 の、米国では堅調な回復を維持し、欧州でも緩やかな回復が 当社グループ共通の思想的な基盤ともいえる 「ジェイテクトウ 続くなど、総じて底堅い動きを示しました。日本経済において ェイ」 を新たに策定いたします。目指す姿であるジェイテクトグ は、総じて堅調に推移しましたが、当社においては、消費税増 ループビジョン「 No.1 & Only One ーより良い未来に向かっ 税に伴う駆け込み需要の反動により、下期に自動車業界から てー 」の実現に向けて、当社の前身である光洋精工株式会 の需要減が顕在化しました。このような状況の中で、 グループ 社と豊田工機株式会社の両社で脈々と受け継がれてきた良 一丸となって中期経営計画を推進してまいりました。2014 年 き伝統、文化を積極的に取り入れ、新しいDNAとしてまとめ上 度末には、計画に対する進捗状況の評価と外部環境の変化 CSR Report 2 015 Message from the President コンプライアンス徹底の取り組み を織り込んで次年度以降の計画を更新いたしました(※)。 このように、変化に左右されない磐石な基盤を早期に確立し、 今後も真のグローバル企業としてさらに成長を続け、豊かな社 会づくりに貢献してまいりたいと思います。みなさまにおかれま しては、 これからも変わらぬご支援をお願い申しあげます。 当社グループでは、2011 年 7月に公正取引委員会 による立入検査を受け、 その後、独占禁止法違反の 認定を受けたことを厳粛に受け止め、 コンプライアン ス体制の強化を図るとともに、従業員一人ひとりが 意識を向上できるような施策に取り組んでおります。 また、各施策の運用状況について定期的に把握し、 ※[中期経営計画の概要] 現場の意見を反映した改善を積み重ねております。 自動車部品事業(ステアリング・駆動系部品) 取り組み状況 [目指す姿] “世界 No.1” “ 、Only One” へのこだわりを持ち、 お客様への価値を提供し 続けることで、市場をリードする存在として進化し続ける 【コンプライアンス点検】 コンプライアンスに関するマネジメントの状況を定期的 [主な事業戦略] ①グローバル商談対応力のさらなる強化 に点検し、各職場やグループ各社での課題を明確にす ②基幹部品戦略の加速(コラム/MCU ) るとともに全員の意識向上を図る。 ③下流アシストタイプの電動パワーステアリング事業の拡大 ④次世代高付加価値商品開発 ⑤北中米の工場再編 【コンプライアンス違反事例の集約と展開】 毎月、当社グループ内で発生したコンプライアンス違 軸受(ベアリング)事業 反事例 (事故・ヒヤリ) を集約し、経営会議で報告。 グル ープ会社へも展開し、 グループ全体で再発防止を図る。 [目指す姿] グローバル市場の伸びに追随し、体質の強化を図る [主な事業戦略] 【教育・啓発活動】 役員コンプライアンス研修 (2回/年) や、 昇格者を対象 ①構造改革の加速 ● 国内工場再編 ● 海外工場再編(欧州 / 中国) とした階層別教育、全営業担当者を対象とした巡回教 ②生産力/生産技術力の確立 育などを実施。 また、全従業員を対象に、身近な法律問 ③次世代高付加価値商品開発 ④産機・市販分野の拡販体制整備 題を事例やクイズに落とし込んだ 「コンプライアンス通 信」 を毎月発行し、 各職場での啓発活動に活用している。 工作機械・メカトロニクス事業 【法令遵守の宣誓書取得】 [目指す姿] 当社および当社グループの全営業担当者から、法令、 お客様から信頼される真の総合生産システムインテグレータ ∼モノづくりすべてのフェーズでバリューを提供∼ [主な事業戦略] 社内規程などを遵守する旨の宣誓書を2011 年 11月 以降毎年取得。2014 年度は当社の全従業員が法令 遵守の宣言実施。 ①画期的な原価低減 ②狙いを定めた受注活動と販売店との連携強化 ③次世代高付加価値商品開発 ④グローバルカスタマーサポート強化 【同業他社との接触に関する報告】 同業他社と接触する場合の事前申請・事後報告を 2011 年 11月以降、全営業に対し義務づけ (現在は、 機 能軸 全従業員にも義務づけ) 。 コンプライアンス推進室が報 財務基盤 有利子負債削減・戦略資金確保へ 告を受け、都度、 その状況を確認している。2014 年度 ①グローバル資金平準化 は報告手続きの効率化のためのワークフロー化を実施。 ②滞留資産・低採算事業資産の整理 ③棚卸資産最適化 ④投資原単位削減 【腐敗行為(贈収賄)防止】 2014 年 6月に社内規程「腐敗行為(贈収賄)防止規 業務改革 ①グループ全間接部門で日常業務の標準化/レベルアップ 準」 を施行し、2015 年 1月には「腐敗行為(贈収賄)防 止ガイドライン」 を発刊。 トップメッセージの発信や、各 人材育成 ①グローバルサクセッションプランの策定(後継者育成) 種研修での周知など、全従業員への徹底を図っている。 ②社内教育体制の整備 M_05 関連記事 CSR Report 2 015 3
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