平成27年度金ケ崎町施政方針 本日ここに、今年度、最初の町議会定例

平成27年度金ケ崎町施政方針
本日ここに、今年度、最初の町議会定例会が開催されるにあたり、町政の基
本方針及び主要な施策について、その所信の一端を申し上げます。
【 はじめに 】
我が国の経済状況は、円安の進行やアベノミクス効果によりデフレからの脱
却や株価上昇など、経済成長に明るさを取り戻しつつあるものの、地方への波
及効果は依然として不透明な状況が続いております。
一方、地方自治体を取り巻く環境は、地方分権の進展や人口減少と超高齢化
がもたらす地域社会の変化、さらに格差社会の拡大など、行政需要の変容への
対応とともに、今まで以上のスピードで環境変化が生じていることを強く認識
し、危機感を持って取り組まなければならないと考えております。
このような中、昨年国では、人口減少や地域活性化への対応など地方創生を
推進するため、まち・ひと・しごと創生法の制定と創生本部の設置を行い、長
期ビジョンと総合戦略を決定しました。
当町においても、国の長期ビジョンや総合戦略を勘案し、地域資源を最大限
活かし、若い世代が安心して就労し、結婚、子育ての希望を実現できる町を目
指し、住民主役の活力ある金ケ崎町の発展のため、金ケ崎版総合戦略の策定を
進めます。策定にあたっては、第九次総合発展計画の最終年度のため、その締
めくくりと継続したまちづくりに向け、金ケ崎版総合戦略を包含した第十次総
合発展計画を策定します。
また、新町誕生 60 周年や町民憲章制定 45 周年等という記念の年でもあり、
住民と共に先人の努力を称え、共に喜びあう記念イベント等を開催いたします。
今年度予算は、第九次総合発展計画の締めくくり予算として、中期財政計画
のもと財政規律を堅持した中で、インフラ整備や産業と教育振興、若者定住対
策や持続可能な自立のまちづくりを進めるほか、団塊世代が前期高齢者となる
人口動態の変化にも配慮し、ライフステージに応じた保健、福祉、介護予防な
どの施策にも視点を置き、新たな課題への対応等最大限の事業を組み込むため、
財政調整基金等を取り崩しながら、予算編成をしました。その予算額は、一般
会計 81 億 9,630 万円、企業・特別会計 51 億 8,830 万 3 千円、総額 133 億 8,460
万 3 千円としたところであります。
以下、今年度の主な施策の概要について、第九次総合発展計画の重点プロジ
ェクトと基本施策に沿って申し上げます。
【重点プロジェクト】
はじめに第九次総合発展計画の重点プロジェクトについてであります。
「自然保護プロジェクト」については、平成 25、26 年度の2カ年にわたり
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環境省の委託を受け、「生物多様性かねがさき地域戦略」を県下に先がけて策
定いたしました。今年度については、戦略の普及に努めながら理解促進を図り、
金ケ崎町生物多様性地域連絡協議会とそれを構成する地域団体と共に戦略に
沿った事業を実施してまいります。
次に「安心子育てサポートプロジェクト」については、昨年度に策定した
「金ケ崎町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、出産から就学まで切れ目
のない子育て支援の充実を目指します。
具体的には、新規事業として「ファミリー・サポート・センター」の設置支
援や、「利用者支援事業」として、専門員を配置して保育施設や地域の子育て
支援情報等の提供、相談、助言等を行うとともに、関係機関との連絡調整等を
行ってまいります。
また、孤独な子育てをしている保護者への対応として、子育て支援センター
の職員体制と相談機能体制の充実にむけた支援を行い、育児に関する悩みの解
消に努めてまいります。
従来から行ってきた新生児へのチャイルドシート購入及び任意予防接種で
ある「おたふく・小児インフル」に対する一部助成や、不妊に悩む家庭に対す
る特定不妊治療費助成を今年度も継続して行います。
同様に療育教室事業を継続し、発達支援が必要な子どもに対してことばの発
達や社会適応力を促すとともに、保護者の不安や悩みなどへの相談機能を高め
てまいります。
次に「元気農業プロジェクト」については、昨年の米の直接支払交付金の減
額と米価下落など、依然として厳しい農業情勢を踏まえ、農業経営の安定化に
向けて、農畜産物の販路拡大対策、生産拡大対策、農地集積の推進等を行うと
ともに、地域の営農計画として策定している地域農業マスタープランの実践を
通じて、町内全体で地域農業を推進していきます。
複合経営による農家所得の確保については、土地利用作物や園芸作物の生産
基盤の確立を図るため、国、県等の各種補助事業等を活用しながら、機械やパ
イプハウス等の導入を推進してまいります。
次に、農業経営者の育成については、優れた経営感覚、広い見識、確立され
た農業技術等総合的な知識と、技術を持合せた経営体が地域に存在することが
必要です。このような地域の農業者を確保していくため、農業経営塾を継続し、
総合的な知識、技術、経営感覚等を学ぶ場を設定いたします。
また、新たな金ケ崎町農業を支える新規農業者の支援策として今年度も青年
就農給付金制度を活用し、農家の子弟、新たな農業者の発掘を支援してまいり
ます。
法人化を目指す集落営農組織に対しては、条件が整った団体から法人化に向
けた支援を行ってまいります。また、関係機関と連携しながら経営、経理等の
実務研修等その支援策も実践してまいります。
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次に「特産品ブランド化プロジェクト」については、継続して意欲ある農業
者及び農業団体が行う特産品開発や、販売に向けた取組みを支援し、地元農産
物等に付加価値を見出すとともに、新たな商品としての販売展開方法等の検討
等、農業者の「やる気」を支援してまいります。
また、アスパラガスについては、金ケ崎町アスパラガス栽培研究会を中心に
さらなる振興を図り、将来の年間販売金額1億円を目指した取組みを今年度も
精力的に実践してまいります。あわせて、アスパラ収穫祭の開催や首都圏での
トップセールスを継続してまいります。
最後に、「元気 100 歳プロジェクト」について申し上げます。
元気 100 歳プロジェクトは町民、関係団体、行政が一体となり、町民の健康
寿命延伸を目的に進めてまいりました。今年度は、柱となる食、運動、検診の
取組みについて継続強化を図ります。
健康で生きがいを持ち、安心して豊かな生活を送れる状態を、健康の「健」
と「幸せ」という文字を併せて「健幸」と位置づけ、町民の健幸増進と社会参
加を推進する健幸長寿のまちづくりに取組みます。公民館等を活用し、身近な
地域における食育や生活習慣病予防教室の充実を図るとともに、金ケ崎スポー
ツクラブと連携して「健幸塾」を開催し、住民主体の健幸づくりをすすめます。
特に、運動においては「歩く」ことを基本とした健康づくりを計画的に推進す
るため、歩行調査を実施するほか、ノルディックウオーキングの普及をすすめ、
ノルディックウオーキングフェスタ in 金ケ崎を開催します。
【基本施策】
次に基本目標ごとに申し上げます。
基本目標の第1、「快適に暮らし続けられるまちづくり」についてでありま
す。
はじめに、
「快適なまちなみ、むらなみ空間の整備」について申し上げます。
町のまちづくりと土地利用については、自然環境の保全と良好な景観の維持
を図りながら進めてまいります。一方で、昨年度の土地利用可能性調査の報告
のもと、人口減少社会を見据えた町全体の土地利用について具体的に検討して
まいります。
次に、「利便性豊かな町民生活の基盤整備」について申し上げます。
公共交通については、田園バスの利便性向上のため、統一運行ダイヤへ変更
を行いました。今後も、要望を踏まえ利便性の向上に努めてまいります。
道路整備については、町道荒巻・東町線拡幅整備事業とともに、一般国道4
号三ケ尻地区交差点改良整備事業とあわせて行う町道南花沢・前野線交差点工
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事の今年度完成を目指してまいります。
なお、国道4号の4車線化については、早期実現に向け引き続き国、県に対
して強力に要望してまいります。
また、平成 28 年4月の県道昇格、移管に向けて補修してきた蟹子沢・若柳
線や南花沢・前野線等の補修を継続してまいります。
橋梁については、橋梁長寿命化・修繕計画に基づき、橋梁補修工事を実施し
てまいります。
除雪については、今年度もロータリー除雪機械の導入及び車庫を新築し効率
的な除雪体制を強化してまいります。
次に、「災害に強く、犯罪・交通事故のないまちづくり」について申し上げ
ます。
防災体制については、消防力整備計画に基づき、消防屯所1棟を改築するほ
か、すべての防災有線柱の撤去、消防団無線機及び町防災無線のデジタル化へ
の更新等、防災環境の整備を進めてまいります。また、今年7月に県総合防災
訓練が当町及び奥州市を会場に開催されることから、訓練想定地区住民はもち
ろん、小学生や自主防災組織への積極的な参加の呼びかけを通じて、より実践
的な訓練を実施してまいります。さらには、例年実施している町内自主防災組
織リーダー研修会の開催や各地区自主防災組織の独自訓練の奨励などを通じ
て地域防災力の強化を図ってまいります。
次に消防・防災活動に欠かせない消防団員の確保については、自治会の協
力・理解を得ながら進めていくほか、新たに女性団員加入を促進し、協力事業
所制度の活用や役場職員の入団促進など、さまざまな方面から加入の促進を図
ってまいります。
また、昨年広島市で発生した土砂災害を受け、町内の土石流危険渓流区域及
び急傾斜地崩壊危険個所で行った基礎調査について、今年度は調査が終了した
箇所の説明会を県と合同で実施し、近隣住民とともに区域指定も含め安全確保
に向けた対応に努めてまいります。
防犯対策については、警察等の関係機関との連携した活動により当町の犯罪
発生件数は減少傾向にありますが、全国的には高齢者を対象とした振込め詐欺
等の特殊詐欺被害が多発しており、当町においても未然防止のため、関係機関
と一体となり街頭活動など抑止活動に取組みます。
交通安全対策については、高齢者を対象とした交通安全教室や反射材貼付活
動を実施し、高齢者の事故防止を図るとともに、
「交通事故死者0(ゼロ)」と
「飲酒運転撲滅」に向けて、警察等関係機関や各行政区の交通事故撲滅推進員
等と協力して、街頭活動を実施してまいります。
また、交通事故が危ぶまれる箇所の施設点検を行い、信号機や横断歩道等の
交通安全施設の設置について、関係機関に要望し交通環境の改善に取り組んで
まいります。
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次に「生活環境の保全による快適なまちづくり」について申し上げます。
ごみの減量化とリサイクル率の向上を促進するため、リサイクルキャラクタ
ーを活用したリサイクル教室や、自治会や6生活圏ごとの「ごみとリサイクル
学習会」の開催とともに、古着のリサイクル回収を今年度も継続して実施し、
リサイクル率の向上に努めてまいります。このほか、従来不燃ごみとして扱っ
てきた小型家電については、近隣市町の動向や需要調査等によりリサイクル回
収の検討をしてまいります。
また、公害対策については、環境保全協定締結事業所との協定内容に基づき、
定期的な監視測定、報告をうけ未然防止に努めてまいります。
不法投棄者や不適切排出者に対しては、地区の環境保全推進員や環境監視指
導員、さらに警察や保健所と連携を図りながら、指導、監視を徹底します。
次に、下水道3事業については、加入者の拡大を進めながら、普及率 92.7%
を目指します。昨年度に引き続き、下水道施設及び農業集落排水施設の老朽度
合いを確認する機能診断調査を実施し、計画的な施設更新を図るために最適整
備構想の策定を進めます。
さらに、平成 28 年度から予定している下水道3事業の地方公営企業法適用
に向けた会計移行の準備を進め、経営状況の実態を住民に示してまいります。
水道事業については、安全な水を安定的に供給するため、施設等の適正な保
守点検・維持管理を継続するとともに、老朽設備や老朽管の計画的な更新を進
めます。
今年度から料金徴収業務の民間委託を実施することにより、さらなる経費節
減と収納率向上など水道事業の健全運営に努めてまいります。
また、ボトルドウォーター「金が咲しずくちゃん」を通して、おいしく安全
な水道水を内外にPRしてまいります。
次に、「自然環境の保全によるみどり豊かなまちづくり」について申し上げ
ます。
今年度も、一般家庭への太陽光発電設置費用に対する補助を継続し、再生可
能エネルギーの普及に努めてまいります。また、災害時など既存のエネルギー
供給が寸断された場合においても、住民生活や生産活動が継続できるようにす
るため、エネルギーの自給やエネルギーの融通等も含め、行政、企業、住民の
それぞれの担うべき役割を示しながら、金ケ崎町らしいエネルギービジョンに
ついて検討を進めてまいります。
次に「放射性物質拡散対応」について申し上げます。
町民の安心・安全を確保するため、今後も町内の放射性物質濃度の測定を定
期的に実施し、その測定結果については、町民のみなさまにお知らせしてまい
ります。
また、平成 23 年度産の放射性物質汚染牧草の焼却については、環境省と協
議を行い、汚染物を焼却するために裁断する処理施設の設置と今年8月から開
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始予定としている焼却処理の実現を目指してまいります。
基本目標の第2、「健やかでやすらぎのあるまちづくり」についてでありま
す。
はじめに、「健康増進対策の充実」について申し上げます。
妊娠、出産、乳幼児期を通じて母子の健康が確保されるよう乳幼児健診、訪
問指導等を行います。特に親の育児不安解消及び虐待の発生予防の観点から、
育児相談等の充実を図り、妊娠期からの切れ目のない支援を行います。また、
子どものむし歯予防を目的としたフッ化物洗口の対象を拡大し、幼児及び学童
の歯と口の健康を守ります。
生活習慣病対策としては、検診受診者の拡大を図り、特に脱脳卒中事業につ
いては、昨年に引き続き、岩手県、国立循環器病研究センターと連携し、減塩、
運動、FAST(脳卒中で起こる典型的な3つの症状の部位「フェイス・顔、
アーム・腕、スピーチ・言葉」と「発症時刻タイム」の頭文字を組み合わせた
言葉)の普及に取組みます。また、減塩については、慢性腎臓病検診を実施し
て意識付けを行うとともに、食生活改善推進員協議会や減塩弁当を提供する団
体との連携により、地域で継続して普及に努めるほか、今年度は家庭単位の減
塩運動を強化してまいります。
検診受診者拡大については、検診の必要性を周知する機会を増やし、検診の
動機づけをしながら、元気 100 歳推進員とともに進めてまいります。働き盛り
を襲うがん対策については、がん検診のみの日程を設定して待ち時間の短縮を
図るほか、予防医学協会県南センターで行う個別検診の実施期間を1カ月延長
します。特定健診は、今年度新たに追加健診を実施し、受診機会の拡大を図り
ます。また、今年6月に「金ケ崎町健幸増進月間」を設定し、健康教室の開催、
広報等を強化し、検診受診者の拡大に努めてまいります。
精神保健対策については、自殺対策推進協議会を開催し、こころの健康づく
りと自殺予防に係る効果的な施策を協議するとともに、地域のつながりを重視
した包括的なこころの健康づくりに努めます。
次に、「医療の充実」について申し上げます。
金ケ崎診療所は、今年度も早朝診療、土曜日診療、各種健康診断、町内企業
の産業医の受託等、従来のサービスの提供を継続して行い、保健、福祉、介護、
医療の連携のもと、地域医療を推進してまいります。
また、医療相談、先端医療を担う医師を招いての講演会、診療所医師や看護
師による講演を実施し、保健活動と連携をとりながら、町民の健康への関心を
深めていきます。特に、町内医療機関と連携し、広報等により「かかりつけ医」
の定着を図ります。
訪問看護ステーションと連携を図り、終末期の患者や通院が困難な利用者に
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対しては、訪問診療や在宅での看取りを拡大し、地域包括ケアの充実に努めま
す。
歯科診療所については、訪問診療を積極的に継続して実施するとともに、特
に、診療所の特色である医科歯科連携をより一層すすめることで、心疾患や糖
尿病などの全身疾患の予防につながる口腔ケアを推進します。
診療体制は、現在の常勤医師3名、歯科医師1名の体制を堅持いたします。
婦人科、神経内科については、岩手医科大学から専門医を派遣いただき、引き
続き月2回の診療応援を予定しています。近隣の県立病院をはじめとする医療
機関と連携を密に行い、将来にわたる地域医療の継続に努めてまいります。
診療所建設については、平成 29 年度中の診療開始を目指し、利便性の高い
地域医療を提供できる施設として実施設計等を進めてまいります。
次に、「地域福祉の充実」について申し上げます。
高齢者をはじめ誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らすことができる地域
づくりの実現を目的に策定した「金ケ崎町地域福祉計画」については、平成 28
年度に向け見直しを行い、地域福祉を推進するうえで重要な役割を担う、町社
会福祉協議会が策定した「地域福祉活動計画」と一体的に地域福祉の充実を図
ります。
特にも、高齢者一人暮らしの安否等生活支援を推進するため、平成 25 年6
月からスタートした「金ケ崎町地域見守りネットワーク」の充実を図るととも
に、自治会等での見守り体制の充実に向けワークショップ等を開催し、地域住
民による見守りネットワークの構築を目指し、重点的に取り組んでまいります。
また、今年4月から始まる生活困窮者自立支援制度については、県南広域振
興局と連携を図りながら支援をしてまいります。
次に、「児童福祉の充実」について申し上げます。
保育園の待機児童数が生じないように取組むとともに、幼稚園・保育園の保
育料の第3子以降無料化を実施します。
近年、問題が複雑化してきている児童虐待については、その防止に向け「要保
護児童対策地域協議会」を中心に広報啓発、講演会の開催や関係機関と連携し
早期発見・早期対応に努めてまいります。
次に、「障がい者福祉の充実」について申し上げます。
障がいのある人が持てる能力を充分に発揮し、その人がその人らしく生きる
ために、障がいのある人が希望する地域でサービスを利用できるように県及び
近隣市町と連携しながら、必要な情報の提供・周知に努めます。
また、サービス提供事業者に対し、サービス利用者の動向やサービス内容等
に関する情報提供を行い、事業参入を促進し、一般就労の移行が円滑に進むよ
う配慮したサービス提供に努めます。
さらに、障がいのある人の一般就労促進に向けて、その支援に向けた課題を
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把握するとともに、公共職業安定所、障害者就業・生活支援センターとの連携
を強化し、雇用に係る情報提供に努めます。
子どもとその保護者への個々に応じた支援を図るため、幼児期から成人期に
至るまでの成長等を記録していく「相談支援ファイル」を作成し、保護者と関
係者とが情報を共有化することで一貫した支援ができる体制づくりに努めて
きました。今後は、幼稚園、保育園、小学校等の関係機関の協力と一層の周知
を図りながら、ファイル活用を推進し、スムーズな支援が受けられるように努
めてまいります。
また、発達障がい等について、広く住民を対象とした講演会を開催し、理解
者の拡大に努めるとともに、町で開催されるイベント等において、授産商品の
販売を通して交流機会の拡大を図ってまいります。
次に、「高齢者福祉の充実」について申し上げます。
今年度から平成 29 年度までを計画期間とする金ケ崎町高齢者福祉計画・第
6期介護保険事業計画がスタートいたします。当該計画においては、「認知症
支援策の充実」
「医療と介護の連携」
「生活支援サービスの充実」などを重点的
に取組むべき事項としております。
認知症支援策の充実については、認知症の人の意思が尊重され、できる限り
住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けられることができるよう
に施策を順次展開してまいります。今年度は、徘徊により行方不明となった場
合に、速やかに発見・保護できる仕組みづくりとして、「徘徊SOSネットワ
ーク事業」に取組みます。
次に、医療と介護の連携については、地域の医療・介護資源の把握に取組み、
相互のサービス内容を集約し共有を図ってまいります。
生活支援サービスの充実については、地域支援事業の介護予防・日常生活支
援総合事業として、平成 29 年4月までには要支援者への訪問介護、通所介護
も含めた多様なサービスを提供することが求められております。このため、今
年度は、社会福祉協議会、介護保険事業所、老人クラブ、シルバー人材センタ
ーなどの参画をいただきながら協議の場を設け、多様な主体による多様なサー
ビス体制の整備に向けた協議を進めてまいります。
これらの推進の中核をなすのは、金ケ崎町地域包括支援センターであり、そ
の機能強化を図る観点から、「地域包括支援センター専門相談員」を1名増員
し対応してまいります。
最後に「復興支援」について申し上げます。
東日本大震災に係る復興支援に関しては、平成 24 年度から実施している町
内各団体によるボランティア活動に対する「復興いわて活動補助金」や、住宅
を建設または購入などに対する早期の生活再建を目的とした「住宅再建補助金」
を今年度も継続し、被災者の経済的負担の軽減に努めてまいります。
また、町独自の被災者支援となる、住民票交付手数料、町立幼稚園入園料及
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び保育料の免除や上・下水道料の減免について継続してまいります。
このほかにも、東日本大震災が発災した3月 11 日には、犠牲者への哀悼の
意をささげるとともに、被災地の早期復興を願い今年度も追悼式を開催いたし
ます。
基本目標の第3、
「産業の振興で活力あるまちづくり」についてであります。
はじめに「活力ある農林業づくりの推進」について申し上げます。
今年度は、経営所得安定対策の見直しなどの農業政策が見直されて 2 年目と
なります。依然として厳しい農業情勢ではありますが、今年度も主食用米と、
加工用米等の新規需要米を組み合わせながら米の生産を推進し、優良な米生産
地として稲作経営を支援してまいります。また、作物栽培の基本である土づく
りを推進することとし、耕畜連携も視野に入れ検討してまいります。
次に、地域内農地の維持に関しては、日本型直接支払制度の多面的機能支払
制度を活用し、地域住民の集落コミュニティの発揮、協力により集落内農用地
の将来にわたる維持・発展に対する支援を行なってまいります。一方で、多面
的機能支払制度を未活用の集落についても、改めて希望調査を実施し対応をし
てまいります。
次に、生産組織化の推進については、集落内の話合いのもと地域内農地の維
持発展が図られるよう、多面的機能支払交付金制度等を活用した地域の支援を
実施してまいります。実施にあたっては、兼業農家等の経営も必要不可欠なも
のとなっていることから、集落内農業者等が協力して取組みが行えるよう併せ
て支援を行ってまいります。
なお、課題となっている耕作放棄地解消対策については、農業委員会をはじ
め、県や町農業再生協議会等関係機関と連携し、積極的な耕作への誘導を図る
ほか、町単独事業である「金ケ崎町耕作放棄地解消対策事業」及び「農地中間
管理事業」を活用し、解消に努めてまいります。
また、畜産振興に関しては飼育農家の高齢化等により繁殖農家、肥育農家の
減少が続いているところでもあり、奥州牛金ケ崎産の産地を確保するため、飼
育農家の発掘と、技術継承対策を図ってまいります。また、平成 29 年に宮城
県で開催される全国和牛能力共進会に向けて、昨年度から上位入賞に向けた優
良牛の生産対策を継続してまいります。県内有数の酪農業については、良質な
原乳の産地として、そのブランド価値を高めてまいります。
林業振興については、森林整備計画に基づき森林の有する多様な機能が十分
発揮されるよう、適切な森林整備の推進に努め、登山や自然散策による森林浴、
山菜採取などの利用、さらには、優れた景観を活かした観光資源としての利用
など、地域振興・活性化に向けた活用の取組みを進めてまいります。
また、原子力発電所事故に伴う町内産農産物の放射能測定については、今年
度も引き続き生産者からの申請により測定を実施してまいります。
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次に「活力ある商工業づくりの推進」について申し上げます。
商業については、金ケ崎駅前の活性化として、従来より地元企業と連携した
ビール祭りや食のイベントを実施した結果、多くの来訪者で賑わいました。引
き続き今年度も各イベントを支援してまいります。金ケ崎駅前のイベント広場
については、土曜日と日曜日を中心に貸し出しを行い、イベント等に活用して
頂き、商業の活性化につなげたいと考えております。また、商店街等の空き店
舗対策として、町内で新たに事業を開始しようとする個人・法人・団体に対し、
店舗改修費及び設備工事費を支援する金ケ崎町空き店舗活用補助金を今年度
も継続し、支援を行ってまいります。また、平成 27 年度へ事業繰越する国の
交付金を利用した「プレミアム商品券」を発行し商業の活性化に努めてまいり
ます。
工業については、自動車、半導体製品、医薬品など東北経済をリードする岩
手中部(金ケ崎)工業団地立地企業をはじめとした町内立地企業のフォローア
ップを第一に、円滑な事業展開へのサポートを進め、増設等の規模拡大に対す
る支援も併せて行うことで、町内の雇用、生産年齢人口の維持拡大に努めてま
いります。また、町道荒巻・東町線が開通することによる物流面での新たな効
果を発信しながら、自動車関連産業等の誘致活動を継続してまいります。
さらに、町内で生産されたハイブリッドカー購入補助金を、裾野の広い自動
車関連産業の雇用維持拡大や、環境負荷軽減への一助として継続してまいりま
す。
中小企業支援については、設備・運転資金や開業に際しての負担軽減支援を
行ってまいります。
また、町内ものづくり産業の振興を図るため、北上市と連携した地域ものづ
くりイベント開催のほか、新たに「展示会出展事業費補助金」を創設し、町内
中小ものづくり事業者の販路拡大活動に対する支援を行ってまいります。
国際リニアコライダー(ILC)については、東北ILC推進協議会や岩手
県国際リニアコライダー推進協議会への加入を継続し、近隣自治体と連携をと
りながら、誘致実現に向けて取り組んでまいります。また、今年度は中学生へ
の出前授業を始め、町民を対象としたILC講演会等を開催しながら、ILC
への理解醸成に努めてまいります。企業参入については、今年度新たに発足す
る「いわて加速器関連産業研究会」への加入を町内企業への呼びかけながら対
応してまいります。
次に「観光資源を活かしたまちづくりの推進」について申し上げます。
観光については、町観光協会と連携しながら観光交流基本計画を推進し、旅
行業者等へ「城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区」をはじめとする町内
歴史施設等の売り込みを図り、当町の観光イメージ定着に取り組んでまいりま
す。
また、希望郷いわて国体にかかるイベント等において、町内歴史施設と温泉
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施設等の情報を併せて発信することにより観光関連施設の利用を促し、交流人
口の拡大を図ってまいります。
そのほか、県や県観光協会が中心となって行う「いわて観光キャンペーン」
等の事業に協賛し、関係団体と一体となって観光客の誘致を推進するほか、金
ケ崎町の観光資源のPRに努めてまいります。
特産品については、東北農政局消費者展示コーナーを活用してPRするほか、
さまざまなイベント等を活用して発信し、特産品PRに努めてまいります。
次に「若者が暮らしたいと思うまちづくりの推進」について申し上げます。
若者が暮らすために最も大きな要因は、雇用の場の確保です。町内企業や水
沢公共職業安定所、近郊の高等学校等と連携した新規卒業者支援のほか、若者
へ住みよい町の魅力を発信し、Uターン、Iターン、Jターンの求職者を支援
します。
引き続き「花北・胆江地域合同就職ガイダンス」を開催し、企業と求職者の
マッチングの場を拡大し雇用対策を進めてまいります。
町内への定住支援の取組みについては、持ち家を建てる方に最大で3パーセ
ントの利息相当分を3年間支援する「住宅建設資金金利負担軽減補助」を継続
し、住宅取得を支援します。
さらに、ふるさと回帰支援センターが実施するふるさと回帰フェアの自治体
相談ブースへの出展や、自治体向けセミナーの参加を検討するとともに、国が
人口減少対策として設置予定の(仮称)全国移住促進センターと連携を図りな
がら、具体的な支援を検討してまいります。
町が引き継ぐ(旧)土地開発公社分譲地の販売事業については、近隣のハウス
メーカーや、不動産業者と積極的に情報交換を図るとともに、町外に対しても、
ふるさと回帰フェア等のイベントを通じた販売促進PRを検討してまいりま
す。
このほか、県南広域振興局と管内市町合同による首都圏からの移住を促進す
るフェアへの参加や、移住ツアーを実施します。
また、婚活支援については、金が咲き婚活協議会が行う婚活イベントのほか、
結婚相談や仲人活動を行う相談所を開所いたします。岩手県においても、今年
度から、(仮称)いわて結婚支援センターを設置することから、連携しながら
婚活支援を進めてまいります。
基本目標の第4、「豊かな心を育てるまちづくり」についてであります。
はじめに、「未来を担う次世代の育成」について申し上げます。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正に伴い、総合教育会議
を立ち上げ、情報共有等を行いながら、教育委員会との連携強化等に努めてま
いります。
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学校教育においては、「確かな学力の育成」と「英語教育の充実」、「体力・
運動能力の向上」について、教育委員会と連携を図りながら重点的に取り組ん
でまいります。
「確かな学力の育成」については、学力の向上に努めるほか、家庭・学校・
地域のより一層の協働による子どもの健全育成を図るため、これまでにも増し
た「開かれた学校づくり」の推進を図ってまいります。
「英語教育の充実」については、昨年度から文部科学省の教育特例校指定を
受け、町内全小学校の全学年で取り組んでいる英語活動の授業の一層の充実を
進めてまいります。また、幼稚園や保育園の幼少期から生の英語に触れさせて
いくとともに、中学校では、オールイングリッシュの授業を進めることを目指
してまいります。そのため、新たに英語指導助手を1名増員し、3名配置いた
します。また、英語検定の半額補助事業などを行いながら、英語に対する興味
関心が高まり、英語の力が身に付き、さらにはグローバルなものの見方や考え
方のできる、金ケ崎町の子どもたちを育てていくよう努めてまいります。
「体力・運動能力の向上」については、「元気 100 歳プロジェクト」に取組
む本町において健康的な生活習慣を身につけるため、健康教育の充実にも努め
てまいります。
また、家庭・学校・地域の協働により、確かな学力、豊かな人間性、健康・
体力の調和のとれた総合的な力である生きる力を備えた子供の育成ために、新
たな条例を制定し取り組んでまいります。
学校教育施設整備については、スクールバスの更新と、第一小学校と永岡小
学校に、既存の太陽光発電による発生電力を蓄電するため、蓄電池の整備と同
校体育館照明のLED化を実施いたします。また、三ケ尻小学校の体育館の床
補修や、三ケ尻幼稚園の屋根の塗装等教育環境整備に努めてまいります。
学校給食については、引き続き地産地消の推進に重点を置きながら、食材の
検査を継続実施し、安全安心でおいしい給食の提供に一層努めてまいります。
また、昨年度「金ケ崎町立学校給食センター検討委員会」から提出された報
告書をもとに、調理及び配送業務の民間委託について、実施に向けた検討を進
めてまいります。
次に「生涯教育の充実」について申し上げます。
「まちづくりはひとづくり」の生涯教育の基本理念のもと、町民が生涯にわ
たり健康で自由に学び、地域づくりに関わることができる環境と多様化する町
民の学習活動に対応するため、いつでも・どこでも・だれでも生涯を通じて学
習できる機会の充実に努めてまいります。
昨年度は、生涯教育の町宣言から 35 周年の節目を迎え、記念事業として「生
涯教育宣言の町から考える人づくり・まちづくりフォーラム」を開催し、30 周
年以後の5年間の取組みを振り返るとともに、40 周年に向けた取組みの3つの
柱である「子育・食育・地育」の事例発表などを通じ、学びを活かしたまちづ
くりの充実を確認し、今後、取組みを発展させていきたいと考えております。
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また、昨年設置した「金ケ崎町生涯教育研究センター」では、主体的な学び
の機会の充実と、学びを活かしたまちづくりを推進するための調査・研究を継
続し、課題や社会情勢の変化を踏まえ、学習機会の提供のあり方、住民参加の
あり方、地域ぐるみで子どもを育む取組みのあり方に焦点を絞り、調査・研究
を進め、まちづくり・ひとづくりを支える生涯教育の仕組みを構築してまいり
ます。
また、研究成果については、総合発展計画等に位置付け、学びを活かしたま
ちづくりへと繋げていくとともに、全国へ発信してまいります。
今後は、地区生涯教育センターが核となり、地域との連携や学びと地域づく
りの拠点としての活動を強化するため、各地区生涯教育センターの社会教育指
導員を1名増員し、2名体制とし地域住民が地域課題の解決に向けた学習を行
い、その成果を実践に繋げられるように支援してまいります。
次に、青少年の育成については、家庭教育、社会体験、自然体験、放課後子
供教室を実施します。また、たくましいかねがさきっ子の育成については、教
育委員会とも連携しながら推進してまいります。成人教育については、社会の
変化に対応するために必要な課題に関する講座や、郷土の歴史への関心や興味
を高める講座、さらには町民の自主的な企画による講座などを町民大学におい
て開催し、学んだ成果を地域の活性化や地域おこしに生かす取組みを支援しま
す。
また、英語学習の推進については、英会話力の向上のため、国際交流協会の
協力により、英会話教室の開催支援や英語キャンプを引き続き開催します。
次に芸術文化については、子どもの頃から親しめる機会を提供するため、青
少年劇場の開催と第7回町民劇場の開催を支援します。
また、日頃の活動成果を発表する場である金ケ崎町芸術文化協会による町民
芸術文化祭の開催を支援します。
町民の読書活動の推進については、さらに多くの町民各層が読書に親しんで
もらえる読書環境を整備します。特に幼児歓迎の日の設定、雑誌コーナーの拡
充、会議室を開放して様々な学習の場を提供する等幼児、児童や青壮年の方々
の幅広いニーズに応じたくつろぎやすく開放感のある環境をつくります。また、
児童生徒の読書活動推進のため、学校図書館の支援活動に取り組んでまいりま
す。
エミリィ・ディキンスン資料センターは、町民の国際感覚の一層の醸成を目
指していくため、詩の朗読発表会に中高生や一般町民とともに小学生も加えな
がら企画を展開してまいります。また、エミリィ・ディキンスンの詩や解説を
毎月ホームページ上で紹介するとともに企画情報等を全国に向けて発信して
まいります。
次に「健康で元気な暮らしの推進」について申し上げます。
いつでも・どこでも・だれでも手軽にできるスポーツの振興を図り、スポー
ツに親しむ町民の割合を高めるため、元気 100 歳プロジェクトとの連携の他、
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町スポーツ推進委員が、総合型スポーツクラブ及び各地区生涯教育センターの
協力を得て、各地域において出前講座による3分間ストレッチの普及やニュー
スポーツなど、さまざまな年代の多様なニーズに対応したスポーツ機会の提供
に努めながら、健康で元気な暮らしを推進してまいります。
今年度は、金ケ崎マラソン大会や町内一周駅伝大会、そして新町誕生 60 周
年を記念して金ケ崎町民運動会を開催します。
また、
体育協会が創立 60 周年を迎えることから各記念事業にかかる支援と、
スポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブも引き続き支援しながら、町スポ
ーツ全般にかかる指導者育成に取り組んでまいります。
次に、希望郷いわて国体のリハーサル大会である「第 67 回全日本総合女子
ソフトボール選手権大会」を花巻市と共催で開催し、本大会に向け、競技の円
滑な進行はもちろん、全国から訪れる選手や観客の皆さんを金ケ崎町らしい温
かい「おもてなしの心」で迎えられるよう「花いっぱい運動」や「あいさつ運
動」を展開するとともに、参加チームの応援体制整備を自治会、学校、企業や
商工会等と連携しながら進めてまいります。また、本大会1年前イベントなど、
さまざまな機会を利用し、町民一丸となった大会とするための機運醸成に努め
てまいります。
次に、森山総合公園については、野球場のスコアボード改修やテニスコート
人工芝の全面張替など、昨年度までに大規模な環境整備が完了しましたので、
児童・生徒などを対象とした各種年代に合わせた事業を展開し、さらなる町民
の利用拡大に取組みながら、併せてスポーツリーダーの養成を図ってまいりま
す。
さらには、日報駅伝を応援する会をはじめ、町内誘致企業の社会人野球チー
ムや駅伝チームなどを全町あげて応援できる活動を展開してまいります。
次に「歴史を伝え活かすまちの推進」について申し上げます。
国指定史跡鳥海柵跡の保存管理計画は、有識者や土地所有者、町民とともに
今年度策定をします。また、安倍氏の歴史や鳥海柵跡と関連する町内伝承地の
活用や、安倍氏と関連深い平泉町や秋田県横手市、安倍宗任終焉地の福岡県宗
像市等の歴史を共有する自治体との住民間の交流を促進します。
昨年6月にオープンした金ケ崎要害歴史館は、常設展のほか企画展を増やし、
歴史を学ぶ機会をより多く提供します。城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存
地区は、片平丁・旧大沼家侍住宅の屋根補修をはじめ、継続的に修理修景等を
進め、歴史的環境の管理に取り組んでまいります。また、街地区の関連団体等
と連携し、来訪者に対して魅力発信に努めてまいります。
先人顕彰事業については、旧陸軍省軍馬補充部六原支部官舎の保存整備を岩
手県と連携して実施してまいります。現存する官舎3棟のうち、1棟は同支部
の誘致に尽力されました桑島重三郎に関する資料を、桑島重三郎記念館より移
動して展示し、同支部の歴史とともに、同官舎の歴史的価値を分かりやすく紹
介する記念館としての活用を目指してまいります。他の2棟については、活用
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にむけて県や地域とともに検討してまいります。
指定管理となった千田正記念館については、先人顕彰施設とともに奥州街道
の来訪者のお休み処として、地域と連携し企画展示や奥州街道散策などの事業
に取組み、活用してまいります。
無形文化財の伝承については、町内の郷土芸能保存会の運営や発表大会への
補助、活動情報の紹介や場の提供等の支援をし、後継者不足解消へつなげられ
るよう努めてまいります。
また、千貫石茅場は、文化財建造物の保存に欠かすことのできない必要な原
材料の供給地として保存するため、今月下旬に文化庁の「ふるさと文化財の森」
に設定されます。管理する産業開発公社等と連携し、伝統的な屋根材の確保と
茅場の育成に努めてまいります。
基本目標の第5、「住民主役の協働のまちづくり」についてであります。
町民ひとりひとりが、町のために立ち上がる気概と知恵を出しながら、自分
達のまちの未来づくりに参画することが大事です。また、「住民主役」のまち
づくりを進めるには、町民個々が自発性を高め、創意工夫をしながら諸課題に
主体的に取り組めるように次の施策を推進してまいります。
はじめに、
「町民と行政の協働のまちづくりの推進」について申し上げます。
町内の各自治会が策定している「地域づくり計画」は、今年度計画期間の最
終年度を迎えます。次期計画は、自治会で定める計画のほか、生活圏ごとに異
なる地域の歴史や風土、さらに人口動向も含めた将来を見据えた「生活圏の地
域づくり計画」の策定に取り組んでまいります。
計画策定にあたっては、岩手地域づくり大学・かねがさき校を開校し、現計
画の振り返りを行いながら、より主体的な活動に繋がる内容とするとともに、
地域のリーダー育成の場としても活用してまいります。
また、各地区に設立された「地域活性化委員会」については、世代を超えた
交流による人づくり等の取組みが充実するように支援を継続するとともに、地
域課題が多様化している中、地域の実情を把握している自治会の役割は大きい
ため、自治会等の活動がより推進されるよう引続き支援を行ってまいります。
次に、
「町民の自発的な活動がしやすい環境の整備」について申し上げます。
町民に対して学習機会の拡充を図り、町民が自発的にかつ主体性を持って学
習に取り組めるよう出前講座や、金ケ崎町生涯学習人材バンクを継続して実施
し、自治会等の自主的活動を推進するとともに、地域づくりに関する実践活動
の発表等を行う「地域づくりフォーラム」も継続して開催します。
また、地域おこし協力隊は着任から2年目を迎えます。今年度は、町民が主
体的に歴史や文化に興味をもち、自主的な活動へと繋げていく仕掛け人として、
ガイド養成やイベントの開催、交流の場の創出、町民を巻き込んだ写真収集な
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どの活動を計画しておりますので、歴史を活かした町づくりの一翼を担う活動
として、支援してまいります。
次に、「男女それぞれが個性や能力を活かせる環境の整備」について申し上
げます。
男女共同参画の推進については、当町では女性の意見を反映させるため、審
議会や各種団体役員等で女性委員の積極的登用を進め、登用率の30%を目指
し、今後とも推進してまいります。
一方で男性側の支援や理解、協力も必要であり、男女共同参画推進員、男女
共同参画サポーターが連携した学習会を開催する等、女性の持てる能力と意識
を高めるための学習機会を提供し、女性リーダーとなる人材を育成してまいり
ます。さらに、女性の持っている力を生かしたまちづくりに取組む女性百人会
の活動を支援してまいります。
次に、「交流と連携が盛んなまちの推進」について申し上げます。
国際交流については、今年度は新町誕生 60 周年記念式典への友好都市及び
姉妹都市の招待、中国長春市国際友好都市ハーフマラソン大会への参加、中国
長春市企画展覧館落成式への出席等、友好交流をさらに深めていきたいと考え
ております。
また、中学生の海外研修については、今年度は第 29 回となり参加者の事前
学習等の研修内容を充実させ、帰国後は報告会を開催する等研修の成果を今後
に活かしてまいります。
基本目標の最後であります第6「地域主権に対応したまちづくり」について
であります。
はじめに、「地方創生」については、地域と自治体の生き残りをかけた戦略
として位置づけ、行政主体ではなく、町民と官民産学と金融機関や労働組合等
各団体の参画のもとで策定し、将来につながる結果を出さなければと考えてお
ります。
次に、
「財政基盤の確立」について申し上げます。
当町はこれまで自立の町として「財政の健全化」を最重要課題として取組み、
特にも起債残高の早期縮減に向けて繰上償還を行い将来負担比率は大幅に改
善しておりますが、実質公債比率は今年度も依然として 18 パーセントに近い
数値になる見込みです。
今後の財政見通しは、地方交付税が伸びないほか、法人町民税については大
幅な変動傾向があるため、安定した財政運営に努めてまいります。
今後も、公共施設の老朽化対策等に多額の費用が見込まれますが、財源確保
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が難しい状況にあるため、中期財政計画を立てながら財政規律を維持していく
とともに、公共施設等総合管理計画の策定に取り組んでまいります。また、税
収変動や災害等に備えるためには、一定の内部留保資金も必要であるため、今
後とも財政状況を分析し、プライマリーバランスの黒字化を図りながら、さら
に財政の健全化と規律ある財政運営に努めてまいります。
特別会計については、全体としては一般会計からの繰出金の抑制に努めてい
るところですが、管理施設の更新財源の確保や起債償還財源の確保への対応な
ど財務体質を踏まえた経営改善を図りながら、引き続き一般会計、特別会計を
合わせた財政の健全化に努めてまいります。
次に「組織の改革、第三セクターの改革」について申し上げます。
今年度は、住民ニーズの多様化や社会情勢の変化等への対応等も含め、行政
サービスを高めるため、組織改編に取組みます。
第4次行財政改革も最終年度を迎えることから、行政コストの削減等継続し
て取組むとともに課題等を整理し、持続できる自立の町として、安定的な町政
運営に資する第5次行財政改革を町民と一体となって策定してまいります。
事業実施にあたっては、事業の成果を尊重した事業実施にむけ、事務事業評
価に取組み、PDCAサイクルの定着とともに事業目標達成に努めてまいりま
す。
また、社会保障税番号制度、いわゆるマイナンバー制度については、今年 10
月には住民にナンバー通知がなされるほか、マイナンバーカードの発行も平成
28 年1月から始まります。個人情報の取り扱いについて、十分配慮しながら円
滑な制度導入に向けて遺漏のないよう準備を進めてまいります。
第三セクターについては、町土地開発公社が解散し、残る4法人についても、
経営状況の把握に努めるなど経営改善に対して指導、適切に対応を行ってまい
ります。
広域連携については、今年2月に花巻市、遠野市、北上市、奥州市、西和賀
町、当町の4市2町の首長会議により、引き続き勉強会を開催しながら、多様
な連携の創出を目指すこととした一方で、定住自立圏構想については、取組み
可能な自治体から先行して進めることが確認されたため、関係市町とスピード
感を持って前向きに進めてまいります。
次に「職員の資質向上」について申し上げます。
環境や社会情勢は急速に変化を遂げる中、高度多様化する住民ニーズや価値
観に対応でき、地域住民とのコミュニケーション能力に優れた人材を育成して
いかなければならないと考えております。
そのため、市町村職員研修協議会や市町村アカデミーなどの外部団体の研修
に参加させ、職務職階に応じた能力の開発や、専門分野における知識の習得を
図ってまいります。また、中堅職員の政策立案能力や、法制執務能力の向上を
目的とした町独自研修も引き続き実施してまいります。併せて、国、県及び関
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係団体との人事交流等を実施するなど、教育研修体系の充実を図ってまいりま
す。
また、日常の業務を進めていく過程そのものを人材育成の機会ととらえ、職
員の意識改革や職員一人ひとりが自己啓発に取組みやすい雰囲気を醸成する
ため、管理職を中心とした学習機会の提供や支援に務めてまいります。
実施から4年目を迎える人事評価については、職員一人ひとりが業務遂行目
標を明確化することにより、制度本来の趣旨である組織目標の遂行と、マネジ
メントツールとして人材の育成と職員のモチベーションの向上に繋がるよう
研修等を実施し更なる醸成を図ってまいります。
業務改善運動は、業務や職場における「ムダ、ムラ、ムリ」の削減と、職員
同士が意識し合い、話し合う職場風土を目指し取組みを行ってきました。3年
目となる今年度は、過去2年間の取組みに対する評価をし、課題発見や課題解
決の手法の習得を目指し、民間企業等の事例を参考にしながら取組みを進めま
す。
最後に新町誕生 60 周年記念事業について申し上げます。
今年度は、昭和 30 年3月1日に旧金ケ崎町と永岡村との合併により「新金
ケ崎町」が誕生してから 60 年の節目を迎えます。
新町誕生 60 周年を町民の皆様とともに祝い、金ケ崎町の更なる発展に繋げ
ていくため、10 月に記念式典や記念講演を開催するほか、年間を通じたイベン
トを開催し、これまでの 60 年間の歩みを振り返りながら、新たなスタートの
年となるよう、全町的な盛り上げを喚起し、町民の皆様と力を合わせて取り組
んでまいります。
【むすび】
以上、今年度の施策の概要を申し述べさせていただきました。
今年度は、新町誕生 60 周年をはじめとするそれぞれの節目の年ですので、
町民憲章の文言にある「先人努力のあとをひきつぐわたしたちは」について、
その責務を重く受け止め、歴史を振り返りそして学び、将来につながる行動を
開始しなければならないと考えております。
住民自治の基本である自主自立の精神と金ケ崎地域力の向上、そして自治体
のパワーアップに努め、自分達のふるさとに「自信と誇り」を持ち、町民との
信頼と絆、そして協働の力をもって、金ケ崎の未来に夢と希望のあるまちづく
りを目指してまいります。
議員並びに町民の皆様にご理解をいただき、ご協力をお願い申し上げまして、
私の所信表明といたします。
平成27年3月3日
金ケ崎町長
18
髙
橋
由
一