授業にあたっての留意事項 府川 謹也 教員のプロ 獨協大学ホームページ上の「府川ゼミ」→「教員の部屋」に「先生の考 フィール えの一面」と、授業についてのアンケート結果が掲載されています。 担当科目 英語学概論、英語学特殊講義、カレッジ・グラマー、専門講読、 (院)英 語学演習、(院)日英対照研究ほか 研究室 中央棟 537(訪問の際はメールか電話でアポを取れば確実です。 ) ホームページ http://8028.teacup.com/fukawa/bbs E-mail [email protected](見出しに 英語学概論 b: と書いて送信し ないと受信されません。) 電話番号 048-941-6182(自宅:非通知お断り設定) 受講に当たっての MUSTS 受講生に対しては、いずれ社会人となることを自覚して授業に臨むことを期待していま す。大学生といえでも社会を構成する一員ですから、社会人としてそれなりの自覚をもち、 一人前の自律(自立)した青年(成年)として振舞ってほしいと思います。具体的には、 次のようなことを当然のことと考えてもらいたいものです。 ★過去3回の入学式での学長の式辞にあったように、受動的に教わるのではなく、能動的・ 自律的に学ぶ。その第一歩として、1時間の予習と20分の復習を怠らない。これがで きていることを前提として授業を行う。 ★真面目に受講している学生にたいし、おしゃべりなどをして迷惑をかけないでください。 ★教員が教壇に立ったらすぐにおしゃべりをやめ、学習モードに入る。 ★学習においては、物事を習うときのコツである「守」「破」「離」の過程を踏むもの。 す なわち、講義内容にともかく素直に耳を傾けて消化・吸収しようと努め、いったん理解 したあと、もし納得のいかないところが見つかったら率直に何度でも疑問を発し、教員 からの説明を聞いて理解に努める。それでもなお、おかしいと思ったときは、教師の説 明方法とは異なるまたはそれを超える、自分独自の説明を工夫する、という過程を踏む ということが期待される。 ★Fを取ったら、 少なくとも 51 パーセントは自分に責任があることを自覚する。 とにかく、 何をしようが、自分でやったことの責任は人に転嫁せず、自己責任を取る。(Take the consequences !) こんな疑問は? ★「出席を取るのに試験だけで成績を決めるのはおかしい」→ 出席や宿題は試験の成績 i にプラスされる好材料にはなっても、試験を受けないでそれだけで単位を取れるという ことはありません。(追)試験を受けない人に対するレポートによる救済措置はありません。 ★「難しい」→ 予習に1時間、復習に20分費やし、分からないときに質問していれば 難しくありません。(成績の良し悪しはほとんど予習・復習にかかっています。) ★「声がよく聞こえない」→ 前のほうに座るか、手を挙げて問い返してください。 ★「授業中に質問しづらい」→ グローバル・スタンダード化が進んでいる今日、アメリ カ人学生のように、 「知らないことを恥ずかしいことだと思わない」で質問してください。 (ほかの学生もわからないかもしれないので感謝されるかもしれません。 ) ★「授業中以外での質問や授業改善のための要望は?」→ アポを取って研究室に来るか、 E-メールを送るか、匿名を好むなら授業の HP の掲示板に書き込んでください。 ★(教科書に練習問題のあるとき)「解答を教えてくれない」→ 予習が必須なため、問題を 解く努力をした跡が窺われれば解答の解説はしますが、そうでなければしません。また、 学問というものは、人生の答が自力で掴むしかないのと同じように、自分で解答を考え 出すものです。 ★「役に立たない」→ 英語についての知識を身に付ければ英語そのものを身に付ける助 けになります。また、 「なぜそうなっているのか?」にたいする答を見つけ出そうとする のが学問ですが、真面目に勉強することによって発見の喜びを知り、その過程で、もの ごとを筋道立てて考える習慣を養い、そうして身につけた論理的思考方法を、将来実社 会に出たとき、対象は異なろうとも、取り組む問題や現象が「なぜそうなっているのか?」 と探り、その解決方法を見つけるために役立てられるようになります。それゆえ、どん な学問をやっても目指すところは同じ「論理的思考法と問題解決能力を修得する」こと にあります。 ★「つまらない」→ 授業が面白くなるかならないかということの責任は、教える側と教 わる側の両方が分担しなければなりません。 元々学問はお金儲けの話とか起業家の成功談とは違い無味乾燥なものです。が、それ でも眠っている知的探求心がいったん目覚めれば、これほど面白い世界はありません。 人間が考える葦(あし)といわれる所以(ゆえん)です。そこでどうやって知的好奇心 を抱いてもらえるかということですが、やはり教員のできることはせいぜいあれやこれ やいろいろな手を使って刺激を与えることくらいしかないのでは、と思っています。し かも相当数の多様な学生が相手では個別化教育は不可能で、どうしてもこちらの定めた 一定のスタートラインに立ってもらう必要があります。それは具体的には、授業前日に 予習と復習に最低 80 分くらいは割き、授業では私語を慎み、分からないことがあったら (恥ずかしがらずにできるかぎりその場で)質問するということです。 学問は一旦分かり出したらそれから先はひとりでに面白くなっていきます。でも面白 くするにはそれなりの努力が必要です。武道、芸術、スポーツ、どの世界でも同じです。 自由な技能操作を楽しむことのできるようになるまでには、その過程で繰り返し単調な ii 練習(修業・稽古・鍛錬)を積んで基礎力を養成していかなければなりません。その大 事な時期が大学時代に当たるのではないでしょうか。そこでは、社会に出てしまったら やることができないことを、思い切り時間を豊富に使ってやることができます。 人は変われます。自分さえ変わろうという気になりさえすれば。せめて学生でいるう ちは、どんどん変わることのできるよう、できる限り素直な気持ちで、幅広く学問に接 し、大勢の人とやりとりし、知識や考え方を十分に咀嚼し、そしてそのあとで、呑み込 むか吐き出すかを決めていく、そんなことのできるような学生になってもらいたいと思 っています。 推薦する英語辞書(いずれも CD-ROM 版でも入手可) 『ジーニアス英和大辞典』2001. 大修館書店 Cambridge Advanced Lerner’s Dictionary. 2003. Cambridge University Press. Collins COBUILD Advanced Learner’s English Dictionary. 2003. Harper Collins Publishers. Longman Dictionary of Contemporary English. 2000. Longman. Oxford Advanced Learner’s Dictionary. 2000. Oxford University Press. Merriam-Webster’s Unabridged Dictionary. 2000. Merriam Webster. 『研究社新編 英和活用大辞典』 授業の参考書 大学ホームページを参照のこと。 好きな言葉 自分の苦労に逃げ道を作ってくれる人を親切な人だと思い違いしてはならない。楽な逃 げ道は、さらに大きな苦労を呼ぶものである。 人生を考えるために推薦する一冊 『論語』へのいざないとして、下村湖人著『論語物語』(講談社学術文庫) メッセージ 人の一生を考えると、今いるその時期にしかできないこと、その時代にこそやっておい たほうがよいということが多々あります。たとえば就職したあとに、読書に熱中して思索 に耽ったり、学問をしながら議論したり、利害を考えずに友達をつくったりすることは難 しいことです。社会に出るまでのいわば執行猶予の大事な期間に、大学時代にしか夢中に なれないことを見つけ、そのいくつかに、アクセントをつけながら励んでください。 以上 iii
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