平成26年度事業報告書

平成26年度事業報告書
宮城県商工会連合会
総括的概要
我が国経済は、アベノミクスにより緩やかな回復基調が続いているとされているものの、その
効果は一部の大企業にとどまるなど限定的であり、我々中小企業・小規模事業者にとっては、急
激な円安による原材料、燃料等の高騰や人手不足等により経営環境が悪化し、更に追い打ちをか
けるように、4月からの消費増税の影響が長引くなど、非常に厳しい状況であった。
一方、昨年6月20日の国会において、我々小規模事業者の念願であった「小規模企業振興基
本法」が成立するとともに、小規模支援法の一部が同時に改正され、小規模事業者持続化補助金
など、小規模事業者向けの各種施策が大幅に拡充され、今後の小規模企業施策に期待のもてる年
となった。
このような中にあって、本会では、東日本大震災からの復旧・復興・再生の支援を最優先課題
として掲げるなど、下記5項目を重点事業として取り組んだ。
「東日本大震災被災商工会等に対する継続的な支援」については、国等関係要路に対し、中
小企業等グループ施設等復旧整備補助金の継続及び要件の緩和や風評被害対策の強化、魅力ある
商店街再建とまちづくり支援など、各種施策の継続・拡充と被災会員事業所等の喫緊の問題・課
題等についての陳情・要望活動を行った。
また、津波被害が甚大な沿岸部を中心とした商工会の会員事業所等の早期復旧を図るため、サ
ポーティングリーダー等による人的な支援を延べ290日間に亘って行うとともに、ものづくり
補助金申請支援を行い、補助金総額1億3千万円が採択された。
「組織・支援機能の強化と財政基盤の拡充強化」については、組織率向上運動の展開並びに
全職員による巡回訪問の強化を図り、771名の新規加入があったが、廃業等による脱退が91
4名であったため、年度末会員数は、前年度末比143名減の21,684名、組織率59.
4%となった。
また、「共済事業3ヶ年計画」を新たに策定し、会員及び家族・従業員の福利厚生の向上並び
に財政基盤の確立に資するとともに、年度計画を計画的に推進するため共済事業推進会議等を開
催、全国商工会会員福祉共済を中心とした各共済制度を推進し、財政基盤の拡充・強化に努めた。
「人財育成の推進」については、「職員研修3ヶ年計画」に基づき、経営指導員向け「小規
模事業者支援研修」を開催するとともに、商工会職員の小規模事業者への経営支援スキル向上研
修を実施し、職員の資質向上と中小・小規模事業者に対する経営支援機能の強化を図った。
また、平成26年度中小企業診断士第1次試験合格者1名を中小企業大学校「第22期中小企
業診断士養成課程」へ派遣し、高度化・専門化する経営支援ニーズに対応できる人材の輩出に努
めた。
更に、県当局と平成27年度以降の商工会等補助対象職員設置基準の見直し協議を行い、職員
の適正配置による商工会支援体制の確立に資した。
「小規模企業への支援強化」については、中小企業・小規模事業者が抱える高度・専門的な
経営課題に対する支援を強化するため、本会が代表機関である「みやぎ地域産業支援プラット
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フォーム」を通じて宮城県内の金融機関等各支援機関との連携体制構築に努めるとともに、中
小企業庁より「宮城県よろず支援拠点事業」を受託し、6名の専門家を常駐させ、県内の中小
企業・小規模事業者が抱えるあらゆる経営課題に対応できる相談体制の整備を行った。
また、サポーティングリーダーが、エキスパートバンク登録専門家や中小企業・小規模事業
者ワンストップ総合支援事業における専門家派遣事業等(通称ミラサポ)の活用を図りながら、
経営革新・農商工連携等の支援を行い、経営革新計画承認企業2社を輩出するとともに、小規
模事業者の持続的な発展のため、経営計画の策定を支援した。
更に、小規模事業者が商工会と一体となって販路開拓に取り組むための支援施策として創設
された小規模事業者持続化補助金の申請支援を行うとともに、採択された222事業者(補助
金総額約8,800万円)に対して伴走型支援を行い、小規模事業者の経営の持続化を支援し
た。
「地域活性化事業の推進・支援」については、県下5ブロックで、地域の製造業者と卸・小
売業者が一堂に会した商談会を開催し、地域内の商品が地域内で流通する仕組みを構築し、製造
業者の新たな販路拡大と地域小売商業の活性化を図った。
また、商工会アンテナショップ“グルっとMIYAGI”を同場所に再オープンし、風評被害
等により地域製造業者が失った販路の回復を支援するとともに、店頭販売イベントを通じて、新
商品の開発及び既存商品のブラッシュアップの支援を図った。
更に、仙台中心市街地で開催された伊達美味マーケットをはじめ、県内外で開催された復興支
援物産展等に出展し、本県地域特産品のPR及び風評被害の払拭に努めた。
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