2015年、ザ・ピープルは進みます。更に前へ!

2015年 新春特別号
発 行:特定非営利活動法人 ザ・ピープル
代表者:吉田 恵美子
所在地:福島県いわき市小名浜字蛭川南5−6
タウンモールリスポ内
TEL
:0246 52 2511 FAX:0246 38 9538
E-mail : [email protected]
URL:http://www.iwaki-j.com/people/
2015年、ザ・ピープルは進みます。更に前へ!
早いもので、2015年の幕開けから既に1ヶ月近くが過ぎようとし
ています。そして、同時に2014年度の締め括りの時期にもあたって
います。多くの方々に支えられ、地域に根ざした活動を継続してき
た私達ザ・ピープルでは、新しい年の幕開けにあたり、更に活動を
前に進めるべく取り組みを強化していきたいと考えています。これ
までのご支援に深く感謝申し上げますとともに、今後共お力添え下
さいますようお願い申し上げます。
ファイバーリサイクル事業
全国のチャリティショップ運営団体とのネットワークが生まれま
した。(特)中部リサイクル運動市民の会の呼びかけにより集まっ
た、国内で古着等のリサイクルショップ運営を行いその収益金で海
外支援事業等を行う6団体が、今年度から《チャリティショップ》
という括りでの情報交換を始めたのです。その参加団体となった本
会では、東日本大震災後をどのように日頃の活動を通して乗り切っ
てきたかという部分も含め「古着リサイクル」という環境系の活動
が災害時のセイフティーネットとして機能し得るという情報の発信
を強めていこうとしています。古着は人をつなぎ、思いをつなぎ、
まさかの時に動き出すためのツールともなるのです!!
このファイバーリサイクル事業に関心を持って新たに連携を模索
しようとする動きが始まりました。原発事故の影響で双葉郡浪江町
から二本松市内の仮設住宅に避難している皆さんです。なみえ平石”
絆”プロジェクトとして、NPO法人ルワンダの教育を考える会(カン
ベンガ・マリールイズ理事長)のサポートによる交流サロン「ルワ
ンダカフェ」の中で、着物のリメイク技術を習得したことがきっか
けとなり、本会の古着リサイクル活動を学び、自分たちでできる部
分を取り組もうということになったのです。1月16日、本会の活動
現場の視察に訪れた皆さんは、二本松市内のほかの仮設住宅にも古
着提供依頼の声を掛けようと企画を膨らませていました。
ふくしまオーガニックコットンプロジェクト
3回目の収穫時期も最末期に至ろうとしています。年度当初には昨
年度の1.5倍の収量が見込めると考えていた今年の栽培ですが、昨年
度とは違った様相を呈しています。夏の時期に温度が上がりきれな
かったことが原因でしょうか、全国各地での栽培でもコットンボー
ルの弾ける時期が遅れ、思うように収量が上がらないとの報告が届
いています。当地でも同じような状況になり、収穫最盛期のはずの
11月になかなか弾けずに気を揉ませていたコットンボールが、枯葉
が風に飛ぶ今頃の時期になって弾けるという圃場が散見されていま
す。収穫総量は昨年度並みまでいけば…という状況です。農業の難
しさを、今年度の栽培でもまた学ぶことになりました。
そうした中ではあっても、福島の農業再生にためにと、震災後こ
のいわきを中心に始められた有機農法でのコットン栽培は、全国的
にも注目を集め、昨年11月に愛知県蒲郡市で開催された「全国コッ
トンサミット」の席上、日本オーガニックコットン協会(森和彦理事
長)より表彰頂きました。鳥取県境港市などこれまでに実績を有する
先進事例に混じっての表彰ということで、ありがたいと思う反面、
この期待を裏切らぬよう今後共気を引き締めてプロジェクトを進め
ていかなければ…との思いを強くしました。
人をつなぐプロジェクト
ここまでの栽培が順調に進んできた背景には、味の素冷凍食品株
式会社からの多額の寄付を2年間に渡って頂戴することができたこと
も大きな要因となっています。1月24日、味の素冷凍食品株式会社の
社員ボランティアの皆さん30名ほどがコットン畑に来てくださいま
した。昨年度も実施された社員の皆さんによるボランティア活動と
いうことで、小名浜上神白地区のおてんとさんファームカジロ(伊
藤農園)で、収穫と畑の片付けを行っていただきました。
当日は、本会スタッフや近隣の仮設住宅にお住まいの避難者の方々、
コットンプロジェクトを担う農業者の方々も集まり、総勢50名ほど
での作業となりました。そして、昼食時の交流会では、農家さんが
用意した豚汁と味の素冷凍食品側が用意してくださった冷凍餃子を
皆で頬張り、話に花を咲かせました。また、寄付金で整備を進めた
ガラ紡機もご覧いただきました。
このプロジェクトに関わってくださった方々はこれまでに1万人に
なろうとしています。その全ての方々に心から感謝申し上げたいと
思います。プロジェクト立ち上げから4年目。これからは、プロジェ
クトとして自立できる形を探って行かなければならないと考えてい
ます。人の集いが前へと進めるプロジェクト。ここからが本領発揮
の時です。
本会が取り組む事業の一つに
オーガニックコットンを使った
人形作りがある。昨年はキャッ
プちゃん、ねんねちゃん、ベイ
ブ ラ イ オ ン な ど 1万 個 以 上 の 人
形を製作販売する事が出来た▼ベイブ作り
は事務局の仕事ではないが、いつの間にか
人形に目を描き入れる作業が私の仕事の一
つとなった。周りからは目が疲れないのか、
事務局忙しいのに大丈夫なのかと心配する
声があるけれどそんな感じは全然ない。落
ちついてやるためにはどうしても真夜中に
なる。この作業は私にとって癒しであり楽
しいひとときでもある▼直径 ミリの木球
にまん丸い目を入れていくのだが、木球に
は様々な木目が入っているから顔にする一
番いい場所を見極めなければいけない。位
置を決めバランスを考えながら目を描いて
いくが、両目が近すぎては神経質な顔にな
るし、余り離れすぎると間が抜けた表情に
なってしまう。片方の目が小さいので大き
くすると最後には両目とも大きくなり過ぎ
まるでお化け。形が歪んでいると宇宙人み
たい。出来上がった顔を見ると一個として
同じ表情の物はないから不思議である。全
ては目で決まる。ある御文に﹁人の身の五
尺・六尺の魂も一尺の面にあらわれ・一尺
の顔の魂も一寸の眼の内におさまれり﹂と
あるがその通りだと思う▼次にもう一つ大
事な作業がある。衿に見立てるガクの活用
である。︵コットンの実が弾けた時に残る
もの︶そのガクに木球を差し込みボンドで
固定する。この後、完成までの作業は仮設
住宅のお母さん達が引き受けてくれる。全
工程がスムーズに行くように基本パーツ一
式を用意するのが私の役目である。販売に
供する以上、購入下さった方が満足して下
さる物でなければならないし、購入者が手
にしたとき幸せを感ずる様な製品でなけれ
ばならないと思う▼私自身この作業が何故
好きなのか考えてみた。小学生の頃、童謡
歌手の松島トモ子さんに憧れていた。クリ
クリした大きな目が好きでよく似顔絵を描
いた。そうしたことが今に通じているのか
もしれない。ところで当時私の目といえば
細くて小さくて全くお世辞にも可愛い顔立
ちではなかった。悲しい事に 歳を過ぎた
頃から目はしょぼしょぼ、より一層小さく
なりススキで切ったような感じになって来
た▼でも嬉しいことに最近はベイブ作り教
室が人気を呼び、全国各地から材料一式
︵木球・帽子・綿等︶の注文が相次いでい
る。どんなに忙しくても﹁とっても目が可
愛いね、誰が描くんですか﹂等と言われる
とついつい嬉しくなって﹁一生私の仕事に
するからやらせてね﹂と言って笑われてい
る。いわき生まれのコットンベイブが、全
国の皆様に希望と幸せを届け、福島復興へ
思いを馳せて頂けたらますます頑張れそう
と呟く私である。 ︵甘︶
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