北村山公立病院アクションプラン(本編)(PDF:306kB)

「北村山地域における医療提供体制将来ビジョン」を踏まえた
北村山公立病院アクションプラン
1 本プランの意義
平成 25 年3月に策定された「北村山地域における医療提供体制将来ビジョン」を実現
するため、当院の役割を明確にし、必要な取り組みを定めるもので、短中期的な行動計
画であるとともに長期的な病院運営の指針とする。
2 北村山公立病院の役割
北村山地域3市1町で構成する病院としての責務に基づき、村山地域の北部エリアに
おける急性期医療の中核施設として、地域住民が安心して暮らせる医療を確保していく。
3 北村山地域の医療提供体制の課題
(1) 救急医療に係る当院負担の増大
北村山地域における夜間の初期救急医療体制が十分とは言えず、その多くを当院が
担わざるを得ない状況にある。
当院医師数は減少しているが、救急患者は減少しておらず、救急医療に係る当院医
師の負担が増加している。
(2) 医師数の減少
当院の医師数が年々減少している。医師の確保に関し、これまで全面支援を受けて
きた日本医科大学を通じた医師の増員が困難な状況にある。
(3) 地理的条件
北村山地域のエリアが広く、山形市との距離が大きいため、急性期の医療機能を三
次医療機関との連携で補うに限度がある。
(4) 医療機能の特化、特色が不明確
当院は高い水準の医療を提供していながら、病院の強み、特色が打ち出せていない。
(5) 病院の特色と取り組みの住民に対するPRが不十分
当院の診療内容やリハビリテーション、人工透析など当院の特色が地域住民や他の
医療機関に認知されていない。
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(6) 建物の老朽化
東棟が移転新築から 40 年、西棟が増築から 22 年経過し、配管の破損など施設設備
の不具合が頻発している。患者、スタッフへの配慮の点で施設面での制約が顕著にな
っている。
4 北村山公立病院が目指す基本的な方向性
上記、医療提供体制の課題を踏まえ、地域の中核病院である当院の基本的な方向性を
次のとおり設定する。
(1) 医療機能の特化と病院の特色の明確化
(2) 地域住民の生活の安心を支える医療機能の確保、拡充
(3) 地域医療・地域保健・地域福祉が連携する上での要としての役割の発揮
5 基本的方向性を踏まえた具体的な取り組み
上記、基本的な方向性3項目に対応する当院の具体的な取り組みを、次のとおり設定
する。
(1) 医療機能の特化と病院の特色の明確化
① 発症後早期の治療を要する疾患への対応
ア.急性心筋梗塞・脳血管疾患に係る医療の環境整備
心疾患、脳血管疾患分野における診断の正確性、迅速性を高めるとともに、カ
テーテル診療の環境を整えるため、CT装置と多目的血管撮影装置を高性能機に
更新するとともに、カテーテル診療関連機器を導入する。
イ.日本医科大脳神経外科との連携強化
主任教授を招いての手術等により、脳神経外科分野における高度な手術の実践
など診療領域の拡大を図る。
ウ.県立河北病院との機能分担
西村山地域の中核病院である県立河北病院と当院の医療スタッフの配置状況を
見ながら、脳神経外科など県立河北病院との機能分担を検討する。
② 救急医療機能の確保・拡充
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ア.小児科診療体制の充実
地域住民の小児救急ニーズに対応するため、日曜日の日中時間帯と平日午後7
時までの時間帯に小児科医師を常駐させることとし、小児診療の体制を充実させ
る。
イ.救急外来当直医の確保
常勤医師の減少による当院医師の負担に対応しつつ救急医療機能の維持に努め
るため、日本医科大学や山形大学医学部をはじめ幅広い当直担当医師を招へいし、
救急外来当直医の確保に努める。
ウ.初期救急体制構築への協力
市町が医師会と連携して行う初期救急体制構築のための取り組みに、当院とし
て可能な協力を積極的に行う。
エ.救急診療環境の充実
外傷や大動脈解離をはじめとする救急医療の環境を向上させるため、CTを高
性能機に更新(再掲)する。
③ 人工透析とリハビリの充実
スタッフと設備が整い、従来から当院の特色となっている人工透析等の分野にお
いて、機能強化を図り、当院の特色の明確化に努める。
ア.人工透析の充実
災害時における人工透析について、医療機関間の連携を強化できるよう通信設
備を整備するとともに、臨床工学技士を増員し透析の体制を拡充する。
イ.リハビリテーションの充実
心臓リハビリなどの新たな取り組みにより、患者の状態に相応しいリハビリの
提供に努める。
(2) 地域住民の生活の安心を支える医療機能の確保、拡充
① 二次医療機関としての医療水準の維持、拡充
ア.医療の質の向上対策
CT(再掲)及びRIを高性能機に更新し、診断の正確性、迅速性を高める。
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整形外科、形成外科、泌尿器科の手術を中心に、日本医科大学主任教授、准教授
を積極的に招へいし、診療領域の拡大、高度化を図る。
イ.侵襲性・患者負担の低減
内視鏡手術システム及び軟性膀胱鏡を整備し、侵襲性と患者の身体的負担の低
減を図る。
ウ.地域医療ニーズに即した専門性の発揮
内科外来に専門外来として循環器内科外来、腎臓内科外来を設け、専門性の高
い外来診療を進める。
エ.医療安全への更なる取組
与薬カートの導入と、これを用いた与薬体制の確立、薬剤師の増員を図り、病
棟薬剤業務の体制を強化する。また、感染防止対策専門医、感染管理認定看護師
の養成に努め、院内感染対策を強化する。
② 医師確保対策
ア.日本医科大学と連携した医師確保対策
日本医科大学との緊密な連携を維持し、同大学研修協力施設の指定を働きかけ、
同大学の学生、研修医の受入に必要な条件整備に努めるとともに、救急外来当直
医師の招へいを通じた同大学医師へのPRをはじめ、医師、学生に対し、様々な
機会を捉えた当院の紹介に努める。
イ.山形大学医学部と連携した医師確保対策
山形大学医学部との連携強化に努めながら、同大学研修協力施設の指定を働き
かけ、同大学の学生、研修医の受入に必要な条件整備に努めるとともに、医師、
学生に対し、様々な機会をとらえた当院の紹介に努める。
ウ.その他の医師確保対策
山形県医師修学資金及び後期研修医研修資金の貸与を受けた医師の派遣につい
て、山形県等に働き掛ける。また、当院が若い医師や学生から将来の職場として
選択してもらえるよう、研修環境の充実など当院の魅力アップに努める。さらに、
中学生、高校生の職場体験を積極的に受け入れるなど、地元市町と連携して、将
来、地域から医療従事者を目指す人材育成に積極的に取り組む。
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③ 新病院建設に関する広範な検討を推進
新病院建設の機運醸成、合意形成の前提となる、人口動態、疾病構造、受診行動
予測、住民ニーズ、財政計画など広範な検討を構成市町とともに進める。
④ 地域住民に対する分かりやすい当院紹介
当院広報紙クローバーとホームページを見やすさ、わかりやすさに配慮して見直
し、内容を充実する。医療機能の特化、特色に掲げた3項目「発症後、早期の治療
を要する疾患対応」「救急医療」「人工透析とリハビリ」をはじめ、当院の診療内容
の積極的な紹介に努める。
(3) 地域医療・保健・福祉連携の要としての役割の発揮
① 診療所・介護施設との連携強化の条件整備
ア.意見交換会の定期開催
医療・介護の連携を強化し、地域包括ケアの充実を図るため、地域の介護・福
祉機関等との意見交換の場を定期的に設け、顔の見える関係づくりに努める。
退院時カンファレンスの強化等を通じ、地域における病院から診療所、介護等
までの切れ目のないサービス提供に貢献する。
イ.介護施設職員研修会の開催
介護施設職員を対象に、褥瘡、関節の拘縮予防、胃ろう管理、喀痰吸引、一次
救命など介護の現場で必要な医療知識習得の場を定期的に開催し、施設入所者等
へのケアの水準向上を支援する。
② 診療所・他病院との連携強化
地域の診療所、他病院等との連携強化を図るため、村山地域医療情報ネットワー
ク協議会への参画をはじめ、地域の医療機関との間で診療情報等の共有参照を行う
医療情報共有システムの導入に向けた検討を進める。
また、開業医との合同勉強会を随時開催し、地域医療における当院の拠点性、求
心力の向上に努める。今後、県立河北病院に設けられる緩和ケアに関して、同病院
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との連携を検討する。
③ 地域住民の健康づくり支援
地域住民を対象にした健康講座の開催、構成市町や事業所が取り組む健康づくり
事業への支援に努め、地域住民の健康に対する意識を高めます。
6 計画期間
本計画の実施期間は、平成 25 年度から平成 27 年度までの3年間とする。
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