2014 年 7 月 13 日クラブ職業奉仕担当者研修会資料 ロータリーの歴史にみる職業奉仕の変遷 付・職業奉仕に関わるドキュメント 国際ロータリー第 2650 地区 2014-15 職業奉仕委員会編 ロータリーの歴史にみる職業奉仕の変遷 1905 年 2 月 23 日、シカゴ・ロータリークラブ創立 1907 年 ポール・ハリスがシカゴRCの会長に就任 親睦互恵に対し、公衆便所設置運動等の対社会的奉仕活動の気運が起こる。 1908 年 アーサー・フレデリック・シェルドンがシカゴ・ロータリークラブに入会 情報拡大委員長として 自ら創案した職業奉仕理念を導入 1910 年 ロータリーの綱領制定 1911 年 全米ロータリークラブ連合会(国際ロータリーの前身)ポートランド大会でアーサー・ フレデリック・シェルドンの提唱による職業奉仕のスローガン“He profits most who serves best.”がロータリー大会宣言の結語に採択される。 1912 年 ロータリーの綱領改定 1913 年 身体障害児対策運動が活発化し、救済支援のための人頭分担金の課金をめぐって紛糾し、 「決議23-34」制定の遠因となる。 1915 年 全米ロータリークラブ国際連合会サンフランシスコ第6回年次大会にて「ロータリー 道徳律」を採択。 職業人としての実践道徳の指針とされた。(→1951 年に廃止) ロータリーの綱領改定。標準定款・模範細則採用 1920 年 東京RC創立 1922 年 国際ロータリー(RI)に改称 ロータリーの綱領・定款・細則改正 R.I.B.I. (Rotary International in Great Britain & Ireland)に対して地域運営が 認められる。 大阪RC創立 1923 年 セントルイス国際大会で「決議 23-34」を採択。 「綱領に基づく諸活動に関するロー タリーの指針」として“service above self”と“He profits most who serves best.” が併記された。 9 月 1 日に発生した関東大震災に対しRIより見舞金が送られる。 1925 年 京都RC創立 1 1927 年 「ロータリー道徳律」は全世界の有用性に関し意見の一致を欠くとの理由で改訂。翌年 「綱領」に重きをおくことに改められる。 ベルギー・オステンド大会で「四大奉仕」が組織化され、イギリスの強い要望により 職業奉仕は“Vocational Service”と命名されて四大奉仕の一つに組み込まれる。 それまでは「Business Method 委員会」が職業奉仕を担当していたが、この時の改名 により以後「職業天職論」が主流となる。 1928 年 ロータリー財団設立 日本が第 70 地区に設定される。 1929 年 ダラス大会でイギリスが“He profits most who serves best.”の廃止を提案。賛否 伯仲したが否決。 1930 年頃 アーサー・フレデリック・シェルドン、シカゴRCを退会(→1935 年死去) 1931 年 道徳律の頒布禁止 1932 年 ハーバート・テーラーにより「四つのテスト」が創案され、当時倒産の危機にあった会 社再建に実効を上げる。 1935 年 大連宣言発表 1940 年 日本が国際ロータリー脱退 1943 年 ハーバート・テーラーにより「四つのテスト」の版権がRIに譲渡され、RI理事 会は職業奉仕プログラムの一つの構成要素としてロータリアンの事業倫理の指標に採択。 1946 年 米山梅吉、福島喜三次 死去 1947 年 ポール・ハリス 死去 1948 年 RIの職業奉仕委員会廃止 1949 年 日本、ドイツのRCがRI復帰 1950 年 デトロイト大会で「決議 50-11」が採択され“Service above self”と“He profits most who serves best.”を同格でロータリーの公式モットーに決定。 1951 年 RI 理事会は「ロータリー道徳律」は特に道徳性と宗教性の面で意見の一致を欠くとして 手続要覧から削除と決定。 1953 年 米山奨学金制度設立(東京RC) 地域雑誌「ロータリーの友」創刊 1979 年 職業奉仕週間新設 2 1980 年 RI規定審議会がRI細則から「ロータリー道徳律」に関する項目を撤廃。 1984 年 手続要覧から「決議 23-34」が削除される。 1986 年 日本や韓国のロータリアンの抗議を受け、手続要覧に「決議 23-34」が復活。 1987 年 国際ロータリー職業奉仕委員会復活。 RI 理事会が「職業奉仕に関する声明」を採択。 “I serve.”から”We serve.”へ 職 業奉仕の理念が変化。 1989 年 「ロータリアンの道徳律」の代案として「ロータリアンの職業宣言」を規定審議会 が採択。 同時にロータリーのモットーの序列が改定され“Service above self”を第 1 モットー に、 “He profits most who serves best.”は第 2 モットーに格下げされる。 1992 年「綱領に基づく諸活動に関するロータリーの指針」に替えて「社会奉仕に関する声明」を 付記することを条件に「決議 23-34」が永久保存されることが決定される。 1997 年 RI 理事会が「職業奉仕月間」を定めこれを奨励。 2001 年 RI 理事会が性差別を理由に第 2 モットーの使用停止を決定したが日本のロータリアンの 抗議で撤回。 一人一業種制を緩和 2004 年 RI規程審議会で“He”を“They”に変更。2004 年と 2007 年の手続要覧には“They profit most who serve best”と表記された。 2007 年 標準ロータリークラブ定款に「四大奉仕部門」 (第 5 条)が追加され、第 2 項に奉仕 の第 2 部門として職業奉仕が明記される。 推奨ロータリークラブ細則にCLP(Club Leadership Plan)が導入され、職業奉仕 が奉仕プロジェクトの一部門に埋没。 RI定款第5条の正会員入会資格条件が改定され、職業人以外に地域社会のリーダーの 入会が認められる。 3 2008 年 「ロータリー章典」から「決議 23-34」ドキュメントが消滅。 2010 年 RI規定審議会に日本から提出された「決議案 10-182 社会奉仕に関する 1923 年 の声明の第 1 項を奉仕哲学の定義として使用する件」が圧倒的な支持を得て採択され、 歴史的ドキュメントとして手続要覧には「決議 23-34」を継続保存と決定。 同年の手続要覧に、 「社会奉仕に関する 1923 年の声明」には“He” 、 「標語(Mottos)」 の項には“One” 、と表記。 四大奉仕に新世代奉仕(2013 年青少年奉仕に変更)が加わり 5 大奉仕となる。 2011 年 「ロータリアンの職業宣言」が改編され「ロータリーの行動規範」と改名。 2013 年 RI規定審議会にフランスから提出された「制定案 13-43 仕事をしたことがない人 または仕事を中断している人を正会員として認める件」が決議され、 「家事のため仕事を 中断、または仕事をしていない人を正会員として認める」としてRI定款第5条の正会 員入会資格条件に追記される。 RI規定審議会に日本から提出された「決議案 13-157 ロータリーの綱領の第 2 項 に掲げる職業に関する規定を真摯に受け止め、ロータリアンの職業奉仕の指針として奨 励するよう RI 理事会に要請する件」が採択され、2013-14 年度RI職業奉仕委員会 に付託された。 2014 年 規定審議会の決議を受け、RI理事会は「ロータリーの行動規範」を改編し、より 簡潔のものとなる。 手続要覧 2013 年版で、職業奉仕の実践指標とされてきた「四つのテスト」がロータ リーの奉仕の基本理念に格上げされる。 4 職業奉仕に関わる歴史的ドキュメント(1915 年制定 →1951 年削除 →1980 年撤廃) 事業のすべての分野に適用すべき ロータリー道徳律 ロータリークラブ国際連合会 ロータリー道徳律は次のとおりである。 事業を営むにあたって心得とすべき規範には、我々共有の人間性に対する思いやり、という韻律 がなければならぬ。事業上の取引、願望、交渉にあたっては常に社会の一員として、最高の義務感 に思いをいたすことが先決である。事業上の如何なる立場に置かれても、如何なる責任を負わされ ても、私の関心事は、私が、その責任を果たし義務を遂行することによって、人類の理想と成果を、 自分がそれに取り組む前より少しでも引上げることが出来たかどうかにかかっている。 かかる観点よりして、ロータリー国際連合が、事業取引の道徳規範として提唱する基本原則は、 以下に示す通りである。 〔第一〕価値ある職業の意義に目覚めよう。職業は社会に奉仕する絶好の機会として与えられたも のだ。 〔第二〕自己革新に努め、能力を高め、奉仕の輪を拡げ、それによって私が信奉するロータリーの 基本理念、 「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」ということを実証しよう。 〔第三〕私は事業の人である。従って成功への野心もある。然しそれより先に、私が道徳的人間た ることを自覚しよう。従って最高の正義と道徳に基づかぬ成功は望むところでない。 〔第四〕収入を得るために商品、労力、智能を提供するが、それに関わる全当事者が、ひとしくそ れによって潤う場合にのみ、適法にして且つ道徳的なりと心得よう。 〔第五〕自ら携わる職業の水準を高めるため全力を捧げ、仲間の人達が、私のやり方を手本にする ことが賢明であり、また利益をもたらし、幸福につながる道だと覚る様に仕事を進めよう。 〔第六〕事業を営む場合には、同業者と同等又はそれに優る完全なサービスを提供しよう。若しそ れに自信が持てなければ、採算上厳しい限度を越えても、それを上廻るサービスを心掛け よう。 〔第七〕専門職務又は事業に携わる者にとって、最大の資産は友人であり、友情の故に得られた便 益は何れも皆極めて道徳的にして且つ正当なものと理解しよう。 〔第八〕真の友人とは、互いに何等求める所のないものである。されば利益のために友情の絆を濫 用することは、ロータリーの精神に反するのみか、この道徳律を冒涜するものである。 〔第九〕現実の社会秩序に照らして、明らかに自分以外の人には与えられない様な、ある 種の機会に不当に乗じて個人的成功を収めることは、適法且つ道徳的とは認められない。 また物質的成功を得るために、世人が道徳的に問題ありとして避ける様なことに、断じて 私は手を染めない。 5 〔第十〕人間社会の他の人々に対して負う義務以上のものを私は同僚ロータリアンに対して負うも のではない。何となれば、ロータリーの真髄は競争ではなく協力の中にある。ロータリー の様な組織に於いて偏狭な党派の存在は断じて許されない。またロータリアンは、人権が 単にロータリークラブに限られたものとは思わず、広く深く全人類それ自体に存するもの、 と断言して憚らないからである。この高い理想の故にこそ、ロータリーはすべての組織に 属するすべての人々を啓蒙すべく存在するのである。 〔第十一〕結論的に言えば、この黄金律の普遍性を信じよう-“すべて人にせられんと思うことは 人にも亦その如くせよ" そして我々は、最善の人間共存社会とは、この地球上の天然資 源に対してすべての人々に平等に門が開かれることだ、と主張してやまないのである。 職業奉仕に関わる歴史的ドキュメント(2008 年RI理事会は、 「綱領に基づく諸活動に関するロー タリーの指針 決議23-34」の歴史的価値に鑑み、これを「社会奉仕に関する 1923 年の声明」 として、今後発行される「手続要覧」に掲載するよう、事務総長に要請した。ロータリー章典 8.040.2.) 社会奉仕に関する 1923 年の声明 (1923 Statement on Community Service) 手続要覧 2013 奉仕部門 ロータリーにおいて社会奉仕とは、ロータリアンのすべてがその個人生活、事業生活、および社 会生活に奉仕の理想を適用することを奨励、育成することである。この奉仕の理想の適用を実行す ることについては、多くのクラブが会員による奉仕にその機会を与えるものとして、さまざまな社 会奉仕活動を進めてきている。以下に掲げる諸原則は、ロータリアンおよびロータリー・クラブの 指針として、また、社会奉仕活動に対するロータリーの方針を明確に表すものとして適切であり、 また管理に役立つものであることを認め、これを採用するものである。 1) ロータリーは、基本的には、一つの人生哲学であり、それは利己的な欲求と義務およびこれに 伴う他人のために奉仕したいという感情とのあいだに常に存在する矛盾を和らげようとするも のである。この哲学は奉仕—「超我の奉仕」 (原文“Service Abpve Self”)の哲学であり、 これは、 「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」 (原文“He Profits Most Who Serves Best.”)という実践的な倫理原則に基づくものである。 2) 本来ロータリー・クラブは、事業および専門職務に携わる人の代表として、ロータリーの奉仕 の哲学を受け入れ、次の四つのことを実行することを目指している人々の集まりである。 まず第1に、奉仕の理論が職業および人生における成功と幸福の真の基礎であることを団体で学 ぶこと。 第2に、自分たちのあいだにおいても、また地域社会に対しても、その実際例を団体で示すこと。 第3に、各人が個人としてこの理論をそれぞれの職業および日常生活において実践に移すこと。 6 そして第4に、個人として、また団体としても大いにこの教えを説き、その実例を示すことによ って、ロータリアンだけでなく、ロータリアン以外のすべての人々が、理論的にも実践的にも、 これを受け入れるように励ますことである。 3) RI は次の目的のために存在する団体である。 a) ロータリーの奉仕の理想の擁護、育成および全世界への普及。 b) ロータリー・クラブの設立、激励、援助および運営の管理。 c) 一種の情報交換所として、各クラブの問題を研究し、また、強制でなく有益な助言を与える ことによって各クラブの運営方法の標準化を図り、社会奉仕活動についても、既に広く多く のクラブによってその価値が実証されており、RI 定款に掲げられているロータリーの綱領 の趣旨にかない、これを乱すような恐れのない社会奉仕活動によってのみ、その標準化を図 ること。 4) 奉仕するものは行動しなければならない。従って、ロータリーとは単なる心構えのことをいう のではなく、また、ロータリーの哲学も単に主観的なものであってはならず、それを客観的な 行動に表さなければならない。そして、ロータリアン個人もロータリー・クラブも、奉仕の理 論を実践に移さなければならない。そこで、ロータリー・クラブの団体的行動は次のような条 件の下に行うように勧められている。いずれのロータリー・クラブも、毎年度、何か一つの主 だった社会奉仕活動を、それもなるべく毎年度異なっていて、できればその会計年度内に完了 できるようなものを、後援することが望ましい。この奉仕活動は、地域社会が本当に必要とし ているものに基づいたものであり、かつ、クラブ会員の一致した協力を必要とするものでなけ ればならない。これは、クラブ会員の地域社会における個々の奉仕を奨励するためにクラブが 継続的に実施しているプログラムとは別に行われるべきものとする。 5) 各ロータリー・クラブは、クラブとして関心があり、またその地域社会に適した社会奉仕活動 を自主的に選ぶことについて絶対的な権利をもっている。しかし、いかなるクラブも、ロータ リーの綱領を無視したり、ロータリー・クラブ結成の本来の目的を危うくするような社会奉仕 活動を行ってはならない。そして RI は、一般的な奉仕活動を研究し、標準化し、推進し、これ に関する有益な示唆を与えることはあっても、どんなクラブのどんな社会奉仕活動にせよ、そ れを命じたり禁じたりすることは絶対にしてはならないものとする。 6) 個々のロータリー・クラブの社会奉仕活動の選択を律する規定は別に設けられていないが、こ れに関する指針として以下の準則が推奨されている。 a) ロータリーの会員の数には限りがあるので、ロータリー・クラブは、市民全体の積極的な支 持なくしては成功しえないような広範囲の社会奉仕活動は、他に地域社会全体のために発言 し、行動する適切な市民団体などの存在しない土地の場合に限り、これを行うこととすべき であり、商工会議所のある土地では、ロータリー・クラブはその仕事の邪魔をしたり、横取 りをしたりすることのないようにしなければならない。しかし、ロータリアンとしては、奉 仕を誓い、その理念の教えを受けた個人として、その土地の商工会議所の会員となって活動 すべきであり、また、その土地の市民として、他の善良な市民と一緒に、広くすべての社会 奉仕活動に関与し、その能力の許す限り、金銭や仕事の上でその分を果たすべきである。 7 b) 一般的に言って、ロータリー・クラブは、どんな立派な事業であっても、クラブがその遂 行に対する責任の全部または一部を負う用意と意思のない限り、その後援をしてはならない。 c) ロータリー・クラブが奉仕活動を選ぶ場合に宣伝をその主たる目標としてはならないが、ロ ータリーの影響力を拡大する一つの方法として、クラブが立派に遂行した有益な事業につい ては正しい広報が行われるべきである。 d) ロータリー・クラブは、仕事の重複を避けるようにする必要があり、総じて、他に機関が あり、それによって既に立派に行われている事業に乗り出すようなことをしてはならない。 e) ロータリー・クラブの奉仕活動は、なるべく現存の機関に協力する形で行うことが望ましい が、現存機関の設備や能力が目的の遂行に不十分である場合には、必要に応じ、新たに機関 を設けることにしても差し支えない。ロータリー・クラブとしては、新たに重複した機関を つくるよりも、現存の機関を活用することのほうが望ましい。 f) ロータリー・クラブはそのすべての活動において、宣伝者として優れた働きをし、多大の 成功を収めている。ロータリー・クラブは地域社会に存在する問題を見つけ出すことはして も、それがその地域社会全体の責任にかかわるものである場合には、単独でそれに手を下す ようなことはしないで、他の人々にその解決の必要を悟らせ る努力をし、地域社会全体にその責任を自覚させて、この仕事がロータリーだけの責任にな らないで、本来その責任のある地域社会全体の仕事になるようにしている。また、ロータリ ーは、事業を始めたり、指導したりするが、一方、当然それに関心をもっていると考えられ るほかのすべての団体の協力を得るように努力すべきであり、そして、当然ロータリー・ク ラブに帰すべき功績であっても、それに対する自分のほうの力を最小限度に評価して、その すべてを協力者の手柄にするようにしなければならない。 g) クラブがひと固まりとなって行動するだけで足りるような事業よりも、広くすべてのロータ リアンの個々の力を動員するもののほうがロータリーの精神によりかなっていると言える。 それは、ロータリー・クラブでの社会奉仕活動は、ロータリー・クラブの会員に奉仕の訓練 を施すために考えられたいわば研究室の実験としてのみこれを見るべきであるからである (23-34、26-6、36-15、51-9、66-49) 。 8 職業奉仕に関わる現行ドキュメント (1943 年採択 手続要覧 2013 第 6 章 基本理念) 四 つ の テ ス ト 四つのテストは、1932 年にロータリアンのハーバート J. テイラー(後の国際ロータリー会長) により創作された。理事会は、これにロータリー・クラブの注意を喚起すべきであることに同意し た。 四つのテスト(The Four-Way Test) 言行はこれに照らしてから 1) 真実かどうか 2) みんなに公平か 3) 好意と友情を深めるか 4) みんなのためになるかどうか 複製と使用(Reproduction and Use) 四つのテストを複製あるいは使用する唯一の目的は、人間関係における高度の道徳的水準の向上 を図り、それを維持するためでなければならない。テストは、販売や利益を増すための広告に複製 されてはならない。しかし、四つのテストの方針に沿って運営する真摯な姿勢を示すため、商社、 団体、または機関の便箋やそのほかの印刷物にこれを使用することはできる。四つのテストの複製 はすべて上記の形式で作成されなければならない(ロータリー章典 33.050.) 。 頒布する物品において四つのテストを複製するロータリー・クラブあるいはクラブのグループは、 複製文の直後にクラブの名称を明示すべきである。四つのテストは、いかなる意味においても「規 則」として扱われてはならない。 9 職業奉仕に関わる歴史的ドキュメント(1987 年制定 手続要覧 2010 第 7 章 職業奉仕) 職業奉仕に関する声明 (Statement on Vocational Service) 手続要覧 2010 職業奉仕とは、あらゆる職業に携わる中で、奉仕の理想を生かしていくことをロータリーが育成、 支援する方法である。職業奉仕の理想に本来込められているものは次のものである: 1)あらゆる職業において最も高度の道徳的水準を守り、推進すること。その中には、雇主、従業員、 同僚への誠実、忠実さ、また、この人たちや同業者、一般の人々、職業上の知己すべてへの公 正な取り扱いも含まれる; 2)自己の職業またはロータリアンの携わる職業のみならず、あらゆる有用な職業の社会に対する 価値を認めること; 3)自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てること。職業奉仕は、ロータリークラブと クラブ会員両方の責務である。クラブの役割は、たびたび職業奉仕を実践してみせることによ って、また、クラブ自身の行動に職業奉仕を生かすことによって、模範となる実例を示すこと によって、さらにクラブ会員が自己の職業上の手腕を発揮できるようなプロジェクトを開発す ることによって、目標を実践、奨励することである。クラブ会員の役割は、ロータリーの原則 に沿って、自らと自分の職業を律し、併せてクラブが開発したプロジェクトに応えることであ る。 職業奉仕に関わる現行ドキュメント(ロータリー章典 8.030.1) 職業奉仕に関する声明 (Statement on Vocational Service) ロータリー章典 2014 職業奉仕とは、あらゆる職業に携わる中で、 「奉仕の理念」の実践をロータリーが培い、支援す る方法である。 ロータリーの目的の第 2 項が、職業奉仕の根拠となっており、特に次の各項を奨励している: (ロータリーの目的第 2 項:職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるもの と認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること) ・職業上の高い倫理基準を保ち、 ・役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、 ・社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること; 10 職業本仕の理念に本来込められているものは次のものである。 1)雇主、従業員、同僚への誠実と忠実さ。そして、これらの人たちや同業者、一般の人々、および 職業上の知己などすべて人に対する公正な扱い。 2)自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てること。 職業奉仕は、ロータリークラブとクラブ会員両方の責務である。クラブの役割は、頻繁に職業奉 仕を実践することによって、クラブ自身の行動に職業奉仕を応用することによって、模範となる実 例を示すことによって、また、クラブ会員が自己の職業上の手腕を発揮できるようなプロジェクト を開発することによって、目標を実践、奨励することである。クラブ会員の役割は、ロータリーの 原則に沿って自らの行いと事業と職業を律すること、また、クラブが開発したプロジェクトに応え ることである。 (2014 年 1 月理事会会合、決定 88 号)。 職業奉仕に関わる歴史的ドキュメント(1989 年~2010 年 手続要覧 2010 第 7 章 職業奉仕) ロータリアンの職業宣言 手続要覧 2010 1989 年規定審議会が「ロータリアンの職業宣言」を採択 2011 年「ロータリアンの行動規範」に改編改名 ・事業または専門職務に携わるロークリアンとして、私は以下の要請に応えんとするものである。 1)職業は奉仕の一つの機会なりと心に銘せよ。 2)職業の倫理的規範、国の法律、地域社会の道徳基準に対し、名実ともに忠実であれ。 3)職業の品位を保ち、自ら選んだ職業において、最高度の倫理的基準を推進すべく全力を尽くせ。 4)雇主、従業員、同僚、同業者、顧客、公衆、その他事業または専門職務上、関係をもつすべて の人々に対し、ひとしく公正なるべし。 5)社会に有用なすべての業務に対し、当然それに伴う名誉と敬意を表すべきことを知れ。 6)自己の職業上の手腕を捧げて、青少年に機会を開き、他人からの、格別の要請にも応え、地域 社会の生活の質を高めよ。 7)広告に際し、また自己の事業または専門職務に関して、これを世に問うに当たっては、正直専 一なるべし。 8)事業または専門職務上の関係において、普通には得られない便宜ないし特典を、同僚ロータリ アンに求めず、また与うることなかれ。 11 職業奉仕に関わる歴史的ドキュメント(2011 ロータリーWEB) ロータリーの行動規範 (2011 年改編 RI.WEB) ロータリアンとして、私は以下のように行動する。 1)すべての行動と活動において、高潔性という中核的価値観の模範を示すこと。 2)職業の経験と才能をロータリーでの奉仕に生かすこと。 3)高い倫理基準を奨励し、助長しながら、個人的活動および事業と専門職における活動のすべて を倫理的に行うこと。 4)他者との取引のすべてにおいて公正に努め、同じ人間としての尊重の念をもって接すること。 5)社会に役立つすべての仕事に対する認識と敬意の念を推進すること。 6)若い人々に機会を開き、他者の特別なニーズに応え、地域社会の生活の質を高めるために、自 らの職業的才能を捧げること。 7)ロータリーおよびロータリアンから託される信頼を大切にし、ロータリーやロータリアンの評 判を落としたり、不利になるようなことはしないこと。 8)事業または専門職上の関係において、普通には得られない便宜ないし特典を、同輩ロータリア ンに求めないこと。 職業奉仕に関わる現行ドキュメント(2014 年 1 月理事会決定 次回改編の手続要覧に掲載予定) ロータリーの行動規範 (Rotary Code of Conduct) (2014 年改編 RI.WEB) ロータリアンとして、私は以下のように行動する。 1. 個人として、また事業において、高潔さと高い倫理基準をもって行動する。 2. 取引のすべてにおいて公正に努め、相手とその職業に対して尊重の念をもって接する。 3. 自分の職業スキルを生かして、若い人びとを導き、特別なニーズを抱える人びとを助け、 地域社会や世界中の人びとの生活の質を高める。 4. ロータリーやほかのロータリアンの評判を落とすような言動は避ける。 5. 事業や職業における特典を、ほかのロータリアンに求めない。 12
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