Department of American Civilization アメリカ文明学科 School of Letters Department of American Civilization 東海大学 学 科 案 内 湘南 School of Letters 東海大学 文 学部 東 海 大 学 は 4 つ の 力 を 育 成 します。 「明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材」に 育つよう、全 学を挙げて取り組んでいます。 常に未来を見据え自らが 取り組むべき課題を探求する力 自ら考える力 集い力 多様な人々の力を 結集する力 困難かつ大きな課題に 勇気をもって挑戦する力 挑み力 失敗や挫折を乗り越えて 目標を実現していく力 成し遂げ力 「4つの力」 のイメージキャラクター リッキー 入学センター入学課 〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 Tel:0463-58-6422(受験生用) Fax:0463-50 -2186 ◎本案内は、 特に記載がない限り2015年 4月現在の内容を掲載しています。 2015.4 BU10 Department of American Civilization アメリカ大陸から School of Letters アメ リ カ 文 明 学 科 未来を創造する アメリカ大陸はアフリカ=ユーラシア大陸と並ぶ広大な大陸です。 この大陸へ最初に渡ってきた人々は、 果てしなく広がる大自然のなかで、 マヤ、 アステカ、 インカなど、 多くの文明を創造しました。 そして、 15世紀に始まる大航海時代にヨーロッパから移住してきた人々は、 先住民たちの文明を征服し、 未開拓の土地を切り開き、 現代へと繋がる新たな文明を創造しました。 アメリカ大陸は常に 「創造の場」 であり続けてきたのです。 アメリカ文明学科では、 アメリカ大陸全体の歴史や文化を学び、 新たな未来社会を創造する学生たちを育てたいと考えています。 在 学 生のメッセージ 大学に入って得られること 稲葉 睦 さん 4年次 ◎私立神戸学院大学附属高等学校(兵庫県)出身 アメリカ文明学科では、アメリカ大陸の先史時代から現代までの歴史や社会を詳しく学ぶこと 東海大学 東海大学では建学の精神に基づき、 「自ら考え、集い、挑み、成し遂げる」 これら4つの力を が育成 する 身につけ、 時代に即応できる人材を育成します。 ●●●● 力 アメリカ大陸の歴史、社会、文化に関する知識を基盤として、人類の営みとしての文明が 残してきた正・負の遺産を的確に理解、分析する能力、また、現代社会が抱える諸問題を 解決するための、創造力や思考力を兼ね備えた人材を育成する。さらに、社会生活に 不可欠な協調性や倫理観、コミュニケーション能力をもった人材を育成する。 02 アドミッションポリシー アメリカ文明学科では、本学科の教育目 標「アメリカ大陸に展開した先史から現代 の文明までを包括的に学ぶことを通して、 文明が残した正・負の遺産を理解・分析で き、現代社会の諸問題を解決するための 創造力と思考力を持ち、協調性や倫理観 ▶現象や問題の本質を的確に理解し、分析する力 を備え、コミュニケーション能力を持つ人 ▶社会が抱える諸問題を解決するための、創造力と思考力 間を育成する」に共鳴し、自ら学ぶ意欲を ▶社会の一員として生きるための、協調性、倫理観及びコミュニケーション能力 もった人を求めます。 ■ アメリカ 文 明 学 科 ができます。私はもともとラテンアメリカに栄えた文明に興味があり、そうした文明のことをもっ と深く知りたいと思いこの学科に入学しました。原住民しかいなかった地に、ヨーロッパなど世界 各地から多くの人々が入ってきて、人種や文化が交わったのがアメリカ大陸です。私は、そうした歴 史や人々が残した資料の読み解き方を学ぶなかで、物事をあらゆる方向から見ることのできる視 野を得ることができていると感じます。これは、多くの人々の考えや価値観が交わる現代社会のな かにおいて、他者を理解していく上でも必要なことだと思います。 私は 2 年次に南米実地研修、3 年次に中米実地研修に参加しました。実際に見なければわからない遺跡の色や形、また現地の空気に触れ、多 くの街でさまざまな人に出会いました。この経験は今、私の心の糧となっています。 大学はたくさんのことにチャレンジすることができる場所です。入学を考えている皆さんは、自分が学びたい、 やりたいと思ったことにぜひ チャレンジしてください。そこで得たものは、必ず自分にとって大切な力となるはずです。 Depar tment of American Civilization ■ 03 学 び のス ケジュー ル 主な専 門 科目 アメリカ文明学科では、アメリカ大陸をめぐる人間社会・文化を総合的に学ぶために、 専門基礎教育科目 多彩な授業が設けられています。セメスター 制度を採用していますので、 フィールド研究 学生は科目選択の自由度が 高くなり、集中的に単位を修得することができます。 ■ ■ 初期科目 ■ ■ 実地研修科目 また、自主的に単位を修得しないセメスターを作り出し、海外留学・資格取得・ 高校までの学習内容を確認しながら、大学でより深く学ぶために 必要な基礎知識を習得し、4年間の学びの基礎を作り上げる科目で す。 キャンパスで学ぶだけではなく、実際に現地へ赴き、自分の耳目で 確かめることが、さまざまな文化や社会を理解する上では一番の方 法です。実地研修科目では、1学期間の学習を終えた後、現地で14日 間の研修を行います。 社会活動への参加など、有効に時間を使うことも可能です。 qアメリカ文明概論 wアメリカ文明入門セミナー e北アメリカ文明史1・2 rラテンアメリカ文明史1・2 4 年 間( 8 セメスター)の 流 れ q北米実地研修(2015 年度) w中米実地研修(2017年度) e南米実地研修(2016 年度) ■ ■ 発展科目 初年度の基礎教育を踏まえ、文明学並びに文化人類学の基本的な 理論を学びながら、論理的な思考能力を育成する科目です。 q文明の人類学1・2 wアメリカ文明専門英語1・2 ■ ■ 第二外国語(スペイン語/フランス語) 1年次 ●アメリカ文明入門セミナー ●アメリカ文明概論 2年次 ●文明の人類学1・2 ●アメリカ文明 専門第二外国語1・2 (スペイン語/フランス語) ●北アメリカ文明史1・2 ●ラテンアメリカ文明史1・2 ●英語リーディング &ライティング1 ●英語リスニング &スピーキング1 3年次 4 年次 ●アメリカ文明セミナー1・2 ●アメリカ文明セミナー3・4 ●アメリカ文明専門英語1・2 (卒業論文の完成) ●選択科目 (アメリカ文明学科で開講している31科目の中から自由に選択) ●英語リーディング &ライティング2 ●英語リスニング &スピーキング2 ■ ■ 演習科目 演習科目は、 簡単な測量の仕方などを学ぶ野外調査演習と、 収集 した資料の分類や整理の仕方を学ぶ資料整理演習を開講しています。 q野外調査演習 w資料整理演習 アメリカ大陸で母国語として使われている言語のうち、 スペイン語 とフランス語のいずれかの基礎を学びます。 qアメリカ文明専門第二外国語1∼ 4 ■ ■ 総合講座 総合講座は、実際に現地で仕事や研究を行っている社会人の方た ちを迎えて、体験にもとづいたさまざまな話を聞きながら、将来の自 分について考えることを目的としています。 qアメリカ文明総合講座 A・B 専門科目 ■ ■ 地域・時代別比較研究 ■ ■ 中南米の古代文明研究 アメリカ大陸を、 「政治と社会」 「思想と文化」 「人種と民族」の3つ の視点から見てみようとする科目です。アメリカ大陸を地域と時代に 分けているので、 これらの科目を自由に組み合わせて履修すること で、地域ごとの社会文化的差異などをはっきりと理解することができ ます。 ラテンアメリカ諸国には、多くの世界遺産があります。その多くが 古代文明の遺産です。ヨーロッパによって征服・植民地化される以前 の古代文明について学ぶことは、 これからの人類の未来をどのよう にすれば良いのかを考えるきっかけにもなります。 q現代北アメリカの政治と社会 w現代ラテンアメリカの政治と社会 rメソアメリカの諸文明 tアンデス地域の諸文明 e植民地時代の政治と社会 r先史時代の政治と社会 t北アメリカの思想と文化 yラテンアメリカの思想と文化 ■ ■ 広域間関係研究 u合衆国の人種と民族 i中米の人種と民族 qマヤ文明 wアステカ文明 eインカ文明 アメリカ大陸の南北間関係、 ヨーロッパやアジアとの関係につい て、広い視野に立って学ぶ科目です。 o南米の人種と民族 q北アメリカとラテンアメリカ wアメリカとヨーロッパ ■ ■ アメリカ合衆国研究 ●現代文明論1・2 (1年次)●現代教養科目 (文理共通科目・体育科目:卒業までに履修) 世界のリーダーとして活躍するアメリカ合衆国について、さまざま な角度から見てみようという科目です。 ●自己形成科目 (他学部・他学科で開講している科目を自由に選択できます) q合衆国の社会問題 w北アメリカ文明の諸相 A・B eアメリカ文明特殊研究 B eアメリカとアジア ■ ■ セミナー 学生たちが個々にテーマを設定し、文献調査、分析、プレゼンテー ションを繰り返しながら卒業論文を完成させていく科目です。 qアメリカ文明セミナー1∼ 4 アメリカ文明学科では、 アメリカ大陸の「 3つの地域」 と 「 3つの時代」 を基礎として、科目を編成しています。 先史時代 植民地時代 (古代文明) ∼16世紀 04 ■ アメリカ 文 明 学 科 北米 ホープウェル ミシシッピアン ほか 中米 マヤ アステカ ほか 南米 ナスカ インカ ほか 現代 (ヨーロッパ化) 16世紀∼19世紀 ︵ 大ヨ 航ー ロ 海ッ 時パ 代に ︶よ る 征 服 イングランド王国 の植民地 ほか ヌエバ・エスパーニャ 副王領 ほか ヌエバ・カスティーリャ 副王領 ほか (近代国家) 19世紀∼ ヨ革 ー命 ロ・ ッ戦 パ争 諸を 国経 かて ら 独 立 アメリカ合衆国 カナダ メキシコ グァテマラ ほか ペルー エクアドル ほか Depar tment of Amer ican Civilization ■ 05 Department of American Civilization 北 米・中 米・南 米 実 地 研 修 School of Letters この授業は、毎回、研修対象地域に関するひとつのトピックを設定し、 まず春学期あるいは秋学期に週1コマの授業を行います。 その後、夏期・春期休暇期間中を利用して、2 週間程度、実際に現地に赴いて研修を行います。 中米実地研修 [2014年度中米実地研修] 南米実地研修 South America Central A merica 第 6 回目となった中米実地研修は、観光学部が開講する「世界遺産研修(2)in ●南米の7つの世界遺産を訪ねて ∼世界遺産からアンデス文明を学ぶ旅∼ [2013年度南米実地研修] Mexico 」と合同で 開催し、テオティワカン遺跡やチチェン・イツァ遺跡など、世界遺産に登録されている9つの遺跡及び歴 南雲 莉奈 さん 4年次 ◎県立渋川女子高等学校(群馬県)出身 史地区に加え、あまり日本人が訪れないカカシュトラ遺跡やイスラ・ムヘーレスなどへも足を運びまし た。テオティワカンやマヤといった古代の人々が建設した壮大な遺跡群と、スペイン人たちが築いた植 民地時代の美しい街並みに、学生たちの目はきらきらと輝き、出会ったメキシコの人々と臆することなく 大学に入学した当初は学びたいことが明確でしたが、時間がたつにつれ何を本当に学びたいかが分 会話を楽しんでいました。中米実地研修への参加を機会に、卒業後、メキシコへ渡った先輩たちもいま からなくなっていたそんな時に実地研修に参加しました。たった10日間でしたが、私を変えるには十分 す。研修での体験をもとに、世界を身近に感じて、自分の生き方を改めて考えてくれる学生が増えてくれ な時間でした。忘れかけていた「知りたい」という好奇心が大いに刺激されました。特に現地の人々の生 ることを、いつも楽しみにしています。 活や文化について興味を持ちました。また、スペイン語がほとんど話せず会話がスムーズにいかなかっ たのが悔しく、もっとスペイン語を学ぼうという意欲がわいてきました。もう一度訪れることができたら、 現地の人と世間話をするのが目標です。 髙野 絵理 さん 4年次 ◎県立さくら清修高等学校(栃木県)出身 8 月上旬から約 2 週間、中米実地研修でメキシコに行ってきました。私は、マヤ文明について研 岡田 夏鈴 さん 3年次 ◎私立暁高等学校(三重県)出身 究がしたくてこの学科に入学したので、実地研修に参加することをずっと楽しみにしていました。2 週間の研修で一番印象に残っているのが、パレンケ遺跡を訪れたことです。パレンケは私がマヤ文 明に興味を持ったきっかけとなる遺跡です。やっと自分の目で見ることができ本当に感動しました。 南米実地研修では10日間かけてペルーとボリビアのさまざまな遺跡や博物館を見学しました。実際 また、研修の期間中、実際に自分の足で見てまわることによって、本だけでは伝わることのない数 に現地を訪れて目にした遺跡には、大学の授業や本の写真からは伝わることのない壮大さがありまし 多くのことを吸収することができたと思っています。この研修を通して学んだことを卒業論文でも た。また、現在も行われている先住民の伝統的な農業を見たことで、インカ時代の文明を身近に感じる 活かしていきたいと考えています。実地研修は私の大学生活で一番の宝物となりました。 ことができました。さらに、多くの遺跡を回ることで気づくことのできた共通する特徴など、遺跡への興 本倉 賢 さん 3年次 ◎県立総社高等学校(岡山県)出身 ミュニケーションがとれるよう語学力を高めていきたいと考えています。 味は深まるばかりです。これからの大学生活では、さらに知識を深めるとともに、もっと現地の人々とコ 中米実地研修では、 メキシコ・シティからユカタン半島にかけて、たくさんの遺跡や都市を訪れま した。研修中は天候にも恵まれ、大変密度の濃い毎日を過ごすことができました。私はマヤ文明や アステカ文明といった古代文明に興味があり、 今回の研修に参加しました。ずっと訪れたいと思っ ていたテオティワカン遺跡やパレンケ遺跡も訪れることができました。憧れの遺跡を前に、暑さを 忘れてずっと興奮していました。遺跡以外にもさまざまな都市の美しい街並みや青い海など、見ど ころがたくさんありました。昼間は真っ青に澄んでいた海が夕暮れ時にオレンジ色に輝く光景は、 今でも強く印象に残っています。また、現地の人々はとても愉快で親しみやすく、楽しくコミュニ 北米実地研修 North America ●アメリカ南部をめぐる旅 ∼「多人種多民族の国」アメリカを考える∼ [2012年度北米実地研修] ケーションをとることができました。メキシコが大好きになった、 とても楽しい実地研修でした。 山田 紗瑛 さん 2年次 ◎県立大府東高等学校(愛知県)出身 2週間の研修は長いようでとても短かったです。研修中は、アステカやマヤなどのさまざまな遺 跡を見学しました。写真でしか見たことがなかった遺跡の壮大さを目の当たりにし、また当時の社 会の様子や人々の信仰、生活について知ることができて、 「もっと知りたい」という好奇心が大いに 刺激されました。今後の学生生活では、 メソアメリカに関する知識を深めるとともに、現地の人々と スムーズに会話ができるように、スペイン語をマスターしようと思います。そして、また機会があれ ばメキシコやほかの中米の国々に行きたいと思っています。 06 ■ アメリカ 文 明 学 科 西村 理沙 さん 2014年度卒業 ◎私立実践女子学園高等学校(東京都)出身 私は実地研修に参加することで、ただ単に「学ぶ」だけでなく、実際に「見る」 ことでこそ理解が深まる のだということを実感しました。それまで学びたいことがはっきりしていませんでしたが、 アトランタでキ ング牧師ゆかりの地を訪ね、チャールストンで旧奴隷市場博物館を見学するなかで、黒人の方々の歴史 や奴隷制について詳しく学びたいと思うようになりました。日本でもいじめの問題がありますが、これは 世界共通のことだと感じています。差別が起きてしまった基盤となる社会の歴史をもっと知り、どうした ら平等な社会になるのかをいろいろな視点から学びたいと思い、黒人と白人の共存をテーマに卒業論 文を書き進めました。 Depar tment of Amer ican Civilization ■ 07 ゼミナ ー ル 紹 介 アメリカ文明セミナー アメリカ文明セミナーは、 3年次から始まる、 いわゆる卒業論文ゼミにあたる授業です。 2年次の秋学期に、各学生が入学後に学んだ科目のなかから、 卒業論文で取り組みたいテーマを調査票に記入し、 留 学 Voice 毎年、多くの学生が短期・中期の留学を経験しています。 ゼミナール紹介 ゼミは、学生生活の集大成である卒業論文に取り組む場です。 10数名程度のクラスで研究を進めていきます。 3・4年次を通じて、少人数のクラスで、教員の指導のもと、 活動を通して、多様な状況のもとで生きる人々と触れ合い、社会の周 ました。卒業論文では「多文化共生」に関して深く考えてみようと思 い、 「南米の日本移民/日系社会/逆移民」をテーマとして、書物や論 スペイン語に四苦八苦。でも成長を実感! 三上 葉月 さん 2014 年度卒業 ◎県立韮山高等学校(静岡県)出身 私は1年次の春期休暇を利用してスペインに留学しました。中南米の多くで公用語として使われるスペ 縁におかれる人々(少数派/マイノリティー) に関心を持つようになり 理解を深めていき、4年次の秋学期には、 「魔女」 と先住民 ―アンデスにおける 「偶像崇拝」 へのまなざし サラマンカ大学留学 (スペイン) 的障害者の自立を支援するボランティア活動に参加しています。この 自主的にアメリカ文明に関する研究テーマの ■ 2014 年度卒業論文題目例: 興味・関心はさまざまな方向へと向かっていきます。 ◎県立飯田風越高等学校(長野県)出身 地域を専攻する教員の研究室に所属して その成果を卒業論文にまとめていきます。 「アメリカ」 という一大陸の名称を冠した学科に入学してきた学生たちの 小松 由希 さん 4年次 私は1年次から、東海大学チャレンジセンターのプロジェクトで、知 大学生活の集大成の一つとして、 オーストラリアといった英語圏の大学で学ぶ学生もいれば、私費留学を果たす学生もいます。 大平 秀一ゼミナール その希望にもとづき、 ゼミが決定します。 学生は、 自分が関心を持っているテーマや 東海大学の海外派遣留学プログラムを利用してスペインのサラマンカ大学やアメリカ合衆国、 [ ボ イス ] イン語をさらに学習するためです。未熟なままの留学だったため、ホストファミリーとのコミュニケーション は容易ではなく、生活や文化の違いに戸惑いました。けれど、週末を利用してセビージャやバレンシアの火 祭りなどに出かけた時には、拙い語学力ながらも自分でホテルの予約や夜行バスのチケットを取ることが 文を読み進めています。 でき、大変でしたが楽しく充実感もありました。歴史ある街並みや人々の熱気は今でも忘れられません。 ゼミでは論文や書物をまとめて発表し合い、それをめぐって議論を 国籍を問わず多くの人と交流し、さまざまな文化や価値観に触れることで、自国の文化について客観的 行います。研究テーマはそれぞれ異なりますが、みな一生懸命取り組 に見つめなおす機会にもなりました。手探りで問題を乗り越えていく度に、語学力はもちろんのこと、内面 んでくるので、ほかのメンバーの発表内容にも刺激を受けます。大学 的にも成長できたように思います。留学に先立ち、語学担当の先生をはじめ多くの先生方が全力でサポー では、何か一つでよいので、熱心に取り組めることを探してください。 トしてくださいました。この留学で得た語学力、貴重な経験はこれからの人生に役立っていくと思います。 それを自分で深く調べてみるのも、なかなか面白いことです。 白人と共存を求めた黒人たち アステカにおける蛇信仰と天体 ― ケツァルコアトルについての一考察 動物愛護先進国と呼ばれる理由 ― 犬から見る真実 アメリカ合衆国とラテンアメリカ諸国における社会福祉に関する比較 日系移民と学校教育問題 クイーンズランド大学留学 (オーストラリア) アメリカへ進出した日本の 「マンガ」 留学の思い出が一生の宝物に 竹野 伽奈 さん 4年次 ◎横浜市立戸塚高等学校(神奈川県)出身 儀礼における聖なる食―アステカ宗教とキリスト教における比較研究 私は2年次の夏休みを利用して1カ月間オーストラリアに留学をしました。現地で通っていた大学では、 人種問題と闘う黒人アスリート達 ナスカの地上絵に関する再解釈 ― 儀礼的観点からの一考察 世界各地から来ている留学生との授業が設けられていたり、オーストラリアの自然や文化を体感できるア 日本を変えたアメリカのキッチン クティビティが組み込まれていたりと、とても充実した時間を過ごすことができました。また休日はブリス アメリカ自動車産業の成立と自動車社会の到来 ― ビッグ3を中心に ベーンのさまざまな観光地に足を運び、現地での生活を満喫しました。 ホームステイでは日本とオーストラリアの文化や生活スタイルの違いを学ぶことができました。 うまくコ ミュニケーションを取れるか初めは不安でしたが、ホストファミリーの優しさにいつの間にか不安は吹き飛 び、進んで会話をすることができるようになりました。英語を学びに行ったことはもちろんですが、たくさん の刺激を受け、内面的にも成長できたように思います。1カ月間という短い期間でしたが、 とても貴重な経 験となり、一緒に留学に行ったメンバーはかけがえのない存在となりました。この留学で得た多くのことは [クローズアップ] ! これからの私の人生に大いに役に立つことと思います。留学での思い出は私の心に一生の宝物として残る ことでしょう。 美術館のインターンシップで学芸員を経験 内山 歩 さん 4年次 ◎県立渋川女子高等学校(群馬県)出身 inlingua Vancouver 語学学校留学 私は、東海大学の課程資格教育センターが箱根 彫刻の森美術館との連携で行って いる「キュレーターの “たまご” プロジェクト」にインターンとして3年次の4月から参加 しています。このプロジェクトは、私たち学生が、彫刻の森美術館で教育普及活動に 携わり、かつ東海大学が企画する講座などを通して、学芸員としての専門知識を深め、 明確な職業意識と意欲を持てるようになることを目的とするプロジェクトです。 彫刻の森美術館では、特別ワークショップのスタッフとして、会場の設営や呼び込 み、またギャラリーガイドを行っています。来館するのは小さな子どもたちからご年配 の方々、あるいは外国の方たちとさまざまです。説明や誘導の仕方を工夫することは もちろん、専門的な知識以外にも求められることが多くあり、はじめのうちはコミュニ ケーションがうまくとれずにいたこともありました。しかし、今では、来館した方々に思い出に残るような美術館体験をしてもらえるよう、自分 たちにできることは何かということを考えられるようになりました。インターンシップは、現場を知るという意味において、 とても重要な経験だ と思います。このプロジェクトに参加したことで、自分の世界が確実に広がっているのを実感することができています。 (カナダ) 楽しい留学経験で、英語への意欲が新たに 内藤 翔海 さん 4年次 ◎県立茅ヶ崎高等学校(神奈川県)出身 私は、3 年次の夏期休暇 6 週間を利用して、カナダのバンクーバーに短期留学をしました。初めて海外に 滞在するならカナダがオススメと聞いていたので、英語を学ぶ地としてカナダを選びました。私は大学の 留学プログラムは利用せずに私費での語学留学の道を選び、情報収集のためにカナダ大使館にも足を運 びました。 inlingua Vancouver 語学学校での勉強は、多くの留学生とともに、とても良い環境で行うことがで きました。放課後や週末を利用してのアクティビティはどれも楽しく、 ビーチバレーや BBQ 、3 泊 4日のロッ キー山脈へのバス旅行も経験しました。特にロッキーは最高でした。宿泊班は韓国とスペインからの留学 生と一緒で、英語でたくさんコミュニケーションをとることができました。 ホストファミリーも優しかったです。スペインとフランスからの留学生、そしてホストマザーはイタリア系 という新鮮な環境で、みなでサッカーや散歩を楽しみました。大きい町なので、生活に困ることもありませ ん。ルームメイトや学校でできた友人たちとは今でも連絡をとっています。バンクーバーで出会った友人た ちはみな、積極的でフレンドリーです。今までの自分が一気に変われます。この留学を通して、英語の勉強 のためにまた海外に行きたいという意欲が高まりました。 08 ■ アメリカ 文 明 学 科 Depar tment of Amer ican Civilization ■ 09 卒 業後 の進路 社 会 で 活 躍 する卒 業 生 たち ◎卒業生の主な就職先[ 2013 年度] ■卸売・小売業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ギャップジャパン、 ワールドストアパートナーズ、サンドラッグ、 近藤鋼材、千代田組 ■生活関連サービス業・娯楽業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 日本旅行、平安レイサービス ■製造業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ スズキ、矢崎化工、 メルヘン ■宿泊業・飲食サービス業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ リゾートトラスト、サイゼリヤ、エー・ピーカンパニー ■サービス業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ANA成田エアポートサービス、東日本環境アクセス、セントスタッフ ■情報通信業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ソフトバンクモバイル ■建設業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ミサワホーム東関東 ■電気・ガス・熱供給・水道業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 日本瓦斯 ■学術研究・専門・技術サービス業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ユメックス ■ 産 業 別 就 職 状 況[ 2 013 年 度 ] ■ 学術研究・専門・ 技術サービス業 比率:% ■ 教育・学習支援業 3.1% 3.1% ■ 不動産業・物品賃貸業 ■ 複合サービス事業 3.1% 3.1% ■ 運輸業・郵便業 ■ 学校 3.1% 3.1% ■ 卸売・小売業 ■ 電気・ガス・ 熱供給・水道業 18.8% ■ 生活関連 サービス業・娯楽業 3.1% 15.6% ■ 建設業 3.1% ■教育・学習支援業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 東海体育指導 ■複合サービス事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ セレサ川崎農業協同組合 ■学校‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 福島県公立中学校 ◎卒業生の主な就職先[ 2011・2012年度] 西日本旅客鉄道、西濃運輸、武蔵製菓、東京自働機械製作所、 三共スポーツ、富田薬品、 ホンダカーズ埼玉、 クリエイトエス・ディー、 中栄信用金庫、城北信用金庫、西武信用金庫、東京信用金庫、ポラス、 HRTニューオータニ、ミリアルリゾートホテルズ、東横イン、 吉本興業、近畿日本ツーリスト、エイチ・アイ・エス、ベストブライダル、 防衛省、警視庁、群馬県警察本部 ◎卒業生の主な進学先[ 2011∼2013 年度] ■ 情報通信業 6.3% MESSAGE-VOICE 篠塚 達哉 さん 小野 扶美子 さん 2013 年度卒業 2013 年度卒業 平安レイサービス株式会社勤務 株式会社東日本環境アクセス勤務 現在、私は主に首都圏の環境問題の改善に取り組んでいる 私は神奈川県にある結婚式場で、ブライダルプランナーとし JR東日本のグループ会社で働いています。なかでも、リサイク て婚礼に関わるさまざまな業務に携わっています。一見、アメリ ルに関しては将来性のある分野であり、大いにやりがいを感じ カ文明学科とはかけ離れた職業のように思われるかもしれませ ています。 んが、4年間で学んだ知識や培った力の多くが今の仕事に活か 私がこの会社への入社を決意したのは、アメリカ文明学科で されています。 学んだ経験が大きく関係しています。学生時代に実地研修で外 たとえば「考える力」です。学生時代、多くの書籍や研究発表 の世界に触れた結果、歴史や文化の重要性だけでなく、環境問 に触れるなかで、 「この人は何が言いたいのだろう」 「何を伝え 題こそが今、全世界で課題となっているということを理解でき たいのだろう」と相手の気持ちについて考える力が身につきま たからです。このように、アメリカ文明学科ではさまざまな国の した。この力は、相手の考えを読み解き、一人ひとりの想いや期 文化や社会に触れることができる環境が整っています。その上 待に合わせた提案をするために欠かせない力となっています。 で、学生一人ひとりが興味のある分野を見つけ、それを学ぼうと 東海大学は、 「学びたい」こと、 「やりたい」こと、すべてが叶う する意欲を身につけていくことが大切です。 大学だと思います。なかでも、アメリカ文明学科は、学生の希望 大学を卒業して社会に出た後も勉強の毎日です。アメリカ文 を全力でサポートしてくれる学科です。どのようなことにもまず 明学科で身につけた学ぶ意欲は、今の私にとって大きな武器と チャレンジしてみてください。その経験のすべてが、将来の自分 なっていることを実感しています。皆さんも、ぜひ、自身が興味 の大きな糧となるはずです。 を持てる分野を開拓し、自ら進んで学んでいってください。 ■ 製造業 12 .5% ■ 宿泊業・飲食サービス業 ■ サービス業 12 .5% 9.4% 東海大学大学院、山形大学大学院、神奈川大学大学院 MESSAGE-VOICE 斉藤 沙綾 さん 2010 年度卒業 Topics 東海大学大学院文学研究科文明研究専攻 博士課程後期在籍 [トピックス] 第 60 回東 海 大学建 学 祭 学 科 企 画展 示「中米 実地 研 修 紀 」展 第 60 回建学祭において、今年も学科企画展示を行いました。今 回は、 8月に実施した中米実地研修に参加した学生さんたちの写真 をもとに、訪れた遺跡や教会、街などを、研修の日程に沿って紹介し ながら、 メキシコの楽しさを皆さんにお伝えするという企画でした。 供物の台として利用されていたチャクモール像やマゲイ (リュウゼ ツラン)など、学生たちの印象に残ったさまざまなものの模型も作 努 力 賞 受 賞! MESSAGE-VOICE 山田 裕司 さん 2010 年度卒業 富士市消防本部勤務 私は小学生のころから中米の古代文明に興味を持っており、 私は現在、消防士として消火・救急の災害現場業務や、火災 それを専門に研究することが夢でした。そこで、日本では数少 の発生を未然に防ぐための予防業務、市民の方々が安心して ない中米の古代文明を専攻することができる東海大学に入学 暮らせるまちづくりを推進する業務など、さまざまな業務に携 しました。現在は博士課程後期に進み、複雑な文字や暦、豪華 わっています。消防士という仕事は多くの知識、技術が必要と な装飾を身につけたマヤ王の姿が彫刻された石碑などの図像 され、毎日が勉強です。精神的にも体力的にも厳しい仕事で から、マヤの王とはどのような役割を担っていたのかについて すが、市民の方から「ありがとう」という感謝の言葉をいただ 研究をしています。 いた時には、日々の鍛錬が報われ、また厳しい訓練に打ち込め 中学・高校の歴史の教科書を見ても、アメリカ大陸の古代文 ます。 明についてはほとんど書かれていません。アメリカ文明学科で 大学での 4 年間は、多くの友人に恵まれ、さまざまな授業を りました。来場者のなかには、何度も見に来てくださる方々もいらっ 過ごした4 年間と大学院での毎日は、今まで自分が知らなかっ 履修することで自分自身の視野が広がり成長することができ しゃって、 「メキシコへ行ってみたくなりました」 「昔、 メキシコに行っ た歴史や価値観を学ぶことができ、新しいことを知る楽しさで ました。悩みや困りごとがあった時、親身になって相談に乗っ たことがあるので、 とても懐かしいです」など、学生たちとずっとお いっぱいです。また、個性豊かな先生方の熱心なサポートのも てくれた大学時代の友人は今でも本当に心の支えになってく とで刺激ある大学生活を送ることができています。大学は自主 れています。在学生やこれから入学する皆さんは、自分で時間 話をしながら見て回ってくださって、感動しました。また、例年のよう 10 MESSAGE-VOICE に学部生と大学院生による研究発表も開催し、学生や高校生だけ 性が問われる場所です。研究会や実地研修、留学などアメリカ を管理することのできる貴重な大学生活を思いきり楽しんで でなく、熱心に発表に聞き入る保護者の方々もいらっしゃいました。 文明学科のプログラムを積極的に利用して、充実した大学生活 ください。 学生たちの日々の成長の姿を見ていただけたと思います。 を過ごしてください。 ■ アメリカ 文 明 学 科 Department of Amer ican Civilization ■ 11 教 員 紹 介 教授・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 准教授・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 講師・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 非常勤講師・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ D ATA 3人 2人 1人 4人 アメリカ文明学科の教員は、 世界レベルで独自の調査・研究を活発に展開しており、 第一線の情報を授業にフィードバックしています。 広い視点で マヤ文明を視る 横山 玲子 教授 R. Yokoyama 文学修士 ・研究テーマ・ マヤ文明の 神話・伝承・文書記録、 メソアメリカの諸文明 ・専 門 分 野・ 文明学、中南米先史学 マヤ文明の神話・伝承・文書記録をも アメリカの多様性とは 何かを探る アンデス山中から 人間を考える 大平 秀一 教授 栗原 涼子 教授 R. Kurihara M.A.(歴史学) 中島 朋子准教授 S. Odaira 文学修士 ・研究テーマ・ ・研究テーマ・ T. Yoshida 修士(文学) Ph.D.(歴史学) ・研究テーマ・ ・研究テーマ・ ・研究テーマ・ 中南米の諸先史文明、 文明の理論的研究 チェロキー・ インディアンの歴史、 文化の変容と不変 ・専 門 分 野・ 文化人類学、 アンデス先史学 吉田 晃章 講師 I. Ishii アメリカにおける 「日本」 、 アメリカ文化史 ・専 門 分 野・ ・専 門 分 野・ アメリカ史、 ジェンダー史 中南米先史文明の世界観を 探究する 石井 泉美 准教授 T. Nakashima 博士(学術) インカ社会、 異文化認識 フェミニズム運動史、 アメリカ近現代史 「なぜ」 をひもとく 身近なテーマから アメリカを考えよう 北アメリカ地域研究 ・専 門 分 野・ 中南米先史学、 文化人類学 ・専 門 分 野・ ネイティヴ・アメリカン史 アメリカ近現代史をジェンダーの視点 主たる研究対象はインカ社会です。ア アメリカにおける「日本」に関する言説 学部生時代からこれまで一貫してアメ 研究対象は、中南米の先史文明です。 とに、古代マヤ人の世界観について研究 から研究しています。主に参政権運動な ンデス山中でインカ帝国に属する遺跡 や表象について関心を持ち、 その研究を リカ先住民の一部族であるチェロキー・イ 遺跡調査や文書記録の分析を行い、先 しています。また、 アステカやオルメカな ど、19 世紀、20 世紀の女性運動がどの の発掘調査を行っています。調査地は 通じて、広くアメリカの文化について考 ンディアンの歴史・文化研究に携わってき スペイン期の文明が、どのような世界観 ど、メソアメリカに興ったマヤ以外の文 ようにアメリカの社 会と政 治を変えて 馬で約 5 ∼ 8 時間の場所。長期間にわ えています。具体的には、アメリカと日本 「新 ました。1492 年のコロンブスによる にもとづいて発展していたのかを研究し 明も研究対象です。諸文明の共通点や いったのかを歴史資料をもとに考察して たって、異 国 の 山 の な かでフィールド における「日本美術」をめぐる言説の違 大陸発見」よりもずっと以前から多様な ています。世界観といっても、特に時間や 差異を考えることで、広い視点からマヤ い ま す。ジェンダー 、人 種 、エ ス ニ シ ワークを行っていると、アンデス先住民 いが、両国における 「日本美術」 の認識に 社会、文化が存在した地「合衆国」 を舞台 空間に関わる認識や死生観が、主たる そしてメソアメリカ全域を理解すること ティー、階級などの視点を歴史分析に加 の歴史はもちろん、アンデスの小さな村 大きな違いをもたらすことを、その違い に、 「異なる文化が出会うとは、 そして自ら テーマです。また、文明の理論研究とし への道が開けてきます。このほか、東海 えることで、アメリカ文明を多角的に検 の問題、自分の問題、日本の問題、世界 の背景にある文化の政治性について考 と異なる他者と出会うとは一体どういう て、先史文明から植民地時代以降のラテ 大学の「新大陸学術調査団」の一員とし 証することができます。人権や平等、男 の問題など、人間の諸問題を一生物とし えながら研究しています。同様の観点か ことなのか」 を考えています。インディア ンアメリカ社会への文明的影響にも興 て、アンデス地域での発掘調査も行って 女共同参画など、現代につながる思想の ての立場から深く考えさせられます。 らハリウッド映画が描く 「日本」などにつ ン史をインディアンの側から語ることの 味を持っています。 きました。 原点を探る作業でもあります。 いても興味を持っています。 大切さを心に留め研究をしています。 非常勤講師の紹介 Department of American Civilization ● 小島 夕佳 [アメリカ合衆国研究] School of Letters ● 前田 伸人 [ラテンアメリカ研究] ● 持田 あや子 ● [ラテンアメリカ研究] 木下 直俊 [ラテンアメリカ研究] C l ip Bo a rd #1 インカの発掘 マヤ文明の発展と衰退を考える アンデスの雄大な自然の中で人間を考える メキシコにおける遺跡調査 ■ 大平 秀一 教授 ■ 横山 エクアドル南部には、 トメバンバというクスコと同様の重要性を帯びたイン 12 ■ アメリカ 文 明 学 科 C l ip Bo a rd #2 玲子 教授 吉田 晃章 講師 1990年代から南米ペルーで調査を行ってきた東海大学「新大陸学術調査 この都市と重要な儀礼品 カの都市が配されていました。私は1994年以後、 団」は、2010年度から中米のメキシコにおけるマヤ文明の調査を開始しまし の採取が可能だった海岸部との関係を調査・研究の対象としてきました。 これ た。世界遺産に登録されたティカル遺跡やチチェン・イツァ遺跡などで知られ まで新たな遺跡が多く確認され、発掘を通して、 インカ帝国の新たな特徴が浮 るマヤ文明ですが、多くの王国が興亡し、2000年余りにもわたって続いたマ かび上がりつつあります。 ヤ文明の社会的メカニズムについては、まだ解明されていないことがたくさ Clip Board Clip Board 調査地は、5時間も馬に乗ってアンデス山中を分け入ったところにあり、大 んあります。現在カンペチェ州南部地域を中心に、先古典期末期から古典期に 変きびしい生活を強いられます。そこには雄大ですばらしい自然が広がって かけて栄えた諸遺跡に見られる建築様式に注目して、それぞれの行政=祭司 おり、人間が自然の一部であることを改めて考えさせられます。これまでの調 センターを担った人々が、互いにどのような関係を築いてマヤ文明全体を作 査には、アメリカ文明学科の学生も参加したことがあります。 り上げていたのかを調査しています。 Department of Amer ican Civilization ■ 13 文 明 系 ●文明学科 ●アジア文明学科 ●ヨーロッパ文明学科 ●アメリカ文明学科 ●北欧学科 歴 史 系 ●歴史学科 日本史専攻 ●歴史学科 東洋史専攻 ●歴史学科 西洋史専攻 ●歴史学科 考古学専攻 言語文学系 ●日本文学科 ●文芸創作学科 ●英語文化コミュニケーション学科 現代社会系 ●広報メディア学科 ●心理・社会学科 現代は激 動の時代。東海大学文学部は、 そのなかを生き抜くための「自分の座標軸」を獲得する場所です。 文学部の14 学科・専攻では、授業から課外活動にいたるあらゆる領域で、 そのための環境づくりに取り組んでいます。 文学部は、 皆さんの資格取得を応援し、 レベルアップの場を提供します。 資 格 【教職課程】 学科・専攻・課程に設置され、特定の免許教科について、高等学校及 び中学校の教員免許状を取得するために学修します。本学科の卒業 者で、卒業までに教職に必要な所定の科目(教職に関する科目、教科 に関する科目など) を修得すれば、下記の免許教科についての免許状 を取得することができます。 先輩たちは、 いま何をしているの? ―― 14 学科・専攻在学生へのインタビューから―― ・当・該・学・科・で・取・得・で・き・る・免・許・ 世界をより的確に知るために、 英語力を鍛えようと思っています! ◆ 高 等 学 校 教 諭 一 種 免 許状・ ・ ・教 科:地 理 歴 史 ◆ 中 学 校 教 諭 一 種 免 許 状・ ・ ・ ・ ・ ・教 科:社 会 ――文学部では、 【 TOEIC ® テスト団体受験】 の機会を提供。 1・2 年 次は無料で受験できます。大学には検定受験対策のための授業も 用意されています。 海外研修旅行に行きます。 直接世界を体験して、 学んだ言葉を活かしたい! ――文学部には、アジア、 ヨーロッパ、北欧、北米・中米・南米へ出かけ る 【海外研修授業】 があります。またアラビア語、 ギリシア語、 ポーラ ンド語、デンマーク語など 【多彩な言語の入門科目】 も用意されてい ます。 まずは日本語の表現力、 コミュニケーション力を 磨くことを考えています! ――文学部では、すべての授業で【読む (Read) ・書く (Write) ・話す 【学芸員課程】 ( Speak ) 3 つの力を養う目標】をシラバス(授業計画)に掲げ、全教 員が工夫して授業に臨んでいます。オムニバス形式の文学部共通授 業【ことばの世界】 も開講されています。 情報発信の力をつけたい。 メッセージを広く社会に届ける活動をしています! ――文学部には【キャンパススタジオ】があり、学生たちが主体と なって放送番組(テレビ、ラジオ、ネット放送)を制作し、社会的にも 高い評価を受けています。 先生方と一緒に、大学での研究や学びを 地域の皆さんと共有するイベントを開いています! ――文学部には、専用の小さな博物館【文学部展示室】 (3号館4階) があります。また 【知のコスモス】 の名の下に、講演会などのイベント も頻繁に開かれ、地域の皆さんと学びあう場が生まれています。 「人間とは何か」 「世界の多様性」について、 幅広い視点を身につけたい! ――文学部には、 【 知のフロンティア】 など学科・専攻の枠を超えたオ ムニバス授業や、教育研究プロジェクトがいくつもあります。 【 副専攻 制度】 も充実。交流することから学びも広がります。 文学部のアドミッションポリシーについては、 本学ホームページに掲載しておりますのでそちらをご覧ください。 http://www.u-tokai.ac.jp/about/philosophy_history/concept/admission_policy.html 14 ■ アメリカ 文 明 学 科 博物館学芸員の資格を取得するために必要な知識と技術を学修し ます。博物館・美術館・水族館・動物園・資料館など、歴史・芸術・自然科 学などに関する資料を収集、展示する機関で働く学芸員は、専門職と しての資格が必要です。学芸員に必要な所定の科目を修得し、本学 科を卒業することで、資格を取得できます。 【司書・司書教諭課程】 司書・司書教諭の資格を取得するために必要な基礎知識と技術を 学修します。 生涯学習が盛んとなってきている現代社会において、図書館の文 献・資料は、独自の学習・研究で早急に諸情報を収集する場合だけで なく、多種多様な知的関心を充足させるのに欠かせないものとなって います。 図書館の利用者に的確な情報を提供することは司書の役目であり、 大量の情報が集約された文献・資料、 あるいはデータベース化された記 録媒体などから情報を提供するための知識と技術が求められています。 司書に必要な所定の科目を修得し、本学科を卒業することで、資格 を取得できます。 なお、司書教諭とは、学校図書館の教育・専門的職務に従事する教 員をいい、教職課程を履修し、本学科所定の科目を修得すれば取得 できます。 【社会教育主事】 21 世紀は生涯教育の時代といわれています。こうした時代に力を 発揮するのが社会教育主事の資格です。社会教育を行うものに指導 と助言をすることのできる資格です。所定の科目を修得し、1 年以上 の社会教育主事補の職を経験し、試験に合格すれば、資格を取得で きます。 各種講座について(含有料) ●教員試験講座 教員採用試験に出題される科目のう ち、一般教養・教職教養・面接対策・論作 文に的を絞り、指導経験豊富な講師陣に よって行われる実践的な特別講座です。 Department of Americ an Civilization http: //www. u-tokai.ac . jp/ ac ademics/ u nderg r aduate/let ters / School of Letters SC HOOL OF LETTERS 文 学 部[ 学 科 構 成 ] ●公務員講座 各種の公務員試験に出題される教養・ 専門科目のなかでも出題数の大半を占 める主要科目を中心に、問題演習などを 含めて実際の試験に即した授業を行い ます。 ● そのほかにも、金融セミナーや、マス コミ講座・日商簿記 ( 2 級・3 級) ・秘書検 定( 1 級・準 1 級・2 級 ) などの講座・勉強 会を実施しています。 東海大学JOB-LEAGUE ● JOB-LEAGUE は東海大学のイン ターンシップ(企業での就業体験) 制度 です。 他大学より早く、2 年次の春期休暇中 に実施しています。先輩の体験談もあ るガイダンスが秋に開催されます。 ◎ LEVEL UP! Depar tment of Amer ican Civilization ■ 15
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