レ コステ ジャンマルコ アントヌーツィ、彼ほど合理的、かつ感性的な造り

èVino
レ コステ
ジャンマルコ アントヌーツィ、彼ほど合理的、かつ感性的な造り手に出会ったことはあっただろうか。ヴァレン
ティーニやシュレール、、、愛する造り手のワインを飲むうちに、自らワイン造りの道を選んだジャンマルコ。多く
のワイナリーでの経験、そして祖父より受け継いだグラードリでのブドウ栽培、それぞれ全くの無関係のようですべては彼の計画した
通り。そう感じさせてくれる説得力を持っている。そして、それだけでは終わらな
い彼のエネルギーは、畑での挑戦はもちろん醸造においても、ただならぬものが
ある。いつもの想像の斜め上を進み続ける彼のワイン。そこには造り手だけでな
い、飲み手へのたくさんのメッセージが散りばめられている。
グラードリの土地はラツィオ北部、ヴィテルボ近郊カルデラ型の湖ラーゴ デ
ィ ボルセーナのほとりにある。このあたりの土壌は火山礫、凝灰岩、細かい顆
粒状の石が積み重なり形成されている。砂質、シルト質、火山性の堆積物、特
に鉄分が多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。標高も高
く、350~500mという斜面、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた
5ha(樹齢が非常に高い)と、2004 年に彼が手に入れた3ha の土地「Le
Coste」。2006 年より収穫・醸造を開始。すべての畑において一切の薬品類を
使用せず、天然抽出した銅でさえほとんど使用しない(高樹齢の畑においては
一切使用していない。)、肥料ももちろん、堆肥、緑肥でさえ行わない農業。畑
ではブドウ樹だけを栽培するのではなく、自家消費用に野菜やオリーブ(一部は
販売用にも生産)果実を混在させた状態で栽培。単一的な環境ではなく、より
多様性のある畑、自然環境に近づける努力を惜しまない。これは、ジャンマルコ
のポリシーであって、絶対に妥協しない部分。効率も悪ければリスクも非常に高
い、しかしこのポリシーを貫くための過酷な畑仕事は一切惜しまない。彼の言葉
を借りるならば、「自分の造りたいものを造るためには、欠かせない事。」となる。
レ コステを理解する上でまず必要なもの、樹齢の古い畑と若い畑、この二
つを見ていただきたい。常識的に考えれば、樹齢の若い畑と、古い畑、ブドウの
質でいえば樹齢が高い方が当然良い、と考えられるだろう。しかし、ジャンマル
コの目指している高すぎる到達点からは、若い畑といっても凄まじい可能性を
秘めている。
新しい畑「Le Coste」以降 Le Coste
2003 年にジャンマルコが手に入れた約 3ha の湖に向いて開けた台地。2004
年に初めて植樹、サンジョヴェーゼ、アレアーティコ、プロカーニコ(トレッビアーノ
トスカーノ)、マルヴァージア、ごく僅かのモスカート。植樹するにあたり台木を使
うことは、フィロキセラから樹を守るために必要不可欠、、というのが一般論。し
かし、フィロキセラの影響がない環境ならば、自根の持つ奥深さと、果実に与え
る影響力は計り知れない。レ コステの土壌特徴はフィロキセラへの強い耐性が
あると判断した彼、(何事においても実践主義である彼の性格もあるかと)台木
を使わず自根での栽培(ピエディ フランコ)を行う。
そしてセレクション マッサールによる多様性(ヴィテルボ周辺より集めたクロー
ンやその他の地品種、そして尊敬する素晴らしい造り手達から苗木を分けても
らったという話は良く知られていますね)。そして超高密植による負荷、(1ha あ
たり 10000 本~12000 本)、仕立てはワイヤーを使わず樹 1 つずつに支柱を
立て、非常に背の低いアルベレッロ(株仕立て)にすることで、結実自体を減ら
す(初めから収穫量を抑え、樹の成長のみを考えた手法)。10 年を越えた段
階で、1 本の樹より僅か 500g~1kg(しかも人為的に一切摘果を行わずに!)
という徹底した栽培。そして、そこからさらに選果するという、、、正気とは思え
ないほどのこだわり。3ha の畑よりわずか 1500~2000 本分しか造られない Le
Coste を冠するビアンコ、ロッソ。そしてアレアーティコを用いた最大限の踏込み、ともいえるアーレア ヤクタ エストが生まれる。人
為的な介入をほとんど行わずに極限まで凝縮した果実から、最大限ともいえる土地の表現しようと考える。植樹の段階から徹頭徹
èVino
尾、自ら学んだ栽培哲学を詰め込む畑。ジャンマルコ曰く、「Le Coste に足りないものは唯一、時間(樹齢)だけ。」
樹齢の古い畑「Vecchia Vigna」以降 VV
もう一つは樹齢 50 年を超える高樹齢の畑。ヴィテルボ周辺は古くよりブドウ栽
培が行われてきた土地。水はけの良さと豊かなミネラル、病気などのトラブルが
起きにくく、元来農薬など皆無の栽培が当然。フィロキセラの被害もほとんどなく、
自根(ピエディ フランコ)のまま育った樹も少なくない(現に 50 年を越える自根
のアレアーティコ、サンジョヴェーゼが彼の畑に存在している。)しかし、長い年月
の間行き届いた手入れが施されていた訳はなく、手入れの不備からくる不安定
さ・もろさがあることも事実。離農や過疎により手放される畑を借り足しながら、
2015 年現在で、23 カ所に点在し合計 5ha。なんとも作業効率を度外視しては
いるものの、効率では補えないほどの樹齢の素晴らしさがある。「長い年月を経
たブドウ樹を軽視してはならない」そう語るジャンマルコ。ヴィンテージごとの気候
の変化にとても柔軟に対応し、現在ではボルドー液はもちろん銅さえも必要とし
ない完成された区画も多く存在する。VV での出来事は、彼にとって大きな経験
ともいえる、「成長した樹の素晴らしさを見せつけられた」と話す。彼として珍しく、
スタンダードとして存在するワイン(ビアンコ、ビアンコ R、ロッソ、ロッソ R)が生ま
れるのも、この VV の畑から。そして 23 カ所にも細分化された結果、畑の区画ご
とに如何ともしがたい果実的な個性や特徴。2012 よりそれを素直に表現し始め
た。(ビアンケット、ガンブリヌス、、etc)。さらには、この 5ha よりごく一部のみ、Le
Coste にも負けないほどの完成度を持ったプロカーニコより造られるワイン「レ ヴ
ィーニェ ピウ ヴェッキエ」はあまりに生産量が少ない(良年のみ 250~450 本
程度、、、)ため、手法もリリースまでの時間も一切構わず、自分の思うままに造
り上げるというこだわりを持ったワイン。
2010 年というレ コステにとって危機的な気候状況に対峙した2つの畑。わず
かな樹齢であるにも関わらず、想像もつかないほどの見事な収穫を見せた Le
Coste に対して、常識でいえばこうした変化に強いはずの VV の甚大なる被害。
どんな知識や技術、経験で も実証できない出来事が、彼の目の前で起き
る、、、。これは彼の栽培に対する観念に多大な影響を与え、価値観が再構築
されるきっかけともなった。
彼曰く、「ワインを造るのに自然の恩恵は欠かせない、気候や環境ってのは
全くコントロールできない。だからいわゆる“良い年”に“最高のブドウ”が収穫でき
る。ただ、これは“最高のワイン”ではない。そのまま普通に仕上げたら、自分の
中では“良いワイン“、としか言えない。これまで以上の醸造、リスクを冒すことが
当然必要。それに、その方が面白いだろ?」
醸造に関しては、すべてのワイン、すべての工程において酵母添加、亜硫酸添加、温度管理、ろ過や清澄、、、一切の介入を
行わない。これは人為的な介入を一切行わずに、ブドウの持つキャラクターのみによりテロワールを表現しようという、ジャンマルコ
の醸造哲学を 100%表現した形といえる。
畑でみられる樹の個性、果実的な違いを直感的に表現しようと考えているジャンマルコ。必然的にリリースするワインの種類は多な
っていくのも仕方のない事かもしれません。
白ワインにおいては 2008 年以降、果皮や種子の要素を持たせない(長い果皮浸漬を行わない)アプローチが中心。VV から造
られるスタンダードなワイン、Bianco、BiancoR は特に樹齢の古い区画の樽をより長い時間樽熟成させたワイン。そして Le Coste か
ら造られるのはその名を関したビアンコのみ。(3ha の畑より、ロッソと合わせても例年 2000 本程度しかボトル詰めされない、、)
赤、特にサンジョヴェーゼ(グレゲットと呼ばれる)についても同様に、VV より造られる Rosso、RossoR。レ コステより造られる
LeCoste の名を冠したロッソ。そしてアレアーティコより造られる、最大級の踏み込みを行ったアーレア ヤクタ エスト(特に 2011
年のリリースより、今までのアーレアとは果実的な到達点、醸造にかける時間の長さ、どちらにおいても今までとは比べ物にならな
いワインとなりました。
èVino
No
ワイン
分類
年
種類
Bianco
ビアンコ
品種・メモ
容量
プロカーニコ、マルヴァージア主体ヴェルメン
ティーノ、その他自生品種(ロスチェット、ヴ
ェルデッロ、ペティーノ、ロマネスコなど)。樹
齢 40~45年の畑。収穫後木樽にて約 1
週間のマセレーション。圧搾後木樽にて野
―
Lec0601
12
白
生酵母による醗酵を継続。長期間の醗酵、
そしてそのままの状態で熟成。
750ml
08より段階的に変化し始め、当初の日常
的な雰囲気から逸脱し、長い熟成にも耐え
うる可能性を持ったビアンコ。ノンフィルタ
ー、収穫からボトル詰めまで、SO2 を含め
た一切の添加を行わない。
プロカーニコ 60%、マルヴァージア、ロッシ
Bianco R
ビアンコ R
ェット、ペティーノ、ロマネスコ、樹齢 50~
55 年の畑。収穫後約 1 週間のマセレーショ
ン、古バリックにて野生酵母による醗酵、そ
の後木樽にて22か月の熟成。ボトル詰めの
―
Lec1201
11
白
タイミングで1度オリ引きを行う。その後瓶内
で 6 か月の熟成。ノンフィルター、収穫から
750ml
ボトル詰めまで、SO2 を含めた一切の添加
を行わない。2011の収穫の中でより特別
な雰囲気を持った樽(結果的に樹齢の古い
区画であった)をボトル詰めせずに、さらに 1
年間樽にて熟成をさせたワイン。
グレゲット、その他自生品種を含む。収穫後
Rosso
ロッソ
約 2 週間のマセレーションを行いつつ、野生
酵母による醗酵。圧搾後使い込んだ木樽に
て 12 か月の熟成。ノンフィルターにてボトル
―
Lec0902
12
赤
詰め、収穫からボトル詰めまで、SO2 を含
めた一切の添加を行わない。
750ml
2011 という、果実的な力を強く持ったヴィ
ンテージ。昨年リリースした分とは別に、カン
ティーナにてさらに 12 か月の熟成を行っ
た。
Rosso R
ロッソ R
グレゲット、樹齢 50~60 年。収穫後、約 5
週間に及ぶマセレーション、野生酵母による
醗酵を行う。その後古樽にて 22 か月間の
熟成。ボトル詰めのタイミングで1度オリ引き
を行う。瓶内で 12 か月の熟成。ノンフィルタ
ー、収穫からボトル詰めまで、SO2 を含め
Lec1401
―
11
赤
た一切の添加を行わない。2011の収穫の
中でより特別な雰囲気を持った樽(結果的
に樹齢の古い区画であった)をボトル詰めせ
ずに、さらに 1 年間樽にて熟成をさせたワイ
ン。
750ml
èVino
アレアーティコ。樹齢 40 年~50 年。収穫
Rosato
後、5 日間に及ぶマセレーションを行い、野
ロザート
生酵母による醗酵を促す。圧搾後栗の木
樽に移し 3 か月以上の醗酵、瓶詰めができ
る段階までに 10 か月近い時間を要した、
―
Lec0801
12
ロゼ
すさまじい体躯。昨年初リリースとなった 11
750ml
とは比べものにならないポテンシャル、そし
て十分すぎる骨格とバランスをもつ。ノンフィ
ルターにてボトル詰め、収穫からボトル詰め
まで、SO2 を含めた一切の添加を行わな
い。
アレアーティコ。樹齢 40 年~50 年。厳しく
選果されたアレアーティコ、除梗したのちプ
Rosato
ロザート
レスすることなく自重にて搾汁されたモスト
のみを木樽に移し、野生酵母による醗酵を
促す。3 か月に及ぶ醗酵期間を経て、その
ままオリ引きすることなく 12 か月の熟成。昨
―
Lec0802
13
ロゼ
年まで(2011,2012)とは果実的な到達
点が全く違うこともあり、全くアプローチを変
750ml
えた、より直線的かつ洗練されたロザート。
果実感というより骨格、研ぎ澄まされた酒質
を感じる。ノンフィルターにてボトル詰め、収
穫からボトル詰めまで、SO2 を含めた一切
の添加を行わない。
驚異的な収穫量の少なさ、最高レベルの到達点を持つ Le Coste の畑より
No
ワイン
分類
年
種類
Bianco “Le Coste”
ビアンコ “レ コステ”
品種・メモ
容量
プロカーニコ、マルヴァージア主体。(数パー
セント地域の古代品種を含む。)2004 年、
ジャンマルコ自身が植樹した畑 Le Coste
(フランコ ピエーデ:台木なし自根、セレク
ション マッサール、1ha あたり 10000 本の
密植、背の低いアルベレッロ仕立て。)の収
穫より。樹の成長とともに、結実も安定。自
発的な選果(1 本当たりわずか 600g)が起
きた樹のみを選別。収穫後 12 時間かけ自
Lec0702
―
11
白
重にて出るモストフィオーレを木樽(12hl)に
移し野生酵母による醗酵を促す。24 か月
の熟成の後にボトル詰め、瓶内にて 12 か
月熟成。
酵母や SO2 一切の添加を行わず、温度管
理も行わない、ノンフィルターにてボトル詰め
される。「レ コステ」彼がゼロから築き上げ
てきた最高の畑の名を冠するにふさわしい
力と、更なる熟成にも十分耐えうる酒躯を
持つ。
750ml
èVino
Rosso “Le Coste”
ロッソ “レ コステ”
グレゲットロッソ。2004 年、ジャンマルコ自
身が植樹した畑 Le Coste(フランコ ピエー
デ:台木なし自根、セレクション マッサー
ル、1ha あたり 10000 本の密植、背の低い
アルベレッロ仕立て。)の収穫より。樹の成
長とともに、結実も安定。自発的な選果(1
本当たりわずか 500g)が起きた樹のみを
選別。収穫後、果梗の熟成の弱い部分の
―
Lec1102
11
赤
み除梗し、開放式の木樽にて1か月に及ぶ
マセレーション、野生酵母による醗酵。圧搾
750ml
後、600Lの木樽にて 24 か月の熟成、ボト
ル詰め後 12 か月
酵母や SO2 一切の添加を行わず、温度管
理も行わない、ノンフィルターにてボトル詰め
される。「レ コステ」彼がゼロから築き上げ
てきた最高の畑の名を冠するにふさわしい
力と、更なる熟成にも十分耐えうる酒躯を
持つ。
Alea jact Est
アーレア ヤクタ エスト
アレアーティコ、VV、Le Coste より最高
レベルの熟度へ達したブドウのみを収穫。果
皮と共に4か月という長期間のマセレーショ
ン、圧搾後大樽にて 30 カ月の熟成を行う。
2011 という果実的にすばらしい凝縮を迎え
たブドウ。糖分の高さに醗酵が完全に終わ
―
LEC1901
11
赤
るまでにこれだけ長い時間を要したという。
750ml
ジャンマルコ曰く、「このブドウ(ワイン)にでき
る事はすべてし尽した」というアレアーティコ
での最大限の表現ともいえるワイン。
ワイン名は「アーレア ヤクタ エスト」ローマ
帝国の英雄ガイウス・ユリウス・カエサルの
名言「賽は投げられた」より。
上記の比較的スタンダードにリリースされるワイン以外にも多くのワインが造られている。
レ コステとしての表現。人為的な介入を行わず、突き詰めた醸造と畑での自然環境と土地個性の表現。かといってすべてのワイ
ンがそうした立ち位置というわけではありません。あくまでも飲むことを楽しむため、飲み心地を意識したワイン。
No
ワイン
分類
年
種類
品種・メモ
Litrozzo Bianco
プロカーニコ主体、樹齢 40 年。収量を抑え
リトロッツォ ビアンコ
ず栽培。収穫後すぐに圧搾し、野生酵母に
容量
よる醗酵が始まる。落ち着いた段階でオリ
引き、そのままボトル詰め。ノンフィルター、
―
Lec0002
13
白
SO2 は一切使っていない。
1000ml
ほとんど手を加えずに造られる、「飲むこと
を楽しむ!」ためのワイン。
Litrozzo Rosso
ゲレゲット主体、チリエジョーロ、、etc、樹齢
リトロッツォ ロッソ
40 年。収量を抑えず栽培。収穫後すぐに
圧搾し、野生酵母による醗酵が始まる。落
Lec0102
―
13
赤
ち着いた段階でオリ引き、そのままボトル詰
め。ノンフィルター、SO2 は一切使っていな
い。
ほとんど手を加えずに造られる、「飲むこと
を楽しむ!」ためのワイン。
1000ml
èVino
Vino di Raccolta
トレッビアーノ、チリエジョーロ、カナイオー
ヴィーノ ディ ラッコルタ
ロ、ヴェルデッロ、ヴァイアーノ、、、etc、樹
齢不明。一つの区画(Le Coste にある放
棄畑、剪定はおろか完全に放置した状態。
果実は無作為に収穫。圧搾し野生酵母に
よる醗酵。落ち着いた段階でオリ引き、その
―
Lec0201
11
-
ままボトル詰め。ノンフィルター、SO2 は一
1000ml
切使っていない。
一切の手を加えない、という一つのルール
のもとに実験的に醸造、しかし飲んだ印象
はいたってシンプル。溢れる心地よさと親し
みやすさを持つ。
Rosso di Gaetano
ロッソ ディ ガエターノ
サンジョヴェーゼ 60%、メルロー35%、カベ
ルネ 5%、樹齢 15 年。
栗の大樽で約3週間のマセレーション(果皮
浸漬)。醗酵の後そのまま樽にて 12 ヵ月熟
成、Le Coste の畑の収穫ができるように
―
LEC1601
13
赤
なる以前、ジャンマルコが栽培を手伝い、ブ
750ml
ドウを分けてもらっていた近所の栽培農家の
ガエターノ爺。2013 年、ガエターノ爺の畑
でとてもいい収穫を迎えられたこと、ガエタ
ーノの生計を助けることにもつながることから
醸造。
プロカーニコ、モスカート 15%、樹齢 10 年
Pizzicante Bianco
ピッズィカンテ ビアンコ
~20 年。レ コステの畑より収量を抑えき
れなかった果実をベースに造られたフリッツ
ァンテ。プロカーニコを収穫後すぐに圧搾。
-
LEC2001
14
白
微泡
野生酵母にて醗酵を促す。ボトル詰めする
際に樹上にて熟成し遅摘みしたモスカート
750ml
を加え瓶内二次醗酵。オリ抜きを行った後
にリリース。リトロッツォの後継ともいえるデザ
インと立ち位置。飲み心地、楽しみを持った
ワイン。
Pizzicante Rosato
ピッズィカンテ ロザート
サンジョヴェーゼ、樹齢 10 年~20 年。レ
コステの畑より収量を抑えきれなかった果
実をベースに造られたフリッツァンテ。約 2
―
LEC2101
14
ロゼ
微泡
日のマセレーション、野生酵母にて醗酵を
促す。醗酵途中でボトル詰めし、瓶内で醗
750ml
酵を終える(アンセストラル)。オリ抜きを行
った後にリリース。
リトロッツォの後継ともいえるデザインと立ち
位置。飲み心地、楽しみを持ったワイン。
Le Primeur
ル プリムール
アレアーティコ、樹齢 30 年~40 年。
収穫後カーボニックマセレーション(炭酸ガ
スは添加せず、自発的なもの)によって醸
造、果実の取れたままの香りを鮮やかに持
LEC0303
―
14
赤
ったワイン。ラベルの絵は二人の愛娘
(marta,camilla)の誕生からと毎年の成
長を描き続けている。
750ml
èVino
そして、これ以外、、、。例年には見られない特殊な気候環境を表現した果実や、VV や Le Coste からさらに選抜した果実を用いて
造られるワイン(バリック一つ分 240 本しか造られないというワインも少なくない、、、。)といった、イレギュラーともいえるワインの
数々。
L’abboccatello
ラッボッカテッロ
プロカーニコ主体、マルヴァービアビアンカ、
樹齢 20 年。収穫後、すぐに圧搾し古樽に
て、果汁のみで醗酵を行う。12か月間の熟
成ののち、ボトル詰め前に1度のみオリ引き
―
Lec1501
12
白
やや甘
を行う。収穫からボトル詰めまで、SO2 を含
めた一切の添加を行わない。果皮との接触
750ml
を無くすことで、酵母の活動(醗酵の勢い)
をかなりスローにした結果、若干の残糖分を
持った状態で安定させたワイン。良く冷や
し、bocca(口当たり)の心地よさを楽しんで
もらいたいという意味合いを込めたワイン。
Bianchetto
ビアンケット
プロカーニコ主体、その他自生品種。樹齢
20 年。収穫後除梗しごく短期間のマセレー
ション。野生酵母による醗酵、古樽にて熟
成。これまでのビアンコとは違う、雰囲気、む
―
Lec0501
12
白
しろ当初の考えに近い(より日常的なという
意味)ビアンコ。これまではビアンコと合わせ
750ml
ていたものを、別にリリース。ノンフィルター、
収穫からボトル詰めまで、SO2 を含めた一
切の添加を行わない。
Le Vigne più Vecchie
レ ヴィーニェ ピウ ヴェッキエ
プロカーニコ、樹齢 60 年の畑。収穫後 3 日
間程度のマセレーションを行った後圧搾、
古樽にて野生酵母による醗酵、その後約
24 か月間樽内にて熟成。ボトル詰めのタイ
ミングで1度オリ引きを行う。瓶内で 12 か月
の熟成。ノンフィルター、収穫からボトル詰め
―
Lec1301
10
白
まで、SO2 を含めた一切の添加を行わな
い。VV の中でも圧倒的な果実の熟成が見
750ml
られる 1 区画のみ。最高レベルの収穫から
のみ造られるワイン。ジャンマルコのあまりの
こだわりように、生産量があまりに少なすぎ
るワイン。例年バリック 1 樽分(250 本)の生
産。
Rosso Gambrinus
ロッソ ガンブリヌス
アレアーティコ、樹齢 45~55 年。収穫後
45 日間のマセレーション、野生酵母にて醗
酵。圧搾後古樽にて 24 か月の熟成。今ま
ではアレアヤクトエストに入っていた高樹齢
のアレアーティコを別にボトル詰め。ノンフィ
ルター、SO2 は一切使っていない。
Lec0401
―
10
赤
2010 年という特殊すぎるヴィンテージによ
り、アレアーティコの持つ全く別の表情が表
現できたという、唯一のワイン。
ラベルのバラの絵はジャンマルコの祖父が
描いた油絵、アーレア ヤクタ エストでは表
現できないアレアーティコの印象(繊細さ、
香り、しなやかさ)を彼なりの観点にて表現。
750ml
èVino
Carbo
カルボ
グレゲット、チリエジョーロ。樹齢 50 年、最も
標高の高い畑(500m)より。1 本の樹より
僅か 500g という果実を選別し収穫。ブドウ
は除梗せずセメントタンクへ。自発的に生ま
れる二酸化炭素に覆われた状態で、自重
によって破砕される果実。そして嫌気的状
―
LEC1801
11
赤
態の中、果実内で起きる微量な酸素消費と
アルコール醗酵。2 か月後に足でピジャージ
750ml
ュ、大樽にて 24 か月、ボトル詰め後 12 か
月の熟成。
一般的に色を出したり、早飲みを造るため
の手法として考えられるカーボニックマセレ
ーションを全く違なった考えで果実を表現し
たワイン。
Unatantum
ウナタントゥム
アレアーティコ、樹齢 45 年。樹上で限界ま
で熟成、収穫後 1 か月のアパッシメントを行
う、マセレーションは約 3 か月野生酵母にて
Lec1001
―
09
赤甘
醗酵を行う。圧搾後カラテッリ(小型の木
樽)の中で約 3 年間醗酵が続いた。ノンフィ
375ml
ルターにてボトル詰め、収穫からボトル詰め
まで、SO2 を含めた一切の添加を行わな
い。
各種ワインにおける生産量の少なさと、リリースする種類の多さで言えば、彼は世界一造り手かもしれない、、、。それほどまでに
表現しようという強い意志、止まることのない探究心と揺るぎないフィロソフィ。そして、ワインそれぞれが持つ自己主張と強い説得
力には年々凄まじさに磨きがかかっている。自由奔放、傍若無人、それこそが彼、ジャンマルコ アントヌーツィである。
カンティーナで語るジャンマルコ(左)、Le Coste にて樹の生育を見ている妻のクレモンティーヌ(右)
プリムールにも描かれている二人の愛
娘マルタとカミッラ。