こちら - グローバル・クラスルーム日本委員会

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グローバル・クラスルーム
大会までの流れ
会議設定紹介
【議場】国際連合総会第二委員会
United Nations General Assembly Second Committee
【議題】 移民 International Migration
模擬国連は、参加者一人一人が各国大使になりきり、国際会議をシ
ミュレーションすることを通じ、様々な国際問題を学ぶ活動です。こ
の先進的な教育プログラムは、1923年にアメリカのハーバード大学で
始まり、日本でも大学生の模擬国連は30年以上の歴史があります。そ
して2007年、グローバル・クラスルーム日本委員会が設立され、同年
の第一回日本代表団の高校模擬国連国際大会への派遣を皮切りに、高
校生の模擬国連活動が始まりました。関係各所の皆様のおかげをもち
まして、グローバル・クラスルーム日本委員会が主催する全日本高校
模擬国連大会は、本年で9回目を迎えます。
本大会のテーマは、“Maximizing your opportunity”です。
このテーマにはふたつの意味が込められています。
模擬国連の会議では、自分が大使を務める国が最大限の国益を得ら
れるよう交渉を進める必要があります。しかし何十もの参加国が自ら
の政策を推進する中で、自国の方針を他国に広く理解してもらい、会
議の最後に提出される成果文書に盛り込むのは容易ではありません。
皆さんの一回一回の発言が会議の結果に大きな影響を与えます。自分
が思い描く成果を得られるよう会議での一分一秒に全力を注いでくだ
さい。成果を達成するための機会—“opportunity”—すべてを悔いな
く使い、思い描いていた成果に出来る限り近い形で会議を終えてほし
いというのが私たちから皆様への願いです。
「移民」と聞いてみなさんはどんな人たちを思い浮かべるでしょう。
豊かな国で低賃金労働に励む人々を想像する人も多いのではないでし
ょうか。しかし、実はそうした想像以上に、彼らは様々な仕事をして
います。肉体労働に従事する人もいれば、医療や看護に携わる人や、
IT関係の仕事の第一線に立つ人もいます。みなさんの中にも、将来外
国へ行き、「移民」として活躍する人がいるかもしれません。日本で
も、少子高齢化対策として移民の受け入れ数を増やすか検討されるな
ど、移民という現象は身近になりつつあります。
第九回全日本高校模擬国連大会参加者決定:10月
第九回全日本高校模擬国連大会:
11.14(土)-11.15(日)
定 員:80チーム(160名)程度 ※詳細はHPをご覧ください
優秀賞:高校模擬国連国際大会参加資格
*6チーム(12名)程度
*航空費・宿泊費全額支給
また、皆様にとっての“opportunity” は、大会後も続くのではな
いでしょうか。2日間の大会が終わった後も、大会で出会った優秀な同
期との関係から得られるものは極めて大きいと思います。私自身、高
校生のときにこの大会を通して出会った仲間とは今でも切磋琢磨しあ
う良きライバルで、これまでも幾度となく自身の選択をする上で彼ら
に助けられてきました。この大会での経験や出会いが皆様の今後の活
躍の機会—“opportunity”—につながれば、大会を運営した者として
これ以上嬉しいことはありません。
グローバル・クラスルーム日本委員会が提供する全日本高校模擬国
連大会が、皆さんにとって会議内外ともに充実した経験となるよう、
心より願っております。
移民の数は今や世界全体で2億を超えています。グローバル化が進
み、人の移動がより容易かつ活発になった現代において、この数は今
後も増え続けると予想されます。日本であれ海外であれ、みなさんが
様々な国から来た人と共に働く機会も多くなることでしょう。しかし、
移民現象は各国に利益をもたらすだけでなく、様々な問題を世界各地
に生じさせています。
移民受け入れ国では、足りない労働力をおぎなう人材として、移民
がその国の経済成長に大きく貢献しています。しかし、移民はそうし
た国では貧しい暮らしを送っていることも多く、強制労働や人身売買
の被害にあう状況が生まれています。また、文化の違いから移民に差
別や危害が加えられることも多く、世界的な問題になっています。一
方、移民送り出し国では、移民が海外で稼いだお金を本国へ送金する
ことで、その国の収入が支えられています。しかし、自国の発展を支
える優秀な人材が海外へ出ていってしまうために、自国の経済成長が
困難になるという側面もあります。
私たちの生きている現代がグローバル化の中にあることは疑いよう
がありません。しかし私たちは普段、グローバル化が引き起こす事柄
について、良い面のみ、あるいは悪い面のみばかりに注目してしまい
がちです。問題の本質はもっと複雑で、相互に絡み合っています。移
民のメリットを維持しつつ、移民をとりまく問題に対処するために、
各国は何ができるでしょうか。
移民現象に対する考え方は、国によって様々です。みなさんはその
国の代表として会議に参加し、その国の未来のために解決策を考える
ことになります。それぞれの立場から移民について考えることで、思
わぬ気づきを得られるでしょう。それは、みなさんが将来働くことに
なる日本、そして世界を考える上で、大きなヒントになるはずです。
問題の本質を捉え、多様なアイデアを生み出す意欲のあるみなさんの
参加を期待しています。
選考課題と合わせてお申し込みください。
2015年度グローバル・クラスルーム日本委員会
理事長 青柳沙耶
2015年度グローバル・クラスルーム日本委員会 研究主任
会議監督 大内朋哉