心房中隔欠損閉鎖カテーテル治療の実績

久留米大学小児科
循環器グループで行っている先天性の心臓・血管病変に
対するカテーテル治療(経皮的治療)
肺動脈弁狭窄に対するカテーテル治療を、我が国で最初に行って以降、多種類の心
臓・血管病変に対するカテーテル治療を行ってきました。
1. 閉鎖術
使用器具:Amplatzer 閉鎖栓、コイル留置術
(ア) 心房中隔欠損症
(イ) 動脈管開存症
(ウ) 冠状動脈痔瘻
(エ)
(オ)
肺動静脈瘻
その他の異常血管
2. 拡大術
使用器具:バルーン、カッティングバルーン、ステント留置術
(ア) 肺動脈弁閉鎖症、肺動脈弁狭窄症
(イ) 肺動脈狭窄症
(ウ) 大動脈弁狭窄症
(エ) 大動脈縮窄症
(オ)
その他の血管狭窄
3. 特殊状況での手技
未熟児の肺動脈弁拡大術、心房中隔欠損拡大術(ステント留置術)、動脈管ス
テント留置術など
心房中隔欠損症のカテーテル治療
(2014 年現在)
症例数の年次推移
70
60
50
40
30
51
44
20
10
64
57
53
52
49
42
18
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
年齢分布
症例数(人)
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
60
年齢(歳)
70
80
90
2006 年保険収載後、九州で最初、本邦で5番目の施設としてアンプラッツアー閉鎖栓を用
いた心房中隔欠損のカテーテル治療を開始しました。同様に 2009 年からはアンプラッツア
ー閉鎖栓を用いた動脈管開存のカテーテル治療も開始しました。
当施設の特徴は、5歳未満から 70 歳以上までの幅広い年齢の患者さんの治療を行ってき
たことです。
通常の心房中隔欠損のカテーテル治療の際には、全身麻酔の上、経食道心エコーを用い
て、欠損孔や器具の様子を見ながら治療を行います。
2014 年からは、本格的に経食道心エコーの代わりに心腔内エコー(先から超音波の出るカ
テーテル)を用いた治療を開始しました。心腔内エコーの場合は、太ももから2本のカテーテ
ルを入れることになりますが、全身麻酔や経食道心エコーを使わないため、患者さんの負担
を減らすことができます。
欠損孔の位置に問題が無ければ、小学生のお子さんでも心腔内エコーを用いたカテーテ
ル治療を行っています。