日本列島ともだちの輪 - 国立室戸青少年自然の家

日本列島ともだちの輪
1.趣 旨
お互 いに異 なる地 域 の子 どもたちが交 流 し、生 活 様 式 や自 然 環 境 など
の違 いを体 験 するとともに、それぞれの地 域 の良 さを発 見 する。また、とも
だちの輪 を広 げ、他 者 を尊 重 する気 持 ちを育 む。
2.対 象
3.期 日
小 学 5,6年 生 及 び中 学 1,2年 生
夏 編 :平 成 22年 8月 10日 (火 )~13日 (金 )
冬編:平成22年12月26日(日)~28日(火)
4.参加者
夏編:70名(室戸36名、丹波34名)
、
冬編:59名(室戸33名、丹波26名)
5.プログラム
(1)夏編
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
開講式
アイスブレイキング
(仲間づくり)
高知市内班別自由行
動話し合い①
【室戸自然の家泊】
オーシャンカヤック
スノーケリング
高知市内班別自由行
動話し合い②
高知市内班別自由行
動(施設見学、昼食、
よさこい祭り見学等)
お別れパーティー
閉講式
アンケート・感想文記入
記念撮影
【室戸自然の家泊】
【室戸自然の家泊】
1日目、高知県内から参加者36名が先に室戸青少年自然の家に集まりました。丹波か
らの参加者34名が到着し、開講式を行った後、班ごとに分かれました。初めて会う子ど
もたち同士、最初は緊張した面持ちでしたが、自己紹介やアイスブレイキングのゲームを
行ううちに、徐々に笑顔が見られるようになりました。
夜は、早速、夏編の目玉である高知市内班別自由行動の計画を立てました。各班専属の
ボランティアリーダーを中心に話し合い、リーダー手作りのガイドブックを元に、行って
みたいコースについて話し合いました。中には、意見がまとまらず、コースが絞りきれな
い班もありました。
アイスブレイキングの様子
高知市内班別自由行動話し合い
2日目は、オーシャンカヤックやスノーケリングを行いました。天気は快晴で、海の状
態にも恵まれ、太平洋の海を満喫することができました。オーシャンカヤックでは、3人
でバディを組み、協力してカヤックを漕ぎました。スノーケリングでは、ハリセンボンの
捕獲に成功し、間近で見るハリセンボンに歓声が上がっていました。2日目の夜にも、昨
日に続き、高知市内班別自由行動の計画を立て、ようやく具体的な計画に仕上がっていき
ました。
オーシャンカヤック
スノーケリング
3日目は、高知市内班別自由行動です。ボランティアリーダーの下、班で決めた市内の
コースを探索しました。3日目ともなると、お互いにかなりうちとけた様子でした。当日
は、よさこい祭り決勝大会が開催中であったため、市内のあちらこちらで熱い演舞が繰り
広げられ、たいへんにぎやかでした。高知市出身の者は、丹波からの参加者に、はりまや
橋やからくり時計などの市内の名所を嬉しそうに案内していました。集合場所では、たく
さんのお土産を持って子どもたちが集まってきました。
夜には、お別れパーティーを行いました。3日間の思い出や絆を班ごとに発表しました。
学生リーダーからは、一人一人にメッセージカードが渡され、子どもたちも感激していま
した。最後に、全員で歌を歌って、幕が下ろされました。
最終日のお別れの日では、参加者全員で記念撮影を行った後、冬編に向けて、再会を誓
いました。
よさこい祭りを見学
ともだちの輪のポーズで記念撮影
(2)冬編
1 日目
再会のつどい
ネイチャーゲーム
ケーキづくり
スキーウェア合わせ
【丹波自然の家泊】
2 日目
スキー体験
お別れパーティー
3 日目
記念撮影
丹波焼体験
解散式
アンケート・感想文記入
【丹波自然の家泊】
夏編から、約4か月がたち、舞台を冬の丹波に移しての再会でした。高知市内から、約
5時間かけて丹波少年自然の家に到着しました。バスが到着すると、丹波のスタッフをは
じめ、子どもたちがあたたかく迎えてくれました。班は、夏編で知り合った友だち以外に
も新しいつながりができるようにと夏編とは一部変わった班編成でした。
新メンバーでの自己紹介の後、簡単なゲームを行い、緊張をほぐしました。そして、ケ
ーキ作りを行いました。クリスマスは過ぎていましたが、早速出会ったメンバーと楽しそ
うに作っていました。若干、堅さが残っている子どももいましたが、夕食後にケーキを食
べる頃には、随分と和んでいて、おいしそうに食べていました。
新しい班での自己紹介
ケーキ作り
2日目は、豊岡市のアップかんなべスキー場でスキー体験を行いました。スキー班は、
事前のアンケートを元に、初心者コースから、プルークボーゲン以上の走行ができる上級
コースまで4つのグループに分かれました。高知県から参加した子どもたちの8割は初心
者であったため、楽しみにしている子どもが多かったようです。初心者コースでは、現地
のインストラクターが滑り方の基本や安全な転倒の仕方などを丁寧に教えたくれました。
最初、こわごわとしていた子どもたちも、昼過ぎには、まっすぐに滑ることができるぐら
いまで上達していました。子どもたちからは、もっと滑りたかったという感想が聞かれま
した。
上達したよ!スキー体験
お別れパーティー
3日目は、篠山市の窯元で「丹波焼」を体験しました。丹波焼は、日本六古窯の一つで、
始まりは平安時代の末期で歴史と伝統のある焼きものです。最初に、窯元の先生がろくろ
を回し、粘土の形を自在に変えて見せると、子どもたちから驚きの声が上がりました。そ
して、いくつかのコツを教えてもらった後、自分たちの作品作りに取り掛かりました。湯
飲や茶碗、灰皿等、思い思いの形に仕上げていきました。焼成作業は、専門の職員に任せ、
出来上がりは、約1か月後ということで、どんな出来栄えになるか期待を膨らませていた
様子でした。子どもたちにとっては、歴史と伝統を体験できたよい機会であったと思いま
す。
丹波焼の後は、解散式を行いました。子どもたちと寝食を共にしたボランティアリーダ
ーからの挨拶、お世話になった丹波少年自然のスタッフの皆さんへのお礼の挨拶、そして、
夏編・冬編を通して仲良くなった友だちとの別れ・・・。中には、お互いの住所を教え合
ったり、来年も「ともだちの輪」に参加して会う約束をしたりしている者もいました。
名残り惜しい別れの後、大勢の丹波参加者に見送られながら、丹波をあとにしました。
丹波焼に挑戦!
冬編もともだちの輪ポーズ
6.事業の成果
夏編は、室戸に集合し、オーシャンカヤックやスノーケリング、高知市内見学(よさこ
い祭り見学等)を通して夏の太平洋の自然や高知の文化を体験することができました。一
方、冬編は、スキーや丹波焼き体験を通して冬山の自然や丹波地方の文化を肌で体験する
ことができました。今回の事業を通じて、子ども達は異なる地域の人と出会い、交流する
ことで、それぞれの自然や文化のよさを感じ取ることができました。
本事業に参加しなければ、恐らく出会うことがなかった者同士が、地域を越えて絆を結
ぶことがききました。
本事業を体験した子ども達は、自分たちの郷土や文化にあらためて愛着と誇りをもつと
同時に、お互いの地域の自然や文化、生活の仕方を理解することができたと思います。彼
らが、今後、幅広い視野をもって活躍できる人材に育ってくれることを期待してやみませ
ん。