昇級審査を受けるにあたっての心構え

昇級審査を受けるにあたっての心構え
空手を志す人の目標、あこがれはやはり黒帯になることでしょう。しかし、黒帯目指して
がんばっているのに帯の色がなかなか変わらない、「同じ時期に入った子はどんどん昇
級している。うちはどうして昇級させてくれないの?」という質問をいただくことがあります。
他の道場と比べて昇級が遅いことも尋ねられます。その学年、段階で要求されているこ
とをこなせなくても自動的に進級、進学する現在の学校制度や、スイミング他スポーツク
ラブなどの昇級に慣れている私達にはこうした疑問も当然です。
一口に空手と言っても昇級、昇段の基準、帯のレベルは道場によって全く違います。
白→茶→黒の3色しかなく、入門して1年ぐらいで黒帯になれる道場、小学生は小学生
の、中学生は中学生の黒帯があるところ(つまり小学生で黒帯をとっても中学に入るとま
た白帯からスタートということ)など大きな違いがあります。帯についての捉え方の違いは
個々の道場の指導方針に基づいており一概に何が良い悪いというものではありませんが、
空手道MACは空手道MACの「帯」の捉え方があり、MACの帯審査はレベルが高いも
のと心得ておいて下さい。しかし、簡単に取得できないから価値があります。自分の努力
で掴み取った帯は本当に嬉しいものです。昇級にあたっての心構えを記しておきました
ので生徒の皆さんは以下をよく読んで審査に臨んで下さい。
とにかく稽古にきて汗を流す
空手道MACではそれぞれ支部毎に年に2回~4回の審査会が開かれます。奈良と
小牧は現在合同で春、秋の2回、昇級審査会を開催しています。MACは基本的に審
査で落第させることはしていません。その代わり希望者が誰でも審査を受けられるわけで
はなく、支部長の推薦が必要です。支部長は習熟度、普段の稽古態度、稽古姿勢、出
席状況を考慮して受審の許可を出します。器用な人は短期間である程度こなせるので
横着になる傾向があり、また忍耐力のない人はその日の気分で稽古に参加しなかったり、
上手く出来ないとすぐに諦めてしまったりという傾向があります。MACでは、より高い自分
に向ってチャレンジする習慣。事に望むにあたってはきちんと準備をする習慣。何より稽
古に参加して汗を流す習慣をつけることを何より大事にしています。審査を受けるには基
本的には週2回の稽古に参加し、審用紙に明記してある稽古出席回数、日数を満たし
ていることが必須です。もちろん各自の事情により週1回の稽古でも構いません。審査を
受けられる時期は遅れますが、決して他の人と比較せず、諦めず、自分のペースで執念
深く新しい帯に挑戦して下さい。
帯は自分の汗と涙の結晶
MACの帯の色は全部で8色。大まかに分けると、初級(白、青、黄)中級(紺、緑、
紫)上級(茶、黒)と分類されます。審査の度に下記のように帯の色が変わって行き、黒
帯取得以降は段位の数だけ帯に金の刺繍線が入ります。新しい色の帯に昇級したから、
その実力があるのではなく、新しい帯になってから、その帯にふさわしい技術と人格を持
てるように修行します。
昇級例(成績優秀者には飛び級あり)
白(無級)→ オレンジ(9・10 級)→青(7・8級)→黄(5・6級)→ 紺(4級)→緑(3
級)→紫(2級)→ 茶(1級)→ 黒(初段)以降2、3、4、、、段。
初級(白・オレンジ・青・黄)
特に初級帯がそれぞれ2級ずつに分かれているところがMACの特徴です。例えば初
めて帯審査を受けるとオレンジ青帯になりますが、人によって10級と 9 級とに分かれま
す。一所懸命稽古してはいるけれど、細かいところまで身体を操れていない場合には10
級。逆に要求されている動作をきちんとこなせている人は 9 級を与えられます。逆にオレ
ンジ帯の時に上の級(9級)であっても青帯で下の級(8級)になることもあります。また、
あいさつができない、気合が小さい、打ち合おうとしない、右左がわからない、集中力が
ない、稽古態度、出席状況に問題があるなど、審査以前の問題が多い場合は稽古数を
満たしていても審査を受けられません。
中級(紺・緑・紫)
苦しい時期です。礼儀、作法、基本動作はもちろん。誰の目から見ても明らかな「強
さ」と「気迫」が要求されます。「僕はがんばっている」という自己満足のレベルでは通用し
ません。がんばる気持ちを具体的な技や声や態度で外に表現する練習が空手の稽古
なのです。初心を忘れ、マンネリ化して伸び悩むことから、誰でも気持ちが低迷しやすい
時期です。得意技をしっかりと作り、諦めないで踏ん張って下さい。
上級(茶・黒)
まずはじめに、、、空手道MACで黒帯をとることは非常に難しいと言っておきます。黒
帯はその道場の看板であり、すべての道場生のあこがれであります。コロコロと変わる心
にノ(光)をしっかりと持って歩めば(必)になります。不動心を養うのが空手の稽古なので
すから、空手に対して迷いの姿勢がある人には無理だと心得てください。また、言われた
ことをこなすだけでなく創意工夫しながら、自分なりのこだわりを作りこんでいくことが出来
なければいけません。技を通して思い切り自分を表現できなければいけません。だからこ
そ価値があり、空手の本当の楽しさや奥深さを感じられるようになります。黒帯は一つの
到達点でもあり、通過点であり、また新たなる出発点でもあります。同じように見えて全く
違うステージです。一度 MAC の道衣に袖を通したのなら、何としても黒帯まで登ってき
てください。支部長を「参った!」と言わせる黒帯が出てくれることを心待ちにしています。
審査内容(白帯~黒帯まで基本的には同じ)
礼儀、柔軟性、基礎体力、基本、移動、型、ミット打ち、スパーリング
審査を受けるにあたって
人間誰しも自分は駄目だ、弱い、理解力がないと感じることもあると思います。しかしだか
らこそ稽古しているということを忘れないで下さい。理屈や言い訳を捨て、ゆっくりでいい
から常に一歩上の自分に向って挑戦しようとする気持ちが大切です。
○ 覚悟をもち、きちんと準備をして審査を受けること。(保護者の方を含め適当に審
査を受けたり、遊びに行くなどという理由で審査をドタキャンする人があります。入
学試験や就職試験でそのようなことをしますか?以後 2 度と審査を受けさせませ
ん)
○ 気合を入れること。
○ 審査員の先生方には自分から挨拶し、審査後、次の稽古には「先日はありがとうご
ざいました」と挨拶すること
○ 当日にむけて稽古を積み重ね、体調を整え、途中苦しくても諦めないで最後まで
やり通すこと。
○ 自分の番が終わっても、さわいだりせず、他の受審者を最後まで応援すること。
○ 時間に余裕を持って会場に到着し、すみやかに道衣に着替えて準備運動をする
こと。
○ 審査会場にはゴミ袋とクツ入れ袋を持っていくこと。
空手道MAC小牧支部長
高瀬 元勝