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<講義内容>
科目名
旅行の歴史
担当者
高橋
義人
授業概要
今日、われわれが知っているような近代的な「観光」がヨーロッパで始まるのは 19 世紀の後
半になってからだが、じつはそれ以前にも日本にもヨーロッパにも、広義での「観光」があっ
た。本授業では、中世の巡礼の旅に始まり、18 世紀にイギリスで広まったグランドツアー、19
世紀の中頃、鉄道網の発達とともにトーマス・クックによって始められたツアー旅行を経て、
現代の新幹線や飛行機を使った旅行へと変貌してゆく観光の歴史を考察する。
本授業に参加することによって、ビデオや写真を使って観光の歴史をたどりつつ、王侯英雄
の歴史とは違った一般庶民の生活史に踏み入ってほしい。
講義の目標
ヨーロッパの歴史を、それぞれの時代に生きた生活者・観光客の視点から捉え、その歴史を、
ヨーロッパの日本人向けのバスガイドと同等、あるいはそれ以上に詳しく説明できるようにな
ること。
教科書
参考図書
教 科 書: なし
参考図書: 小谷明『ドイツ・ロマンティック街道』(新潮社)
本城靖久『トーマス・クックの旅』(講談社現代新書)
他は授業中に指示。
科目名
観光文化論
担当者
高橋
授業概要
「庭園の文化史」について論じる。ヨーロッパ各地には新石器時代に由来するストーンヘン
ジやストーンサークルの遺跡がある。これらは、縄文式時代の日本の磐座や磐境に当たる。こ
の磐座や磐境は、多くの曲折を経ながらも、日本では庭園へと発展していった。それに対して
ヨーロッパではストーンヘンジから庭園へと発展することはなかった。そこに日本の庭園とヨ
ーロッパの庭園の根本的な違いがある。
本講義では、ヨーロッパの庭園の歴史を日本の庭園と比較しながら考察する。ヨーロッパの
庭園の根柢にある「エデンの園」願望、人間は自然を支配できるという思想が、日本の庭園と
の大きな違いをなしていることを具体的に理解できるようになってほしい。
①
講義の目標
②
教科書
参考図書
義人
ヨーロッパの庭園と日本の庭園の違いを理解し、それをもとに京都を訪れた外国人観光
客に、日本庭園の魅力を説明できるようになること。
庭園とユートピア思想とのつながりを理解できるようになること。
教 科 書: なし
参考図書: J・プレスト『エデンの園楽園の再現と植物園』(八坂書房、1999 年)。
岩切正介『ヨーロッパの庭園』(中公新書、2008 年)。その他は授業中に指示。
科目名
京都の伝統産業
担当者
高橋
義人
授業概要
日本はドイツと並ぶ「ものづくり大国」として知られている。日本の「ものづくり」は別に
精密機械に限定されるものではない。京都の伝統産業には日本の「ものづくり」の原点が生き
ている。京都の伝統産業がどれほど繊細で、細部を大事にしているか、日本の「ものづくり」
の精神がいかにそこで生かされているかを、実例に即しつつ考察する。
本講義では、京の着物、京の染色、清水焼、京漆器、京の酒、宇治茶、京菓子、京の漬物、
京の町家、京の作庭など、京都の伝統産業の諸部門を、ビデオを使いながら紹介する。受講者
は、京都の伝統産業がいかに精緻な「ものづくり」であるかを、本講義を通して具体的に知っ
てほしい。
講義の目標
本授業で取り上げられた京都らしい製品をできるだけ手に取り、それが他の町でつくられてい
るものといかに違うか、確かめること。その製品をつくっている店(授業中に指示する)を訪
れ、その店のよさを観光客に説明できるようになってほしい。
教科書
参考図書
教 科 書: なし
参考図書:『美の壺
『美の壺
和菓子』(NHK出版)、『美の壺
扇子』(NHK出版)
懐石料理』(NHK出版)