第1講 1.発展途上国の特徴

2015/3/5
© 2015 by TSUJI Tadahiro
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1.発展途上国の特徴
第1講
(1)先進国の暮らし
(テキスト第1章)
欧米
英語を
しゃべる
金持ち
経済開発問題へのアプローチ
便利
飽食
安全
とにかく,先進国はどこにあるか
世界地図を見てみよう。
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先進国での暮らしはどれくらい豊かか?
先進国での暮らしはどれくらい豊かか?
①1人あたりGNI(国民総所得PPP)(2011)
US$38,524 (日本:US$35,330)
②初等教育終了率
高所得国:100%,中所得国:94%,
低所得国:68%,世界:(
%)
③栄養失調にある乳幼児の割合(5歳未満)
高所得国:2%,中所得国:16%,
低所得国:23%,世界:( %)
⑤幼児死亡率(5歳以下)(2011)
6人(1000人当たり) (日本:3人)
⑥妊婦死亡率
14人(10万人の出生当たり) (日本:5人)
⑦水へのアクセス率
高所得国:100%,上位中所得国:93%,
下位中所得国:87%,低所得国:65%
⑧衛生施設(トイレ)へのアクセス率
高所得国:100%,上位中所得国:73%,
下位中所得国:47%,低所得国:37%
(Source) World Bank, World Dev Report 2012; World dataBank (http://databank.worldbank.org)
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(Source) World Bank, World Dev Report 2012; World dataBank (http://databank.worldbank.org)
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(2)発展途上国の暮らし
飢餓
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(2)発展途上国の暮らし
何カ国あるのだろうか?
内戦
193ヵ国
アフリカ
23ヵ国
(OECD加盟国の一部)
170ヵ国
人口は何人だろうか?
貧しい
馴染み
ない
70億人
遠い国
10億人
60億人
次に、途上国の人々の暮らしを見ていこう
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(Source) World Bank, World Dev Report 2012; World dataBank (http://databank.worldbank.org)
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1.発展途上国の特徴
2.開発問題を扱う学問の特性
(1)これまで学んできた経済学の常識と非常識
<伝統的経済学(新古典派経済学)>
(3)発展途上国について学ぶ意義
・途上国の人口は地球上の人口の大部分を占
める
・先進国と途上国との間には受け入れがたい
ほどの経済的格差があるという道義的責任
・先進国には途上国商品があふれている
↓
途上国の開発問題は全人類共通の関心事であ
るといえる
二大原則
①希少性原理
②欲求の非飽和性
(
)を追求
前提条件
①完全市場(完全情報)
②消費者主権
③価格の自動調整
④唯物論的,個人主義的
志向
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2.開発問題を扱う学問の特性
<経済開発論>
・完全情報:情報インフラの未整備,情報統制
→(
)は不完全にしか成立しない
・個人主義的志向:経済・社会構造が常に変化
→個人よりも(
)の利益を優先
・価格の自動調整:社会の利益を追求するために
(
)の経済活動に対する介入がある
⇓
学際的アプローチが望ましい。
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2.開発問題を扱う学問の特性
(2) 価値の重要性
経済学の研究対象は人間である
価値判断のケース・スタディ
⇓
①経済的平等の促進は良い
先進国同士:わかり合える
ことである
先進国と途上国:認識の隔たり ②国家の独立は望ましいこと
である
⇓
何が(
)な真理であるか統一見解を見いだ
すことは難しい。
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3.開発とは何か
2.開発問題を扱う学問の特性
すなわち,何が望ましく,何が望ましくないかという
価値判断に大きな違いが発生する。
⇓
我々にとって常識的な判断はあくまでも「(
)」
であり,「(
)」ではない。
この点に留意しないと,開発問題を解決するどころ
か,悪化させかねない。
⇓
学際的アプローチが求められる理由。
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(1)開発の一般的定義
・定義:(
)の転換を通じて経済的に豊かになる
こと
・指標: ①1人当たりGNI
②産業構造,就労構造の構成比
・開発=(
)という思想が支配的
・貧困,失業,所得分配などは二次的な重要性しかな
いとみなされた。
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3.開発とは何か
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3.開発とは何か
・急速な工業化は実現したが,多くの人々の所得水準は
向上しなかった。
・失業問題の解決,所得分配の不平等の改善を通じた,
貧困問題の解決の重要性が認識される。
⇓
1970年代に,開発の概念が再定義される。
→経済成長からの(
)
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(2)多元的な過程である開発の概念
<アマルティア・セン>
・経済成長はそれ自体が目的ではない。
・問題は,何を持っているかではなく,自分が何者で
あり,何者になることができるか,何ができ,何がで
きないかである。
⇓
開発=(
)
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3.開発とは何か
<マイケル・トダロ>
・生活の糧の確保(The Ability to Meet Basic
Needs)
→衣食住、安全の確保
・自尊心(To Be a Person)
→自分は他人のための道具ではない
・隷属状態からの解放(To Be Able to Choose)
→人々に制約を与えてきた制度や教条主義、無知
から解放されること
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