2015 年最後のマーケティング合戦 誰も喜べないプロモーション 2015/12/6 日本オーディオブック制作社協会 12 月 1 日から 12 月 25 日までの間、スターバックスで視覚障害者のためのキャンペーン として、Book For Two というのを行っています。スターバックスに一般書籍・洋書・CD・ DVD などを持ち込み、それを買取業者で査定して貰い、売却した収益をそのまま社会福祉 法人日本点字図書館に寄付されるそうです。簡単に言えば、まだオーディオブックでも作ら れていない書籍を録音書籍で作られるため、オーディオブックで展開しようとしている業 者にとっては、商機が無くなる事を意味します。 それに対抗しているとは思いませんが、Amazon Japan は遂に Amazon Prime 会員に三 ヶ月無料キャンペーンをしてきました。Amazon Prime で永年無料が利用者として理想的 ですが、それだと Amazon Prime の収益以上の損失を計上することになるので無いでしょ うが、最後の秘策と言えるレベルのプロモーションをしてきており、Amazon の切迫感が感 じられます。Amazon としては、一事業であり、多種のポートフォリオで事業をしている事 から、日本のオーディオブックビジネス撤退くらい大した事は無いという感じかも知れま せん。 スターバックスについては、全く損失が無いので、行えば逆に利用者に「良いことをやっ ている」という善意の行為の手伝いをしている形となりますが、業界としては芽も出てない のに潰される感じになるので、抗議をしたいところですが、聞き入れられるとも思えません ので、静観するしか無いでしょう。また、一般的に社会福祉法人もお金が無いので、それを 妨害されるのは大変強い嫌悪感を抱かれるので、好ましくは無いと思います。 スターバックスも Amazon も外資系で、日本企業は蚊帳の外ですが、オーディオブック も既に外資に取られているという自覚をした方が良いかも知れません。 前回の記事で話題にした著作権法 37 条 3 項関連で作られると、ほぼ障がい者向けへの販 売は絶望的になるので、一般的なマーケットを対象とする事になりますが、開拓出来ていれ ば今の状態では無いので、知恵を絞る以上の行為しか無いと思います。 Amazon については、今回の Prime ユーザー向けの施策でも数字が伸びなければ、撤退 も見えてくる気がします。Amazon Prime 会員向けのショッピングキャンペーンが空前絶 後のものだったのにも拘わらず、そんな有料会員層への解放をしても、会員が獲れないなら、 無駄だと思います。 2 つの外資の施策がどうなるか。スターバックスは大打撃になり、Amazon は軽微だと思 いますが、どちらも痛い事には変わりないと思います。 以上
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