4K・8K放送の新ロードマップ

テーマ特集
2020年に向けた
4K・8K放送の
新ロードマップ
から見える業界の
“意思”
© 川津貴信
「やるっきゃないでしょ、○○さん!」
だからこそ、制作サイドの意見に耳を傾けたい
2014年2月から検討を重ねてきた「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」
（座長：伊東晋東京理科大学教授）は同年9月に第一次中
間報告を公表した。そこには、今年2015年にCS、ケーブルテレビ、IPTV等で4K実用放送開始、来年2016年にBSで4K・8Kの試験放送開始、
2018年までに可能な限り早期にBS等において4K・8K実用放送開始をスケジュールとした。予想以上の前倒し案に困りながらも、その具体化を
進めようという声も高まった。そのためにも継続し、
「衛星放送における2018年以降の伝送路など」を検討し、7月に「第二次中間報告」として公
表した。
そこで、すでに4K実用放送やVODサービスに取り組むスカパーJSATやNTTぷらら、日本ケーブルテレビ連盟、そしてCSによる4K試験放送を取
りまとめる次世代放送推進フォーラム（NexTVフォーラム）に新ロードマップに対する率直な意見と、今後の“意思”も聞いた。
（文：吉井勇・本誌編集長）
第二次中間報告で示した4K・8K推進のためのロードマップ（2015）（部分は改訂部分）
■ 2014年（実績）
衛星
ケーブルテレビ（注1）
IPTV等（注2）
・124/128 度 CS において 4K 試験放送開始（6 月）
・4K 試験放送開始（6 月）
・4K VOD トライアル開始（11
（11 月）
・4K VOD トライアル開始（4 月）
・4K 試験放送開始（6 月）
・4K VOD 実用サービス開始（10 月）
■ 2015年（実績を含む）
衛星
・124/128 度 CS において 4K 実用放送開始（3 月）
ケーブルテレビ
・4K VOD 実用サービス開始（5 月）
・4K 実用放送開始（12
（12 月）
IPTV 等
・4K 実用放送開始（RF 方式）
（4 月）
・4K 実用放送開始（IP 方式）
（12 月）
■ 2016年（リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックの開催年）
衛星
ケーブルテレビ
IPTV等
・衛星セーフティネット終了後の空き周波数帯域（BS）において 4K 試験放送（最大 3 チャンネル）および 8K 試験放送（1 チャンネル）を、NHK
NHK および
NHK
NHK 以外の基幹放送事業者の 2 者で開始（4K と 8K を時分割で放送）
・8K に向けた実験的取り組み開始
・8K に向けた実験的取り組み開始
■ 2017年
衛星
・110 度 CS 左旋において 4K 試験放送開始
■ 2018年
衛星
・BS 右旋及び 110 度 CS 左旋において 4K 実用放送開始
・BS 左旋において 4K および 8K の実用放送開始
■ 2020年頃
衛星
・BS 左旋において 4K および 8K 実用放送拡充（トランスポンダの追加割当）
・110 度 CS 左旋において 4K 実用放送拡充（トランスポンダの追加割当）
■ 2020年（2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催年）
2020年の目指す姿
・2020
2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の数多くの中継が 4K・8K で放送されている。また、全国各地におけるパブリックビューイングにより、2020
2020 年東京オリンピック・
パラリンピック競技大会の感動が会場のみでなく全国で共有されている。
・4K・8K 放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで 4K・8K 番組を楽しんでいる。
■ 2025年頃のイメージ
・4K および 8K 実用放送のための伝送路として位置付けられた BS 左旋および 110 度 CS 左旋において多様な実用放送実現
・右旋の受信環境と同程度に左旋の受信環境の整備が進捗
（注 1）ケーブルテレビ事業者が IP 方式で行う放送は「ケーブルテレビ」に分類する。
（注 2）「ケーブルテレビ」以外の有線一般放送は「IPTV 等」に分類する。
（注 3） BS 右旋での 4K 実用放送は、4K および 8K 試験放送に使用する 1 トランスポンダ（BS17ch）を含め 2018 年時点に割り当て可能なトランスポンダにより実施する。この際、周波
数使用状況、技術進展、参入希望等を踏まえ、使用可能なトランスポンダ数を超えるトランスポンダ数が必要となる場合には、BS17ch を含め 2 トランスポンダを目指して拡張し、
BS 右旋の帯域再編により 4K 実用放送の割り当てに必要なトランスポンダを確保する。
（注 4） BS 左旋および 110 度 CS 左旋については、その IF による既存無線局との干渉についての検証状況、技術進展、参入希望等を踏まえ、2018 年または 2020 年のそれぞれの時点にお
いて割り当て可能なトランスポンダにより、4K および 8K 実用放送を実施する。
（注 5） 2020 年頃の BS 左旋における 4K および 8K 実用放送拡充のうち、8K 実用放送拡充については受信機の普及、技術進展、参入希望等を踏まえ検討する。
10-2015
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