終戦七十年を迎え 終戦七十年を迎え深く思うことは、今日近隣国から「歴史の 正しい認識」という声が上がっています。学びきた歴史、これ は教育の場で示されたことです。しかし自分自身がしっかりと 身をもって学んだ歴史、これはきちんと整理しておくべきであ る と 考 え ま し た 。小 学 四 年 の 時 、大 き な 体 験 を し ま し た 。 「終 戦 」 「 無 条 件 降 伏 」、 こ れ を 期 に 全 て の 価 値 観 は 一 変 さ れ ま し た 。 民 主 主 義 、そ れ は リ ン カ ー ン の ゲ テ ィ ス パ ー ク で の 講 演 、 「人 民 の 、 人民による、人民のための政治」ということであると学び、時 折り折りの事象に追いつき追いつき生活してきました。私の価 値 観 を 一 変 さ せ た 「 終 戦 」、 ど う し て も 、 そ の 原 点 を 整 理 し て お くべきであると考え、先日、機会があって、日本が終戦に至る 経緯を学ぶべきであると、先ず「ポツダム宣言」の全文を一読 しました。そしてびっくりしました。この宣言文は、十三カ条 からなり、その第一条に「この戦争の終結をする機会を日本に 与 え る も の と す る 」 と 書 き 始 め ら れ 、 十 条 に 、「 わ れ ら は 日 本 人 を民族として奴隷化せんとし、または国民として滅亡せしめん とするの意図を有するものにあらざるも、われらの俘虜を虐待 せるものを含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を加 えらるべし。 日本国政府は日本国国民の間における民主主義的傾向の復活 強化に対する一切の障碍を除去すべし。言論、宗教および思想 の自由並びに基本的人権の尊重は確立せらるべし」と明記し、 さ ら に 十 三 条 で は 、「 わ れ ら は 日 本 国 政 府 が 、 直 ち に 全 日 本 国 軍 隊の無条件降伏の宣言を要求し、云々」とありました。したが って、日本人の基本的人権を尊重することを約束し、さらに軍 隊 の 無 条 件 降 伏 を 宣 言 し て い る の で す 。「 無 条 件 降 伏 」 は 日 本 軍 隊を指し、いわば条件付き申し入れであり、日本政府はこの条 件 を 呑 ん で「 ポ ツ ダ ム 宣 言 」を 受 諾 し た の で す 。そ し て こ の「 ポ ツダム宣言」を受けて「サンフランシスコ平和条約」が締結さ れました。この平和条約の十一条で、極東国際軍事裁判法廷及 び国内外の連合国の戦争犯罪法廷を受諾し、かつ、日本国で、 拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行する ことが明記されていました。 終戦七十年を迎える私たちは、一九四五年八月十四日に受諾 した「ポツダム宣言」と一九五一年九月八日に締結した「サン フランシスコ平和条約」をぜひ一読し、合わせて一九二八年八 月 二 十 七 日 に 調 印 さ れ た「 パ リ 条 約 」も 一 読 す る こ と に よ っ て 、 自分の心の持ち方、現代社会のすべての問題に対処する一つの 理性を持つことができると思います。その理性を慈悲によって 包み尽くすことがより良き社会の指導者、円満な指導者として 仲田 順和 心 が け る べ き こ と で あ り 、そ の 心 を 以 っ て 日 々 前 進 し ま し ょ う 。 醍醐寺百三世
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