日展協会長 石積が東京都 舛添知事に要望(No.130, 15/09/18) オリンピックの成功と展示会は両立できる 日展協が 東京都 舛添知事に要望書 オリンピックの成功と同時に、 展示会の中止を回避する為に 2015 年 9 月 11 日、展示会産業における日本最大の業界団体「日本展示会協会」会長の石積と3人の 副会長は、東京都の舛添知事に対して2回目の要望書を提出した。 東京都側は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の評議員も務める、前田信弘 東 京都副知事が応対した。 日本では今、多くの人の間で深刻な噂が飛び交っている。それは、「日本最大の展示会場『東京ビッ グサイト』が、2020 年東京オリンピックの際、準備期間を含め長期間、最悪1年間にわたってオリンピ ック会場に使用され、その間、全ての展示会が中止になる」という噂だ。 もしこの噂が現実となれば、毎年開催されている 300 本の展示会が中止になり、展示会での売上げに 大きく依存する約 9 万社の中小企業の出展社や、1,000 社に上る展示会関連サービス企業に、倒産など 極めて深刻な影響を及ぼし、社会問題に発展する恐れがあると危惧されている。 日展協はこのような深刻な事態を解決するために、ビッグサイトのオーナーである東京都に対し、 「オ リンピックの成功は大前提であり、協力も惜しまない。しかし一方、全ての展示会を例年通り開催でき るよう配慮してほしい」と要望すると同時に、具体的な解決策を提案した。これが今回の要望書である。 実は、日展協はすでに今年 1 月 26 日に東京都の舛添知事に対して 1 回目の要望書を提出し、問題の 深刻さを訴えていた。しかしその後、心配の声がますます強くなり、その数も激増していた。 さらに、「展示会産業 議員連盟」の国会議員からは、「たしかに、大問題になりかねない。しかし、 解決のためには、日展協をはじめ展示会関係者は、解決策を提案することが重要だ」とのアドバイスが あった。 日展協会長 石積が舛添知事への要望書を前田副知事に提出。左から、日展協 松井副会長、石積会長、東京都 前田副知 1 事、日展協 越野副会長、荒井副会長 これを受け日展協の執行部は真剣に検討を重ねると同時に、議員連盟の幹部とも協議し、具体的な解 決案を策定した。そしてこの日、2回目の要望書を提出したのである。 日展協による 要望書(全文) それでは日展協が議員連盟からの推薦を元に策定し、東京都に提出した提案の中身をご紹介するため に、以下、要望書全文を公開する。 2 3 4 前田副知事が 真摯な対応 問題解決に前向きな取り組み 前田副知事は、日展協執行部の説明に真摯に耳を傾けてくれ、一つ一つの問題に丁寧に応対してくれ た。その事実に、出席した石積と3人の副会長は、感銘を受けると同時に、解決に向かって少しずつ前 進しているという感触を得た。 副知事が述べた内容の骨子は次の通りである。 ① 何万社もの中小企業が展示会で営業できなくなることは、極めて大きな問題であることを強く認 識している。 ② ビッグサイトがプレス施設としてオリンピックに使用されるとしても、使用期間と面積をできる だけ最小化することを関係機関に全力で働きかける。 ③ 展示会への影響を少しでも軽減するため、東京ビッグサイトの西館の増設について、当初 2020 年 完成の予定を、2019 年半ばの使用開始に早めることを計画している。 ④ 日展協の提案内容を重く受け止めている。解決のためには非常に難しい問題もあるが、今後も日 展協と協力しながら、努力したい。 全ての展示会が開催された北京とロンドン(オリンピック) 両市ともプレス施設を新たに建設 団結して声をあげれば、同じように解決できる! 今回の要望書提出にあたり、石積は次のように述べている。 「展示会に関わる皆様は、それぞれが様々な案をお持ちだと思うが、今何よりも重要なことは、一つの 案のもとにできるだけ多くの展示会関係者がまとまることによって、要望の声を大きくすることだと確 信している。そのことによって、事態が解決に向って進展する可能性が出てくるものと期待しているか 5 らだ。 そのために、執行部でまとめ、展示会国会議員連盟が推奨くださ っている本案を『正式な提案』として推進したいと考えている。 できる限り本案に賛同をいただくとともに、私ども日展協と一緒 に声をあげていただけるよう、全力を尽くす」と。 それに加えて石積は、 「ただし、その後の進展によって、もっ と良い解決策が提案されれば、それを推し進めることは全く構わ ない。要するに、解決できて全ての関係者が喜べればいい」と述 べている。 前回のロンドン・オリンピックの時も、ロンドン市内の展示会 場「エクセル(10 万㎡)」がオリンピックの競技会場に使用され たが、関係者の努力の結果、使用期間は 2 か月半に短縮された。 プレス用施設も、展示会場以外の場所に新たに建設され、結果的 に、中止になった展示会は一つも無かった。 「団結して声をあげれば、北京やロンドンオリンピ ックの時と同様、解決できる」 と語る石積 また、前々回 2008 年の北京オリンピックの際も、プレス用施 設は展示会場とは別の場所に、新たに建設され、オリンピック後は展示会場として転用されている(現 在の China National Convention Center)。 冒頭で紹介した噂「ビッグサイトが、2020 年東京オリンピックの際、1年間にわたってオリンピック 会場に使用される」に対し、「展示会中止がもたらす影響の大きさを考えれば、まさかそんなことが起 きるはずがない」という声も数多く寄せられているが、まだ事態は予断を許さない。 重要なことは、あらゆる出展社、展示会主催者、支援企業さらにはマスコミ等が一丸となり、大きな 声をあげていくことであり、それが問題の早期解決につながることを確信している。 石積はじめ日展協の幹部から、この際、展示会産業の全ての方々にお願いしたいことがある。 それは、「まだ日展協に入会していない企業も、この際、積極的に入会していただき、一緒に活動し ていただきたいということ」である。すなわちオリンピックを、 「展示会産業を発展させる絶好の機会」 とポジティブに捉えていただきたいということである。 皆さんの賛同と参加をお願い申し上げたい。 ご意見、ご感想を 下記までお寄せください Email: [email protected] FAX: 03-3349-8599 お問い合わせ: リード エグジビション ジャパン(株) 広報部 部長 6 田中 嘉一 TEL: 03-3349-8501
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