“ 省エネ・蓄エネ“ ・・・ オフィスにも蓄電システムを

“ 省エネ・蓄エネ“ ・・・ オフィスにも蓄電システムを
NEC の小型蓄電システムは、一般家庭用のみならず、オフィスでも使えます。同システムの主要部品で
あるリチウムイオン電池関連製品を製造している当社として、実際に、自社のオフィスに小型蓄電システ
ムを導入し、運用してみました。蓄電システム導入のメリットなどについて、プロジェクトメンバーの 2 人に
話を聞きましたので、貴社/貴部門のオフィスへの導入のご検討に際し、参考にしてください。
エリアを対象に、ワークスタイルを見直し、省エネ
を意識しての業務遂行に挑戦しました。
まず、自社に実験導入
Q. なぜオフィスに蓄電システムを導入?
A.蓄電システムのオフィスへの導入目的は、BCP(事
業継続計画)用途のような防災対策がほとんどでし
た。そこで、自らが小型蓄電システムのユーザとな
り、法人ユーザ向けの「新しい使い方」や利用価値
の PR について検討することにしました。
佐藤 祐輔(予算部門)
目標と成果
Q. 活動の目標と、その成果は?
A. 下記をご覧ください。対象エリアで天井照明の間
引きと PC の省エネ設定の徹底を行った結果、年間
約 27,000 円相当の費用削減が実現しました。目標
とした理論値(40,000 円)には届きませんでしたが、
メンバーの意識変革は続いていますので、さらなる
削減が期待できます。また、これ以外にも契約電力
の削減も実現しており、事務所全体の省エネ効果も
併せると、年間 100,000 円近い効果を達成しました。
原田 明彦(環境部門)
Q. 小型蓄電システムのオフィスでの利用価値は?
A.電気をムダなく貯めて、必要な時に使える蓄電シ
ステムの利用として、オフィスの節電に貢献できな
いかと、防災対策のみならずエネルギーの有効活用
の面から取り組んでみました。そのキーワードは、
「W エネ」です。すなわち、
①蓄電システムと HEMS を活用して無駄な消費電
力を減らす「省エネ」
②蓄電によりピークシフトを図る「蓄エネ」
の 2 つのエネの実現です(図-1)。
具体的な活動内容
Q. 具体的な活動内容を教えてください。
A. 次のようなステップで進めました。
(図-1)「W エネ」の概念図
Step1 活動推進体制の構築
活動に当たり、挑戦する対象区域を事務フロアの一
部エリアとし、社長をプロジェクトリーダーとして、
その下に推進事務局、活動推進者(1 名/グループ)
と、合計 40 人弱(8 グループ)の体制を構築した。
23 時以降に蓄電システムに蓄えた電力を、電力使
用のピークとなる 13 時以降に放電しました。蓄電
システムの電力だけで何時間仕事ができるか、一部
1
起こっていることがわかった。
一方で、「全ての天井照明を消すと全体が暗くなり
すぎ、デスクライトがまぶしく感じる」などの意見
も見受けられたので、運用を見直した。
Step2 小型蓄電システムの設置
蓄電システムの設置には次の点に工夫した。
①システム本体は一般的に屋外や機械室等へ設置さ
れるが、あえてオフィス内部に設置し、従業員に対
して「蓄電システムを使っている」という意識付け
をした(写真-1 参照)。
Step5 運用の見直しと変更
天井照明の点灯パターンを何通りか試し、個人デス
クごとに照度を測定して全デスクが最適な照度を保
てるようなパターンを模索した。その結果、約 50%
の点灯数で、労働安全衛生法上の基準である 150~
300 ルクスの照度をすべてのデスクで実現した。
まとめ
Q. 活動の成果をまとめてもらえますか?
A. 法人ユーザ向け小型蓄電システムの新しい使い
方や利用価値を次のようにまとめます。
(写真-1)小型蓄電システム 配置風景
②クラウド型 HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメ
ント・システム)を設置して、グループごとの電力使
用状況や放電・蓄電量をリアルタイムに活動メンバ
ーが閲覧できるようにし、競争意識が生まれる仕掛
けをした(図-2 参照)。
①活動
・社長からの活動開始宣言(強力な推進者の存在)
・目に付く場所に蓄電システムを設置
・HEMS で電力使用量を見える化
・チーム対抗の電力使用量低減競争
・アンケートによる運用ルールの修正
(図-2)HEMS 表示画面(一部)
②ピークシフトとピークカット
〔効果 1〕一般的に契約電力料金(基本料金)は電
力使用量のピーク値を元に算出される。本活動によ
り、電力使用量のピークをカットすることによって、
契約電力の削減が可能となった。なお、今回の実験
では 13 時から約 5 時間、電池だけで仕事を行うこ
とでピーク電力を抑制できた(図-3 参照)。
Step3 PC・照明の省エネ/ワークスタイルの見直し
照明の細かな ON/OFF による省エネを目指して、活
動エリアの天井照明 20 台にひもスイッチを取り付
け、
LED デスクライトを活動メンバー全員に配った。
併せて、PC の電源プラン設定を省エネモードにして
いないメンバーに設定変更を要請した。天井照明は
13 時から全て消灯し、LED デスクライトのみで業
務を行う設定とした。同時に、離席時にはデスクラ
イトおよび、PC モニタの電源 OFF を徹底した。
(図-3)契約電力のカット
Step4 節電・省エネアンケートの実施
運用開始から約 1 カ月後に、活動メンバーに対し施
策導入後の省エネ意識の変化や影響を調査した。
その結果、離席時のモニタ電源 OFF やデスクライト
の OFF を行うことで、これ以外の省エネ行動を意識
して行う人が増えたことがわかった。事務所以外で
も省エネ行動をしており、ワークスタイルの変革が
〔効果 2〕一般的に 1 日のうち電力使用が高い昼間
は、電力使用が逼迫するため、政府では電力使用の
平準化を進めている。蓄電システムを導入しピーク
シフトを行うことで、ささやかながら社会に貢献し
ている。
③省エネ効果(P1 の目標と成果の項を参照ください)
2
【本導入実験に関するお問い合わせ先】
その後
お問い合わせは、こちらの「お問い合わせフォー
ム」からご連絡ください
Q. その後の展開などはどうなっていますか?
A. 活動を全社規模へ拡大するため、省エネ意識の向
上について継続して訴えるとともに、ひもスイッチ
のフロア全体への設置を完了しました。
使っていない照明は、部分的に消すことが習慣付い
てきています。
【NEC の蓄電システム関連ホームページ】
◆法人用小型蓄電システム
お問い合わせは、こちらの「[法人]お問い合わせ」
ボタンからご連絡ください
導入を検討中の事業者様へ
◆ご家庭向け小型蓄電システム
Q. ズバリ、「元を取る」には何年くらいかかるの?
A. 条件によって幅がありますが、そんなに短期間で
は導入費用が回収できるわけではありません。ただ、
お話していますように、従業員の省エネ意識の改革
など副産物まで含めると、導入のメリットは大きい
と思います。
◆クラウド型 HEMS
Q. オフィスでは、どんなパターンでの導入が考え
られますか?
A. 私たちのオフィスは 1 フロア 200 名近い従業員
がいますが、その 1/5 くらいのフロアで実験しま
した。もっと小規模の数十人以内の事務所なら全員
の PC などの電力をほとんど蓄電システムでまかな
えるケースもあるでしょうね。
また、小規模な部屋が複数ある貸しビルに蓄電シス
テムを導入し、各部屋共同でシステムを利用するこ
ともできるかもしれません。
Q. 小型蓄電システムのオフィスへの導入を検討中
の事業者様へひとことください。
A. オフィスに蓄電システムを実験導入して省エネ
の効果が数字で現れましたが、それに加えて数字に
見えない副産物が得られたことも嬉しい効果です。
すなわち、従業員の省エネ意識の高まりに伴い、ワ
ークスタイルを見直そうという機運が生まれたこと。
これを素地にして、これからも従業員が省エネにチ
ャレンジしてくれることを期待しています。
このように、蓄電システムのオフィスへの導入によ
る様々な効果が期待できますので、是非、導入をご
検討ください。
© NEC Energy Devices, Ltd. 2015
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