そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真

そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真
2015 年 9 月 12 日[土]-2016 年 1 月 11 日[月・祝]
[図 版 1]
原美術館[東京都品川区]
曹 斐 (ツァ オ フ ェイ ) 「自 分 の未 来 は夢 にあらず 02」
2006 年 /120 x 150 cm/C プリント © Cao Fei / Deutsche Bank Collection
【概 要 】
紙 の作 品 のコレクションとしては最 高 峰 とされる、ドイツ銀 行 の現 代 美 術 コレクション約 60,000 点 より、1970
年 代 から最 近 にいたる写 真 芸 術 の魅 力 を、アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパのアーティスト約 40 組 60
点 の秀 作 で紹 介 いたします。
本 展 は、「《時 間 》を切 り取 ってメディアに定 着 させる」という写 真 の性 質 を活 かしたさまざまな表 現 を鑑
賞 することで、芸 術 表 現 としての《写 真 》の魅 力 を再 確 認 していただく試 みです。
また、世 界 各 国 のアーティストたちが共 通 言 語 としての現 代 美 術 にいかに取 り組 んでいるのか、という点
も本 展 の見 どころです。ベルント&ヒラ ベッヒャー、アンドレアス グルスキー、ゲルハルト リヒターなど国 際
的 に知 られるドイツの作 家 たち。曹 斐 ( ツァ オ
フェ イ ) 、ヂョン
ヨンドゥ、劉 錚 (リ ウ
ジェ ン) など近 年 注 目 を集 め
るアジアの作 家 たち。杉 本 博 司 、佐 藤 時 啓 、やなぎみわなど日 本 の作 家 たち。さらに、アフリカ・アラブ・東
欧 など、それぞれの文 化 的 ・社 会 的 背 景 のもとで模 索 する作 家 たち。彼 らの表 現 から、加 速 化 するグロー
バリゼーションの流 れの中 にある現 代 の写 真 表 現 を展 観 する試 みとなります。
原美術館プレスリリース 2015/7/28
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【本展の特徴(1)】─《写真》を通して《時間》を見る
本 展 の特 徴 の一 つは、《写 真 》の本 質 および芸 術 的 メディアとしての可 能 性 を《時 間 》という視 点 から検 証
するところにあります。
現在の時間と過去の時間は
おそらく未来の時間の中に現在し
未来の時間はまた過去の時間の中に含まれる。
あらゆる時間が永遠に現在するとすれば
あらゆる時間は償うことのできぬもの。
T. S. エリオット『四 つの四 重 奏 』(1935)第 一 部 「バートン・ノートン」より
(引 用 元 :岩 崎 宗 治 =訳 、岩 波 文 庫 、2011 年 )
展 覧 会 の英 語 タイトル「 Time Present」は、上 に引 用 した T. S. エリオット(1888-1965、米 →英 、1948 年
ノーベル文 学 賞 )の詩 句 から採 ったものです。上 の引 用 で「 Time Present」は「現 在 の時 間 」と訳 されていま
すが、引 用 箇 所 からもわかるとおり、エリオットは過 去 ・現 在 ・未 来 を区 別 しない独 特 の時 間 概 念 を志 向 し
ており、それは哲 学 者 アンリ ベルクソン(1859-1941、仏 、1927 年 ノーベル文 学 賞 )が「純 粋 持 続 」と捉 え
た時 間 概 念 に通 じるものがあります。一 般 的 に私 たちの日 常 の生 活 や社 会 活 動 は、《時 計 》と《暦 》という
数 値 に還 元 される時 間 とともにありますが、私 たちの生 にとって、《時 間 》はもっと多 様 で複 雑 なものです。そ
れゆえ哲 学 や芸 術 では、エリオットやベルクソンだけではなく、昔 からさまざまな《時 間 》を考 察 してきました
し、文 化 人 類 学 や民 俗 学 では、共 同 体 (集 団 )における文 化 としての《時 間 》も研 究 されています。
一 方 、写 真 はそのメカニズム的 特 徴 から言 って(アナログ・デジタルを問 わず)、《時 間 》 を切 り取 ってイメ
ージに定 着 するメディアです。写 真 が《撮 影 》というアクションで切 り取 る時 間 といえば、シャッターを押 す短
い《瞬 間 》がただちに連 想 されます。そして撮 影 した《そのとき》と、出 来 上 がった写 真 を見 ている《いま、こ
のとき》は、前 者 が《過 去 》であり後 者 が《現 在 》という絶 対 的 な《時 間 差 》があります。 写 真 を自 らの表 現 手
段 として使 うアーティストは、そのような写 真 の性 質 を 活 かし て、さまざまな《時 間 》のイメージを作 品 として
提 示 しています。同 時 に、そうした写 真 作 品 を見 ることによって、すなわち、それぞれの表 現 の中 にある《時
間 》を感 じ取 ることによって、私 たちは《時 間 》を省 察 するとともに、芸 術 的 メディアとしての《写 真 》の魅 力 を
再 確 認 できることにもなるでしょう。
この世 に《写 真 》が誕 生 して 200 年 足 らず、この間 に写 真 は生 活 と社 会 の隅 々にまで浸 透 しました。さら
にこの 20 年 足 らずの間 にデジタル化 が進 行 し、写 真 は一 層 身 近 になっただけでなく、それなしの生 活 も社
会 も想 像 できないほどになっていると言 えます。私 たちにとって《写 真 》とは何 なのか、それを再 考 するうえで
も本 展 はよい刺 激 となることでしょう。
【本展の特徴(2)】─現代美術とグローバリゼーション
本 展 は、作 品 のメディアを《写 真 》に限 定 している一 方 で、出 品 アーティストの一 覧 を眺 めるとかなりグロー
バルであることが特 徴 です。現 代 美 術 の領 域 でも、特 に 2000 年 以 降 、グローバリゼーションの流 れは急 速
に進 行 した感 があります。国 際 現 代 美 術 展 としては世 界 最 大 級 の規 模 で、 100 年 以 上 の歴 史 を持 つヴェ
ニスビエンナーレも参 加 国 数 は増 え続 けています。本 展 出 品 のアーティスト約 40 組 はアジア・アフリカ・ア
メリカ・ヨーロッパと多 岐 にわたっており、多 様 な文 化 的 ・社 会 的 背 景 のもとで共 通 言 語 としての現 代 美 術
にどのように取 り組 んでいるのか、その点 も本 展 の見 所 であるといえます。
また、本 展 は、英 語 題 名 「Time Present - Photography from the Deutsche Bank Collection 」として、ア
ジア各 国 の美 術 館 を会 場 とする国 際 巡 回 展 です。2014 年 秋 にシンガポール美 術 館 で開 催 されたのを皮
切 りに、インド・ムンバイの国 立 近 代 美 術 館 ( 2015 年 春 )を経 て、日 本 では東 京 ・原 美 術 館 のみの開 催 と
なります。
原美術館プレスリリース 2015/7/28
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【原美術館とドイツ銀行コレクション:二度目のコラボレーション】
企 業 が文 化 活 動 として行 ってい る美 術 コレクションの中 でも、ドイツ銀 行 コレクションは質 量 ともに世 界 屈
指 のものと言 えます。原 美 術 館 では、2006 年 にも「舞 い降 りた桜 ザハ ハディドとめぐるドイツ銀 行 コレクシ
ョン」と題 して、女 性 として初 めてプリツカー賞 を受 賞 した建 築 家 ザハ ハディドの会 場 デザインにより、企 画
展 を開 催 したことがあります。ドイツ銀 行 のコレクション活 動 は、偶 然 ながら原 美 術 館 創 立 と同 じ年 、 1979
年 から始 められました。世 界 各 国 に支 店 網 を持 つドイツ銀 行 は、現 代 美 術 コレクションにおいてもグローバ
ルな視 野 で行 っており、それは本 展 の内 容 にもう かがうことができます。出 品 作 品 そのような独 特 の視 点 で
集 められたコレクションの中 から選 りすぐった秀 作 ぞろいです。
【出品予定作家一覧】
シリン アリアバディ
カデル アティア
イト バラーダ
ベルント&ヒラ ベッヒャー
ゾーラ ベンセムラ
ジェラード バーン
曹 斐 (ツァオ フェイ)
スーザン ダージェス
フィリップ=ロルカ ディコルシア
ハサン&フセイン エソップ
ギュンター フェルク
ルイジ ギッリ
アンドレアス グルスキー
シヴォーン ハパスカ
マチルド テル ハイネ
カンディダ ヘファー
オットマー ヘール
ヂョン ヨンドゥ
イドリス カーン
ジェフ チェンシェン リャオ
マルティン リープシャー
劉 錚 (リウ ジェン)
シャロン ロックハート
ボリス ミハイロフ
フリオ セザール モラレス
エイドリアン パチ
コーネリア パーカー
シグマー ポルケ
ゲルハルト リヒター
クラウス リンケ
佐藤時啓
ダヤニータ シン
トーマス シュトルート
アネット シュトゥート
杉本博司
マッシモ ヴィターリ
やなぎみわ
朱 加 (チュウ ジァ)
Shirin Aliabadi
Kader Attia
Yto Barrada
Bernd & Hilla Becher
Zohra Bensemra
Gerard Byrne
Cao Fei
Susan Derges
Philip-Lorca diCorcia
Hasan and Husain Essop
Günter Förg
Luigi Ghirri
Andreas Grusky
Siobhàn Hapaska
Mathilde ter Heijne
Candida Höfer
Ottmar Hörl
Yeondoo Jung
Idris Khan
Jeff Chien-Hsing Liao
Martin Liebscher
Liu Zheng
Sharon Lockhart
Boris Mikhailov
Julio Cézar Morales
Adrian Paci
Cornelia Parker
Sigmar Polke
Gerhard Richter
Klaus Rinke
Tokihiro Sato
Dayanita Singh
Thomas Struth
Anett Stuth
Hiroshi Sugimoto
Massimo Vitali
Miwa Yanagi
Zhu Jia
(1973~ イラン)
(1970~ フランス)
(1971~ フランス)
(1931~2007/1943~ ドイツ)
(1968~ アルジェリア)
(1969~ アイルランド)
(1978~ 中 国 )
(1955~ イギリス)
(1951~ アメリカ)
(1985~ 南 アフリカ)
(1952~2013 ドイツ)
(1943~92 イタリア)
(1955~ ドイツ)
(1963~ 北 アイルランド)
(1969~ フランス)
(1944~ ドイツ)
(1950~ ドイツ)
(1969~ 韓 国 )
(1978~ イギリス)
(1977~ 台 湾 )
(1964~ ドイツ)
(1969~ 中 国 )
(1964~ アメリカ)
(1938~ ウクライナ)
(1966~ メキシコ)
(1969~ アルバニア)
(1956~ イギリス)
(1941~2010 ドイツ)
(1932~ ドイツ)
(1939~ ドイツ)
(1957~ 日 本 )
(1961~ インド)
(1954~ ドイツ)
(1965~ ドイツ)
(1948~ 日 本 )
(1944~ イタリア)
(1967~ 日 本 )
(1963~ 中 国 )
※ 作 家 の記 載 は姓 のアルファベット順 で「氏 名 ・生 没 年 ・出 身 地 域 」
原美術館プレスリリース 2015/7/28
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【広報用図版】
*ご希 望 の図 版 番 号 をプレス担 当 宛 (連 絡 先 は p.5 参 照 ) にお知 らせください。
*掲 載 時 にはクレジットの記 載 をお願 いいたします。また、図 版 のトリミング、文 字 載 せはご遠 慮 ください。
[図版 2]
[図版 3]
[図版 4]
[図版 5]
[図版 6]
[図 版 1]
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[図 版 7]
[図 版 8]
[図版 7]
[図版 8]
曹 斐 (ツァオ フェイ) 「自 分 の未 来 は夢 にあらず 02」 2006 年 /120 x 150 cm/C プリント
© Cao Fei / Deutsche Bank Collection
やなぎみわ 「My Grandmothers: MINEKO」 2002 年 /87.5 x 120 cm/C プリント
© Loock Galerie / Deutsche Bank Collection
杉 本 博 司 「ローズクラン ドライブインシアター、パラマウント」 1993 年 /42 x 54 cm/ゼラチンシルバープリント
© Hiroshi Sugimoto / Deutsche Bank Collection
アネット シュトゥート 「記 憶 」 2004 年 /180 x 250 cm/C プリント
© Anett Stuth / Deutsche Bank Collection
ゾーラ ベンセムラ 「アフガニスタン」 2009 年 /61 x 85 cm/C プリント
© REUTERS/Zohra Bensemra / Deutsche Bank Collection
クラウス リンケ 「瞬 時 の移 動 」 1972 年 /251 x 130 cm/ゼラチンシルバープリント
© Klaus Rinke / Deutsche Bank Collection
イト バラーダ 「系 図 」 2005 年 /150 x 150 cm/C プリント
© Courtesy the artist and Sfeir-Semler Gallery, Beirut/ Hamburg / Deutsche Bank Collection
マッシモ ヴィターリ 「#2232, マディーマの波 」 2005 年 /220 x 180 cm/C プリント
© VG Bild-Kunst, Bonn 2015 / Deutsche Bank Collection
原美術館プレスリリース 2015/7/28
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【開催要項】
展覧会名
会期
会場
主催
後援
開館時間
休館日
入館料
交通案内
「そこにある、時 間 ―ドイツ銀 行 コレクションの現 代 写 真 」(省 略 表 記 :「そこにある、時 間 」展 )
(英 題 Time Present – Photography from the Deutche Bank Collection )
2015 年 9 月 12 日 [土 ]-2016 年 1 月 11 日 [月 ・祝 ]
原美術館
原 美 術 館 、ドイツ銀 行
ドイツ連 邦 共 和 国 大 使 館
11:00 am - 5:00 pm(祝 日 を除 く水 曜 は8:00 pmまで/入 館 は閉 館 時 刻 の30分 前 まで)
月 曜 日 (祝 日 にあたる9月 21日 、10月 12日 、11月 23日 、1月 11日 は開 館 )、9月 24日 、10月
13日 、11月 24日 、年 末 年 始 (12月 28日 -1月 4日 )
一 般 1,100 円 、大 高 生 700 円 、小 中 生 500 円 /原 美 術 館 メンバーは無 料 、学 期 中 の土
曜 日 は小 中 高 生 の入 館 無 料 /20 名 以 上 の団 体 は1 人 100 円 引
JR・京 急 「品 川 駅 」高 輪 口 より徒 歩 15 分 /都 営 バス「反 96」系 統 「御 殿 山 」停 留 所 下 車 、徒
歩 3分 /京 急 「北 品 川 駅 」より徒 歩 8 分
*掲 載 時 、省 略 される場 合 は「品 川 駅 」を優 先 してください。
原 美 術 館 東 京 都 品 川 区 北 品 川 4-7-25 〒140-0001
Tel 03-3445-0651(代 表 ) Fax 03-3473-0104(代 表 ) E-mail [email protected]
ウェブサイト http://www.haramuseum.or.jp 携帯サイト http://mobile.haramuseum.or.jp
ブログ http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum ツイッター http://twitter.com/haramuseum (@haramuseum)
ギャラリーガイド 日 曜 ・祝 日 には当 館 学 芸 員 によるギャラリーガイドを行 ないます( 2:30pmより30分 程 度 )
【関連イベント】
本 展 会 期 中 にさまざまな関 連 イベントを準 備 しています。 下 記 以 外 にも準 備 中 のイベントがあり、その詳 細
は決 まり次 第 発 表 の予 定 です。
(1) 映 像 作 品 上 映 (予 約 不 要 、先 着 順 )
原 美 術 館 ザ・ホールにて、ドイツ銀 行 コレクションの中 から、曹 斐 ( ツァ オ フェ イ )、フリオ セザール モ
ラレス、蔡 國 強 ( ツァイ グオチャン Cai Guo-Chang)の映 像 作 品 を上 映 。
合 計 3 作 品 、約 45 分 間 。入 館 料 のみ必 要 。
会 期 中 の水 曜 日 (9 月 23 日 と 12 月 23 日 はのぞく)、6:00 pm~
(2) 開 催 記 念 キュレータートーク(予 約 制 )
フリードヘルム ヒュッテ[ドイツ銀 行 グローバル ヘッド オブ アート] 聞 き手 :安 田 篤 生 [原 美 術 館 ]
日 時 :9 月 12 日 [土 ] 2:00 - 4:00 pm/場 所 :原 美 術 館 ザ・ホール
入 館 料 のみ必 要 。ご予 約 は e-mail にて、表 題 に[9/12 トーク申 込 ]、
本 文 に氏 名 、ご連 絡 先 電 話 番 号 、人 数 を明 記 し、 [email protected] までお送 りください。
(3) ワークショップ
出 品 作 家 の佐 藤 時 啓 (2015 年 芸 術 選 奨 文 部 科 学 大 臣 賞 受 賞 )による、親 子 で参 加 できる体 験 型
ワークショップ。10 月 31 日 [土 ] 原 美 術 館 ザ・ホールにて
詳 しい内 容 ならびに参 加 費 、申 込 み方 法 は後 日 発 表
【本展カタログ】
国 際 巡 回 用 に制 作 した英 語 版 カタログに、テキスト部 分 の日 本 語 訳 を別 冊 付 録 として添 付 、頒 布 の予 定 。
出 品 作 品 全 点 をカラーで掲 載 。頒 布 価 格 未 定 。
英 語 版 :240×240mm、174 ページ、オールカラー、並 製 ・カバー装
別 冊 (日 本 語 訳 ):240×240mm、28 ページ、モノクロ、中 綴 じ
【出品作品数】
写 真 作 品 約 60 点
取材・図版提供などのお問い合わせ先: 原美術館 広報 松浦、野田 (担当学芸員 安田) Tel 03-3280-0679 Fax 03-5791-7630
E-mail [email protected] (いずれも広報直通/掲載時には代表番号・アドレスをお用いください)
原美術館プレスリリース 2015/7/28
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