生産と消費の低迷が継続 - 三井住友アセットマネジメント

2016年2月17日
(No.2,398)
〈マーケットレポートNo.4,668〉
最近の指標から見るブラジル経済(2016年2月)
利上げ見送りで景況感が持ち直すかに注目
(%)
生産と消費の低迷が継続
10
ジカ熱の広がりも懸念材料
【小売売上高と消費者信頼感指数】 (ポイント)
140
小売売上高
(前年同月比、左軸)
■ 15 年 12 月 の 小 売 売 上 高 は 、 前 年 同 月 比
▲7.1%とマイナスが続きました。物価高、金利高、
ジカ熱の広がりなどから消費者心理の低迷が続い
ており、消費の持ち直しは期待しづらい状況です。
0
100
消費者信頼感指数(右軸)
60
13/1
14/1
15/1
16/1
■15年12月の鉱工業生産指数は同▲11.9%と、 (注)小売売上高は2013年1月~2015年12月。
(年/月)
消費者信頼感指数は2013年1月~2016年1月。
14年3月以降マイナスが続いています。中国の景
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
▲10
気減速などから外需も弱く、景気の低迷は当面
続きそうです。
物価高が続く見込み
14.5
中銀は景気に配慮し様子見
10.5
消費者物価指数
10.71(16/1)
市場の物価予想
7.61(16/12)
8.5
6.5
中銀の物価
目標レンジ
4.5
2.5
(物価は前年同月比)
0.5
13/2
14/2
15/2
16/2
17/2
18/2
(年/月)
(注)政策金利は2013年2月1日~2016年2月16日。
消費者物価指数は2013年2月~2016年1月。市場の物価予
想は、中銀が2月15日に発表した市場予想。中銀の物価目標は
年+4.5%。レンジは、2016年末まで±2%、2017年以降
±1.5%。
(出所)Bloomberg L.P.、ブラジル中央銀行のデータを基に三井住友
アセットマネジメント作成
(円/レアル)
55
景況感持ち直しなどに期待
■景気低迷と物価高が長期化するなか、中銀が景
気への配慮を強め利上げを見送ったことから、企
業や消費者の心理が改善するか注目されます。
景況感の改善など景気持ち直しの兆しが見られ
れば、ブラジルレアルが足元の下落傾向から持ち
直すきっかけになると期待されます。
政策金利 14.25
12.5
■16年1月の消費者物価指数は、前年同月比
+10.71%となりました。野菜など食品価格の値
上がりや、財政難の影響を受けた電気料金の引
き上げが物価の主な押し上げ要因となっています。
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、1月の会
合で市場予想に反して政策金利を据え置き、利
上げを見送りました。物価抑制を優先してきたこれ
までの方針を軌道修正し、景気下振れへの警戒
をより強めたかたちです。これを受け、市場では利
上げ観測が大幅に後退しました。
【政策金利、消費者物価指数、物価目標】
(%)
16.5
【ブラジルレアル】
48
(レアル/米ドル)
レアル高
対米ドル(右軸)
レアル安
41
34
2.0
2.8
3.6
4.4
対円(左軸)
27
5.2
15/2
15/5
15/8
15/11
16/2
(年/月)
(注)データは2015年2月1日~2016年2月16日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2016年 1月29日 「物価高」は長期化の様相(ブラジル)
2016年 1月21日 ブラジルの金融政策(2016年1月)
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