日米 IED 民間作業部会共同声明 2016 について (ヤフー株式会社

日米 IED 民間作業部会共同声明 2016 について
(ヤフー株式会社)
2016 年 2 月 25 日
「第1章 個人情報の保護と利用の両立」について
Yahoo! JAPAN は、日米両国政府に対し、個人情報の保護と利用に関し二国間で
差異のない取扱いがなされることを求めます。日本では、昨年 9 月に改正個人情報
保護法が成立しましたが、詳細部分については政令や個人情報保護委員会規則で
定められることになっており、未定の部分が残っています。日米両国間で差異のない
個人情報の取扱いがなされるよう、産業界の意見が反映され、こうした未定の部分が
確定していくことを期待します。
また、グローバルな企業活動への過度な負担とならないよう、国際的な枠組みを通
じて個人情報の保護と利用についての明確なルールを追求していくことを、日米両国
政府に対し求めます。欧州では「一般データ保護規則(GDPR)」の 2016 年春の発効
に向けて作業が続けられています。加えて、欧米間では、セーフハーバー協定の見
直しについて合意に達し、「プライバシー・シールド」と呼ばれる予定の新たな枠組み
が設定されようとしています。しかしながら、前者についても後者についても詳細な規
定内容が待たれている状況であり、依然として個人情報の保護と利用の両立という
観点からは予断を許さない状況が続いています。こうした状況に適切に対応していく
ためにも、APEC の越境個人情報保護規則(CBPR)の枠組みの中で EU の拘束的企
業準則(BCR)との相互運用性を迅速に確保していくことも必要であると考えます。今
後、日米両国が CBPR の採用国増加、そして CBPR と BCR の相互運用性の確保に
向けて協働していくことを期待します。
「第3章 インターネットエコノミーの基盤となるサイバーセキュリティ」について
Yahoo! JAPAN は、日米両国政府に対し、情報の自由な流通というインターネットの
本質的価値を安全に確保するために、官民一体となってサイバーセキュリティの問題
に取り組んでいくことを求めます。
情報の自由な流通を可能とするサイバー空間には世界中の誰もが参加できる一
方で、全てのインターネットユーザーが常にサイバー攻撃の脅威にさらされています。
国際的なインターネットエコノミーの発展は、信頼できるサイバー空間が維持されてこ
そ実現されます。サイバー攻撃は、サイバー空間へのリスクとなり、結果としてインタ
ーネットエコノミーに対する萎縮効果をもたらします。サイバーセキュリティの確保はイ
ンターネットエコノミーの発展にとっての前提です。
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サイバーセキュリティの問題は二国間で終始するものではありません。サイバーセ
キュリティの向上のためには、国際的な官民連携が重要です。求められるべきインフ
ラストラクチャーや法令の整備といったテーマについて緊密に情報交換を行い、そし
てその上で、グローバルに活動する国際テロ・犯罪組織によるサイバー攻撃に対し迅
速かつ適切に対処していくことが求められます。
こうしたことから、サイバーセキュリティ分野において、日米両国が豊富な経験と専
門的知見(インシデント情報やベストプラクティス等)を蓄積し、世界をリードしていくこ
とを期待します。
「第4章 インターネットガバナンス関連議論への対応」について
Yahoo! JAPAN は、日米両国政府に対し、インターネットガバナンス関連議論への
民間セクターの参画をさらに推進するとともに、マルチステークホルダーによるインタ
ーネットの運用と管理を広く国際社会に訴えていくことを求めます。
共同声明の中で言及されていますように、2015 年にもさまざまなインターネットガバ
ナンス関連会合が開催されました。Yahoo! JAPAN は、10 年ぶりに開催された世界情
報社会サミット(WSIS)+10 レビュー高官会合に出席し、成果文書の採択を見届けま
した。Yahoo! JAPAN としても、IGF の開催 10 年延長、協力強化のための検討の継続、
マルチステークホルダー体制の維持と発展が成果文書に規定されたことを高く評価し
ており、とりわけ情報の自由な流通の重要性についても明記されたことを歓迎してい
ます。
他方、インターネットの運用と管理において保護主義的な政策を望む国・地域が存
在していることにつき引き続き懸念を有しています。こうした過度な保護主義的風潮
に流されないよう、日米両国政府が、インターネットガバナンスに関する官民対話の
機会の増加と連携強化、並びに IGF における日米両国のプレゼンスの向上のために
協働することを期待します。
結 語
世界中の誰もが自由に参加できる、グローバルで共通な環境こそがインターネット
の価値であり、国境を越えた表現活動や経済活動をかつてない規模と範囲で活発化
することのできる唯一無二の手段です。Yahoo! JAPAN は、公平・公正かつ断片化さ
れていないインターネット環境を確保し、インターネットエコノミーの発展において積極
的な役割を果たすことにコミットしており、様々な活動を通じて、日米両国政府並びに
産業界とともに貢献していきます。
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