(2016年2月)~追加金融緩和と財政拡大で緩やかな景気回復維持へ

2016年2月25日
(No.2,404)
〈マーケットレポートNo.4,681〉
最近の指標から見る欧州経済(2016年2月)
追加金融緩和と財政拡大で緩やかな景気回復維持へ
回復ペースは緩やか
(前期比、%)
消費は底堅く推移
■ユーロ圏の2015年10-12月期の実質GDP成長
率は前期比+0.3%と、緩やかな景気回復にとどま
りました。新興国経済の減速により、輸出が前期比
減少したことが影響しました。
■ドイツは、雇用の改善から消費が底堅く推移し、プ
ラス成長を維持しています。しかし、企業の設備投
資などが力強さを欠き、緩やかな景気回復にとど
まっています。
ドイツの景況感が下振れ
物価は2%の目標を下回る
■製造業などから構成されるドイツのIfo企業景況感
指数やサービス部門の企業景況感指数の2月分
は、前月から低下しました。世界経済の減速懸念
の強まりや、今年に入ってからの株式市場の下落の
影響を受けたと見られます。
■1月のユーロ圏の消費者物価上昇率は、前年同月
比+0.4%と前月から上昇したものの、欧州中央銀
行(ECB)が目標とする2%を下回りました。足元
で原油価格が歴史的な低水準にあることが物価上
昇圧力を抑制していると見られます。
ユーロ圏GDPと主要国の寄与度
0.6
ユーロ圏
0.4
その他の国
0.2
0.0
イタリア
フランス
ドイツ
▲ 0.2
13/10-12
14/4-6
14/10-12
15/4-6
15/10-12
(年/月期)
(注)データは2013年10-12月期~2015年10-12月期。
(出所)欧州統計局のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
ドイツの企業景況感
(ポイント)
115
Ifo企業景況感指数(左軸)
110
(%)
70
60
50
105
40
Ifoサービス部門企業景況感指数(右軸)
100
95
13/10
30
20
10
15/10 (年/月)
(注)データは2013年10月~2016年2月。Ifo企業景況感指数2005年
を100とした指数。Ifoサービス部門企業景況感指数は、「良い」と答え
た割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出。中立は0%。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
14/4
14/10
15/4
追加金融緩和と財政拡大で、緩やかな景気回復の維持へ
■ECBは3月の理事会で、景気や物価見通しを見
直し、追加緩和を行うことを示唆しています。企業
の景況感が下振れており、景気や物価を下支えす
るため、マイナス金利のマイナス幅拡大や国債などの
購入額の拡大などが見込まれています。
■ドイツは、難民支援のため、財政方針をこれまでの
緊縮から積極に転換しました。他のユーロ加盟国も
同様に財政を拡大傾向に転じる国が増加しそうで
す。金融と財政の政策支援により、緩やかな景気
回復の維持が期待されます。
2016年2月24日 英国は「EU残留」を問う国民投票へ(欧州)
2016年1月22日 ECBの金融政策と市場動向 3月の追加金融緩和を示唆
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