マイナス金利下のJ-REIT投資

ご参考資料
マイナス金利下のJ-REIT投資
ポイント① 足元で底堅いパフォーマンス
足元、日本株と比較して、J-REITのパフォーマンスが堅
調です。年初の世界的な金融市場の動揺以降、1月末の
日本銀行によるマイナス金利導入決定にもかかわらず、投
資家のリスク回避姿勢を受けた円高、日本株売りが継続し
ていましたが、J-REIT市場は相対的に底堅く推移、2月
23日現在、年初来プラスのリターンを維持しています。一
因として、日本株と異なり、円高や新興国経済の低迷が、
直接的には、J-REITの収益に影響しないことがあると考え
られます。
ポイント② スプレッドは再び3%を超える水準へ
また、金利水準の一段の低下を受け、J-REIT配当利回
りの相対的な魅力度が増していることも、パフォーマンスの下
支え要因と考えられます。足元、J-REITのスプレッドは再び
3%を超える水準まで拡大、相場急落を受けてスプレッドが
拡大した昨年秋口以来の水準に達しています。
当時は東証REIT指数が1,500ポイント近くまで下落
(2016年2月23日の終値は1,828ポイント)、価格下落
がスプレッド拡大の主な要因でした。今回は、堅調な価格
推移のもと、10年国債利回りの低下がスプレッド拡大に大
きく貢献しています。特に、1月29日、日銀が市中銀行の
日銀当座預金にマイナス金利を適用する「マイナス金利付
き量的・質的金融緩和」の導入を発表して以降、10年国
債利回りの低下にも一段と拍車がかかり、一時マイナス圏
に突入する事態となっています。
ポイント③ 堅調な賃料、低下する資金調達コスト
日銀の政策決定を受けた金利水準の全般的な低下は、
「利回り商品」としてのJ-REITの相対的な魅力を高めるほ
か、J-REITのファンダメンタルズにもポジティブな影響を及ぼ
すことが期待されます。
J-REITは通常、物件取得に際して、購入資金の約半
分を金融機関からの借入れや投資法人債の発行など、有
利子負債で賄います。代表的なオフィスビル特化型JREITである日本ビルファンド投資法人の場合、2015年
12月期末の有利子負債残高は、4,180億円超に達して
います。この平均調達金利の推移をみると、これまで着実に
低下してきましたが、今回の日銀の政策決定を受け、さらに
低下する可能性が高まっています。
オフィスビル賃料の回復が継続する一方、J-REITの金融
費用が一段と低減するのであれば、将来的に、J-REITの
収益力向上、増配につながることが期待されます。
2016年2月24日
図1:東証REIT指数・日経平均株価と為替レート
期間:2015年12月31日~2016年2月23日、日次
(円/米ドル)
110
2015年12月末=100として指数化
124
100
120
90
116
80
70
12/31
東証REIT指数(左軸)
日経平均株価(左軸)
円レート(対米ドル、右軸)
1/10
1/20
112
108
2/19
(月/日)
2/9
1/30
図2:東証REIT指数配当利回りとスプレッド
4.0
(%)
期間:2014年12月31日~2016年2月23日、日次
3.5
3.0
2.5
2.0
スプレッド
東証REIT指数配当利回り
10年国債利回り
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
14/12
15/6
15/3
15/9
15/12
(年/月)
スプレッド:東証REIT指数配当利回り-10年国債利回り
図3:オフィスビル賃料とJ-REIT平均調達金利
18,000
(円/坪)
期間:2012年12月~2016年1月
(%)
1.5
17,500
1.4
17,000
1.3
16,500
1.2
16,000
15,500
12/12
1.1
オフィスビル賃料(左軸)
平均調達金利(右軸)
13/6
13/12
14/6
14/12
15/6
1.0
15/12
(年/月)
オフィスビル賃料は都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均賃料。J-REIT平
均調達金利は、J-REIT市場で時価総額首位の日本ビルファンド投資法人(オフィスビル
特化型)の各決算期(6月末・12月末)の平均調達金利。
(出所)Bloombergデータ、三鬼商事データ、日本ビルファンド投資法人IR資料より野
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