株式会社カラー "トラブル解消、インフラ ゼロ運用、コスト削減を同時に実現 ! " 日本を代表する映像 / アニメ制作スタジオを支えるエンジニアたち のストーリー アニメ ファンならずとも、誰もが一度は耳にしたことのある「エヴァンゲリオン」( 通称、エヴァ )。 ソリューション概要 ○プロファイル 株式会社カラーは、2006 年に設立した映像製作 企業です。映像作品の企画・原作・脚本・デザイ ン、等の開発並びに権利保有、映像作品の製作 並びに権利保有、作家の育成、マネージメント並 びに権利保護などを主な事業としています。自社 企画のアニメーション制作をするスタジオである 「スタジオカラー」を有し、主な作品として『ヱヴァ ンゲリヲン新劇場版』シリーズやプロモーション ビデオなど、アニメから実写映像まで幅広く事業 展開しています。 ○導入製品とサービス ・Microsoft® Azure ™ - Azure App Service ・Microsoft® WebMatrix® ○導入メリット ・閑散時と繁忙時期の差異が数百倍を上回る非 常に変動性のあるウェブ サイトも、Azure を 利用することで問題なく運用できる ・Azure App Service の Web Apps により、突 発的なアクセスに対応するだけではなく、従来 のサーバー運用の作業をゼロにすることが可能 ・コンテンツ転送ツールの WebMatrix は、Web Apps と連携して、複数台のサーバーに簡単に コンテンツ展開が可能 ・インフラだけでなく、ソフトウェア ツールの充 実も、Azure への信頼性につながった この大ヒット アニメの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを製作しているのが、株式会社カラー ( 以下、カラー ) です。同社は、多くのファンが熱望する『エヴァンゲリオン』シリーズの原作 / 脚 本 / 総監督の庵野 秀明 氏が 2006 年に設立した会社です。今では「エヴァ」だけでなく、宇多田ヒ カルのプロモーション ビデオから、実写映画の制作、スタジオジブリの劇場用アニメの制作協力 など、幅広く事業展開しています。また、 「アニメや特撮といった文化を後生に遺していきたい」と いう考えの下、Web 版の短編映像シリーズ『日本アニメ ( ーター ) 見本市』の企画も手掛けるなど、 映像制作業界の牽引役も担っています。 予期せぬシステム トラブルを経験 ある日突然、カラーのコーポレート サイトのレスポンスが悪くなり、メールまで送受信できなくなっ てしまったのは、2014 年 8 月のことでした。原因を調査したところ、地上波テレビで『新世紀エ ヴァンゲリオン劇場版』が初放映され、ファンがカラーのウェブ サイトに殺到したのが原因と判明 しました。 「エヴァ」の情報はカラーのコーポレート サイトとは別に、プロモーション用サイトを用 意していたため、コーポレート サイトへの大量アクセスは想定していませんでした。コーポレート サイトは社内メールなどの業務サーバーと同一であったため、バック オフィス システムがすべて止 まってしまったのです。 「いきなりメールが使えなくなって、業務に支障が出てどうしようかと思いま した 」と語るのは、同社システム エンジニアの鏡 洋祐 氏。その時はシステムを無事に復旧させた ものの、その後も「エヴァ」関連の Blu-ray/DVD 発売日を告知したり、さまざまな関連ニュースを 掲載する度に、またいつかシステム トラブルが発生するのではないか、という不安をかかえていま した。同社の制作スタッフは約 50 名ですが、プロジェクトごとに社外協力者と共同作業するので、 常時 100 名を超す制作者のデータの管理が必要でした。これらの管理は、鏡 氏と高野 宏行 氏の 2 人のエンジニアに任されていましたが、ウェブ サイトの管理 / 運営に時間を割いている余裕はな く、アニメの制作業務やバック オフィスの運営に集中したいというニーズがありました。 ○ユーザー コメント 「Azure 導入後、トラブルが無くなっただけでな く、システム コストも下がったのには驚きまし た。これからは、いままで効率化できていなかっ た業務を徐々にクラウドで改善していきたいです ね」 株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 高野 宏行 氏 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 © カラー Azure 移行によるシステムの安定化 鏡 氏と高野 氏がウェブ サイトのサーバー対策を検討し始めたとき、 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』 シリーズの英訳担当の兼光 ダニエル 真 氏から紹介されたのが、佐藤 一毅 氏と田部 浩靖 氏でし た。佐藤 氏と田部 氏は、延べ 59 万人の参加者が訪れるマンガ / アニメ / ゲームの展示会「コミッ クマーケット」( 通称、コミケ ) のウェブ サイト全般を運営していました。 「カラーさんとコミケの サイトは、アクセス数の跳ね上がり方がとても似ているので、課題を Azure で解決できるなと思 いました 」と語る佐藤 氏。コミケのウェブ サイトは閑散時と繁忙時期の差異は数百倍を軽く上 回る非常に変動性のあるものですが、Microsoft® Azure™ を利用することで問題なく運用でき 株式会社カラー 作業現場風景 株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 鏡 洋祐 氏 ( 写真左 ) 株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 高野 宏行 氏 ( 写真中央 ) 株式会社コサット 代表取締役社長 佐藤 一毅 氏 ( 写真右 ) ていました。カラーがそれまで運用していたレンタル サーバーの Linux た。これからは、いままで効率化できていなかった業務を徐々にクラウ 環境をそのまま Azure 上に移行しても良かったのですが、田邊 氏は中 ドで改善していきたいですね 」と語ります。アニメ制作、映像制作にお 長期的な運用の手離れや、突発的なアクセス増加への対策を検討した いて、クラウド化をすべきエリアは多数存在し、制作ワークフロー シス 結果、Azure の機能である Web Apps を選択します。 「突発的なアク テム、3D 映像レンダリング演算処理やレタッチ処理、制作データ バッ セスに対応するだけではなく、従来のサーバー運用の作業をゼロにす クアップなど多岐にわたります。特に制作ワークフロー システムは、シ ることが Azure 化の真の価値です」( 田部 氏 ) と語ります。Web Apps ステム化することで制作工程のスピードアップだけでなく、機密性の担 は、さまざまなオープン ソース系開発言語に対応しているだけでなく、 保や作業進捗の可視化などの効果も期待されます。 「中には、クラウド WordPress や MySQL などの環境もひととおり必要なものがそろってい に一気に持っていけないこともあります。どの技術を採用するか見きわ ます。田部 氏はカラーの新システム環境を数日で作り上げ、本番切り める力はエンジニアに求められますが、マイクロソフトの技術はオンプ 替え、コンテンツ移行、データ移行作業は高野 氏が行いました。Web レミスとクラウドの移行が容易で、ハイブリット構成も作れるので、今 Apps と連携するコンテンツ転送ツール「Microsoft® WebMatrix® 」を 後も期待しています」( 鏡 氏 ) 。 利用して以降作業を無事に成功させた高野 氏は、 「WebMatrix には驚 きました。あんなに簡単に複数台のサーバーにコンテンツ展開できるな んて思ってもみませんでした 」と語ります。インフラだけでなく、ソフト ウェア ツールの充実も、Azure への信頼につながりました。 今後のビジネス展開 カラーでは、 『エヴァンゲリオン』シリーズの新作はもちろんのこと、テ レビ放送やネット、 さまざまなデジタル チャネルに対して展開するメディ ア ミックスにも力を入れていて、実験的な取り組みをしやすい環境にあ アニメ制作現場を変えるクラウド テクノロジー ります。そして、映像制作の可能性を探る、 『日本アニメ ( ーター ) 見本市』 今ではカラーは Azure をはじめとしたさまざまなクラウド テクノロジー などにも精力的に取り組んでいます。拡大するアニメ ビジネスをサポー を試験的に使い始めています。制作サイドのデータのやり取りや情報共 トするシステム インフラにはクラウドのコンピューティング パワーは不 有について、 「飛躍的に速くなり、簡単になった 」と制作プロデューサー 可欠なものになるでしょう。しかし、何よりも Azure を活用し、ウェブ の岡島 隆敏 氏は語ります。最近の映像作品は、従来のフィルム撮影か サイトのトラブルや運用負荷がなくなったこと、ファン待望の『エヴァン らデジタル作業の割合が多くなり、制作チーム間での大容量デジタル ゲリオン』シリーズや、 『日本アニメ ( ーター ) 見本市』などの企画およ データの転送および共有は必須です。高野 氏は「Azure 導入後、トラブ び制作面に集中できるようになったことは、今後のチャレンジングな事 ルが無くなっただけでなく、システム コストも下がったのには驚きまし 業展開をするための大きな後押しとなっています。 導入についてのお問い合わせ 本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ 本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2016 年 2 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。 製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。 ■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/ ■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755 (9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く ) ※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。 * Microsoft、Azure、WebMatrix、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。 *その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。 *製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。 〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー 5965-SE1
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