西暦 2016 年 02 月 26 日 ダレナン博士の研究所 研究報告書 No.197 題名:ジャガイモの歴史と未来のジャガイモ 報告者:エゲンスキー ジャガイモはその名の通りイモの一種である。時折、人に対して、いわゆる鈍くさいような人を、"イモ" と揶揄するが、それはなぜだろうか。その揶揄とは反対で、実はヨーロッパや北海道の食糧難を救った野菜で もあり、野菜界での働きは非常に大きい。その功績は勲章に値する野菜である。しかしながら、根菜でいつも 土の中にある、あるいは、他の野菜のように鮮やかでない、あるいは、芽や緑化した部分に毒素がある、など ネガティブな一面もあり、その辺がイモへの偏見となっているのかもしれない。特に、ジャガイモがヨーロッ パに持ち込まれた時代、船の積み荷であったジャガイモの芽や緑化したその毒素によってもたらされた害が、 ジャガイモを敵視することとなり、一時はヨーロッパでは「悪魔の植物」とも言われた 1)。 このように多大なる功績と偏見をも併せ持つジャガイモであるが、植物学的にはナス科ナス属に属する 1) 。 そのため、多くのナス科と同じくして、連作障害(同じ場所で連続して栽培すると、生育が極端に悪くなった り、枯れてしまう現象のこと 2) )がある。それを避けるために、栽培する際には工夫をしないといけないが、 ジャガイモ自体は、他の野菜に比べて、手間がかからず、栽培しやすいことを特徴である。荒れた土地で、か つ、水遣りも気にしないで育つ野菜の筆頭に、このジャガイモがある。そのジャガイモの野菜界における強靭 さが、実は幾度となく訪れた食糧難を救ったきっかけでもある。 ジャガイモの歴史は、南米アンデスにあり、紀元前 7000 年頃に栽培が始まったとされる 3)。インカ帝国 の時代は最も重要な野菜でもあり、その当時すでに凍結乾燥して保存する技術もあった 3)。その後、南米から ヨーロッパに渡った経緯は、 No.196 に記載されたカカオ豆 と同じであろう。図にジャガイモ が渡航したルートを示す。このこ とから、ジャガイモとカカオ豆は、 南米から世界中に広まった似た もの兄弟と言えるかもしれない。 ジャガイモを使った料理も世 界中に多く存在する 3) 。結局は、 "イモ"、と言われても、なにかと 愛されている野菜であることが よく分かる。さらに、近年の宇宙 開発には目を見張るものがあるが 図 ジャガイモが渡航したルート 3) (No.182)、どの野菜よりも真っ先に宇宙へ行く確率が高いのが、このジャガイモである 4)。そのうち、"宇宙 ジャガイモ"なる宇宙で栽培されたジャガイモも、店頭に並ぶかもしれない。 1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャガイモ (閲覧 2016.2.26) 2) https://www.ja-nishikasugai.com/green/saien/point/rensaku/rensaku.htm (閲覧 2016.2.26) 3) 誠文堂新光社(編): 世界のじゃがいも料理. 誠文堂新光社. 2015. 4) http://www.gizmodo.jp/2016/01/nasacip.html (閲覧 2016.2.26)
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