東日本大震災から5年 ~貿易統計から見た被災3県~ 平成28年2月23日 横浜税関 岩手県 宮城県 東日本大震災の発生から5年 震災の被害が特に大きかった岩手 県・宮城県・福島県(いわゆる「被災3 県」)の5年間の貿易の状況を発表 福島県 1 被災3県の輸出額推移------------3 被災3県の輸入額推移------------4 被災3県の差引額推移------------6 主要輸出入品目の推移----------- 7 主要増減品目----------------- 11 特徴的な輸出入品目------------ 13 2 被災3県の輸出額推移 震災前の水準に向け着実に回復 平成27年の輸出額は、震災前年の平成22年から2.4%減の4,108億円 (前年からは2.1%増) 前年から 2.1%増 ( ) 億 円 4,500 4,000 平成22年 被災3県計 震災前から 2.4%減 3,500 3,000 岩手 東日本大震災 2,500 2,000 宮城 1,500 福島 1,000 500 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 確報値 【資料編P1】 3 被災3県の輸入額推移(1)(総額) 震災翌年から急回復 平成27年の輸入額は、震災前年の平成22年から6.1%増の1兆597億円 (前年からは23.9%減) ( 前年から 23.9%減 16,000 ) 億 円 平成22年 被災3県計 14,000 震災前から 6.1%増 12,000 10,000 岩手 8,000 宮城 東日本大震災 6,000 福島 4,000 2,000 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P1】 4 被災3県の輸入額推移(2)(内訳) エネルギー(鉱物性燃料)を除いた輸入額は、平成22年から8.6%増の 5,364億円 エネルギーを除いた輸入額が震災前の水準を超過した前年から 2.3%増と、 増加傾向を継続 (億円) 16,000 前年から 2.3%増 14,000 12,000 平成22年被災3県 除くエネルギー 10,000 8,000 エネルギー 東日本大震災 6,000 除くエネルギー 4,000 震災前から 8.6%増 2,000 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P1】 エネルギーの詳細はP15を参照 5 被災3県の差引額推移 輸出額から輸入額を引いた差引額は、震災翌年から赤字幅が拡大 平成27年の差引額は、マイナス6,490億円で前年からマイナス幅が34.4%縮小 (平成22年からはマイナス幅が12.3%拡大) 震災以降で初めて赤字幅が縮小 (億円) 2,000 0 -2,000 -4,000 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 速報値 平成27年 岩手県 岩手県 宮城県 宮城県 福島県 福島県 震災前から 12.3%拡大 -6,000 -8,000 東日本大震災 -10,000 前年比 34.4%縮小 -12,000 被災3県合計 【資料編P2】 6 輸出主要品目の推移① 年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 確報値 1 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 2 事務用機器 原動機 原動機 原動機 原動機 原動機 3 鉄鋼 鉄鋼 鉄鋼 鉄鋼 事務用機器 事務用機器 4 原動機 事務用機器 金属鉱・くず 石油製品 石油製品 鉄鋼 5 金属鉱・くず 金属鉱・くず 石油製品 金属鉱・くず 鉄鋼 石油製品 6 紙類・同製品 紙類・同製品 事務用機器 事務用機器 有機化合物 有機化合物 7 船舶 石油製品 有機化合物 有機化合物 金属鉱・くず 金属鉱・くず 8 石油製品 電気回路等の機器 電気回路等の機器 電気計測機器 紙類・同製品 紙類・同製品 9 魚介類・同調製品 科学光学機器 紙類・同製品 紙類・同製品 プラスチック 魚介類・同調製品 10 電気回路等の機器 船舶 電気計測機器 魚介類・同調製品 電気回路等の機器 プラスチック 順位 黄色マーカー部は、平成22年と平成27年の入替品目 (参考) 平成27年の順位 船舶 電気回路等の機器 平成22年の順位 有機化合物 プラスチック :22位 :13位 【資料編P3】 :13位 :12位 7 輸出主要品目の推移② 輸出主要品目上位の金額推移をみると、 震災前よりも増加したもの:ゴム製品、原動機、石油製品 震災前よりも減少したもの:事務用機器、鉄鋼、金属鉱・くず (億円) 800 700 600 東日本大震災 ゴム製品 500 原動機 事務用機器 400 鉄鋼 300 石油製品 金属鉱・くず 200 100 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 確報値 【資料編P3】 8 輸入主要品目の推移① 年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 速報値 1 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 2 金属鉱・くず 金属鉱・くず 金属鉱・くず 石炭 金属鉱・くず 石炭 3 石炭 石炭 石炭 金属鉱・くず 石炭 金属鉱・くず 4 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 5 魚介類・同調製品 魚介類・同調製品 石油製品 石油製品 石油製品 魚介類・同調製品 6 航空機類 穀物・同調製品 魚介類・同調製品 魚介類・同調製品 魚介類・同調製品 石油製品 7 穀物・同調製品 石油製品 穀物・同調製品 穀物・同調製品 穀物・同調製品 木製品・コルク製品 (除家具) 8 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 航空機類 9 木材 木材 木材 木材 木材 穀物・同調製品 10 石油製品 鉄鋼 音響・映像機器 (含部品) 金属製品 半導体等電子部品 半導体等電子部品 順位 黄色マーカーは、平成22年と平成27年の入替品目 (参考) 平成27年の順位 木材 :11位 平成22年の順位 半導体等電子部品 :42位 【資料編P4】 9 輸入主要品目の推移② 輸入主要品目上位の金額推移をみると、 震災前よりも増加したもの:石炭、天然ガス・製造ガス、魚介類・同調製品 震災前よりも減少したもの:原油・粗油、金属鉱・くず (億円) 6,000 5,000 4,000 原油・粗油 石炭 3,000 東日本大震災 金属鉱・くず 天然ガス・製造ガス 2,000 魚介類・同調製品 1,000 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P4】 10 主要増減品目(輸出) 震災前年からの輸出金額の伸率 2.4%減 のうち、 増加した品目は、原動機、ゴム製品、有機化合物 減少した品目は、船舶、鉄鋼、事務用機器 輸出 平成22年 総額(億円) 4,208 順位 原動機 ゴム製品 有機化合物 石油製品 医薬品 順位 減少品目 平成22年 金額(億円) 335 627 92 163 6 ↑ 年後 1 2 3 4 5 増加品目 → 5 年 後 5 平成22年 金額(億円) 船舶 169 2 3 4 5 鉄鋼 事務用機器 紙類・同製品 科学光学機器 413 599 197 79 ↑ 年後 1 5 平成27年確報値 対平成22年比 伸率 4,108 -2.4% 平成27年確報値 金額(億円) 630 712 172 225 59 対平成22年比 伸率 88.2% 13.6% 86.5% 37.6% 10.2倍 平成27年確報値 金額(億円) 対平成22年比 伸率 26 313 512 124 9 -84.3% -24.2% -14.7% -37.0% -88.2% 【資料編P5】 11 主要増減品目(輸入) 震災前年からの輸入金額の伸率 6.1%増 のうち、 増加した品目は、石炭、石油製品、半導体等電子部品 減少した品目は、金属鉱・くず、原油・粗油、航空機類 ↑ 順位 順位 総額(億円) 9,986 増加品目 平成22年 金額(億円) 石炭 石油製品 半導体等電子部品 無機化合物 有機化合物 減少品目 金属鉱・くず 原油・粗油 航空機類 天然ゴム 通信機 1,467 143 10 19 37 5 年 後 5 平成22年 金額(億円) 2,157 2,767 381 89 36 ↑ 年後 1 2 3 4 5 平成22年 ↑ 年後 1 2 3 4 5 輸入 5 平成27年速報値 対平成22年比 10,597 6.1% 平成27年速報値 金額(億円) 対平成22年比 1,792 390 213 141 126 平成27年速報値 金額(億円) 1,736 2,373 244 54 8 22.2% 2.7倍 21.3倍 7.3倍 3.4倍 対平成22年比 -19.5% -14.2% -36.1% -38.8% -76.2% 【資料編P5】 12 特徴的な輸出入品目 (1)石油製品(揮発油)の輸出 石油製品の輸出額 224.6億円のうち94.6%が揮発油 揮発油の輸出額は、国内のガソリン需要の減少等から対22年比 42.2%増の212.6億円、輸出数量は、47.1%増の43.2万KL (KL) (億円) 500,000 350 321.6 450,000 300 400,000 350,000 212.6 300,000 250,000 250 200 149.5 200,000 東日本大震災 150 118.7 150,000 100 100,000 46.6 50,000 50 - 0 平成22年 平成23年 0 平成24年 数量 平成25年 輸出額 平成26年 平成27年 確報値 【資料編P14】 13 特徴的な輸出入品目 (2) 船舶の輸出 船舶の輸出額は、対22年比84.3%減の26.4億円、輸出数量は、同 50.0%減の7隻 (隻) (億円) 16 200 14 168.6 180 160 12 140 東日本大震災 10 120 8 100 6 80 60 4 49.3 2 26.4 4.5 7.8 0 平成22年 平成23年 平成24年 数量 平成25年 輸出額 20 1.3 平成26年 40 0 平成27年 確報値 【資料編P14】 14 特徴的な輸出入品目 (3) エネルギー(鉱物性燃料)の輸入① 震災直後のエネルギー価格の上昇により、エネルギーの輸入額は大幅に増 加 平成27年の被災3県におけるエネルギーの輸入額は、総輸入額の49.4%と なり、全国の23.3%に比べ高いものの、震災以降初めての過半割れ (億円) 10,000 輸入総額に対する 鉱物性燃料の金額割合 (右軸) 61.6% 9,000 8,000 63.4% 70.0% 62.3% 60.0% 50.5% 49.4% 48.2% 50.0% 7,000 6,000 40.0% 5,000 30.0% 東日本大震災 4,000 3,000 20.0% 2,000 10.0% 1,000 0.0% 0 平成22年 平成23年 原油及び粗油 平成24年 石炭 平成25年 天然ガス及び製造ガス 平成26年 石油製品 平成27年 速報値 その他 【資料編P15】 15 特徴的な輸出入品目 (3) エネルギー(鉱物性燃料)の輸入② 「原油・粗油」 原油・粗油の輸入額は、対22年比 14.2%減の2,373億円、輸入数量は 6.3%減の 597万KL 貿易赤字額の縮小は、原油・粗油の輸入額の減少が主因 (万 KL) 900 5,374.6 800 4,635.0 700 5,000 3,785.4 600 500 (億円) 6,000 4,000 2,766.7 400 2,372.5 東日本大震災 300 3,000 2,000 200 100 1,000 1,100.4 0 0 平成22年 平成23年 平成24年 数量 平成25年 輸入額 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P15】 16 特徴的な輸出入品目 (3) エネルギー(鉱物性燃料)の輸入③ 「石炭」 石炭の輸入額は、対22年比 22.2%増の1,792億円、輸入数量は16.6%増 の 1,816万トン 平成25年12月、小名浜港は全国初の石炭にかかる特定貨物輸入拠点港湾 に指定 (万 トン) (億円) 2,500 2,000 1,800 1,913.6 1,600 1,400 1,200 1,784.6 1,792.3 1,467.1 2,000 1,500 東日本大震災 1,000 1,238.4 800 1,000 600 400 500 623.3 200 0 0 平成22年 平成23年 平成24年 数量 平成25年 輸入額 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P15】 17 特徴的な輸出入品目 (4)半導体等電子部品の輸入 半導体等電子部品の輸入額は、対22年比21.3倍の213.3億円 震災以降、半導体等電子部品のうち、太陽光パネルの輸入額が増加 (億円) 250 213.3 200 158.2 150 100 東日本大震災 62.1 50 10.0 21.7 31.3 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P14】 18 特徴的な輸出入品目 (5)木材の輸入 木材の輸入額は、対22年比25.0%増の183.8億円 震災直後、住宅用の製材等の需要の高まりから輸入額が増加 (億円) 250 221.7 212.2 183.8 200 150 147.0 144.7 東日本大震災 100 50 68.9 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 速報値 【資料編P14】 19 ◎この資料に関する問い合わせ・貿易統計資料の閲覧先 横浜税関 調査部 調査統計課 (横浜税関本関1階) 〒231-8401 横浜市中区海岸通1-1 TEL 045-212-6100(直通) 横浜税関ホームページ http://www.customs.go.jp/yokohama/ 税 関ホームページ http://www.customs.go.jp ※ 本資料を他に転載する場合には、横浜税関の資料による旨を必ず注記して下さい。 20
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