産総研は人を育てる - AIST: 産業技術総合研究所

産総研は
外部人材への受入制度
領域における人材育成
内部人材への育成制度
を
人
育てる
国立研究開発法人
Interview
『人をつくる 未来をつくる』
国立研究開発法人産業技術総合研究所 理事長 中鉢
良治 (Ryoji Chubachi)
産総研は、
「持続可能な社会の実現に貢献する」という長期的展望のもと、
開かれた人材育成を推進しています。
その取り組みを強化する狙いや意義、目指すべき人材像や組織のあり方
など、人材育成にかける熱い思いを中鉢理事長に聞きました。
人材育成-今こそ取り組むべき、
最優先の課題
者同士が共通の価値観を持たねばなりません。産
———— 今なぜ人材育成が必要なのか、その背景
観の下、グリーン・サイエンスと、ライフ・サイ
を聞かせてください。
中鉢 日本の成長を牽引するのはイノベーション
の創出であり、それを担うのは人材です。かねて
から、人材育成の重要さは教育界や産業界におい
て強調されているのですが、いま一つ系統立った
取り組みになっておりません。国際競争力の点か
らも、イノベーションの創出のみならず、人材育
成も今や激しい競争の中にあることを認識しなけ
ればなりません。産学官が一枚岩となって人材育
成に取り組むべき時だと思います。
また、人材育成について自省の念を込めて言う
ならば、先輩方が私たちの世代に注いでくれた努
力に比べ、私たちの次世代に対する努力が少ない
のではないかという思いがあります。私自身もこ
の課題についてはとりわけ力を入れていきたいと
うビジョンを共有しています。産総研はこの価値
エンスの分野で研究活動をしているわけです。
科学の発展は、先人の成果をベースにして蓄積
されていくものです。従って、それまでの科学的
成果物をいかに継承していくかは極めて重要にな
るわけです。産総研の科学・技術の優れたDNA
を絶やすことなく次世代に伝えていくことは私た
ちの使命なのです。こうした活動が産総研の文化
として定着していくまで、「産総研は人を育てる」
という姿勢を貫き、人材育成を最優先の課題とし
て取り組んでいきたいと思います。
人材育成は経験知と潜在力の融合
———— 研究者一人ひとりが、どのような意識を
持つ必要がありますか?
思っております。
中鉢 「人事を尽くして天命を知る」という言葉
———— 産総研が率先して人材育成を強化する意
義とは?
尽くせ」と言いたいと思います。あるべき次世代
中鉢 人材育成は「未来社会に貢献する」という
かを知り、その自己実現に向かって進んでほしい
高い見地に立って進めるものです。まず未来社会
のです。今の延長線上に漫然と自分を置くという
のあるべき姿を描き、そこから現在に引き戻し
て、今なすべき課題を明らかにして一歩ずつ歩ん
でいくものです。そのためには人材育成に携わる
2
総研は「持続可能な社会の実現に貢献する」とい
がありますが、私はあえて「天命を知って人事を
の社会で、自分がどこにどのように立っているの
のはいかがなものかと思います。
天命を知るには、まず世の中を知らねばなりま
せん。そして己を知ることです。結果として、己
ことになり、これが「課題」となります。この「課
題」解決のために先人の経験知が必要となってく
るわけです。人材育成とは、こうした経験知と若
い人たちの潜在力との融合を制度的、組織的に行
なっていくことなのだと思います。
人を育てる組織をつくりたい
———— これから先、求められる人材像は?
中鉢 夏目漱石によれば、人生には「真理を究める
生き方」「社会を変える生き方」「人生を味わう生
き方」があると言います。研究者の場合は、「真理
を究める生き方」を選んだことになるわけですが、
しかし研究者は、単にアカデミアの世界にとどまら
ず、その成果を世に送り出し社会を変える、そうし
た人生を味わうこともできるわけです。むしろこう
した複数の生き方を味わうことが最上なのかもしれ
ません。いずれの道を選んでも、大事なことは視角
を広げ、目線を上げて、状況を俯瞰的に見られるよ
う努力を続けることです。
———— 産総研をどのような組織に育てたいと考
えていますか?
中鉢 今日の科学研究は、複雑化、多様化、高度
化するあまり、研究者一人ひとりがその狭い領域
に閉じこもり、人材育成にまで手が回らないよう
に見えます。また、人材育成に取り組もうとした
ところで予算面も十分でなく、その努力に対する
評価軸も定まっていません。スローガンとして、
人材育成の優先度は上がっても、実践に対する支
援は極めて貧弱だと言わざるを得ません。日本の
将来を考えるならば、今こそ本気で人材育成に取
Contents
「産総研」は 人 を 育 て る
の能力とあるべき姿との間のギャップを認識する
理事長メッセージ 2
技術研修/
リサーチアシスタント制度 4
イノベーションスクール 5
連携大学院/
クロスアポイントメント制度 6
共同研究員/外来研究員 7
ナノテクキャリアアップ
アライアンス 8
エネルギー・環境領域 9
生命工学領域 10
情報・人間工学領域 11
材料・化学領域 12
エレクトロニクス・製造領域 13
地質調査総合センター 14
計量標準総合センター 15
内部研修 16
研究職員のキャリアパス 17
事務職員のキャリアパス 18
ダイバーシティー推進 19
り組まねば取り返しのつかないことになります。
最近の若い人たちがどういう組織を選ぶかという
と、単に売り上げや規模が大きい組織ではなく、
利益を上げている組織でもない、人を育てる組織
です。産総研で働くことを職員が誇りに思い、人
を育てる私たちの活動が外部からも評価され、多
くの人材が集まる、そのような研究所にしたいと
いうのが私の夢です。
3
「産総研」は 人 を 育 て る
技術研修/産総研リサーチアシスタント制度
技術を習得・知見を獲得
- 技術研修 産総研はイノベーション創出に向けて、多様な
人材の育成に意欲的に取り組んでいます。技術研
修は、大学や高等専門学校の学生、企業や公設試
験研究機関などの研究者・技術者を一定期間産総
研に受け入れる制度です。研修員は産総研の研究
者から直接指導を受け、最先端の実験装置を使い、
装置の操作方法や高度な分析技術などを身につけ
たり、研究に必要なデータを取得したりすること
ができます。この制度を通して、大学や企業の人
材が新しい技術を身につけたり、最新の知見を得
ることにより将来的に科学技術の発展や技術移転
につなげるのが狙いです。
技術研修には、大学のインターンシップ制度に
基づく受け入れや、技術をみにつけるための短期
研修、学位取得や就職に向けた研究指導を行う長
期研修などさまざまな形態があります。2014年度
は1,449名がこの制度を利用し、そのうち大学生が
1,063名と最も多く、次いで企業からの研修員が
215名となっています。研修員からは、「特殊な観
察・分析手法や専門技術を利用した研究ができた」
(企業)、
「課題達成への進め方を学ぶことができた」
上できた」(公設試)など、研修の効果を実感する
声が寄せられています。
<対象>学生、研究者・技術者
<参考URL>https://www.aist.go.jp/aist_j/collab/
求む ! 優れた大学院生
-R A 産総研は2014年に、優れた研究開発能力を持つ
大学院生を産総研リサーチアシスタント(RA契約
職員)として雇用する制度を新たに設けました。
雇用された大学院生は、経済的な不安を抱くこと
なく研究に専念できる上に、産総研が実施してい
る研究プロジェクトに参画し、高度な研究実施能
力や計画立案能力を養い、さらにその研究成果を
学位論文にも活用できます。
2014年度は18大学から46名、2015年度(11月時
点)は27大学から97名(うち修士69名)をリサー
チアシスタントとして雇用しています。また、福
島再生可能エネルギー研究所でもこの制度を活用
し、東日本大震災からの復興・再生を担う再生可
能エネルギー分野の技術者・研究者を育成してい
ます。
<対象>大学院生
<参考URL>https://www.aist.go.jp/aist_j/collab/
(学生)
、
「原理・理論の知識を得て、業務の質を向
■技術研修の受け入れ実績
■産総研リサーチアシスタントの雇用条件など
(うち連携大学大学院 P6参照)
対 象
博士後期課程(博士課程) 博士前期課程(修士課程)
の大学院生
の大学院生
条 件
産総研の研究開発プロ
ジェクトの推進に大きく
貢献可能な高度な研究開
発能力・論文生産能力を
持ち、職員の指導のもと
自立的に年間を通して業
務を遂行できること
1,500
1,200
900
産総研の研究開発プロ
ジェクトの推進に貢献可
能な研究開発能力を持ち、
職員の指導のもと自立的
に年間を通して業務を遂
行できること
600
雇用日数
1 ヵ月あたり 14 日
1 ヵ月あたり平均 7 日
300
給与額
4
時給 1,900 円(月 14 日 時 給 1,500 円( 月 7 日
勤務で月額約 20 万円)
勤務で月額約 8 万円)
「産総研」は 人 を 育 て る
イノベーションスクール
進め方、技術開発のスピード感、コスト意識、
“連携の要”
となる人材を育成
チームワーク、他部門との連携の重要性など
を体得します。
イノベーションスクールは、産総研が2008年に
始めた若手博士人材(ポスドク)の育成制度です。
産学官のシーズや技術を組み合わせて革新的な技
術を創出するには、“連携の要”となる人材が求めら
上記のうち、ポスドクコースは全課程を、博士
課程コースは(1)(2)、講義専門コースは(1)の
み履修します。
れます。そこで、博士号を持つ若手研究者をポス
ポスドクの正規就業につながる
目覚ましい成果
ドク(産総研特別研究員)として1年間雇用。よ
り広い視野を持ち、異分野の専門家とのコミュニ
ケーション能力や協調性を備えた人材を育成しま
民間企業での長期にわたるOJTは、イノベーショ
す(
『ポスドクコース』)。この制度を通して、産学
ンスクールの大きな特徴となっています。2014年
官の三者の立場を理解し、即戦力としてイノベー
度までのOJT先企業は173社にのぼり、その業種は
ション創出に貢献できる人材を社会に輩出するの
バイオ、家電、電子デバイス、通信、情報、金属、
が狙いです。
機械、材料、化学、分析計測、建設、環境、エネ
2010年には新たに『博士課程コース』を設け、
ルギーなど多岐にわたります。企業でのOJTを通
産総研に技術研修員として在籍する大学院生への
し、スクール生側は研究者に多様な活躍の場があ
人材育成も開始しました。さらに2015年には、在
ることに気付き、企業側はスクール生の能力や積
籍するポスドクを対象とする『講義専門コース』
極的な姿勢を高く評価。修了後はそのままOJT先
を新設。橋渡し機能を強化するため門戸を拡大し、
企業に就職する事例もあり、イノベーションスクー
幅広い人材育成へと発展しつつあります。
ルを修了したポスドクの77.1%が、企業、大学、公
産総研および企業で
研修・長期インターンシップを実施
イノベーションスクールでは、下記のような独
自のカリキュラムを組んでいます。
(1)講義・演習:企業や経済産業省からも講師を
招き、産学官連携や知的財産、グローバルマ
インドに関する講習や、マナー・コミュニケー
ション研修など、幅広い内容で実施。産総研
の研究手法を学ぶ「構成学」や、異分野の研
究者にも理解してもらえるよう研究発表のス
キルを磨く演習もあります。
的研究機関などに正規就業を果たすという目覚ま
しい成果をあげています。
もう1つの特徴は、スクール生同士の横の交流
をはじめ、異分野の研究者との交流、企業との交
流など、貴重な出会いと交流の機会を得られるこ
とです。開講以来2014年度までの修了生は245名を
数え、それぞれが第一線で活躍しており、イノベー
ションスクールの人的ネットワークが社会に広が
りつつあります。
<対象>ポスドク、大学院生
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/inn-s/ci/
■ 1 〜 8 期修了生の就業状況
(2)研究ユニットにおける研修:産総研の研究ユ
77.1%
ニットで、基礎研究から製品化研究まで切れ
22.9%
18.4%
1.2%
20.0%
9.8%
3.3%
目なく展開する研究に取り組みます。
(3)企業における長期インターンシップ:平均約
3 カ 月 間、 企 業 に お け る イ ン タ ー ン シ ッ プ
0%
10%
20%
先
30%
40%
50%
60%
70%
5.7% 8.2%
1.6%
80%
4.1%
4.9%
90%
100%
先
(OJT)を行います。これにより、研究開発の
5
「産総研」は 人 を 育 て る
連携大学院/クロスアポイントメント制度
全国に広がる
連携大学院
連携大学院は、産総研と大学が協定書を締結し、
クロスアポイントメント
制度
クロスアポイントメント制度は、研究者が複数
人材交流、学生の育成を促進する制度です。具体
の機関と雇用契約を結び、どちらの機関において
的には、第一線で活躍する産総研の研究者が大学
も正式な職員として活躍できる新しい制度で、組
院の客員教授等となり、大学院生を技術研修員と
織の壁を越えた研究体制の構築を目指すものです。
して産総研に受け入れ、学位取得のための研究指
産総研においても「橋渡し」研究の中核機関として、
導を行います。また、産総研で得た知見や経験を
その機能を強化し、より効率的に社会に役立つ技
活かして大学院での講義を行います。
術を発信していくため、2014年11月にクロスアポ
この制度により、大学院生は産総研にある最先
端の研究施設を利用し、研究者としての成長に役
立つ貴重な経験を積むことができます。さらに、
イントメント制度を導入し、現在までに20件以上
の実績を有し今後も伸展する予定です。
この制度を活用することで、例えば、基礎研究
産学官連携プロジェクトや国家プロジェクトに関
で成果をあげている大学教員が正式な産総研職員
与し、企業ニーズや国の政策に基づく研究活動を
として共に研究することにより、優れた技術シー
経験することも可能です。
ズの企業への橋渡しがスムーズに進むというメ
<対象>大学院生
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/cpiad/ci/procedure/
seq/renkeidaigakuin.html
リットがあります。そのとき、研究室の学生が技
術研修やリサーチアシスタント制度を利用して産
総研に来れば、教員と学生が揃って橋渡しにつな
がる研究を実践することとなり、イノベーション
創出に向けた人材育成にも役立ちます。一方、産
総研の研究者が大学と雇用契約を結び、研究や教
育にあたる例もあります。その際も、実用化研究
の視点を持つ研究者が学生を直接指導することに
■連携大学院協定を締結した大学
(2015 年 7 月現在)
より、大きな人材育成効果が期待されます。
<対象>所内の研究者、大学教員
■クロスアポイントメント制度
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オープンイノベーションを
共に実現 - 共同研究員 -
あなたの知識や経験を発揮
- 外来研究員 -
産総研にある最先端の設備・機器を利用して共
産総研には、企業、大学、公的研究機関などの
同研究を効果的に実施するために、共同研究の相
研究者を外来研究員として短期間受け入れる制度
手機関から研究員を積極的に受け入れています。
があります。2014年度は955人が自らの知識や経験
さらに、共同研究の相手機関の研究員が産総研に
を活かし、産総研で研究や指導、助言などを行い
移籍し(相手機関は人件費相当額を研究資金とし
ました。外来研究員には、次の4つの形態がありま
て負担)、産総研の研究インフラやネットワークを
す。
フルに活用して共同研究を実施する制度も設けて
います。
(1)客員研究員:高度な専門知識を有する人材で、
公的研究機関の主任研究者以上の方、大学の
2014年度は外部から受け入れた共同研究員の数
准教授以上の方、15年以上研究に従事し主任
は2,018人に上り、うち1,417人を国内企業から受け
研究者や准教授と同程度の能力を有する方な
入れました。
どで、主に産総研からの招聘により来所しま
このように、積極的に相手方の研究員を受け入
す。
れることにより、異なるバックグラウンドを持つ
(2)研究支援アドバイザー:特定の分野で豊かな
者同士が一緒に研究する環境が醸成されます。産
知識や経験を有する方で、知財など研究から
総研が目指すオープンイノベーションを実現する
派生する業務について調査研究や助言を行い
一形態となっています。
ます。
<対象>企業・大学等の研究者
「産総研」は 人 を 育 て る
共同研究員/外来研究員
(3)産総研イノベーションコーディネータ:公設
試の在籍者や出身者に地元企業と産総研をつ
ないでもらうため、2015年に新設しました。
地域センターをはじめ、福島再生可能エネル
ギー研究所、臨海副都心センター、イノベー
■共同研究員の受け入れ実績
ション推進本部において、活動しています。
(4)協力研究員:上記以外で、研究員として即戦
力となる実力を有し、産総研で研究を行う方
です。
<対象>企業・大学等の研究者
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/cpiad/ci/procedure/
seq/kyakuinkenkyuin.html
7
「産総研」は 人 を 育 て る
ナノテクキャリアアップアライアンス(Nanotech CUPAL)
ナノテク研究人材の
キャリアアップを目指して
2009年に発足した「つくばイノベーションアリー
ナナノテクノロジー拠点(TIA-nano)」は、日本最
大のナノテクノロジー研究・教育拠点です。理念
の1つに次世代人材育成を掲げ、TIA連携大学院や
パワーエレクトロニクス寄附講座など、国内外の
大学や企業と連携しながら積極的に取り組んでい
ます。
2014年、新たな人材育成事業として「ナノテク
キャリアアップアライアンス(Nanotech CUPAL)
」
をスタートしました。これは、文部科学省平成 26
年度科学技術人材育成費補助事業「科学技術人材
育成のコンソーシアムの構築事業」に基づいて設
立されたものです。Nanotech CUPALのアライアン
スは、TIA-nano4機関(産総研および物質・材料研
究機構、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構)
に京都大学を加えた5機関(A機関)と、国内10大
学(B機関)により構成されています。A機関が産
学官の共鳴場となり、すでに有している世界最先
端の装置や施設、第一線で活躍する研究者を資源
として活用できるのが特徴です。ここでは、企業
の研究者や異分野の研究者との幅広い交流が生ま
れるため、広い視野とコミュニケーション能力を
養うこともできます。
アライアンス内の若手研究者や学生をはじめ、
企業やアライアンス以外の大学・研究機関にも開
かれた実習コースです。研究開発の基盤となる高
度な要素技術の修得と、実践的なトレーニングの
場として、
2015年度は25コースを開講。産総研では、
日本最大規模のスーパークリーンルームを活用し
た超微細加工プロセスコースや、MEMSコースな
どを開講しています。NIPコースには多くの留学生
も参加しており、国際交流も魅力の1つとなってい
ます。
*1:NRP:Nanotech Research Professional
*2:NIP:Nanotech Innovation Professional
優秀なナノテク人材と企業をつなぐ
「CUPAL 友の会」
Nanotech CUPALは、若手人材が研究者としての
能力を伸ばすだけでなく、確実なキャリアアップ
に導くためのサポートにも力を入れています。企
業を対象とする「CUPAL友の会」を立ち上げ、育
成対象者のPRなどが掲載された「育成人材データ
ベース」の利用をはじめ、CUPAL交流会の開催な
ど、企業と若手研究者の出会いの場を用意してい
ます。
<対象>ア ライアンス内若手研究者・大学院生(博士
課程後期)、一般
<参考URL>https://nanotechcupal.jp/
プロフェッショナルを育てる 2 つのコース
Nanotech CUPALでは、ナノテク研究人材のキャ
リアアップと流動性向上を目指し、次の2つのコー
スを設けています。
(1)新たな知の創成を牽引するプロフェッショナ
ル「NRP *1」コース
アライアンス内の気鋭の若手研究者が、共鳴場
において先進的かつ独創的な研究を主体的に行い
ます。共同研究を実施するA機関と共同研究契約
を結び、文部科学省から研究費が助成されるため、
安心して研究に専念することができます。研究を
通して人的交流を広げ、たとえばポスドクが大学
や企業でポジションを得たり、助教が次のポジショ
ンにステップアップするなど、キャリアアップに
つなげるのが最大の目標です。
(2)イノベーション創出を牽引するプロフェッショ
ナル「NIP *2」コース
8
スーパークリーンルー
ム で の 実 習 風 景(NIP
コース)
エネルギー・環境領域の研究ユニットは、豊か
で持続可能な社会の構築に貢献することをミッ
ションとしています。それに資するため、研究に
携わる人材の育成と社会への技術普及に努めるべ
く、産学官横断で総合的な人材育成事業を展開し
ています。ここでは、当領域で行われている、最
先端の機器分析化学に関する講習や、今後注目さ
れるメタンハイドレートや都市鉱山などの研究分
野における人材育成の取り組み事例を紹介します。
「産総研」は 人 を 育 て る
エネルギー・環境領域
られ、これまでの約20年間でのべ60 〜 70人の留学
生を指導。香港城市大学からは、インターンシッ
プ制度により定期的に学生を受け入れています。
産総研では、国際標準に合致した、誰が計測して
も100%正しいデータが出る分析技術を指導し、次
世代を担う優秀な人材を育成します。
<対象>留学生を中心に国内外大学生や博士課程研究員等
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/emri/
メタンハイドレートアライアンス活動
「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートは、
新たな天然ガス資源として注目されています。産
総研は、日本におけるメタンハイドレートの研究
開発拠点であり、この分野の人材育成においても
中核的な役割を担っています。2009年からアライ
アンス活動として、若い世代に正しい情報を発信
する実験教室や、臨海副都心センターでのアライ
アンス講演会、国内外のメタンハイドレート関連
研究者の発表や議論の場となる総合シンポジウム
などを開催。メタンハイドレートの新技術・新産
業の創出に向けて、多角的な人材育成を続けてい
ます。
<対象>小・中・高校生から研究者・技術者まで
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/rief/mhpu
外洋でサンプルを採取する世界各国からの研修生
SURE コンソーシアム
リサイクル技術セミナー
SUREとは、産総研の「戦略的都市鉱山研究拠点」
の頭文字です。2014年に企業連携組織としてSURE
コンソーシアムを設立。その重要な活動の1つが、
リサイクル関連技術者の育成です。産総研が独自
に開発したリサイクル装置をはじめ国内各社の装
置を揃え、年4回の技術セミナーで現場に即した技
術指導を実施しています。日本で真の循環型社会
を実現するには、動脈産業(製造業等)と静脈産
業(リサイクル業等)の連携が必要であり、特に
静脈産業の技術力を高めていかなければなりませ
ん。日本の産業に必要な戦略メタルの国内循環を
目指し、リサイクル技術の発展と普及に努めます。
<対象>SUREコンソーシアム会員
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/emri/sure/cons.html
年数回開催しているアライアンス講演会の様子
機器分析化学講習
環境管理技術研究部門では、環境中の有害化学
物質の高感度分析技術を開発し、地球規模で環境
分析を実施するとともに、国際標準化活動を推進
しています。低濃度の汚染を計測できる世界最高
感度の分析技術を有していることから、産総研で
微量分析を学びたいという要望が世界中から寄せ
産総研が開発した多管式気流選別機のデモ風景
9
「産総研」は 人 を 育 て る
生命工学領域
生命工学は、人類の永遠の課題である健康で安
彩なプログラムを展開。さらに、世界の若手研究
心して暮らせる社会の実現に貢献できる分野です。
者を対象としたイメージングワークショップを開
生命工学領域では、創薬基盤技術の開発、医療基盤・
催し、アジア各国やロシアから約15名が参加。約
ヘルスケア技術の開発、バイオプロセスを用いた
1週間の合宿形式で最新の顕微鏡を使った実習など
ものづくり技術の開発の3つを柱に研究を展開する
を行い、各国の未来のリーダーに日本の最先端技
とともに、産学官連携や国際連携を推進しながら
術を教えています。
新しい産業の芽を育てる人材を育成します。
<対象>海外の研究者、学生
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/bmd/event/
HPCI 人材養成プログラム
バイオインフォマティクスは、生命科学と情報
科学の融合・学際分野です。産総研は日本におけ
るバイオインフォマティクス拠点であり、研究と
同時に研究者や技術者の人材育成でも重要な役
割を果たしています。臨海副都心センターでは、
2011年から5カ年計画でHPCI戦略プログラムの「予
測する生命科学・医療および創薬基盤」分野を担当。
情報技術の進歩により取り扱うデータ量が飛躍的
に増大するなか、講習会、セミナー、ワークショッ
プ、e-ラーニングの多彩なプログラムを通して、超
大型コンピュータを扱えるバイオインフォマティ
クス人材を育成しています。
<対象>学生、社会人
<参考URL>https://hpci.cbrc.jp
DBT との共同研究に基づくインド人若手研究者の研修
バイオテクニシャン育成事業
産総研北海道センターは、2003年より北海道ハ
イテクノロジー専門学校と連携し、研究現場を支
える優れたバイオテクニシャンの養成に取り組ん
でいます。成績優秀な専門学校生を毎年2 〜 8名程
度受け入れ、生物プロセス研究部門のいずれかの
研究室に所属してもらい、最先端の研究環境でス
キルを身につけながら卒業研究をする「バイオテ
クニシャン養成コース」を設置。専門学校生は1年
強〜 2年強にわたり、週4日産総研に通います。卒
業後は産総研や企業でバイオテクニシャンとして
活躍するほか、大学院に進学し研究者の道へ進ん
だ学生もいるなど大きな成果をあげています。
臨海副都心センターでの実習風景
イメージングワークショップ技術研修
<対象>北海道ハイテクノロジー専門学校の生徒
<参考URL>https://www.hht.ac.jp/department/biotechnology/
bio_curriculum.html
産総研ではインドバイオテクノロジー庁(DBT)
と日印共同研究を実施しており、2013年には産総
研内にDBTとAISTの共同ラボ(DAILAB)を設立
しました。そこでの主要な活動の1つが、生命現象
を細胞レベルで観察するイメージング技術の人材
育成です。インドの若手研究者を招いてのトレー
ニングや、セミナーのインターネット配信など多
10
北海道センターに通ってスキルを磨く専門学校生
安全・快適で豊かな未来社会の実現には、情報
コース」はアーキテクトやプロダクトマネージャを
互の知的情報を濃厚に融和させることが鍵となり
カリキュラムは各コースとも講座、実習で構成
「産総研」は 人 を 育 て る
情報・人間工学領域
目指すベテラン技術者向けです。
のサイバー空間と人間・社会のフィジカル空間相
ます。情報・人間工学領域では、情報学と人間工
され、受講生からの事後アンケートによるコメン
会の発展に貢献するとともに、それに資する人材
づく更新を毎年実施してきました。最近では、セ
トや技術トレンド、産業界からのニーズなどに基
学を柱としたインタラクションによって健全な社
キュリティ関連講座の新設、検証アーキテクティ
育成を推進します。
ング講座の開設やワークショップ形式への講義ス
組込み適塾
タイルの導入などの変更が挙げられます。更に、
これまで組込み適塾は社会人技術者(主にシステ
私たちの身の周りの家電、携帯端末、自動車、
ムエンジニアやソフトウェア開発者等)が対象で
交通管制、医療機器など、ほとんどの電子機器は
したが、アドバンストコースの開設に伴って商品
す。こうした組込みソフトウェアは製品の品質や
がりつつあります。また、2015年より学生(修士、
化・複雑化が進むにつれ、機能安全やセキュリティ
くことを検討しています。開催時期は例年6月から
となっています。
施します。開催地は産総研関西センターなど関西
関西を組込みソフトウェア産業の一大集積地とす
と適塾ネットワークが広がっており、遠隔講座シ
ステム産業振興機)が設立されました。翌2008年
カッション、ワークショップなど臨場感ある講義
組込まれたコンピュータによって制御されていま
企画や品質管理など受講者の携わる業務分野も広
性能を決める重要な要素である一方、その大規模
博士)にも一部公開し、今後対象者を拡大してい
など信頼性をいかに確保していくかが近年の課題
11月にかけて、3コース合計で約50日間に渡って実
そうした背景のもと、2007年に産学官が連携し、
本校を中心に、宮城会場、岩手会場、中部会場へ
べく「組込みソフト産業推進会議」(現・組込みシ
ステムにより講座が同時中継され、座学、ディス
に、高度組込みソフトウェア技術者を養成する『組
を各地の教室で受講することができます。
研関西センターと組込みシステム産業振興機の共
常に新しい情報を学びスキルアップを図っていく
組込みソフトウェアの技術は日々進歩しており、
込み適塾』を産総研関西センターに開塾し、産総
催で運営しています。
必要があります。同時に産学官での意見交換や、
握るアーキテクトとして、開発全体を統括できる技
新しい視点を持って社会を支える組込みソフト
ト人材像の育成に向け技術者のキャリアに応じた3
る組込み適塾を通して今後も大きな役割を果たし
同業他社の技術者との交流も重要です。産総研は、
組込み適塾が目指すのは、組込み製品開発の鍵を
術者の育成です。組込み適塾では、このアーキテク
ウェア技術者の育成に向け、学びと交流の場であ
つのコースを設けています。
「実装エンジニアリン
ていきます。
<対象>社会人、学生
<参考URL>
ング・実装技術に興味のある若手技術者向け、
「アー
h t t p : / / w w w. k a n s a i ēʼnǎŒbdžÊ/
キテクチャ設計コース」はアーキテクトを目指す中
kumikomi.net/ptraining/
『組込み適塾』は、産業界の求める人材育成基盤として組込みシステム産業振興機構が
kumikomi.html
堅技術者向け、2014年に新設された「アドバンスト
提供する”教育と交流の場”です。
情報家電、携帯電話、自動車などの組込みシステムの高
グコース」は電子機器の性能を生かしたプログラミ
度化と品質向上を図ることを目的とし体系的な人材育成を実施します。
(組込み適塾のコース)
nīǢȔǫǸǝȏȔǦǧȖǬ
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ħ¢¤ĩĢDžƪƶƶǐȗ
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(č¤ĩĢDžƪƶƶǐȗ
◆実装エンジニアリングコース
◆アーキテクチャ設計コース
一層発揮させるエンジニアの育成を
めざすカリキュラムです。
キュラムです。
現場での開発経験を踏まえ、ソフト
アーキテクトの設計を確実に実装に
つなげ、かつ電子機器の性能をより
製品の要求を実現するためのアーキ
テクチャ設計力強化をめざすカリ
◆アドバンストコース
新しい商品やサービスを企画する人のため
のカリキュラムです。
アドバンストコースは、製品サービス全体で
の価値拡大・性能向上、安心・安全を実現
するためのシステムアーキテクト力強化を目
図 . 遠隔講座システムにより講義を同時中継
11
「産総研」は 人 を 育 て る
材料・化学領域
材料・化学領域では材料の研究と化学の研究の
融合によって、産業競争力の源となる革新的部材・
素材に関する技術や成果の提供を目指して研究開
発を展開しています。同時に産業界との連携やア
カデミアとの結びつきを活用し、次世代の研究者
人材の育成にも積極的に取り組んでいます。この
ほか地域に基盤を持つ研究ユニットが多いことか
ら、地域のコンソーシアム活動や大学連携による
連携人材の育成も推進しています。
研究開発型企業の育成と
コンソーシアム活動
院など、人材育成の多様な取り組みをしています。
その1つが、技術研修制度の中で長年継続している
卒業研究生の受け入れです。例えば粉末冶金プロ
セスグループでは、愛知工業大学の卒業研究生を
中心に毎年卒業論文の指導を行っています。先端
的な装置を使って研究者と学生が1対1で密な研究
を行い、プレゼンテーション能力を磨く指導にも
力を入れているため、学生にとって非常にメリッ
トの大きい研修となっています。
<対象>大学4年生
<参考URL>http://www.aist.go.jp/chubu/ja/collabo/
産総研東北センターでは、技術の橋渡しを目的
として積極的に企業の研究員を受け入れています。
共同研究を通して製品開発と人材育成を同時展開
することに加え、研究開発型企業の育成という方
向からも東北地方の企業を支援しています。企業
粉末冶金プロセスグループの研究者と打ち合せをする卒業研究生
もありました。
シフト&チャレンジ
側に研究開発部署を新たに設置してもらうケース
また、産学官連携コンソーシアム「Clayteam」
を通して、産総研が開発した粘土膜「クレースト」
を生かした材料開発を進めるため、専門人材を育
成しています。年4回のセミナーでシーズとニーズ
のマッチングを探るほか、年1回の研修会で基礎か
ら応用にわたる講義を行い産学官連携を促します。
<対象>Clayteam会員(公的機関研究者、法人・企業、
学生等)
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/cpt/clayteam/
触媒化学融合研究センターには、学生やポスド
ク、企業からの来所者などが常時30人以上所属。
また、多数の共同研究をはじめ、クロスアポイン
トメントや外部講師を招いての講演会など、すべ
て大学や企業との信頼関係を基に展開しています。
人材育成については、シフト&チャレンジする姿
勢そのものを高く評価。だれもが自らの仕事の意
義を感じ、「面白く」働ける環境とするため、日々
のディスカッションやコミュニケーションを大切
にしています。全員が対等の立場で議論し、共に
研究し、外部との交流や交渉を経験する中で、若
い研究者の可能性と選択肢を広げていきます。
<対象>産総研内外の人材リソースすべて
<参考URL>http://irc3.aist.go.jp/
企業見学会で大阪のジャパンマテックス ( 株 ) を訪問
卒業研究生の受入れ
産総研中部センターは、地域における産学官連
携の中核として機能しており、名古屋工業技術協
会をはじめとするコンソーシアム活動や連携大学
12
玉尾皓平日本化学会前会長と若手研究者の議論の場
「産総研」は 人 を 育 て る
エレクトロニクス・製造領域
エレクトロニクス・製造領域では、高性能デバ
イスの開発や革新的製造技術の開発に向けて、産
学官の共同研究や大型国家プロジェクトを通した
人材育成をはじめ、産総研で培った技術を社会実
装するための専門人材育成などを実施。日本の産
業競争力を高めるため、技術の変化に即応できる
人材や、長期的に産業の基盤技術を支える人材、
産業創出の戦略を立てられる人材などを幅広く育
成しています。
発展した例が複数あり、今後の展開に期待が寄せ
られています。
<対象>社会人、所内の研究者
<参考URL>http://www.memspc.jp/person/
MZ プラットフォーム講習会
MZプラットフォームは、中小企業のものづくり
支援を目的とした、ソフトウェアをつくるための
ツールです。中小企業が製品毎に異なる複雑な設
MEMS 人材育成
計・製造工程を管理するには、自社専用ソフトウェ
アが必要となります。しかしその開発には多額の
微細加工を利用した微小電気機械システム
(MEMS)技術は、次世代のものづくり基盤技術
として注目されています。産業の高付加価値化や
競争力強化を視野にMEMSに興味を持つ企業は増
えていますが、製造設備が極めて限られたところ
にしかないため参入が難しいのが現状です。そこ
で産総研では10年以上前にMEMS体験コースをス
タートし、まず簡単なデバイスの試作を体験して
もらい、MEMSの可能性を実感する入口としまし
た。そこから発展し、現在は「プロセスの達人」
「デ
バイス設計の達人」「応用システム(新しい社会を
つくるシステム)の達人」の3つを目標に、講習会
や実習による人材育成に取り組んでいます。産総
研は大学やMEMSパークコンソーシアムと協力し、
基礎講座、設計講座、設計・試作実習など幅広い
プログラムを展開しており、試作プロセス実習の
受講者はこれまでに100人を超えています。
MEMS人材育成の大きな狙いは、企業がMEMS
産 業 に 参 入 す る 機 会 を 広 げ る こ と に あ り ま す。
MEMSを多くの企業に広めることで産学官の連携
を強化し、将来的に新しい産業の創出につなげる
費用がかかり、IT化の足かせとなっていました。
そこで産総研が開発したMZプラットフォームを使
えば、コンポーネント(部品)を組み合わせて自
社に合ったソフトウェアを短期間で安価に作成す
ることができます。
産総研では2004年から講演会、講習会、出張セ
ミナーなどで普及に努め、2015年までにユーザー
会の会員登録企業は400社を超えています。現在
も、メールとホームページ掲示板で受けたユーザー
の質問に対応する技術相談、MZプラットフォーム
を導入したい企業を産総研に受け入れる技術研修、
地方の公設試からの依頼講演など、さまざまなか
たちで普及活動および人材育成を続けています。
導入の際に重要なのは、自社をよく分析したう
えで「何をIT化し、どのようなシステムをつくり
たいのか」を明確にすること。MZプラットフォー
ムというツールを通し、中小企業が「自らの手で
IT化を進める」という意識を高めていくことが目
標です。
<対象>社会人
<参考URL>https://ssl.monozukuri.org/mzplatform/
のが目標です。実際に受講した企業と共同研究に
導入事例: 受注・外注・進捗管理システム -金型製造企業(佐賀県・聖徳ゼロテック株式会社)-
作業計画
外注・納品情報
作業進捗情報
受注情報
原価管理
作業実績
8 インチ MEMS 製造ラインでの実習風景
データベース
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
タップ
プレス
運賃
メッキ
材料料
6.666
4.4
0.52
0.34
改善前
改善後
6.4
売価
13
「産総研」は 人 を 育 て る
地質調査総合センター
地質調査総合センターは、国内唯一の地質調査
のナショナルセンターとして、地質調査や防災、
資源探査にかかわる幅広い人材育成に取り組んで
います。大学生や産業界を含む研究者と技術者に
ついて、その知識と技能の維持・向上を図ること
に加え、さらに関連分野においてリーダーとして
活躍できる国際的な人材の養成を目指します。
ました。2013年からはJICAプロジェクトとして、
多国間協力による地質図の編集と、鉱物資源情報
の分散データベース化についての研修を続けてい
ます。これらの研修により、地質とコンピュータ
の両方に精通した人材育成に貢献します。
<対象>ASEAN加盟国の研究者・技術者
<参考URL>https://www.gsj.jp/information/international/
博物館実習
地質標本館において、地球科学の研究成果を広
く社会に還元できる学芸員を育成するため、博物
館実習生を受け入れています。約1週間から10日間
の実習期間中、標本の取扱いや展示技法を学ぶほ
か、自分が選んだ展示物をわかりやすく解説する
実習や、夏のイベントで小中学生向けの「化石ク
リーニング教室」の運営に参加する実習など、一
般の方に分かりやすく伝えるトレーニングを重視
しています。また、研究者との交流や地質標本収
蔵庫の見学などを通し、地質標本館の背景には、
ASEAN10 カ国から参加者が集い日本の最新技術を学ぶ
地震・津波・火山に関する
自治体職員用研修プログラム
地質調査総合センターにおける地震・津波・火
地質調査総合センターにおける膨大な研究成果や
山の研究成果を社会の防災施策に生かすには、自
研究試料の蓄積があることを伝えています。
治体の防災担当者との連携が必要です。そこで、
<対象>博物館学芸員の資格取得を目指す大学生や大
学院生
<参考URL>https://www.gsj.jp/Muse/
地球科学への興味を喚起し、災害をもたらす自然
現象の本質を正しく理解してもらうための研修を
2009年度から実施しています。全4日間の研修では、
研究者による地震・津波・火山の基礎知識や調査
方法に関する講座をはじめ、
「活断層データベース」
や「地震に関連する地下水観測データベース」の
使い方の説明、実際の地形や地質を見学して学ぶ
巡検などを実施しています。また、参加者による
防災に対する各自治体の取り組みにについてプレ
「化石クリーニング教室」
で小学生とふれあう博物館実習生
ASEAN 鉱物資源データ
ベースシステムに関する研修
ゼンテーションとディスカッションを行っていま
す。
<対象>自治体職員(都道府県の主に危機対策室)
<参考URL>
https://unit.aist.go.jp/ievg/
インドネシア政府の予算で構築中であった
ASEAN鉱物資源データベースについて、日本への
技術支援依頼を受けて、2011年と2012年にASEAN
各国から約20名を招いて研修を実施しました。産
総研が作成した鉱物資源データベース、衛星画像
解析や地質図の最新情報、鉱床学や鉱量計算など
を、日本のインターネット環境下で学んでもらい
14
房総半島地質巡検 : 地震と海底地すべりで変形した地層を観察
計量標準総合センターは、国家計量標準機 関
このような国内における計量人材の育成は100年
(NMI)として、質量や長さ、温度、電気量など生
以上の歴史があります。1903年、中央度量衡器検
活や産業、科学技術の基盤を支える計量標準の開発・
定所の設立とともに技術講習を開始し、研修を専
供給や利活用促進、計測技術の開発を進めるととも
門に担当する計量教習所は1953年に設立されまし
に、法定計量業務の着実な実施と、専門的知識・技
た。2001年からは産業技術総合研究所つくばセン
能を有する計量人材の育成を行っています。
ターの計量研修センターとして引き継がれていま
計量研修センターが目指す専門
的な知識をもつ計量人材の育成
近年の産業技術の進歩や経済のグローバル化、
環境に対する感心の高まりなどを背景に、求めら
れる計量技術や事業制度も高度化・多様化してい
ます。計量研修センターは、こうした社会的要請
に応えながら、計量公務員の教育訓練や国家資格
である計量士の養成に取り組んでいます。
「国家試験コース」では、国家試験合格者に対し
て短期間で実務経験を積むための計測・分析の実
技講習を提供します。*1
一方、基礎からの教育訓練を行う「資格認定コー
ス」では、最長5か月にわたる一般計量教習と特別
教習のカリキュラムを揃えています。*2
このほかにも、計量研修センターでは、計量公
務員向けの計量教習、計量士資格取得のための技
術講習や計量教習、計量技術者向けのスキルアッ
プ研修など、宿泊研修を中心とする多彩なプログ
ラムを用意しています。計量法で定められるさま
ざまな計量器の実機が豊富に揃っており、実際の
測定・分析・解析などの基本に加え検定・検査・
立ち入りなどの実務も含め、経験豊富な講師から
学ぶことができます。
*1 環境計量士のみ
*2 一般計量士、環境計量士(濃度)、環境計量士(騒音・
振動)
電子天秤の研修風景
「産総研」は 人 を 育 て る
計量標準総合センター
す。計量教習所設立以降の修了生は累計で約2万5
千名を数え、現在でも毎年約600 ~ 800名の受講生
を新たに迎えています。
高度で専門的な知識と技能を有する我が国の計
量人材が、産業の発展や円滑な通商、社会と暮ら
しの安全を支えており、今日のジャパンブランド
の構築に大きく貢献していると言えるでしょう。
<対象>計量士を目指す方、計量公務員等
<参考URL>https://www.nmij.jp/~metroltrain/
国内企業・地域関係者・海外 NMI
の計測技術向上を支援
計量標準総合センターでは、企業、地域および
海外に対しても幅広いチャンネルでの人材育成を
目指した取り組みを行っています。
たとえば、NMIJ計測クラブ*3による企業技術者・
研究者との情報交換や、産技連*4による地域公設
試間の技能試験の実施などを通じた計測技術向上
を支援しています。海外に対しては、ASEANをは
じめとする各国のNMI*5に対する人材交流や研究
連携を通じた技術支援を行っています。
*3 N
MIJ計測クラブ:会員登録制(無料)による、技
術分野や技術テーマごとの普及活動
<対象>技術者、研究者および学生
*4 産 技連(産業技術連携推進会議):公設試および産
総研の連絡機関
<対象>外部人材(都道府県の公設試験所職員)
*5 国家計量標準機関
<対象>主に途上国NMI職員
<参考URL>https://www.nmij.jp/
JICA 集団研修の様子
15
「産総研」は 人 を 育 て る
内部研修
世界のトップを走るため
独自の研修を展開
「橋渡し」につながる交流のチャンス
産総研は国内トップクラスの研究者が集まって
産総研は約3,000名の常勤職員を擁する国内最大
いるため、先輩職員による講義から研究者として
機に、日本を代表する研究機関の1つとして、世界
社会に橋渡しした体験談を聞けるのも強みとなっ
研修を開始しました。産業技術の向上を支える人
しても重要です。自分とは異なる領域の研究者た
れます。ここでは産総研における人材育成の中か
がる可能性が高いため、積極的な交流を促してい
紹介します。
加え、上司や部下の視点から多面的に360度評価を
会の中で、社会のために」の理念に基づいて組み
ます。
織の中で働くための能力、社会と協調する能力、
となるために必要な要素を網羅しています。また、
力など、産総研の研究者に求められる能力を養う
プログラムも用意されています。どのような立ち
な研修を受けられるように、毎年内容の改良を重
プロフェッショナルな研究者を育成します。
規模の研究機関です。2001年の独立行政法人化を
の多様なキャリアパスを学ぶことができ、技術を
のトップと伍して研究活動をしていくため独自の
ています。また、研修は横のつながりを生む場と
材育成は、産総研にとって重要課題と位置づけら
ちと交流することは、技術の向上や橋渡しにつな
ら、主に研究者を対象とした内部研修についてご
ます。研修の効果については、5段階の自己評価に
内部研修プログラムは、産総研憲章に掲げた「社
行い、その後の研修内容にフィードバックしてい
立てられています。研究を遂行する能力、研究組
産総研の内部研修は、世界で活躍できる研究者
公的研究機関として政府と関わるうえで必要な能
自ら進みたいと考えるキャリアパスに対応できる
ための講座を企画。研究者が、必要なときに必要
位置からでも産業界や大学・学会等に貢献できる、
ね、研究現場におけるOJTとともに能力向上の機
<対象>内部人材(研究職)
会を提供しています。
年齢や目的に応じた
きめ細かいプログラム
(1) 基礎研修: e-ラーニングにより職員として必
要な基礎知識を身につけます。
(2)階層別研修:産総研では、若手、中堅〜ベテラン、
経営層(研究ユニット長クラス)という形で
階層別の研修プログラムを用意。また、長年
にわたって勤続する研究者も多いことから、
職務に必要な知識や能力を高めるほか、自身
のキャリアパス設計に役立つ研修や、40代に
対しては自己の研究をもう一度見直してモチ
ベーション向上につなげる研修、50代では退
職後の社会との関わりを見据えた研修なども
行います。
(3) プロフェッショナル研修:自分が強化したい
と思う能力開発のプログラムを選び、ノウハ
ウやスキルを磨きます。ここには、技術の橋
渡しに役立つ成果活用人材育成や、マネジメ
ント能力を高める研修などが含まれています。
16
グループワークを取り入れた新人研修
■研修の目的と体系
【基礎研修】
対 象 者 採用時(契約職員、外国人)および指名
職員として必要な基礎知識(コンプライアンス、産
研修内容 総研ミッション等の必須内容)の習得(e-ラーニン
グ化)
【階層別研修】
対 象 者 基本的に指名
職務遂行に必要な知識能力の向上、自己の振り返り
研修内容
とキャリア設計
【プロフェッショナル研修】
対 象 者 公募(一部指名も併用)
特定分野(産学官、知財、財務、人事等)のノウハウ、
研修内容
知識、必要なスキルなどを習得
■平成 26 年度研修実績
コース
職員等基礎研修
(e-ラーニング)
階層別研修
実施回数
4
16回
16
17回
31
127回
プロフェッショナル研修 11
合 計
94回
受講者数
11,279名
622名
1,263名
13,164名
研究成果を社会に
広く還元するために
研究者のキャリアパスは、一般的には研究所や
大学で専門分野の研究を掘り下げていくことにな
ります。産総研では、それに加えて多様で柔軟な
キャリアパスを描けるのが際立った特徴となって
います。持続可能な社会の実現に向けて、研究成
果を社会に還元することを使命としているため、
外部との交流や産総研内部の異なる役割を経験す
ることで、次のような多様なスキルを持った人材
の育成を目指しています。
(1)産業化への橋渡し研究を主導し、オープンイ
ノベーション、産業化につなげられる人材
(2)産業技術の新たなシーズ創出から開発・実証
研究への展開をリードする人材
(3)計量・地質・安全など国立研究機関として行
うべき基盤的研究を推進する人材
(4)従来の研究職、事務職の枠を超えて、研究管理・
支援業務を担う専門職人材
また、産総研で培った能力を、産業界や大学等
に転出することで社会全体のイノベーション創出
に貢献する道もあります。
キャリアパスを考えるのは
自分自身
社会に役立つ研究成果を送り出すには、まず社
会のニーズを知ることが不可欠です。さらに、外
部への説明や交渉をうまく進めるスキルを身につ
けたり、マネジメント業務を理解したりと、 研
「産総研」は 人 を 育 て る
研究職員のキャリアパス
きます。さらに、それぞれの希望の実現をサポー
トするため、外部とのコミュニケーション能力、
企業の視点、プロジェクトの動かし方、産業化の
ためのマネジメントやマーケティング、知財の取
扱い、技術戦略策定など、必要なことを階層別研
修やプロフェッショナル研修で学べるよう、研修
プログラムの一層の充実を図っています。
視野を広げ、
進むべき方向を決める
研究以外の仕事を経験した後は、多くの場合、
再び研究現場に戻ります。その先は、研究成果を
社会へ還元することを強く意識しながら研究を続
ける、あるいは技術移転のコーディネートに専念
するなど、上司や人事担当と相談しながら改めて
自らの進む道を選ぶことができます。
このようなキャリアパスを設定した背景には、
産総研入所者の約9割がパーマネント職(定年制)
に就き、比較的安定した身分でキャリアアップを
図っていける環境があるためです。長期的に働い
ていく中で、研究の進捗に合わせて進むべき方向
を決めたり、自分の本当にやりたいことを見つめ
直したり、新たな適性を見つけたりと、入口は1つ
でも多様な道を自ら選んで希望していくことがで
きるようになっています。
産総研は、こうした研究職の多様で柔軟なキャ
リアパスを実践することで、研究所の経営や研究
戦略を含め、全職員が一体となって運営を考える
研究組織へと成長しています。
<対象>内部人材(研究職)
究とは別の面での知識や経験が必要になる場面も
多々あります。そこで、研究者が1 〜 2年、本部組
織などで研究の経営や企画調整、管理運営などを
経験したり、経済産業省をはじめとする外部機関
に出向したり、海外での経験を積むなど独自のキャ
リアパスを設けています。
どのような経験を積むか、キャリアパスを考え
るのは自分自身です。日常的な上司とのコミュニ
ケーションに加え、年1回キャリアパス調査で、自
分の目指すキャリアプランに向けて希望を提出で
17
「産総研」は 人 を 育 て る
事務職員のキャリアパス
研究者と共に
産総研を牽引する
高い専門性を身につけ、
業務に“工夫”を加える
国内研究機関のトップランナーである産総研に
具体的な業務内容の例を挙げると、例えば「経
おいては、最先端の研究活動をきめ細かくマネジ
営企画」は、総合的な経営方針や研究戦略の企画・
メントする事務職員が重要な役割を担っています。
立案に加え、さまざまな場面で外部組織との連携・
とくに、2001年に独立行政法人化されてから、研
調整にあたります。「産学官・国際連携」は、国内
究所経営やイノベーション創出、産学官連携など
の大学や企業、海外機関との共同研究等がスムー
が強化され、事務職員の仕事の範囲も大幅に拡大
ズに進むよう、橋渡し役としてあらゆる業務を通
しました。さらに2015年に国立研究開発法人に移
して支援します。「知的財産」は、単に研究者から
行するとともに、研究組織を大幅に改組し、7つの
の届出を事務処理するだけではなく、知財の活用
研究領域に再編。それに伴い事務職員の業務がま
を促すための橋渡しや知財戦略の立案まで手掛け
すます多様化するなか、組織の変化に対応するた
ます。
めキャリアパスの再構築を進めています。
このようにすべての業務に高い専門性があり、
いま、産総研で求められているのは、(1)研究
事務職員はそれぞれ独自の工夫を加えながら担当
成果を最大限に活用するための仕組みづくりや、
業務を担っており、それが最終的に産総研のミッ
研究に集中できる環境を整備する役割と(2)研究
ションである「橋渡し」につながっていくことと
成果を社会へ送り役割を担う人材です。その目標
なります。研究者だけでなく「橋渡し」の担い手
に向けて、協調性、自律性、リーダーシップを兼
として事務職員が活躍するのは、産総研独自のス
ね備えた職員を育成します。
タイルといえます。
若手から中堅にかけて
様々な業務を経験
また、一般に研究職員は理系で事務職員は文系
というイメージがあります。しかし産総研の場合、
事務職員の約半数を理系出身者が占めているのも
大きな特徴です。大学の研究室で学んだ経験を活
事務職員の業務内容を上記の2つの役割で分ける
かし、研究者と二人三脚で研究成果のアウトプッ
と、
(1)仕組みづくりや環境を整備する役割には
トに取り組んだり、研究環境を整えるサポートを
経営企画、総務、施設・安全管理などの業務が分
したりするなど、さまざまな業務で活躍していま
類されます。一方で、(2)研究成果を社会へ送り
す。
出す役割には、知的財産、産学官・国際連携、広
<対象>内部人材(事務職)
報などの業務が分類されます。
事務職員は入所後、約2年ごとにこれらの業務を
ローテーションしながら、研修プログラムと実務
を通して仕事を覚えていきます。若手から中堅に
■事務職員の2つの大きな役割と各業務の関係
かけて様々な業務を経験する間に、自分の適性を
見極め、経験値と得意分野をうまく組み合わせな
がらキャリアパスをつくっていくこととなります。
18
dS
「産総研」は 人 を 育 て る
ダイバーシティ推進
援しています。
ダイバーシティと
イノベーション創出
産総研が目標とするイノベーション創出には、
多様な人材の活用、すなわちダイバーシティが不
可欠です。多様性を増す社会に向けて、産総研か
ら役立つ技術を送り出していくには、多様な人材
が生き生きと成長していける環境が求められます。
そのためダイバーシティ推進室では、性別や年齢、
国籍、障がいなどにかかわらず、だれもが能力を
最大限に発揮できる働きやすい環境をつくるため、
所内制度の改善や職場環境の整備など幅広い活動
をしています。ここでは、第4期中長期目標期間
(2015 〜 2019年度)における5つのアクションプラ
ンに沿って、具体的な活動をご紹介します。
(1)女性研究者の積極的採用および女性職員の活
躍推進
産総研はこれまでも優秀な女性研究者の発掘と
積極的な採用に努め、第3期(2010 〜 2014年度)
の女性研究者累積採用比率は16.7%となりました。
さらに第4期(2015 〜 2019年度)は同18%以上を
目標としています。また女性職員が活躍できるよ
う、キャリア形成や職場環境整備により、産総研
が女性にとって働きやすい職場となることを目指
します。
(2)外国人研究者の採用・受入支援および活躍支
援
イノベーション創出には人材のグローバル化が
必要であり、産総研でも多くの外国人研究者を受
け入れています。外国人研究者とその家族を支え
るため、AISTインターナショナルセンター(AIC)
をハブとして、言語面でのサポートから交流の場
の提供、日本文化の紹介まで、多様な側面から支
(3)ワーク・ライフ・バランスの実現
裁量労働制やフレックスタイム制などの柔軟な
勤務体制を導入することに加え、「いい仕事、いい
休み。」キャンペーンを展開し、年次有給休暇の取
得を促しています。また、所内の支援制度をイン
トラネット上で情報提供するとともに、育児・介
護制度を紹介するリーフレットを作成し、男女と
もにさまざまなライフイベントに柔軟に対応でき
るよう情報発信に努めています。さらに、仕事と
育児、仕事と介護を両立できるよう各種セミナー
を開催し、ワーク・ライフ・バランスの実現を支
援しています。
(4)キャリア形成
内部研修やセミナーで、キャリア形成の重要性
を伝えています。また、ロールモデルとの懇談会、
女性研究者の多様なロードマップのデータベース
作成、先輩研究者のエッセイ集の発行など、女性
研究者の卵が具体的なキャリアパスのイメージを
描けるよう長期的な視点で取り組んでいます。さ
らに各種相談制度も充実し、専門のキャリアカウ
ンセラーから個別にアドバイスを受けることも可
能です。
(5)ダイバーシティの総合推進
国内の研究教育機関が連携して活動していこう
と、ダイバーシティ・サポート・オフィス(DSO)
に21機関が参画。産総研は幹事機関を務めていま
す。セミナーやシンポジウムの開催、ニュースレ
ターの発行などを通して定期的に情報交換をしな
がら、ダイバーシティ推進を全国展開していきま
す。
<対象>内部人材
<参考URL>https://unit.aist.go.jp/diversity/
■一時預り保育利用実績(のべ人数)
2012 年度
職員
つくばセンター
795
2013 年度
契約職員
職員
876 1,018
2014 年度
契約職員
職員
678 1,276
契約職員
971
中部センター
11
68
37
66
26
88
関西センター
283
45
175
87
248
115
12
3
20
3
32
0
民間託児および
ベビーシッター
一時預り保育所プチチェリー
(つくばセンター)
ロールモデルの
エッセイ集を発行
19
国立研究開発法人
http://www.aist.go.jp
2015年 12 月発行