資料1 - 宮崎県

資料1
「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい宮崎県づくり条例
(仮称)」の制定について
障がい福祉課
1
2
制定の趣旨
障がいのある人の活動や社会参加を制限・制約している障壁等を取り除き、障がい
のある人もない人もそれぞれが地域での役割を担い、共に生きる社会づくりが必要で
ある。
このため、温もりのある県民性を活かして、県民の障がいに対する理解を深め、障
がいを理由とする不利益な取扱いの解消及び障がいのある人に対する必要かつ合理的
な配慮の提供に関する取組を推進し、障がいのある人もない人も、身近な地域で共に
支え合いながら、心豊かに生活できる宮崎県づくりを目指して、条例を制定するもの
である。
これまでの取組
平成27年
5∼8月
障がい者団体等との個別の意見交換の実施
・団体数:15団体(障がい者団体:8、 関係団体:7)
6∼7月
「障がい者に対する望ましい配慮等に関するアンケート」の実施
・回答数:321件
8月10日
障がい者団体との意見交換
・団体数:19団体
8月25日
県障害者施策推進協議会における検討
10月7日
障がい者団体及び関係団体との意見交換
・団体数:34団体(障がい者団体:16、 関係団体:18)
10月15日
市町村との意見交換
11月10日
障がい者団体及び関係団体との意見交換
・団体数:31団体(障がい者団体:16、 関係団体:15)
11月18日
県障害者施策推進協議会における検討
12月7日∼平成28年1月6日
パブリックコメントの実施
・応募数:100件(30名)
3
条例の骨子(案)
別紙のとおり
4
今後の取組
平成28年2月
4月
・県社会福祉審議会における検討
・県議会に条例案を上程
条例施行予定
別
紙
「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい宮崎県づくり条例(仮称)
」の骨子(案)
第1
基本的な考え方
全ての県民は、障がいの有無に関わらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのな
い個人であり、障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を
尊重し合いながら、共に生きる社会を実現する必要があります。
その社会の実現のためには、日常生活又は社会生活の様々な場において、障がいのあ
る人の活動を制限し、社会への参加を制約している物理的な障壁、障がいのある人に対
する誤解や偏見といった意識上の障壁等を取り除くための社会的な配慮が一層求められ
ています。
また、今後少子高齢化が進み、地域の担い手が減少していく中、本県が持続可能な社
会を構築していくためには、障がいのある人もない人もそれぞれが地域における役割を
担い、共に生きる社会づくりを進めていく必要があります。
このような状況を踏まえ、人情味に溢れ、温もりのある県民性のもと、一人ひとりが
思いやりの心を持って、障がいを理由とする差別的言動その他の障がい者の権利利益を
侵害する行為をなくすとともに、全ての県民の障がいへの理解を深めるための取組を推
進していかなければなりません。
このため、障がいのある人もない人も、身近な地域で共に支え合いながら、心豊かに
生活できる宮崎県づくりを目指して、条例を制定するものです。
第2
1
目的等について
目的
この条例は、障がい及び障がいのある人に対する県民の理解を深めるとともに、障
がいを理由とする差別の解消に関し、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業
者の役割を明らかにし、障がいを理由とする不利益な取扱いの禁止及び差別の解消に
関する施策の基本となる事項を定めることにより、障がいを理由とする差別の解消の
推進に関する法律(平成25年法律第65号)と相まって、障がいの有無によって分け隔
てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し合いながら、共に生きる社会(以下
「共生社会」という。)の実現に寄与することを目的とします。
【趣旨】
この条例は、障がいのある人に対する県民の理解を深め、障がいを理由とする差別
の解消に関する基本的な事項を定めており、障害を理由とする差別の解消の推進に関
する法律と相まって、共生社会の実現に寄与することを目的としています。
2
定義
(1) この条例において、「障がいのある人」とは、身体障がい、知的障がい、精神障
がい(発達障がいを含む。)その他の心身の機能の障がい(以下「障がい」と総称
する。)がある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社
会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいいます。
(2) この条例において「社会的障壁」とは、障がいのある人にとって日常生活又は社
会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他
一切のものをいいます。
(3) この条例において、「障がいを理由とする差別」とは、障がいのある人に対し、
正当な理由なく障がい又は障がいに関連する事由を理由とする不利益な取扱いをす
ること又は社会的障壁の除去の実施について、その実施に伴う負担が過重でないと
きに、必要かつ合理的な配慮がなされないことをいいます。
【趣旨】
この条例の中で用いられる用語が、どういう意味内容で用いられているかを定めた
規定です。
3
基本理念
共生社会の実現は、次に掲げる事項を基本理念として行わなければならないものと
します。
(1) 全ての県民は、障がいの有無に関わらず、等しく基本的人権を享有する個人とし
ての尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること。
(2) 全ての障がいのある人は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あ
らゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。
(3) 全ての障がいのある人は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の
機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。
(4) 全ての障がいのある人は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通の
ための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のた
めの手段についての選択の機会の拡大が図られること。
(5) 全ての障がいのある人は、障がいに加え女性であることにより特に困難な状況に
置かれる場合等、その性別、年齢等により特に困難な状況に置かれる場合において
は、その状況に応じた配慮がなされること。
(6) 障がいを理由とする差別の多くが障がいのある人に対する誤解、偏見その他の理
解の不足から生じていること及び誰もが障がいを有することとなる可能性があるこ
とを踏まえ、障がいを理由とする差別の解消について、障がいの有無に関わらず、
県民一人ひとりが自主的に取り組み、障がいについての理解が深められること。
【趣旨】
共生社会の実現のための基本的な考え方を示した規定です。
4
県の責務
県は、基本理念にのっとり、障がい及び障がいのある人に対する県民の理解を深め、
障がいを理由とする差別の解消を推進するために必要な施策を総合的かつ計画的に実
施するものとします。
【趣旨】
県の責務として、障がいを理由とする差別の解消を推進するために必要な施策を総
合的かつ計画的に実施することについて定めた規定です。
5
県と市町村の連携
(1)
県は、障がい及び障がいのある人に対する理解を深め、障がいを理由とする差別
の解消を推進するための施策を実施する市町村に対し、情報の提供、技術的な助言
その他の必要な措置を講ずるものとします。
(2) 県は、障がい及び障がいのある人に対する理解を深め、障がいを理由とする差別
の解消を推進するための県が実施する施策について、市町村に対し協力を求めるこ
とができるものとします。
【趣旨】
障がいを理由とする差別の解消を推進するために必要な施策を実施する上での県と
市町村との連携について定めた規定です。
6
県民等の役割
(1) 県民及び事業者は、基本理念にのっとり、障がい及び障がいのある人に対する理
解を深めるとともに、障がいのある人が日常生活又は社会生活を送る上での困難を
軽減するために必要な支援を周囲に気兼ねなく求めることができる社会環境の実現
に寄与するよう努めるとともに、県及び市町村が実施する障がいを理由とする差別
の解消を推進するために必要な施策に協力するよう努めるものとします。
(2) 障がいのある人は、日常生活又は社会生活を送る上での困難を軽減するために必
要な支援について、可能な範囲内において伝えることにより、障がいへの理解の促
進が図られるよう努めるものとします。
【趣旨】
県民及び事業者の役割について定めた規定です。
第3
7
分野別の不利益な取扱いの禁止について
不利益な取扱いの禁止
何人も、次の(1)から(11)に掲げるもののほか、障がいを理由とした不利益な取扱い
をすることにより、障がいのある人の権利利益を侵害してはならないものとします。
【趣旨】
何人も(1)から(11)をはじめとする後述の障がいを理由とした不利益な取扱いをして
はならないことについて定めた規定です。
(福祉サービスの提供)
(1) 福祉サービスを提供する場合において、障がいのある人に対して、障がいのある
人の生命又は身体の保護のためやむを得ないと認められる場合その他の合理的な理
由がある場合を除き、障がいを理由として、福祉サービスの提供を拒み、若しくは
制限し、又はこれに条件を付し、その他不利益な取扱いをすること。
【趣旨】
(1)は、福祉サービスの提供における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(医療の提供)
(2) 医療を提供する場合において、障がいのある人に対して、障がいのある人の生命
又は身体の保護のためやむを得ないと認められる場合その他の合理的な理由がある
場合を除き、障がいを理由として、医療の提供を拒み、若しくは制限し、又はこれ
に条件を付し、その他不利益な取扱いをすること。
【趣旨】
(2)は、医療の提供における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(商品の販売又はサービスの提供)
(3) 商品の販売又はサービスの提供を行う場合において、障がいのある人に対して、
他の者に対するサービスの質が著しく損なわれるおそれがある場合その他の合理的
な理由がある場合を除き、障がいを理由として、商品の販売若しくはサービスの提
供を拒み、若しくは制限し、又はこれらに条件を付し、その他不利益な取扱いをす
ること。
【趣旨】
(3)は、商品の販売又はサービスの提供における不利益な取扱いについて定めた規定
です。
(雇用)
(4) 労働者の募集及び採用を行う場合において、障がいのある人に対して、合理的配
慮に係る措置を講じてもなお従事させようとする業務を適切に遂行することができ
ない場合その他の合理的な理由がある場合を除き、障がいを理由として、募集若し
くは採用を行わず、若しくは制限し、又はこれらに条件を付し、その他不利益な取
扱いをすること。
(5) 障がいのある人を雇用する場合において、障がいのある人に対して、合理的配慮
に係る措置を講じてもなお業務を適切に遂行することができない場合その他の合理
的な理由がある場合を除き、賃金その他の労働条件、配置(業務の配分及び権限の
付与を含む。)、昇進、降格、教育訓練、福利厚生について、不利益な取扱いをする
こと。
【趣旨】
(4)及び(5)は、労働者の雇用における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(教育)
(6) 教育を行う場合において、障がいのある人に対して、次に掲げる不利益な取扱い
をすること。
ア 障がいのある人の年齢、能力及び特性を踏まえた十分な教育が受けられるよう
にするために必要と認められる適切な指導又は支援を講じないこと。
イ 障がいのある人及びその保護者(学校教育法(昭和22年法律第26号)第16条に
規定する保護者をいう。以下同じ。)への意見聴取、必要な説明及び情報提供を行
わず、又はこれらの者の意見を十分に尊重せずに、障がいのある人が就学すべき
学校(同法第1条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校(前
期課程に限る。)又は特別支援学校(小学部及び中学部に限る。)をいう。)を決定
すること。
【趣旨】
(6)は、教育における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(建築物等の利用)
(7) 不特定かつ多数の者の利用に供される建物その他の施設を利用する場合において、
障がいのある人に対して、建物その他の施設の構造上やむを得ないと認められる場
合、障がいのある人の生命又は身体の保護のためやむを得ないと認められる場合そ
の他の合理的な理由がある場合を除き、障がいを理由として、建物その他の施設の
利用を拒み、若しくは制限し、又はこれらに条件を付し、その他不利益な取扱いを
すること。
【趣旨】
(7)は、建物等の利用における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(公共交通機関の利用)
(8) 公共交通機関を利用する場合において、障がいのある人に対して、旅客施設(高
齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第2
条第5号に規定する旅客施設をいう。)又は車両等(同条第7号に規定する車両等を
いう。)の構造上やむを得ないと認められる場合、障がいのある人の生命又は身体の
保護のためやむを得ないと認められる場合その他の合理的な理由がある場合を除き、
障がいを理由として、公共交通機関の利用を拒み、若しくは制限し、又はこれらに
条件を付し、その他不利益な取扱いをすること。
【趣旨】
(8)は、公共交通機関の利用における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(不動産の取引)
(9) 不動産の売買、交換又は賃貸借その他の不動産の取引(以下「不動産の取引」と
いう。)を行う場合において、障がいのある人に対して、不動産の取引に係る建物の
構造上やむを得ないと認められる場合その他の合理的な理由がある場合を除き、障
がいを理由として、不動産の取引を拒み、若しくは制限し、又はこれらに条件を付
し、その他不利益な取扱いをすること。
【趣旨】
(9)は、不動産の取引における不利益な取扱いについて定めた規定です。
(情報の提供等)
(10) 不特定かつ多数の者に対して情報を提供する場合において、障がいのある人に対
して、当該情報を提供することに著しい支障があると認められる場合その他の合理
的な理由がある場合を除き、障がいを理由として、情報の提供を拒み、若しくは制
限し、又はこれに条件を付し、その他不利益な取扱いをすること。
(11) 不特定かつ多数の者から情報を受領する場合において、障がいのある人に対して、
当該情報を受領することに著しい支障があると認められる場合その他の合理的な理
由がある場合を除き、障がいを理由として、情報の受領を拒み、若しくは制限し、
又はこれに条件を付し、その他不利益な取扱いをすること。
【趣旨】
(10)及び(11)は、情報の提供等における不利益な取扱いについて定めた規定です。
第4 社会的障壁の除去のための合理的な配慮について
8 社会的障壁の除去のための合理的な配慮
(1) 県は、その事務又は事業を行うに当たり、障がいのある人から現に社会的障壁の
除去を必要としている旨の意思の表明(障がいのある人の家族その他の関係者が本
人を補佐して行う意思の表明を含む。次項において同じ。)があった場合において、
その実施に伴う負担が過重でないときは、障がいのある人の権利利益を侵害するこ
ととならないよう、本人の性別、年齢及び障がいの状態に応じて、社会的障壁の除
去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないものとします。
(2) 事業者は、その事業を行うに当たり、障がいのある人から現に社会的障壁の除去
を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過
重でないときは、障がいのある人の権利利益を侵害することとならないよう、本人
の性別、年齢及び障がいの状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要か
つ合理的な配慮をするよう努めなければならないものとします。
【趣旨】
障がいのある人がない人と同様に日常生活や社会生活を送ることができるよう、社
会的障壁の除去のための合理的配慮について定めた規定です。
第5
9
相談体制及び紛争解決の仕組みについて
相談への対応
(1) 何人も、県に対し、障がいを理由とする差別に関する相談をすることができるも
のとします。
(2) 県は、相談を受けたときは、次に掲げる業務を行うものとします。
ア 相談者に対して、必要な助言及び情報提供を行うこと。
イ 相談に係る関係者間の調整を行うこと。
ウ 関係行政機関への通告、通報その他通知を行うこと。
【趣旨】
障がいを理由とする不利益な取扱いや合理的配慮について、県に対して相談を行う
ことができることについて定めるとともに、相談があった場合に県が行う業務の内容
について定めた規定です。
10
相談員の配置
(1) 知事は、「9 相談への対応」に掲げる業務を行わせる者として、相談員を委嘱す
ることができるものとします。
(2) 相談員は、この条例に基づき業務上知り得た秘密を漏らしてはならず、相談員で
なくなった後においても、同様とします。
【趣旨】
「9
11
相談への対応」のための相談員の配置等について定めた規定です。
障がい者差別解消支援協議会の設置
(1)
障がいを理由とする差別を解消するための取組を推進するため、障がいを理由と
する差別の解消の推進に関する法律第17条第1項に規定する障害者差別解消支援地
域協議会として、宮崎県障がい者差別解消支援協議会(以下「協議会」という。)
を設置します。
(2) 協議会は、次に掲げる事務を行うものとします。
ア 障がいを理由とする差別の解消の推進に関する事項に関し、調査審議すること。
イ 「7 不利益な取扱いの禁止」に掲げる障がいを理由とする不利益な取扱いに該
当する事案(以下「対象事案」という。)について、助言又はあっせんを行うこと。
ウ 協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定めるものとします。
【趣旨】
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第17条第1項で地方公共団体が組
織することができるとされている「障害者差別解消支援地域協議会」の設置等につい
て定めた規定です。
12
(1)
助言又はあっせんの申立て
障がいのある人は、自己に対する対象事案の解決を図るため、知事に対し、
助言又はあっせんの申立てをすることができるものとします。
(2) 対象事案に係る障がいのある人の家族その他の関係者は、本人に代わって(1)の
規定による申立てをすることができるものとします。ただし、当該申立てをするこ
とが障がいのある人の意に反することが明らかであると認められるときは、この限
りでありません。
(3) (1)又は(2)の規定による申立ては、「9 相談への対応」に規定する相談への対応
を経た後でなければすることができないものとします。
【趣旨】
相談による解決が図られなかった場合、助言又はあっせんの申立てができることに
ついて定めた規定です。
13
助言又はあっせん
(1) 知事は、「12 助言又はあっせんの申立て」の(1)又は(2)の規定による申立てが
あった場合は、協議会に対し、助言又はあっせんを求めることができるものとしま
す。
(2) 協議会は、(1)の規定による知事からの求めがあった場合は、助言又はあっせん
を行うものとします。ただし、助言若しくはあっせんを行うことが適当でないと認
められるとき、又は助言若しくはあっせんを行うことが対象事案の解決に資すると
認められないときは、この限りでないものとします。
(3) 協議会は、助言又はあっせんのために必要があると認めるときは、対象事案の関
係者に対し、助言又はあっせんを行うために必要な限度において、必要な資料の提
出又は説明を求めることができるものとします。
(4) 協議会は、(2)のただし書きの規定により助言又はあっせんを行わないこととし
たとき、あっせんが終了したとき、又はあっせんを打ち切ったときは、その旨を知
事に報告するものとします。
【趣旨】
知事からの求めがあった場合の協議会による助言又はあっせんについて定めた規定
です。
14
勧告
(1) 協議会は、不利益な取扱いをしたと認められる関係当事者が、正当な理由なく、
あっせん案を受諾せず、又はこれを受諾したにも関わらず、あっせんに従わないと
きは、知事に対して、当該関係当事者が必要な措置を取るように勧告することを求
めることができるものとします。
(2) 知事は、(1)の規定による協議会からの求めがあった場合において、必要があると
認めるときは、不利益な取扱いをしたと認められる関係当事者に対して、必要な措
置をとるよう勧告することができるものとします。
【趣旨】
協議会から求めがあった場合の知事による勧告について定めた規定です。
15
公表
(1) 知事は、「14 勧告」の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に
従わないときは、その旨を公表することができるものとします。
(2) 知事は、(1)の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表に
係る者に対してその旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、意見を述べ
る機会を与えるものとします。
【趣旨】
知事による公表について定めた規定です。
第6
16
共生社会の実現に向けた施策の推進等
啓発活動
県は、障がい及び障がいのある人に対する理解を深め、障がいを理由とする差別を
解消することの重要性に関する県民の理解の増進が図られるよう、障がい及び障がい
のある人に関する知識の普及啓発のための広報活動、障がいのある人とない人との交
流の機会の提供その他必要な施策を講ずるものとします。
【趣旨】
障がい及び障がいのある人に対する県民の関心と理解の増進について定めた規定です。
17
教育の推進
県は、学校、家庭及び地域社会における教育等を通じ、子どもが障がい及び障がい
のある人に関する正しい知識を持つための教育が行われるよう努めるものとします。
【趣旨】
学校教育に限らず、家庭や地域での教育など、子どもが障がい及び障がいのある人に
関する正しい知識を持つための教育の推進に県が努めることについて定めた規定です。
18
文化芸術活動等の推進
県は、障がいのある人が文化芸術活動、スポーツ等(以下「文化芸術活動等」とい
う。)に参加することができる機会を確保するとともに、障がいのある人とない人が共
に文化芸術活動等に参加することができる機会を提供することによって、その相互理
解が促進されるよう努めるものとします。
【趣旨】
県が障がいのある人が文化芸術活動等を通じて、障がいのある人とない人との相互
理解が促進されるよう努めることについて定めた規定です。
19
表彰
知事は、共生社会の実現に向けた取組に関し特に顕著な功績があった者に対し、表
彰を行うものとします。
【趣旨】
共生社会の実現に向けた取組の推進に貢献した功労者の表彰について定めた規定で
す。
20
財政上の措置
県は、障がい及び障がいのある人に対する県民の理解を深め、障がいを理由とする
差別の解消に関する必要な施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努
めるものとします。
【趣旨】
県が障がい及び障がいのある人に対する県民の理解を深め、障がいを理由とする差
別の解消に関する必要な施策を推進するために必要となる財政上の措置について定め
た規定です。
21
委任
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、知事が別に定
めるものとします。
【趣旨】
協議会の運営等について、必要に応じて別途定めることを定めた規定です。