災害時の事業継続を可能にするために、自前のサーバー運用から

公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会
災害時の事業継続を可能にするために、自前のサーバー運用から、
クラウド活用へとシフト。複雑なシステム混在環境の最適化に
向けて、Azure で大きな一歩を踏み出す
創設 50 周年の歴史を持つ公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会では、現在、組織全体の
合理化を推進しています。その一環として、これまで事業別委員会の主導によって個別最適化
が進められてきたシステム環境の調達から構築、運用にいたるライフ サイクルのすべてを、全
ソリューション概要
○プロファイル
公益 社団法人 日本不動産 鑑 定士 協会 連合 会
(https://www.fudousan-kanteishi.or.jp/) は、
「不動産鑑定士及び不動産鑑定士補の品位の保
持及び資質の向上を図ること 」、
「不動産の鑑定
評価に関する業務の進歩改善を図ること 」、
「不
動産鑑定評価制度の発展と土地等の適正な価格
の形成に資すること 」の目的を達成するために、
さまざまな事業に従事する団体です。2015 年に
前身である社団法人日本不動産鑑定協会の創設
(1965 年 ) から、50 周年を迎えています。
○導入製品とサービス
・Microsoft ® Azure
○パートナー企業
株式会社 ISID アドバンストアウトソーシング
Silver Cloud Platform
Silver Datacenter
○メリット
・サーバー調達の手間もなく、わずか 2 週間強で
システム構築を完了
・ニーズに応じて、東日本・西日本 2 つのリージョ
ンのデータセンターを使い分けた活用が可能
・Azure Blob Storage でデータが 3 つに複製さ
れる上に、東西のデータセンターで拠点間複製
を行うことでさらに6つに複製され、国内で起
き得るほとんどの自然災害からデータを守り抜
ける体制を実現
・Oracle、Linux も公式にサポート。混在するシ
ステム環境の仮想化およびクラウド環境への
移行もスムーズ
○ユーザー コメント
「クラウド サービス上に重要なデータを置くこと
については、さまざまな考え方があると思います。
しかし、クラウドは、すでに市場の評価を得てい
るサービスです。さらに、東日本大震災の経験か
ら考えても、物理的なサーバーから解放されるメ
リットは非常に大きなものがあります」
。
公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会
情報システム課 課長
岡田 俊一 氏
体最適するためのプロジェクトが進行しています。そして、2015 年。5 年スパンで検討され
ているこのプロジェクトの過程で、そして、今後の施策につながる一歩として実行されたのが、
Microsoft Azure を活用して、BCP を実現することでした。
導入の背景とねらい
委員会主導で個別最適化を重ねてきたシステム環境の最適化と、
BCP 対策を同時に着手
2015 年に創設 50 周年を迎えた公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会 ( 以下、連合会と
いう。) は、
「不動産鑑定士及び不動産鑑定士補の品位の保持及び資質の向上を図ること」、
「不
動産の鑑定評価に関する業務の進歩改善を図ること」、そして「不動産鑑定評価制度の発展と土
地等の適正な価格の形成に資すること」を目的として事業を展開しており、5,414 名の不動産
鑑定士が所属 (2015 年 3 月時点 ) しています。
2012 年に各都道府県の不動産鑑定士協会を束ねる「連合会」へと体制を移行して以来、同連合
会では、組織全体の運用を合理化するために、さまざまな取り組みを推進してきました。
その一環として、従来は目的別に設置された委員会および担当部署が、それぞれのニーズに沿っ
て調達・運営してきたシステム環境を、連合会全体での調達・運営に切り替えるべく、2013 年 7
月に情報システム課を新設。ICT 資産の全体最適化を主導しています。
同課 課長 岡田 俊一 氏はその取り組みについて、次のように説明します。
「2012 年に課の前身となる " 情報システム推進チーム " を立ちあげ、約 1 年かけて連合会内の
ICT 資産最適化に向けた調査・検討を重ねました。株式会社 ISID アドバンストアウトソーシン
グ ( 以下、ISID-AO) のコンサルティング支援の下、委員会ごとに最適化してきたシステム環境
を連合会全体でとらえ直した時に、改善すべき事項が数多く見つかりました。内部の運用ルー
ル整備を含め、課題は想像以上に多く、一気にすべてを解決することはできません。そこで、優
先順位を決めながら、段階的な改善に取り組んでいます」。
そして「可及的速やかに対策を講じる必要がある」と同課が判断し、実行に移したのが、連合会
の主業務を支えるシステムの BCP (Business Continuity Plan : 事業継続計画 ) でした。
対象となっているのは、下記の 3 システムです。
1. 職員約 30 名の業務書類すべてが格納されているファイル サーバー
2. 会計サーバー
3. 不動産鑑定士の入退会および研修受講などの情報が詰まったデータベースと連携アプリケー
ション
これらのシステムへの、BCP 適用は、連合会全体のシステム最適化の第一歩になります。当然、
今後の施策まで考慮した汎用性と拡張性、そして適切なコストでの運用が求められます。
すべてを満たすソリューションとして、既存クラウド サービスの中から同連合会が選択したのが、
ISID-AO の提案による、マイクロソフトの Microsoft Azure を活用するプランでした。
岡田 氏は言います。
「クラウド サービス上に重要なデータを置くことについては、さまざまな考え方があると思います。
しかし、クラウドは、すでに市場の評価を得ているサービスです。さらに、東日本大震災の経験
から考えても、物理的なサーバーから解放されるメリットは非常に大きなものがあります」。
公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会
ポンスがより早い東日本リージョンを活用。ファイル サーバー内のあら
ゆるデータは、Azure Blob Storage に 3 つの複製が作成された上で、西日
本リージョンのデータセンターの Azure Blob Storage にも拠点間複製が
行われ、合計で 6 重にデータが保存されるため、BCP 対策も問題ありません。
さらに、会計サーバーのデータ バックアップには、サード パーティー
が提供する Arcserve Backup を利用。まったく問題なく、稼働しています。
株式会社 ISID アドバンスト
株式会社 ISID アドバンスト
アウトソーシング
アウトソーシング
エンタープライズ IT サービス事業部 テクノロジーサービス本部
エンタープライズ IT 営業部 課長 クラウド基盤技術 2 部
戸村 互 氏
開 友弘 氏
公益社団法人
日本不動産鑑定士協会連合会
情報システム課 課長
岡田 俊一 氏
システム概要と活用のメリット
わずか 2 週間で、クラウド上にシステム環境を構築。
拠点間複製を含む、6 重のデータ保存で万全の体制を
クラウドに関する、あらゆる相談に応える充実のサポー
トで Azure 導入後の運用および拡張に、安心感を付与
そしてもう 1 つ、会員情報を格納したデータベースとアプリケーショ
ンは、ほかのパートナーによって開発・運用されているソリューショ
ンですが、ISID-AO が用意した環境への移行が完了しています。
ISID-AO エンタープライズ IT サービス事業部 エンタープライズ IT 営
業部 課長 戸村 互 氏は、
「複数のパートナーとの協業をスムーズに進
められることも、クラウド活用のメリット」だと話します。
現在、連合会が実施している BCP 対策は、下記の通りです。
1. ファイル サーバーを Azure 上に移行。ドキュメントは一切ローカ
ルに保存せず、直接クラウド上のデータを編集・参照
2. オンプレミスの会計サーバーにあるデータを、日次で Azure 上にバッ
クアップ
「会員情報のデータベースには Oracle が利用されています。今回、仮想
化して、Azure Virtual Machines 上に移行していますが、私たちは遠隔
地にいながら必要な情報を連絡しあっただけで、円滑に分業できました。
オンプレミスのシステムのように、サーバーラックの前で管理コンソー
ルを奪い合う必要もありません。これは、大きなメリットです。しかも、
3. 会員情報の詰まったデータベースと各課で利用するアプリケーショ
ンを、Azure 上の仮想環境で稼働
今では Red Hat を始めとする複数の Linux まで公式に Azure 上での動
作がサポートされています。複数環境が混在するシステム資産を仮想化し、
上記はすべてインフラ ベンダーの選定・発注が完了し、計画が立てられ
移行させるプラットフォームとして、とても有効な選択肢だと思います」。
た 7 月 21 日から、
わずか 2 週間強で Azure 基盤を構築しシステムを移行。
さらに ISID-AO では、Azure に関して、あらゆる相談に応える用意があ
回線速度の制限から、ビル内に置かれていた旧ファイル サーバー内のデー
ると戸村 氏は続けます。
タ 約 1.3 TB の転送に 7 日近く要したものの、差分転送を活用することで、 「当社では、クラウド コンシェルジュというサポート サービスも用意して
現行ファイル サーバーへの書き込み制限をかけることもなく、スムーズ
います。このサービスは、クラウドへのシステム移行支援や Azure 導入後
な切り替えを実現。職員に負担を感じさせることなく完了しています。
の運用監視保守サービスなどで培ってきた実績を背景に、Azure の活用方
また、2 週間の構築期間中に、ISID-AO がファイルのアップロード / ダ
法に精通した技術チームが、お客様の相談にお応えするサービスです。必
ウンロード検証を行い、レスポンスに問題のないことを実際に確認。岡
要な時間分だけバウチャーを購入していただく形式となりますので、月々
田 氏も「サーバーが同じビル内にあった従前環境と比べても、約 30 名
の費用も抑えられます。ぜひ、お気軽にご相談いただきたいと思います」
。
の職員全員が特に違和感を覚えることなく、良いレスポンスで作業でき
岡田 氏も、今回のクラウド活用は、
「今後に向けた確かな一歩」になった
ている」と言います。
と締めくくります。
ISID-AO テクノロジーサービス本部 クラウド基盤技術2部 開 友弘 氏は、 「連合会のシステム全体を最適化するためには、運用のルール整備も
このスピード開発は、
「ファイル サーバーの差分転送での移行やその他
含め、今後 5 年スパンで計画を立てて一歩ずつ、着実に進めていきた
部門担当者ごとのアクセス権限移行などに多数の実績を持つ技術チー
いと思います。数年前には、クラウド サービスを活用するという発想
ムと、Azure の導入実績を持つ技術チームの円滑な社内連携によって実
もありませんでしたが、今は違います。私たち情報システム課が今後
現した」と言います。
行う運用保守の手間を最小限に抑えていくことも含め、システムの全
東西 2 か所ある Azure のリージョンについては ISID-AO の提案で、レス
体最適化に向けた、非常に大きな可能性が見えてきたと感じています」。
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本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/
本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2016 年 2 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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