山辺高等学校 進路課 進 路 T I M E S 2015 2016 年2月 23 日(火)Vol.18 「♪どんな昨日さえも敵わない、新しい『今』があるから♩(髙橋優:「卒業」より)」号 ☆ハローワークによる社会人講座☆ 講師:田中宣行氏 2 月 12日(金)、山形国際ホテルにおいて、 間もなく卒業を迎える 3 年生を対象に「社会人講 座」を実施しました。当日は学年離散会を控えた 祝賀ムードのなかでしたが、「早期離職しないた めには」という超現実的なテーマのもと、やまが た新卒応援ハローワーク(山形テルサにありま す!)の学卒ジョブサポーター、田中宣行さんを 講師にお招きしお話しいただきました。進学者も いずれはみな就職するとあって、全員が真剣に耳 を傾けていました。 企業からの求人と学生・生徒の求職を結びつけるのが新卒応援ハローワークの仕事ですが、特 にジョブサポーターは就職に悩む若者の支援を積極的に行っています。その経験から生々しい早 期離職の実際やそうならないために何をすべきかをお聞きすることができました。3 日や一週間 で仕事を簡単に辞めてしまう人もいるが、「すぐ辞 める人」と評価され正社員で採用されなくなるケー スも多いとか。一番印象に残ったお話は、「仕事に 就いてしばらくの間は誰でも、仕事を『やらされて いる』状態になっている。その間は苦しいし正直辞 めたいと思う。だがその期間を乗り越えると『自ら 仕事がやれる(できる)』ようになり、仕事が楽し くなってくる。」というものです。そうなるまでに は、自分の小さな目標をたてたり、相談できる人を 見つけたり、自分なりのリフレッシュ方法を見つけるなどして頑張ろう、という具体的なアドバ イスもありました。 田中さん自身、本校とご縁が深く、本校および本 校生についてよくご存じの方です。学校説明会での 本校生の接遇力を例に挙げ、他のどの高校にもない 山辺高校の素晴らしさを熱く語ってくださいました。 卒業する 3 年生には心強いエールと なりました。みなさんのこの 3 年間の 学びは間違いなくみなさんの血とな り肉となっています。全国に一つ、世 界に一つしかないこの山辺高等学校で学んだ誇りを胸に抱き、力強く社会に羽ば たいてほしい、と切に願うのでした。 ☆『その幸運は偶然ではないんです!』☆J.D.クランボルツ、A.S.レヴィン著 最近読んだ本です。以前にも紹介した東北公益文科大学の国眼眞理子先生の講演でも紹介され ていた J.D.クランボルツの書いた本でもあり、興味深く読みました。みなさんは読んでどう思 いますか。一部を引用します。 職業目標と「結婚」はするな 就きたい仕事を決め、明確な目標に向かって努力するべき、と一般的にはいわれます。そ れがうまくいくこともありますが、ひとつの職業目標を追い続けることで、視野が狭くなら ないように気をつけなくてはいけません。他のチャンスが降ってわくこともあるからです。 あらかじめ決めた目標に合わないからといって、チャンスを拒んではいけません。もしか したら、それはあなたがあらかじめ選んだものよりも、さらに楽しいことかもしれないので す。あるいは、あなたが目指している目標のために必要な経験かもしれません。エリカのケ ースは視野が狭くなってしまうことの危険性を表しています。 (…この続きには、広告代理店のアートディレクターという仕事にこだわり続けたエリカのケースが紹介さ れています。彼女は偶然から靴底をデザインするプロジェクトに参加し、その会社から正社員の誘いがあっ たのに断ってしまいました。現在でもこだわりすぎて定職につけていない例です。 ) 人生の他の選択肢にもオープンになる …キャリアは前もって計画できる、あるいは計画すべきだという考え方は非現実的な話で す。キャリアは予測できるものだという迷信に苦しむ人は少なくありません。 「唯一無二の正 しい仕事」を見つけなくてはならないと考え、それをあらかじめ知る術があるはずだと考え るから、先が見えないことへの不安に打ちのめされてしまうのです。キャリアに確実性を求 めたい気持ちはよくわかりますが、それは不可能なことです。そうしてもがく前に、自分自 身を不幸にしてしまうのです。… 計画を変更することは失敗ではありません。計画が変化することは、まったく自然なこと なのです。学習を重ねるにしたがって、もともとの夢がもはや自分に合わないものになって いることもあるでしょう。次に挑戦すべきチャンスは必ずあります。…人生そのものが大き な実験だという人もいます。 このほかにも、予測できない出来事を自分の人生に活かすためのヒントにあふれた本です。 少々「自己啓発本」的な匂いもするかもしれませんが、今の私の悩みにある部分答えてくれる本 でもあり興味深く読みました。立場上、キャリア教育とは何かと考える機会が増えました。早め にそして綿密なキャリアをデザインすることも大切だと思う反面、そのデザインや計画からそれ ると心がポキッと折れてしまう生徒が増えている現実に直面しています。本当に大切なキャリア 教育とは、自分のデザインや計画通りにいかなかったときにも、ポジティブに前向きに生きてい ける生徒を育てることなのではないかと思い始めています…。興味ある生徒・先生方は、進路相 談室の本棚にありますので、ご一読ください。
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