慶應義塾大学(経済学部B) 【日本史】解答例 Ⅰ 問1-6 問2(1) 1792 年に根室に来航したラクスマンは,漂流民の大黒屋光太夫を送還しつつ,通商 開設を要求し, 松平定信を首班とする幕府から長崎入港を許可する信牌を受け取って退 去した。レザノフは 1804 年に長崎に来航したが,定信が失脚した後の幕府に交渉を拒 絶されたために蝦夷地沿岸の襲撃を命じ,日露関係を悪化させた。 (2) a-6 b-1 問3(1) 水野は,江戸における物価高の原因が株仲間の流通独占にあると考えて,物価引き下 げのために 1841 年に株仲間解散を命じた。 (2) a-2 b-5 問4 開港直後,金銀比価の違いで銀高であった日本から金貨が欧米に流出したため,金貨を 小型の万延小判に改鋳して対処した。 問5(1)-3 (2)-3,5 (3) キリスト教に対しては,1868 年の五榜の掲示で信仰を禁じ,浦上信徒を弾圧する厳 しい姿勢を示した。神道と仏教は,神仏分離令と神祇官の設置で皇祖神を中心とした神 道重視の方針を打ち出し,大教宣布の詔で神道国教化の方針を示したが,1871 年には 神祇官は太政官の下の神祇省に格下げされた。 問6(1) a-地租 問7 a-4 b-地価 b-2 c-地券 (2)-6 c-8 Ⅱ 問8-1 問9(1) b-3 c-5 d-2 (2) 手紡ぎだった紡績業では, 臥雲辰致が発明した簡便なガラ紡から欧米の紡績機に移行 し,手挽きであった製糸業でも,富岡製糸場を先鞭として器械製糸が導入された。蒸気 機関を動力とした輸入機械の導入は日本の産業革命を牽引したが, 綿織物業はむしろ豊 田佐吉が開発した国産の力織機によって発展した。 問 10-4 問 11(1) a-平塚らいてう (2)-2 問 12 a-5 b-太陽 (3) ア-3 b-3 イ-6 c-2 c-与謝野晶子 e-治安警察法 ウ-4 問 13-3 問 14-1 Ⅲ 問 15-4 問 16 a-2 b-3 c-1 d-1 問 17(1)-国交正常化 (2) 1972 年の日中共同声明を契機に,中華人民共和国を唯一の合法政府と認めて国交を 正常化し,台湾を中国の領土とするという主張に配慮して,中華民国との国交を断絶 して民間交流に限定した。 問 18-2 問 19 GATTの 11 条国に移行したことで貿易の自由化が進み,IMFの8条国に移行した ことで為替の自由化が進むなど,国際収支を理由とした輸出入制限や為替売買の制限が禁 止された。OECDに新規加盟したことは,資本の自由化で企業の海外進出を促進した。 経済の自由化は,保護貿易に制約を加え,国際競争への参加を義務づけた。 問 20(1)-4 (2) ア-2 イ-3 ウ-2 エ-0 (3) GATTのウルグアイラウンドを舞台として, 市場開放によるアメリカの農産物輸入 を迫られた日本は,オレンジや牛肉は低関税の輸入自由化を認めたが,米に関しては 1993 年に規定量の輸入を約束する部分開放を行うにとどめ,高関税を維持することに なった。
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