アクティブラーニングとICEモデル

Active learning と ICE model
学修フェーズのモデル
フェーズ[1]
フェーズ[2]
get
(テオリア)
分節
(プラクシス)
連接
道具を習得する学び
習熟し,深化させるための試行活動
知識・理解・技能そのものが対象
書く
技能の習得
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
produce
(ポイエーシス)
統合
道具を適用する学び
習得のための作業
読む
フェーズ[3]
apply
道具を活用して作りだす,高める学び
目的達成への意図的活動(外界への働きかけ)
⇒
⇒
⇒
課 題 解 決 が対 象
●分かる(理解)
●習熟する
●展開する・計画する
●身に付ける(習得)
●適用する
●応用する・創造する
●確かにする
●つながりを見出す
●他者に貢献する
認知構造に位置付ける
認知構造を変化させる
認知構造を洗練する
【beginner】
【expert】
⇒
ICE
問いのねらい
問いの種類
正解が求められる
Ideas
知識※・理解等の定着
狭義(目的準拠)・モデル化された課題
例)資格・検定試験を目指した学習
漢字・数学・英語検定,情報処理,簿記検定等
量 と 速さ と 正確さ を重視する
← ← ←
Active Learning(問の生成,自己内対話・協働,省察・価値づけ)
Connections
Extensions
知識・理解等の深化
知識・理解等の統合的な活用
広義(脱文脈)・真正な課題
狭義(文脈に依存)・学校化された課題
正解や道筋解が求められる 例)学びを目的とした授業
最善解が求められる 例)学び方を重視した学習
学校の定期試験,入学試験等
総合的な学習の時間,PBL 等
→ → →
質 と 方法 と 創造性 を重視する
※情報と言う意味での「知識」はより進んだ探究,つまり,より多くの事物を発見したり,学習するための,営業資金,不可欠の資力を意味する。(ジョン・デューイ)
1
主体的・自律的な学びと ICE モデルに関する整理
フェーズ
内
容
Ideas(考え)
Connections(つながり)
Extensions(応用)
自 立
半自律
自 律
基礎・基本の習得/概念形成
関係・意味づくり/知識の機能化
探求と創造(価値づくり)/再構成と統合
GET
APPLY
事物・事象の輪郭を明確にする
輪郭と輪郭とを結び,新たな輪郭を作る
作った輪郭を新たな次元に描く
自分のために,自己完結的な活動をする
他者とのかかわりにより,自己を成長させる
自分だけでなく,他者のために活動する
モノローグ(独白)
教師の作用
有効な活動
思 考 様 式
PRODUCE
ディスカッション(討議)
INTEGRATE
ダイアローグ(対話)
レクチャラー
ファシリテーター・コーディネーター
スーパーバイザー
解説と伝達
接続と促し
励ましとアセスメント
何を意味しているか,必要性は何か
どういう視点からものごとを見るか
どういう価値や資産を創り出すか
反復,精緻化
自己内対話,他者との経験共有・協働
創作・革新,実践的提案,貢献
演 繹
帰 納
帰 納※ 演 繹
批判的思考
背 理 ダブルループ 弁証 ケア的思考
正確・確実
流暢(習熟)・深化
超越(autonomy/negotiation)※※
再生が正確で確実に行われる
技能※※※の習熟が図られ,深みが増している
活動が技能にとどまるのではなく,
統合化され,自尊感情の高まりにまで至る
評 価 規 準
確実性と形式,INPUT 系
分かることを楽しむ
不確実性と無形,OUTPUT 系
分からないことを楽しむ
※帰納法では,論拠と結論の間の因果関係が相対的に弱かったり,間接的になりやすいので留意する。背理法では思考の主体性を重んじるため,即時性よりも思考の展開に重点を置く。
※※autonomy は技能と意識の一体化したはたらきを,negotiation は社会や自然現象などに対する知的交渉をそれぞれ意味する。
※※※技能には知的技能も含まれる。
2
ICE モデル における各レベルと活用動詞の分類
パラダイムの転換
創出,包括,洗練,未来志向性,自律
○記述・観察
を発展させ
たもの
○枠を付与,
分節化する
○関係性の発見と形成
○意味を付与し,
カテゴリー化,グルーピング
○比較には共通点を見出すこと
も含まれ,アナロジーも該当
○統合的活用,産出
固有世界を創生
○外挿,実践,熟練
・Ideas,Connections
と認知の働き異なる
創造の前駆段階
固定的
関係性の発見
関連付けのため
の処理
関係の可視化
関係性の強化
関連性の強調
作用的
創 造
自 律
加工性
戦略的関連付け
3
ICE モデルと問いとの関係
閉じた質問
問いは,学びを促し,深めるためのトリガーとして作用する
学びを促す = 自己内対話の契機を与える
Ideas 過去・現在
例)享保の改革は何年のことですか?
What は分節志向
結果を評価
学びを深める = ディープ・ラーニングに発展
させる
教師が主役の問い
How は活用志向
Why は関連付け志向
プロセスを評価
Extensions
未来志向
Connections
過去・現在
例)江戸幕府が260年も続いた
のは何故だと思いますか?
例)幕府の財政危機です。あなた
が老中だったらどうしますか?
教師が主役の問い
【知識の統合化】
教師は「良問」を発するファシリテーター
生徒が主役になる問い
※「あなたはどう考えるか?」を問うことは,問題解決の形をとりながら成長を促している。
■Pre-Question
■In-Question
→ Questioning 参照
■Post-Question
①課題のイメージ化,課題の再定義
①気づきの促し
①理解度のチェック(適正な評価)
②モチベーションのデザイン
②考えの掘り下げ
②学習方略の考察,学びの価値づけ
③要点フレームの形成(Extension Header)
③自己内対話と協働の支援
4
Deep learning を促すための ICE を主軸とする Active learning 展開図
①
活用志向
つながりの発見・意味の生成
Ideas
発展志向
Extensions
Connections
②
A 関係・関連性を深める
B 新しいつながりと意味を創り出す
C 再構成する
A 関係・関連性を見出す
B 無関係な要素を結びつける
③
経験段階でのダブルループ学習
E-CIE style
相互作用による視点の転換・獲得
積算的な思考
省 察
階層性のある質問
批判的な省察
④
階層性のある質問
⑥
⑤
Involve・協働
自分にとっての意義の生成
関与・対話
階層性のある質問
自己内対話
知識の増加
解決策の吟味
前提を客観視,言語化
(暗黙知の形式知化)
レクチャラー
⑦
知識の活性化
別の解決策の提案
方法知・実践知,洗練
⇒
シリテーター,コーディネーター
⇒
スーパーバイザー
5
アクティブ・ラーニングを加速する指導に関するまとめ
第一領域(学校文脈)
第二領域(社会文脈)
Ideas
Connections
Extensions
Extensions
パラフレーズ
-
-
●
◎
シ ン パ シ ー
●
●
-
-
エ ン パ シ ー
-
-
●
◎
演
繹
法
●
●
●
●
帰
納
法
-
●
●
●
-
-
●
◎
レゾナンス思考(仮説・論理思考)
弁
証
法
-
-
●
◎
背
理
法
-
-
●
◎
ダブルループ
-
-
-
◎
ICE level sheet
Extensions-Header・Footer
Reality Design
Question -
One paper portfolio
Restructuring portfolio
structuring
Products
Proposal writing
Struct
○
○
( under study )
Instructional method
ICE Rubric
Certification test
License exam
○
◎:高校教育で焦点は当てられないが,社会生活において積極的に活用すべき思考技能
6