(素案)パブリックコメントの結果(PDF文書)

岩国市過疎地域自立促進計画(素案)に対するパブリックコメントについて
ご意見の内容
市の考え方
1.当該計画の策定のための基礎的調査について
この過疎地域自立促進計画は、事前にどのような基礎的な調査を実施して策定されているのでしょう
策定に際しては特別な調査は実施しておりませんが、各総合支所等や関係各課においては、常日頃か
か。これらの地域の住民の意見を聞いているのでしょうか。また、計画の中で提供されている統計も、
ら各種会議や自治会等の会合等において、市民の皆様や各種団体と意見交換を行う中で地域のご意見や
過疎地域を一括りにしていては個別の旧町村の現状が見えません。
ご要望を承っております。
パブリックコメントを求めるのであれば、行政側と住民等側に情報の非対称性があることは望ましく
ありません。是非この点を解消していただきたいと考えます。各種の計画策定に係る統計データや関連
本計画の策定に当たって、統計は過疎地域全体で示しておりますが、そうした過疎地域の皆様からの
ご意見やご要望に基づいて、それぞれの地域の実情を反映させております。
資料は、全て明らかにすべきです。
2.地域の産業構造について
4頁の「イ 産業構造、各産業別の現況と今後の動向」については「表1-1 (3)産業別人口の動
国勢調査をはじめとする各種統計調査により地域の産業構造を分析することは大変重要であると認識
向(国勢調査)」のデータが掲載されていますが、この統計では岩国市全体や過疎地域の産業構造は分
しております。今後の事業の採択や実施の際には、統計調査結果を適切に分析し、有効活用してまいり
析できません。この統計は、地域の住民がどの産業に従事しているかを示す統計であり、市域内、ある
たいと考えております。
いは過疎地域内で就業する者の産業別人口を示すものではないからです。
岩国市としては、国勢調査の従業地ベースのデータを分析するとともに、また事業所・企業統計調査
や経済センサス調査の原データを取得して地域の産業構造を確りと把握していただきたいと考えます。
3.当該計画に対する基本的姿勢について
岩国市は、今月の中国新聞の報道にもありましたように、多数の過疎地域、限界集落を抱えています。
本市の大部分を占める中山間地域は、自然環境の保全、水源のかん養、ふれあいの場の提供など、多
これらの過疎地域や限界集落に住む人々を含め、これからの市の発展に向けて、子どもを生みやすく育
面的で公益的な機能を有するだけでなく、美しい景観や伝統的な文化など、大切な資源が受け継がれて
てやすい環境や高齢者が健康で生き生きとした生活を送れる環境を創造することが必要です。そのため、
きたかけがえのない地域です。
厳しい財政状況の中で、適切に資金を配分することに真剣に取り組む時期に来ています。
現在の過疎地域、限界集落を維持しようとする、このような計画では、それらの消滅は時間の問題で
あり、これから注ぐ資金も無駄遣いになりかねません。
したがって、全ての過疎地域や限界集落を維持しようとするのではなく、旧町村ごとに幾つかの中心
地域を選択し集積を創ること、そしてそこに資金を集中投下することが望まれます。また、中心地域か
ら離れている住民の中心地域への移住を支援することも望まれます。
過疎地域等を含む中山間地域で生活する人々が、地域で誇りを持って生活を続けていくことができる
よう、持続可能な地域社会を形成していくためにも、集落機能を維持するための支えあいの仕組みづく
りや、地域を支える新たな担い手の確保・育成に努めてまいります。
また、ご提案の小さな拠点などの考え方につきましては、今後の本市のまちづくりを考える上で貴重
なご意見でございますので、検討すべき課題とさせていただきます。
ご意見の内容
市の考え方
4.当該計画の策定のあり方について
19頁にありますように、この計画が「行政と住民が参加と協働のパートナーシップを形成して、地域
本市の最上位計画となります岩国市総合計画の基本目標の「支えあいと協働でつくる絆のあるまち(市
の特性を大切にした個性あるまちづくりにより自立促進を進めることを基本方針」とするとしているな
民協働)」において、「市民が市の政策決定過程に積極的に参画できるシステムづくりを進める」ことと
ら、各総合支所と地域住民の参加と協働により具体的な計画を策定するようにすべきです。
しております。
本計画は、過疎地域とみなされる区域の各総合支所・支所(本郷・錦・美川・美和)及び本庁所管課
において、それぞれの地域の要望を踏まえ、また、それぞれの地域の実情に応じ、総合的かつ計画的な
自立促進のために実施していきたい事業を調整し、とりまとめたものです。
本計画の事業や施策の選択につきましては、関係各課や各総合支所等が常日頃から各種会議や自治会
等の会合等において、市民の皆様や各種団体と意見交換を行う中で把握している地域の要望を踏まえ、
事業や施策の必要性・重要性・緊急性・事業効果等について十分に検討を行ったものとなっております。
5.産業の振興施策について
この計画の施策内容には、市の本気度がまったく見えません。例えば、林業の振興については、農林
林業の振興に関しましては、岩国市農林業振興基本計画において示した、地域木材の生産振興や林業
業振興基本計画に記述されている施策からみれば何一つ具体的な施策が提示されていません。また、商
生産基盤の整備などの観点から、本計画では、コスト低減による効率的な経営、機械化による従事者の
工業の振興では、企業誘致については農林水産業の振興に結び付く産業や地域資源を活用した産業など
省力化を図るため、林道の整備を推進することとしており、林道 18 路線の整備を掲載しています。
の誘致に取り組むとありますが、事業計画には工場適地の整備とか企業誘致優遇制度などには一切触れ
商工業の振興の企業誘致に関しましては、本計画には企業誘致優遇制度等については記述しておりま
ていません。観光振興では、民泊が取り上げられていますが、その支援策についても全く触れられてい
せんが、過疎地域に限らず、全市域を対象に取組を進めております。また、今後、空き校舎などの遊休
ません。
施設等を有効に活用する取組についても検討を進めていきたいと考えております。
観光振興の民泊の支援に関しましては、総合支所及び本庁に担当部署を設置し、民泊の推進に向けた
組織の育成や民泊家庭に対して民泊の普及啓発などの活動を行っているところであり、本計画におきま
しては、地域住民の生きがいづくりの一貫として取り組む農山漁村体験交流事業に掲載しております。
また、本市の最上位計画となります岩国市総合計画や岩国市中山間地域振興基本計画などの関連計画
においても、それぞれの地域の実情に応じた産業振興施策を推進していくこととしております。