UAE降水強化科学研究プログラム

UAE降水強化科学研究プログラム
連邦気象・地震局
アラブ首長国連邦
アブダビ
Abu Dhabi, United Arab
Emirates
電話番号:
2 222 7777
Tel: +971 2+971
222 7777
携帯番号:
2 666 1575
Fax: +9712+971
6661575
email: [email protected]
Eメール:
[email protected]
www.uaerep.ae
シャイフ
マンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン殿下
アラブ首長国連邦 副首相・大統領府大臣
UAE降水強化科学研究プログラム:
アラブ首長国連邦降水強化科学研究プログラムは、UAE大統領府(MOPA)の構想から始ま
り、連邦気象・地震局(NCMS)によって運営管理されています。本プログラムは、連邦
イノベーション戦略に沿って進められており、研究開発を通じた降水強化科学の発展に対
するUAEの意気込みをあらためて示すものです。
このプログラムは、降水強化研究の科学的ベストプラクティスと共同研究の推進を通じ、
世界の「水の安全保障」の拡充を目指しています。これにより、UAEのみならず、他の乾
燥・準乾燥地域にも降水強化による増雨をもたらす、科学的に検証可能かつ持続的に実施
可能な方法を特定します。この目標に向け、国内・海外、官民、営利・非営利、団体・個
人を問わず、革新的な研究・技術提案を公募します。
この総額500万ドルのプログラムでは、応募提案の中から毎年5件までを助成先として選
び、3年間に分割して助成金を交付します。2段階の審査を通じてすべての助成先を決定
し、2017年1月に発表します。
プログラム、助成金、応募要項、応募締切などについて詳しくは
www.uaerep.ae をご覧ください。
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Timeline for the 2nd cycle competition (2016) :
第2期募集日程(2017年)
2nd Cycle Announced
Letter of Intent Due (Non binding/not required, but highly
encouraged)
第2期公募発表
2016年1月19日
Pre-proposals Due (Required)
Invited Full Proposals Announced
応募表明書締切(必須ではありませんが、
できるだけ提出するようお願いしています)
2016年2月16日
Invited Full Proposals
Due
Announcement of Awards/Grantees
予備提案(pre-proposal) 応募締切
(必須)
予備提案通過発表
16 February 2016
17 April 2016
17 May 2016
17 August 2016
January 2017
2016年4月17日
2016年5月17日
本提案 (full-proposal)応募締切
受賞者/助成先発表
19 January 2016
2016年8月17日
2017年1月
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このプログラムがUAEにとり重要な理由?
乾燥気候帯に位置するUAEでは、年間雨量が100ミリ未満であり、地表水の蒸発率が高
く、地下水として蓄えられる量は全国の年間総使用水量をはるかに下回ります。
さらに、今後の人口増加と経済の拡大が、食糧と水の確保という観点から、既存の給水
量と雨量に与える負荷がさらに高まります。このプログラムは、その懸念と取り組み、
世界の乾燥・準乾燥地域に水を供給するための持続可能な手法の開発を進めるために発
足しました。
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UAEにおける降水強化との取り組みの成果 ?
UAEのクラウドシーディング(人工降雨)計画は1990年に始まりました。2001年初めま
でに、米コロラド州のアメリカ大気研究センター(NCAR)、南アフリカのウィットウォ
ーターズランド大学、NASA(米航空宇宙局)などの主要機関との協力により科学研究基
盤を拡大しました。
この協力はその後も続き、UAEの大気の物理的・化学的特徴に関する共同研究では、雲の
集積に対して大きな影響を与えるエアロゾルと汚染物質の特性に重点を置いています。
これらの研究の目的は、雲が確実に発達し、増大する方法として、氷晶核形成を促進す
る適切な物質を突き止め、最終的に降水強化を達成することです。
このプログラムを確実に成功に導くために、NCMSはクラウドシーディングのインフラス
トラクチャに対して多大な投資を行ってきました。これにはUAE全国に戦略的に配置した
60カ所以上の自動測候所をつなぐネットワーク、高性能気象レーダー網、クラウドシー
ディング作業用の最先端の航空機6機が含まれます。
現在、NCMSの気象学部門にクラウドシーディング降水強化を扱う常設課を設け、UAE国
内で技術の応用に適した雲が存在する場所(主に東部山地に沿った地域)で作業を実施
しています。
重要な点として、これらの作業では有害な化学物質を一切使用せず、塩化カリウムや塩
化ナトリウムなどの天然塩類のみを使用しています。
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UAE降水強化科学研究プログラムの目標 :
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降水強化の科学、技術、および実践を前進させること、また研究資金と共同研究
への追加投資を世界的に奨励すること.
•
•
UAEおよび他の乾燥・準乾燥地域の降雨量を増加させること.
目標に向けた行程 :
この分野における研究とイノベーションの水準の向上
世界規模で研究活動と研究助成のレベルを引き上げること。例えば、参加機関から本プ
ログラムへの資金提供を強化しつつ、新しい研究者、技術者、起業家など、多様な人材
をこの分野に集めることなどが含まれます。
降水強化への科学的理解の促進
雲の物理学と力学、雲の間の相互作用、雲系、降水生成、その他の関連する物理学的プ
ロセスに関する科学的理解を深めること。加えて、実験データの共有、シンポジウムの
主催等々を通じ、最新の知識と理解をまとめること。
降水強化の実務と遂行における最先端技術の進歩
研究者が現在と過去の良質な実験データを入手できるようにし、複数の最先端技術によ
るデータの分析を促進すること。さらに、材料と送達方法の試験により、クラウドシー
ディングの技術基盤を充実させ、改善されたクラウドモデリング能力を実証すること。
本分野における国内外の人材能力開発とその強化
気象学、水、環境に関する国内・地域内の研究開発能力を発展させ、科学技術全般に関
する労働力を拡大すること。地域内での国際共同研究および気象学、水、環境に関する
研究開発のインフラ整備を促進すること。
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研究による影響 :
このプログラムで取り組もうとする研究分野の一部を以下に挙げます。
降水強化の根本的な理解
• 雲のミクロ物理学(氷晶核形成プロセス、水と氷に関するプロセス、降水プロセス)
• 雲の力学と熱力学-ミクロ物理学と力学の関連づけを通じ、物理学的事象の連鎖の特徴
を決定する研究を含みます(単一セルと多重セルの雲、大きなメソスケール対流系、雲
と地表の相互作用
• エアロゾル/雲の相互作用、関係する環境中でバックグラウンドとして存在するエアロ
ゾルの特徴決定(粒子サイズ、化学組成、日周変動、生成機序)
• 降水粒子形成と降雨機序
• 化学、物理学、力学、熱力学の観点から見たクラウドシーディングの働きを根本的に理
解するためのクラウドシーディングの材料と実施方法の特徴決定
• 雲系の化学、物理学、力学に対するクラウドシーディング法の影響
• クラウドシーディングの作業と測定活動を適切なタイミングで行うことを目的とする現
在の天候の観測と天気予報
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データのモデリング、分析、評価
• データと分析(包括的なデータベース、過去と最新のデータ、以前の実験の分析と再分
析)
• モデリング(ミクロ物理学、雲の力学、メソスケール気象学、クラウドシーディングの
影響、データセットを用いた検証)
• 評価/統計学-特に、クラウドシーディングの影響を自然な変動と区別すること(共変
量予測、最先端統計技術、検証と実験・作業方法の統合)
実験のデザイン、技術、計装
• 従来とは異なる/新規のクラウドシーディングの材料と手法の開発と特徴決定
• クラウドシーディングの方法の評価(地上と上空で実施)
• 降水強化に応用できるリモートセンシングと現場観測のテクニックと技術
• 現地実験のデザイン、小規模で集中的なものと大規模なもの
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提案の提出 :
国内・海外、官民、営利・非営利の組織、または場合によっては個人の方も、この助成
金に応募できます。
2段階の選考過程により、提案プロジェクトの科学的側面と、地域の降水強化、有効性、
効率の進歩に寄与しうる潜在的な可能性を評価します。
プログラム募集後、厳しい審査過程に基づいて以下の要素を、5件までの助成先を選抜
し、3年の研究期間に対する150万ドルの交付を決定します。
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科学技術全般にもたらす功績、重要性、イノベーション
研究へのアプローチ
研究チームの資質
必要とされるリソースと予算
この分野での人材能力開発に対する貢献
プログラムの詳細と提案書提出に関する正式な応募要項は、プログラムのウェブサイト
www.uaerep.ae でご覧いただけます。
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NCMSについて :
UAEの連邦気象・地震局(NCMS)は、数理解析から現場実験にいたるさまざまな方法を
用い、大気中の幅広い現象とプロセスの研究を実施しています。
研究プロジェクトの規模は、個々の科学者による基礎的研究から、科学者チームが関与す
る全国的・国際的なプログラムまで多種多様です。 当局では以下の分野と取り組んでいま
す。
総観気象学: サイクロンやその関連前線、ジェット気流などの気象系の分析と予測
メソスケール気象学: 人間の活動に直接影響を与える気象現象の多くを説明する学問。メ
ソスケール現象の例としては、雷雨、地峡風、おろし風、海陸風、スコールラインなど
大気力学: 雷雨や熱帯性低気圧、ジェット気流、地球規模の大気循環などの多様な現象を
含め、気象学的意義をもつあらゆる大気の力学的動きの観測結果分析と理論的分析
大気化学: 自然事象や生物活動、人間活動によって引き起こされる大気の複雑性と進化に
関する研究
境界層研究:
する研究
気象と気候を理解するためにきわめて重要な大気の最下層の構造と力学に関
雲力学、降雨過程、嵐:
成の研究
山脈上空の対流など、全タイプの雲中の空気運動と降雨過程の構
雲とエアロゾルの研究:
気に与える影響の研究
大気中のさまざまな粒子と気体の発生源およびそれらが局地の大
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UAE降水強化科学研究プログラム
連邦気象・地震局