製造管理基準書

製造管理基準書
(CPC-B1)
目
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
次
目的 ·································································································· 2
適用範囲 ···························································································· 2
責任体制 ···························································································· 2
作業室、設備及び器具等の製造管理に関する事項
4-1 製造及び保管エリア並びに必要な機械器具の指定 ···························· 2
4-2 試薬・消耗品等の入荷(検収)、入庫、出庫時の注意事項(先入先だし)
······························································································ 3
4-3 製造依頼の受付に関する事項 ······················································· 4
4-4 製品搬出時の注意事項 ································································ 4
4-5 作業区域内への立ち入り制限に関する注意事項 ······························· 4
4-6 作業員の作業管理に関する事項 ···················································· 4
4-7 秤量、工程内管理、工程内検査、汚染管理に関する事項···················· 4
4-8 製造番号に関する事項 ································································ 4
4-9 製造状態の表示に関する事項 ······················································· 4
4-10 包装に関する事項 ······································································ 4
4-11 通知書及び受領書に関する事項 ···················································· 5
4-12 製造設備及び器具の点検事項(校正含む) ····································· 5
製造に従事する要員に関する事項 ···························································· 6
記録に関する事項 ················································································· 6
作業区域への入室に関する事項 ······························································· 6
1.
目 的
この製造管理基準書(以下本基準書とする)は産業技術総合研究所
部門
健康工学研究
組織・再生工学研究グループ(以下 CPC とする)において行われる製品の製
造に当り、製造作業の過失防止、相互汚染の防止をはかり、製品の品質を確保する
ために製造管理の基準を定めるものである。
2.
適用範囲
原材料入荷のための荷捌場所及び保管場所、製品の保管場所並びに製造作業の行わ
れる清浄区域、無菌区域を適用の範囲とする。
3.
責任体制
製造管理責任者が CPC における製造管理に関する責任と権限を有する。
4.
作業室、設備及び器具等の製造管理に関する事項
4-1 製造及び保管管理エリア並びに必要な機械器具の指定
<平面図>
<リスト>
図中
部屋名
製造区分
保管管理区分
室圧
グレード
前室
製造支援
<荷捌き>
-
なし
-
なし
+10~
D
使用機器
番号
①
開梱、検収
②
更衣室
製造支援
<材料保管>
殺菌線消毒ロッカー(保管)
1 次更衣保管
③
エントランス
製造支援
なし
15 Pa
④
モニタリング室
製造支援
なし
+10~
D
15 Pa
⑤
⑥
1 次ガウニング室 製造支援
サプライ室
製造支援
なし
+20 Pa
C
<材料保管>
+25 Pa
A
バイオハザードキャビネット(製造)
B
消耗品保管棚(保管)
清拭一時保管
試薬・消耗品保管
滅菌衣保管棚(保管)
調製試薬保管
薬用保冷庫(保管)
2 次更衣保管
⑦
2 次ガウニング室 製造支援
なし
+35 Pa
B
⑧
細胞調整室(1) 製造管理
<中間体保管>
+15 Pa
A
バイオハザードキャビネット(製造)
B
CO2 インキュベータ(製造)
細胞培養液保管
薬用保冷庫(保管)
冷却遠心機(製造)
⑨
細胞調整室(2) 製造管理
<中間体保管>
±0 Pa
細胞培養液保管
A
バイオハザードキャビネット(製造)
B
CO2 インキュベータ(製造)
薬用保冷庫(保管)
冷却遠心機(製造)
⑩
⑪
デガウニング室
製造支援
なし
-15 Pa
C
オートクレーブ室 製造支援
なし
+10~
C
15 Pa
⑫
細胞保存室
製造支援
<参考品保管>
±0 Pa
C
超低温フリーザ(保管)
参考品保管
4-2
試薬・消耗品等の入荷(検収)、入庫、出庫時の注意事項(先入先だし)
1) 荷捌きエリア(前室)
・外梱包(ダンボール等)は前室にてはずす。
・検収作業は前室にて行う(購買管理基準書参照)。
・消毒用エタノールでの清拭は前室及びエントランスにて行う。
2) 材料保管エリア(更衣室、サプライ室)
・試薬・消耗品はサプライ室で適切な温度管理のもと保管する。
・1 次更衣は更衣室、2 次更衣はサプライ室で保管する。
・先入れ先出しを行う。
・細胞調製室に入庫する場合は、消毒用エタノールでの清拭を行った上でパスボッ
クスを介して行う。
4-3
製造依頼の受付に関する事項
製品受領者からの製造依頼は、症例の受付に関する手順書に定められている手順に
従い受け付ける。依頼毎に症例 ID を付与し、製造中は症例 ID を使用する。
4-4
製品搬出時の注意事項
搬出判定に関する手順書で定めている管理責任者による手続きが完了した後でなけ
れば、製品の搬出を行うことはできない。不適合が発生した場合、不適合管理基準
書に従い処置を行う。
4-5
作業区域内への立ち入り制限に関する注意事項
作業区域内には、その作業に従事する作業者以外立ち入りを制限する規定を設け(衛
生管理基準書参照)、必要に応じ物理的に侵入できないようにするとともに、入り口
にその旨を表示する。
4-6
作業員の作業管理に関する事項
作業中に異常が発生した場合、作業員は直ちに製造管理責任者に報告する。詳細は、
異常発生時の対応についての手順書に定める。
4-7
秤量、工程内管理、工程内検査、汚染管理に関する事項
秤量、工程内管理、工程内検査、汚染管理を的確に行えるよう、製品標準書及び関
連文書を作成し、実行する。このため、教育訓練責任者は教育訓練基準書に従い作
業員に教育訓練を行う。
4-8
製造番号に関する事項
取り違い防止およびトレーサビリティ確保のため、原材料、中間体、最終製品、品
質試験用サンプル、参考品、凍結保存細胞に製造番号を付与することで管理する。
また、CPC 内で調製する試薬及び滅菌する培養容器にはロット番号を付与すること
で管理する。詳細は、製造番号及びロット構成に関する手順書に定める。
4-9
製造状態の表示に関する事項
各インキュベータには製造中の製品の症例 ID を表示する。
4-10 包装に関する事項
包装に関する手順書に定める方法により包装した製品は、エントランスで専用搬送
容器に収める。取り違えを防止するため、患者 ID を搬送容器外側にも表示する。
4-11 通知書及び受領書に関する事項
製品の引渡しに際し、当該製品に関する情報を通知するために搬出通知書を発行す
る。また、製品の引渡し確認のために受領書を発行し、担当医の署名を得る。詳細
は、通知書及び受領書の発行に関する手順書に定める。
4-12 製造設備及び器具の点検事項(校正含む)
製造設備及び器具は、設置時に予測的バリデーションを行い、また、定期的に校正
を行い、適切に作動していることを確認しておく。不適切な場合は修理を行い、適
切な作動を確保する。詳細は製造・衛生管理に使用する機器の点検整備及び校正に
関する手順書に定める。
計測機器は、総合的に管理する必要がある。全ての計測機器を校正する必要はなく、
工程の要求する精度により、その要否を決定する。
定期点検 ··············工程部門(委託も可)
日常点検 ··············使用部門
校
正 ··············認定事業者
① 校正の定義
計測器を標準器又は標準試料と比較し、その誤差が工程で要求される基準以内で
あることを確認する。(バリデーション総論)
② 計測器のトレーサビリティ(Traceability)
計測器がより上位の標準器に基づいて校正が行われ、公的標準器に繋がる経路が
確立していること。
常用標準
企業標準
国家標準
国際標準
許容幅
③ 工程管理規格と計測機器の選定方法
計測機器の精度と工程管理の許容幅
±2σ(計測器の精度)
UR(不確定比)=
±制御パラメータの許容幅
一般に、UR は 1/4 以下が適切である。
期待値
④ 計測機器の選定
操作管理範囲
不適合
不適合
50 51.25
55
58.75
60 ℃
制御パラメータ:温度 50-60℃
±5℃
計測器の精度:1/4UR=±1.25℃、これ以上の精度の温度計を使用する。
5.
製造に従事する要員に関する事項
製造に携わる要員は「教育訓練基準書」に基づき教育・訓練及び認定を受けた者でなけ
ればならない。認定の有無は作業員力量表に示す。
6.
製造の記禄に関する事項
製造指図記録書(様式 CPC-A1-1)は製造における文書化された手順、文書化された要
求事項、作業指示書であり、且つ記録用紙としても使用される。作業担当者は製造指
図記録書に従って各工程の作業を行い、製造指図記録書に結果を記録する。作業終了
後に、担当者は記入漏れ、記入ミス等が無いことを確認し、確認欄にサインする。記
入した製造指図記録書は、工程毎に製造管理責任者が承認し、症例ファイルにまとめ
る。
7.
作業区域への入室に関する事項
入退室管理に関する手順書、手洗いに関する手順書に従い作業区域へ入室する。清浄
管理区域への入室に関しては、CPC 管理区域内入退室記録(様式 CPC-B2-01)に記
録する。
搬出判定に関する手順書
(CPC-B1-01)
1.目的
全ての工程が手順書に基づいて適切に行われていることを確認するとともに搬出判定基準
に基づき、搬出の是非を決めるための手順を定める。
2.適用範囲
当施設内で製造された全ての製品について適用する。
3.責任体制
この手順書は製造管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認する。
搬出の判定は管理責任者が行う。
4.遵守事項
4-1 グループ長は、管理責任者(判定者)に、手順書に基づき、製造管理及び品質管理の結
果を評価し、製品の搬出の可否を決定する業務を行わせなければならない。
4-2 判定者は、その業務を遂行出来る能力を有するものでなければならない。
4-3 グループ長は、判定者が業務を遂行するに際して、支障が生ずることが無いようにしな
ければならない。
4-4 管理責任者は、搬出可否の判定が完了するまで、製品を搬出してはならない。
5.手順
5-1 製品受領者要求事項(品目、サイズ、数量)を満たしていることを、症例依頼書と照合
して確認する。
5-2 品質試験成績書内容を確認する。試験内容に不適合があった場合は,判定書の「不適」
を選択し,不適合処置記録を参照して特別採用の有無を確認する。
5-3 製造指図記録書を確認する。製造工程において不適合があった場合は,判定書の「不
適」を選択し,不適合処置記録を参照して特別採用の有無を確認する。
5-4 結果を総合して,搬出の可否判定を行う。搬出可と判定した場合,判定書の「適」を選
択し,担当者に搬出の指示を出す。
6.記録の様式
様式 CPC-B1-01-1
搬出判定書
異常発生時の対応についての手順書
(CPC-B1-02)
1.目的
CPC での異常発生時の対応に関する手順を記す。
2.適用範囲
CPC において異常が発生した場合に適用する。
3.責任体制
製造管理責任者が、 CPC の異常発生時の対応についての責任と権限を有する。
4.異常発生の規定
以下の5種類のカテゴリーについての対応を規定する。
カテゴリー分類:A.設備 B.機器 C.作業者 D.停電 E.環境評価
5.異常確認者の初期行動
①製造管理エリア以外において異常を確認した場合(モニタリングシステムによる検知を含む)
・速やかに製造管理責任者に連絡する。
・製造管理責任者が指名した者が入退室管理に関する手順書に従い CPC 内に入室し、状況
確認を行い、一次対応後、必要に応じて保全記録または Log Book に記録する。
・製造管理エリアに作業者が居るときは製造管理責任者が内線電話にて伝え、対応させる。
②製造管理エリアにおいて異常を確認した場合
・速やかに製造管理責任者に連絡する。
・原因を調査して改善されれば作業を継続する。
・改善が見られない場合は、製造管理責任者に連絡する。
・作業終了後、必要に応じて保全記録または Log Book に記録する。
③自動通報装置により、携帯電話にて異常を確認した場合
・製造管理責任者が異常の状況を判断する。至急の対応が必要であると判断された場合は、
製造管理責任者または製造管理責任者が指示した者が、研究所に来所し、状況確認を行
い、一次対応後、必要に応じて保全記録または Log Book に記録する。
6.異常状況と一次対応
<A.設備>
環境(温度、室圧、清浄度)が設定範囲外になった場合
•
温 度
1) 更衣室の配電盤に空調機器異常ランプが点灯
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
2) 設定温度が異なる
→設定温度に戻して様子を見る
•
室 圧
1)ドアが閉まっていなかった
→ドアを閉めて様子を見る
2)更衣室の配電盤に空調機器異常ランプが点灯
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
清浄度
1)ドアが閉まっていなかった
→ドアを閉めて様子を見る
2)エアロゾル(アルコール噴霧など)が発生した
→そのまま運転を続けて様子を見る
3)更衣室の配電盤に空調機器異常ランプが点灯
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
蛍光灯・殺菌灯が切れた場合
→非作業時を設けて、新しいものに交換する
炭酸ガス濃度警報が鳴った場合
→製造管理責任者に連絡し、濃度が高くなっている区域には入らない
<B.機器>
CO2 インキュベータ異常発生時
•
庫内温度異常
1) 扉が開いている
→扉を閉めて様子を見る
2) 試料の出し入れを頻繁に行った
→しばらく様子を見る
3) 設定温度が間違っている
→37℃に設定して様子を見る
4) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
•
CO2 濃度異常
1) 扉が開いている
→扉を閉めて様子を見る
2) 試料の出し入れを頻繁に行った
→しばらく様子を見る
3) 設定濃度が間違っている
→5%に設定して様子を見る
4) 加湿バットの水がない
→加湿バットに滅菌精製水を注水して様子を見る
5) 機器内外のチューブが外れている
→ボンベの元栓を閉じ、チューブを接続し直すか、新しいものに交換する
6) 炭酸ガスオートチェンジャーが正しく動作していない
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
7) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
その他の異常
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
安全キャビネットの異常発生時
•
ファンが回らない
1) 電源が入っていない
→電源を入れる
2) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
前面シャッタの警報が鳴る
1) 前面シャッタが規定の高さ以上に開いている
→規定の高さに戻す
2) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
蛍光灯が点灯しない、チカチカする
1) グローランプ、蛍光灯が切れている
→新しいものに交換する
2) ブレーカが OFF になっている
→ON にする
3) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
殺菌灯が点灯しない、チカチカする
1) グローランプ、殺菌灯が切れている
→新しいものに交換する
2) ブレーカが OFF になっている
→ON にする
3) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
その他の異常
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
フリーザ付薬用保冷庫異常発生時
•
庫内温度異常
1) 扉が開いている
→扉を閉めて様子を見る
2) 試料の出し入れを頻繁に行った
→しばらく様子を見る
3) 設定温度が間違っている
→設定し直して様子を見る
4) その他
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
•
その他の異常
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
遠心機異常発生時
•
ドアが開かない
→ロックを手動で解除する
•
•
エラーコードが表示される
1) E18 と表示される
→試料のバランスをとりなおす
2) その他の表示
→取扱い説明書に従い処置を行う
その他の異常
→製造管理責任者に連絡し、メンテナンスを受ける
<C.作業者>
•
怪我による出血があった場合
→速やかに作業を中止し、感染防止に関する手順書に従う
•
作業中、無塵衣が破れた場合
→速やかに作業を中止し、退出する。
<D.停電>
•
停電の場合
落雷などによる瞬時停電に対しては、主要機器(インキュベータ、安全キャビネット等)、
空調設備などは自動的に復帰する。CPC 内作業中に瞬時停電が起きた場合は、一時作業を
中断し、機器の動作状況を確認の上、問題がなければ作業を継続する。長時間の停電の場
合は、作業を中断し、CPC を退出する。
<E.環境評価>
•
環境モニタリングシステムのエラー発生時
製造管理責任者が異常の状況を判断し、一次対応する。
上記以外の異常事態が発生した場合には、すみやかに製造管理責任者に連絡し、報告する。
症例の受付に関する手順書
(CPC-B1-03)
1.目的
当施設で製造する製品に関し、製品受領者から依頼を受け付ける際の手順を定める。
2.適用範囲
本 CPC 施設への製造依頼に適用する。
3.責任体制
本手順書は、製造管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するものと
する。
4.遵守事項
品質マニュアル、製品標準書、製造管理基準書に基づき、手順書を遵守する。
5.手順
5-1.製品受領者からの培養依頼は製造管理責任者が症例依頼書(様式 CPC-B1-03-1)
によって受け付け、症例依頼書に確認印を押す。
5-2. グループ長は、患者が下記の条件を満たしていることを確認する。
1) 本治療の適用が妥当と判断された者であること
(妥当性の判断は製品受領者がおこなう)
2) インフォームドコンセントを受け、この研究に同意した者であること
3) 感染症検査マイナスであること
*2)は同意書の写し、3)は感染症検査結果の写しを入手する
5-3.製造管理責任者は症例依頼書に基づいて培養のシミュレーションを行い、必要
細胞数、培養フラスコ数を概算する。また、製造に必要な培地量、骨髄採取量
も概算する。
5-4.製造管理責任者の培養シミュレーション結果をふまえてグループ長は各責任者
と協議し、受け入れの可否、時期などを決定する。受け入れ可能と判断された
場合、グループ長は症例依頼書に確認印を押す。
5-5.受け入れの可否は製造管理責任者がメールなどで製品受領者に連絡する。
5-6.管理責任者は症例 ID を付与し、症例依頼書に確認印を押す。製品受領者と当グ
ループとのやりとりは患者 ID を使用し、グループ内では症例 ID を使用する。
5-7.製造管理責任者は登録症例ファイルの症例登録用紙(様式 CPC-B1-03-2)に各項
目を記載し、症例依頼書に登録確認印を押す。また製造管理責任者は、症例依
頼書のコピーをとり、製造指図記録書(様式 CPC-A1-1)とあわせて症例ファイ
ルを作成する。症例依頼書原本、患者同意書の写しおよび感染症検査結果の写
しはファイルにまとめ、グループ長が施錠可能な保管庫で管理する。
5-8.グループ長は、作業員力量表および感染症検査を含む健康診断結果を考慮し、
製造部門より担当者2名(主、副)、品質管理部門より担当者1名を任命する。
5-9.症例の担当者、使用基材、同意書の有無、感染症検査結果等を症例概要(様式
CPC-B1-03-3)に記載し、症例ファイルに綴じる。
5-10. 部門責任者は当該部門の担当者に症例の概要を説明する。
6.記録様式
様式 CPC-B1-03-1
症例依頼書
様式 CPC-B1-03-2 症例登録用紙
様式 CPC-B1-03-3
症例概要
製造番号及びロット構成に関する手順書
(CPC-B1-04)
1、目的
受け入れた原材料が製造工程に供されるにあたり、取り違いなどの事故を避ける
ために、受入から搬出まで製品特有の製造番号を付番する。さらに本 CPC 内で調
製・分注される試薬等にはロット番号を付番する。その付番方法の手順を記述す
る。
2、適用範囲
本 CPC 施設内で調製される製品・中間体等すべてに適用する。
3、責任体制
本手順書は、作業担当者が作成し、管理責任者が承認するものとする。
4、遵守事項
品質マニュアル、製品標準書の記載を守り、取り違い事故の防止とトレーサビリ
ティを確保する。
5、製造番号構成
CPC が受入を行った原材料について、その原材料、中間体、最終製品、品質試験
用サンプル、参考品、凍結保存細胞の製造番号付番の方法は下記の通りとする。
5-1 出発原料から中間体の製造番号付番
1)製造番号は 3 つのブロックとする。
2)最初のブロックは症例 ID を付番する。
症例 ID は 9 桁の英数字を用い、
年(西暦の下 2 桁)、
年通し番号
(01、
02、03、
・
・
・)
、
共同研究先を示す記号(例:奈良医大:N)
、細胞を播種する基材を示す記号(例:
人工関節:K)
、患者の年齢(2 桁)
・性別(男性であれば M・女性であれば F)
の順とする。
3)2 つ目のブロックには培養に用いた血清種(例:自己血清:A、FBS:F)、継代
数(Primary culture:0、Primary culture を継代したもの:1、1 を継代したもの:
2、2 を・・・)を付番する。
4)培養フラスコが2つ以上に分かれる場合は、フラスコ番号を最後に付記する。
付番例
2005 年、年通し番号:01、共同研究先:奈良医大、基材:人工関節、
患者年齢:70 歳、女性
血清種:自己血清、継代数:0
フラスコ番号:1
0501NK70F-A0-1
5-2 最終製品の製造番号付番
1)製造番号は 2 つのブロックとする。
2)最初のブロックは症例 ID を付番する。
3)培養容器等が2つ以上に分かれる場合は、明確に製品を区別できる語を最後に
付記する。
付番例
0501NK70F-脛骨側
5-3 品質試験のために持ち出すサンプルへの製造番号付番
1)品質試験サンプルの製造番号は 2 つのブロックとする。
2)最初のブロックは症例 ID を付番する。
3)2 つ目のブロックには検査番号を付番する。
検査番号の詳細はサンプリングに関する手順書を参照する。
付番例
0501NK70F -検査 I
5-4 参考品の製造番号付番
1)参考品の製造番号は 2 つのブロックとする。
2)最初のブロックは症例 ID を付番する。
3)2 つ目のブロックには参考品番号を付番する。
参考品番号の詳細は参考品の採取及び保管管理に関する手順書を参照する。
付番例
0501NK70F -参考品(1)
5-5 凍結保存細胞の製造番号付番
1)凍結保存細胞の製造番号は 3 つのブロックとする。
2)最初のブロックは症例 ID の前 4 桁の数字を付番する。
3) 2 つ目のブロックには、培養に用いた血清種、継代数を付番する。
血清種(例:自己血清:A、FBS:F)
継代数(Primary culture を回収したもの:1、1 を培養した後回収したもの:2、
・・・)
(01、02、03、
・・・)
4)3 つ目のブロックにはチューブ別に番号を 2 桁で付番する。
付番例
0501-A1-01
6、ロット構成
本 CPC 内で調製・分注される試薬および滅菌される培養容器等にはロット番号を
付番する。
6-1 調製・分注される試薬のロット付番
1)ロット番号は 3 つのブロックとする。
2)最初のブロックは試薬名(ラベル記載名)を記載する。
試薬一覧(カッコ内はラベル記載名)
TrypLE Select (TrypLE Select)
β-Glycerophosphate (BETA-GP)
Vitamin C phosphate (Vit.C)
Dexamethasone (Dex)
TC protector (TC protector)
Heparin/PBS (Heparin/PBS)
FBS (FBS)
3)2 つ目のブロックには調製年月日を 6 桁で付番する。
(西暦の下 2 桁、月、日)
4)3 つ目のブロックにはチューブ別に番号を 2 桁で付番する。
(01、02、03、
・・・)
付番例
Dex-050401-01
6-2 滅菌容器等のロット付番
1)ロット番号は 2 つのブロックとする。
2)最初のブロックは滅菌年月日を 6 桁で付番する。
(西暦の下 2 桁、月、日)
3)2 つ目のブロックには包装別に番号を 2 桁で付番する。(01、02、03、・・・)
付番例
050401-01
7、トレーサビリティに関する事項
別紙のトレーサビリティ体系図(図 1)に示す。
図 1. トレーサビリティー体系図
通知書及び受領書の発行に関する手順書
(CPC-B1-05)
1.目的
当施設で製造された製品の引渡しに際し、内容物の説明や使用上の注意等を明記した通知書の
発行および製品受領者に製品を引き渡したことを確認する受領書を入手するための手順を定
める。
2.適用範囲
当施設で製造された製品の引渡しに関する通知書および受領書の発行に適用する。
3.責任体制
管理責任者が通知書および受領書の発行に関して責任と権限を有する。
4.遵守事項
製造管理基準書を遵守する。
5.手順
5.1 通知書発行の手順
管理責任者は搬出日までに下記項目について確認を行い、それらを明記した搬出通知書を作成
する。搬出当日に製品と共に製品受領者に通知書を渡す。
通知内容は以下の通りとする。
1) 患者 ID
2) 製品名
3) 内容物について
4) 使用上の注意
5) 搬送容器等返却方法
6) 当施設連絡先
7) その他連絡事項
5.2 受領書入手の手順
管理責任者は搬出日までに受領書を作成する。搬出当日に製品・通知書を製品受領者に渡し、
受領書に署名してもらう。署名入り受領書は文書・記録管理基準書に基づき症例ファイルに保
管・管理する。
6.記録様式
様式 CPC-B1-05-1 搬出通知書
様式 CPC-B1-05-2 受領書
包装に関する手順書
(CPC-B1-06)
1、目的
製品を安全・確実に搬送するため、また取り違えや生物学的汚染を防ぐために包
装を必要とする。その搬出工程での包装手順を記述する。
2、適用範囲
本 CPC 施設から搬出される製品に適用する。
3、責任体制
本手順書は、製造管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するもの
とする。
4、遵守事項
品質マニュアル、製品標準書の記載を守り、取り違い事故と汚染の防止を確保す
る。
5、包装手順
5-0.製品に付属するパーツ等がある場合は基材播種時に滅菌シーツ、さらにその上
をアルミホイルで包装し、症例 ID と付属パーツであることを記載したビニール
テープを貼り付け、搬出まで安全キャビネット内で保管する。
5-1.容器のフタが完全に閉まっていることを確認する。
5-2.包装の必要があるものは容器を一つずつ滅菌シーツで包装し、ビニールテープ
でシーツを固定する。
5-3.製造番号及びロット構成に関する手順書に基づき、製品に症例 ID 等を記載する。
5-4.搬出する製品等を調整室から持ち出し、製造管理責任者に引き渡す。
これ以降の作業は製造管理責任者がおこなう。
5-5.製品の症例 ID を患者 ID に変換し、専用搬送容器にも患者 ID を付与する。
5-6.エントランスにて製品標準書に基づき製品等を専用搬送容器に梱包する。
5-7.専用搬送容器のふたを閉め、確実に閉まっていることを確認する。
5-8.グループ長または管理責任者に専用搬送容器を引き渡す。
製造・衛生管理に使用する機器の
点検整備及び校正に関する手順書
(CPC-B1-07)
1. 目的
CPC の製造及び衛生管理に使用する機器についての点検整備及び校正に関する手順を記す。
2. 適用範囲
CPC において製造及び衛生管理に用いられる機器に適用する。
3. 責任体制
製造管理責任者が CPC の製造及び衛生管理に使用する機器の点検整備と校正に関する責任
と権限を有する。
4. 遵守事項
品質マニュアル、製造管理基準書、衛生管理基準書の記載を守り、トレーサビリティを確保
する。
5. 機器管理
5-1. 機器管理台帳
製造管理責任者は、製造・衛生管理に使用する機器に関する以下の項目を確認し、機器
管理台帳(製造・衛生機器リスト)に登録する。メーカー、校正委託先、ディーラーは
購買管理基準書に従い評価を行ってから登録する。機器管理台帳の更新の際は、管理責
任者の承認を得る。
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品名
型式
シリアル番号
メーカー
校正委託先
ディーラー
設置場所
資産番号
点検または校正の必要性(必要ならばその頻度および内容)
保守担当者
なお、機器を使用して得られる結果が製品の品質に大きな影響を与える機器を重点管
理機器として定め、機器管理台帳(製造・衛生機器リスト)に明記する。重点管理機
器は委託先による定期点検または定期校正の他に内部基準による点検も実施し、頻回
な点検により機器異常の早期検出を図るものとする。
5-2.
Log Book
製造管理責任者は、機器管理台帳へ登録された機器に対する Log Book を作成する。
Log Book は機器の保守履歴を記録するものであり、以下のように使用する。
・製造管理責任者は、作成時に点検・校正の区別、管理幅、頻度およびその方法につい
て記入する。
・担当者は、本手順書に従って機器の点検・校正及び修理を行い、部品の交換等の結果
を Log Book に記録する。報告書等があれば、その旨記録し、文書番号等を記入する。
代替機を手配した場合も添付書類のコピーを取り、同様に記録する。
・担当者は、機器の不具合等を発見した場合、その内容と対応を Log Book に記録し、製
造管理責任者に報告する。
・担当者は、機器の修理、部品等の交換を記録する。
・製造管理責任者は、Log Book の記入結果を確認する。(年1回)
6. 点検・校正手順
6-1. 点検・校正の種類
点検整備は、日常点検、定期点検、定期校正に分けられる。
日常点検:使用前に Logbook に記載されている点検項目を確認する。
定期点検:機器管理台帳(製造・衛生機器リスト)に記載されている頻度で、担当者ま
たは当該機器メーカー(委託先)が実施する。
定期校正:機器管理台帳(製造・衛生機器リスト)に記載されている頻度で、委託先が
実施する。
6-2. 点検・校正の実施
担当者は Log Book に従い、点検・校正を行う。
6-3. 点検・校正委託
1)事前打ち合わせ
担当者は、直接やりとりを行うディーラー及び点検・校正委託先が、購買先リストに
登録されていることを確認する。
発注前に、委託先へ点検・校正内容を問い合わせ、製造管理責任者を中心に内容を文
書またはメールにて確認する。また提出依頼書類、代替機の手配等についても打ち合
わせておく。確認した書類は、文書番号をつけ Log Book と共に保管する。
2)提出依頼書類
点検については、メーカーの点検報告書を入手する。
校正については、校正証明書もしくはそれに類する書類を入手する。書類は JCSS 標
章または JCSS 認定シンボル付のもの、もしくは以下の内容を含むものとする。
・校正実施日 ・校正実施場所
・試験条件 ・作業者
・校正に使用した標準 ・上位標準(国家標準)へのトレーサビリティ体系図
3)代替機の依頼
代替機が必要な場合は手配を行い、提出依頼書類と同等のものを添付するように依頼
する。
4)発注
購買先リスト及び実施計画の内容を確認後に発注する。発注は物品購入台帳に入力す
ることで行う。
5)点検・校正の確認(検収および検証)
点検・校正を外部委託した場合は、担当者が検収し、購買管理基準書に従い提出依頼
書類に問題がないことを検証する。検収・検証の結果は物品購入台帳に入力する。
・ 検収検証の不適合(発注内容通りでない、書類不備など)の場合は不適合管理基準
書に従い処理する。
・ 管理幅の逸脱が判明した場合は 7. 不具合発生時の処置に従い、それまでの測定結
果について妥当性評価を行う。
6-4. 点検・校正の実施記録
定期点検・定期校正を行った機器は、Log Book に経緯および検収日、有効期限(次回実
施予定日)を記載する。また、添付文書が有る場合は文書番号を記載する。点検・校正
の有効期限は各機器またはその近傍にも明示する。
7.不具合発生時の処置
製造および衛生管理に用いる機器に関して、管理幅の逸脱・故障の発生等の機器の不具
合が判明した場合には、以下の処置を行なう。
1)Log Book に不具合の判明日、内容を記録し、製造管理責任者に報告する。
2)定期点検時に不具合が判明した場合は、是正処置管理基準書に基づき処置の実施と記
録を行う。作業工程内での不具合は、不適合管理基準書に基づき処置の実施と記録を行
う。
3)当該機器の近傍に他の使用者への伝達事項(使用停止について、代替機について、使
用上の注意など)を明示し、製造管理責任者に報告する。
8.修理
修理作業は、基本的には当該機器のメーカーに委託し、実施する。
修理に際し、点検・校正も同時に行う場合には 6-3.点検・校正委託の手順も参考にする。
8-1. 修理委託手順
担当者は、直接やりとりを行うディーラー及び当該機器のメーカー(修理作業をメーカ
ー以外に委託する場合は、その委託先)が購買先リストに登録済みであることを確認し
発注を行なう。必要な場合は、代替機を依頼する。Log Book に経緯、修理期間中の代替
手段を記載する。
8-2. 修理の確認
修理完了の際は、購買管理基準書に従い担当者が当該機器および報告書に問題がない事
を確認(検収・検証)する。入手した報告書類は文書番号をつけ、Log Book と共に保管
する。Log Book に検収日、文書番号を記載する。点検・校正も行った場合は有効期限を
再設定する。
9.記録とその様式
様式 CPC-B1-07-1 機器管理台帳(製造・衛生機器リスト)
様式 CPC-B1-07-2 Log Book(製造・衛生)
保全に関する手順書
(CPC-B1-08)
1.目的
CPC 施設の保全に関する手順を定める。
2.適用範囲
CPC 施設の保全に適用する。
3.責任体制
作業担当者が作成し、管理責任者が承認する。
4.遵守事項
品質マニュアル、製造管理基準書、文書・記録管理基準書を遵守する。
5.保全に関する手順
保全項目を以下の 3 種類に分類する。
a.日常点検
b.定期点検
c.定期交換
a.日常点検(1 日~1 週間)
モニタリング室 :環境モニタリングシステムにアラームの発生がないことを確認する。
⇒アラームの発生がある場合、異常発生時の対応に関する手順書を参照。
更衣室
:動力電源制御盤に異常ランプ点灯がないことを確認する。
⇒ランプ点灯の場合、異常発生時の対応に関する手順書を参照。
温度・インバーターの値が適正値であることを確認する。
CPC 施設内
:照明器具、殺菌灯の点灯を確認する。
天井、壁面上部の水漏れ、結露がないかを確認する。
床シート、パネル結合コーキングなどにひび割れ、破れがないことを確認
する。
エアータイトドア、パスボックスの機密性を保つパッキンの劣化がないこ
とを確認する。
(硬化、はずれ、破れなど)
空調機から異音発生がないかを確認する。
ボンベ庫
:CO2 ガスボンベの残量(一次圧)を目視にて確認する。
⇒アラート値を下回っている場合、速やかに業者に発注する。
b.定期点検(3 ヶ月~6 ヶ月)
機械室
:外気処理空調機のプレフィルターを洗浄する。
(3 ヶ月毎)
c.定期交換
機械室
CPC 施設内
:外気処理空調機の中性能フィルターの交換(業社へ依頼)
交換時期⇒12 ヶ月毎
ファンベルトの交換(業者へ依頼)
交換時期⇒12 ヶ月毎
:殺菌灯の交換
交換時期⇒12 ヶ月毎(委託清掃前に実施)
パーティクルセンサーのポンプ部品交換(業者へ依頼)
交換時期⇒12 ヶ月毎
空調機器点検・消耗品交換(業者へ依頼)
点検交換時期⇒12 ヶ月毎
照明器具の交換(業者へ依頼)
交換時期⇒36 ヶ月毎
HEPA フィルター交換(業者へ依頼)
交換時期⇒36 ヶ月毎
パーティクルセンサーの半導体レーザーの交換・校正(業者へ依頼)
交換時期⇒清浄度異常発生時または環境モニタリングシステム校正時
6.記録とその様式
様式 CPC-B1-08-1 保全記録