~講演概要~ テーマ:「環境シミュレーション技術の紹介」 株式会社大林組 技術研究所 環境技術研究部 部長 片岡 浩人 地球温暖化と都市化にともない、ヒートアイランド現象が社会問題化し、壁面緑化や 湿潤舗装などのヒートアイランド対策が施されるようになった。これらの対策技術がどの 程度の緩和効果をもたらすのか、実際の街区形状を再現した上で予測するシミュレー ション技術を紹介する。また同技術の延長として、周辺緑地情報を衛星データから収集 し、野鳥の行動範囲(バードネットワーク)を評価した事例についても紹介する。 テーマ:「レーザー核融合とその応用分野における多階層複雑物理の シミュレーション」 大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター 准教授 長友 英夫 物質に高強度レーザーを照射した場合、表面が瞬時にプラズマ化するとともに高圧 状態となるレーザーアブレーション現象が発生する。この現象は、プラズマ流体、熱伝 導、光(レーザー、輻射輸送)、状態方程式、原子過程などに支配され、時間、空間 スケールの変化も大きい極限状態となり、それらを考慮した複雑物理シミュレーションが 必要である。スーパーコンピュータを活用したレーザー核融合研究、および応用研究の 展開も含め紹介する。 テーマ:「NECのベクトルコンピューティングへの取組」 NEC ITプラットフォーム事業部 第四IT基盤統括部 部長 愛野 茂幸 グリーンプラットフォーム研究所 主任研究員 荒木 拓也 SX-ACEは世界トップレベルのCPU性能、メモリバンド幅により、高い実効性能と 省エネルギーを実現したシステムであり、研究機関や企業での活用が進んでいる。また NECでは、社会基盤の高度化などベクトルコンピューティングの適用拡大を視野に、 次世代システム開発に着手している。講演では、アーキテクチャ面とともに、新たな応用 事例として、ビッグデータ分析向けのミドルウェア研究についても紹介する。これは行列 演算が支配的となる機械学習等のデータ分析を対象に、ベクトル処理による高い性能 を、MPIを意識せずに容易に利用可能とするものである。
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