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人物
ム
銀 いよ金融教室 ]第 63回 :少 量 多品種 の安 定供給
日本銀行松 山支店長 真鍋 正臣氏
2016● 01月 27曰
律 媛 新 聞 ∈4編 集 係 )
四国山地と瀬戸内海 、宇和海とに囲まれた愛媛県 は、平野が少ないこともあつて、小規模で点在する多くの山海 の幸 に意まれている。少量 多品
種の産物の代表例として筆者の思いつ くところでは、次の3つ が挙 げられよう。
① かんきつ類、栗、柿、桃、筍等の高級農作物、
②ハ幡浜等で水揚げされる種類豊富な魚 (Zヽ K048等 )、
③歴史ある全国トップレベルの日本酒 (46の 蔵元が存在し、ほとんどの蔵が年間生産量1
80kl以
下と小さな規模の由<愛 媛県酒造協同組合HPよ
嚇 粋 >)
筆者も、お国自慢として東京等大都市圏への生産 (日 本酒や果物中心)と する機会が多々あるが、その度必ず、相手方は驚きとともに大喜びされ
「購入したくて探したが、(数 量の制約もあって)容 易に手に入らない」と言われることが多い。このこ
る。その後しばらく経って、相手方と再開した際、
とは次の2点 を示唆している。
●この土産物は、需要が強いと見込まれることから、全国的ブランドとして確立 (ま たはプランド強化)で きる可能性が十分あること。
②ブランドを確立するためには、生産量の増加等 (増 産が困難な場合は購入者のニーズを充たす代替可能な県内産品を提供する)を 通じて、販売
数量を確保することにより、安定供給を実現する必要があること。
ブランドの確立 (ま たは強化 )の 具体策は いるいろなものが あろうが、今回はインターネット通販を利用した対応策 について言及 したい。その概要
は次のとおりである。
0イ ンターネットショップを開設し、同シヨップにおいて、購入者の用途別 (贈 答、飲食、料理・フルーツの食材)の 具体的な提案を行う。
く提案内容 >
▽贈答用 :そ の産物・製品の特徴、長所 (例 :高 級感、糖度やアルコール度数、食感等)。
▽飲食用 :そ の産物・製品とよく合う料理や飲物.
▽食材用 :そ の産物・製品を使用した具体的なレシピ。その料理の相応しい提供の場 (例
:ア ウト
ドア、友人とのパーティー等)。
②注文されたものが不足する場合は、形状やサイズが似ているもの (贈 答用)、 味や栄養成分が似ているもの (飲 食または食材用)を 提案する。
③上記の取引データ(顧 客層 <年 齢、住所、職業、趣味等 >、 取引時期、目的、価格等)を 集積するとともに、特徴を分析し、生産者に対して、先行
きの品揃えや生産方針の策定に資する観点から、フィードバックを行う。
いずれにしても、プランドを確立 (ま たは強化)す るためには、注文される産品 (代 替可能な産品を含む)に ついて、安定した供給数量を確保できる
ことが、大きな前提条件のひとつであるといえよう。